はじめに
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
- 2024/9/2
- 『ダスクモーン:戦慄の館』プレビュー!「部屋」「戦慄予示」「生存」「違和感」「兆候」新メカニズムをまとめて紹介!
先日、9月27日発売の最新セット『ダスクモーン:戦慄の館』のプレビュー配信がありました。新メカニズムもたくさん登場し、またスタンダードに新しい風が吹きそうです。
これらのカードが使えるようになるのは、9月20日(金)のプレリリースが始まるタイミングとなります。どんなアーキタイプが新しく登場するのか楽しみですね。
さて、週末の大会ではどんなデッキが活躍したのでしょうか。チェックしていきましょう!
9/1(日)『THE LAST SUN 2024 スタンダード予選』
まずは、晴れる屋TC東京にて開催された『THE LAST SUN 2024 スタンダード予選』の結果から見ていきましょう。
ちなみに今年の『THE LAST SUN 2024』のフォーマットは、スタンダードとモダンで開催されます。
9/1(日)『THE LAST SUN 2024 スタンダード予選』
優勝 ボロスコントロール
準優勝 ゴルガリミッドレンジ
トップ4 ボロスコントロール
トップ4 ラクドスリザード
トップ8 《碑出告と開璃》
トップ8 ジェスカイコントロール
トップ8 ディミーアミッドレンジ
トップ8 ファルコンギャンビット
見事優勝し、『THE LAST SUN 2024』への切符を手にしたのは、強豪プレイヤーである中道 大輔さんでした。
中道さんといえば、ここ1年は白単・赤単・ボロストークン・ボロス召集といったアグロ寄りの横並びデッキを好んで使っているイメージですが、今回はボロスコントロールを選択しています。
ボロスコントロール
『マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2024』を優勝したデッキと似た構築ですが、中道さんのデッキは《忠義の徳目》を採用せず、代わりに《跳ねる春、ベーザ》を4枚採用しています。
《跳ねる春、ベーザ》はライフ回復とブロッカーの用意を同時にこなせるコストパフォーマンス抜群のクリーチャーです。横並べしたトークンを《忠義の徳目》で強化しながら攻撃するというフィニッシュ手段を手放す代わりに、メインからアグロデッキに対して強く戦える構築を目指したようですね。《塔の点火》《稲妻のらせん》といった軽い除去も各4枚ずつの採用です。
また、《忠義の徳目》を不採用としたことで2/2の騎士・トークンを出すという2ターン目の選択肢がなくなりました。除去と同時に2/2の騎士を構える動きは強かったものの、このデッキにおいては《人参ケーキ》を積極的にプレイして占術をした方が価値が高いかもしれません。
《優雅な談話室》と《沈んだ城塞》という確定タップイン土地も4枚ずつ計8枚の採用。序盤はタップイン処理に追われることになるでしょう。1マナでプレイできる《塔の点火》が輝いて見えますね。
《世話人の才能》《ウラブラスクの溶鉱炉》といったあらかじめ設置しておきたい3マナの置き物シリーズも、このデッキであれば目をつぶって3ターン目に強気のプレイができそうです。
アグロデッキ相手には大きな隙を見せることになりますが、4ターン目の《跳ねる春、ベーザ》、5ターン目の《太陽降下》で一気に逆転を狙うことができます。これらの替えが効かないカードを探すために、フル採用した《優雅な談話室》の諜報が活きてくることでしょう。
サイドボードには軽めの全体除去、置き物破壊、墓地対策が各3枚ずつ採用されていて、隙を見せません。
しいていうなら、打ち消しがない遅いデッキであるため、ランプデッキとは相性があまりよくなさそうです。ただし、現スタンダード環境はアグロデッキが多く、ランプデッキは数を減らしているため、メタゲーム的にかなり合っているデッキのように感じます。
《噴水港》や《ミレックス》のような土地を強く使いたい方にもオススメのデッキです。このトークン戦略はコントロールデッキ相手にも有効に働くことでしょう。
8/30(金)『Standard Challenge 32』#1
つづいて、MOで行われた『Standard Challenge 32』の結果を見ていきましょう。30日は『Standard Challenge 32』が2回、開催されました。まずは46名が参加した1回目の結果から。
8/30(金)『Standard Challenge 32』#1
優勝 ボロス召集
準優勝 ディミーアミッドレンジ
3位 グルール雄姿
4位 ラクドスリザード
5位 版図ランプ
6位 白単ミッドレンジ
7位 グルール雄姿
8位 ジェスカイ召集
ここではアグロデッキが多く入賞し、昔ながらのボロス召集が優勝しました。準優勝のディミーアミッドレンジも《遠眼鏡のセイレーン》を4枚採用した、かなり前のめりな構築です。
ボロス召集
こちらが優勝したデッキのリストです。最近では青をタッチして《遠眼鏡のセイレーン》を採用したジェスカイ召集が主流でしたが、こちらはボロスカラーのみでまとめています。
現スタンダードにおける犯罪的行為といえば「2ターン目イーオス」ですが、《遠眼鏡のセイレーン》があろうとなかろうと、さほど決まるようなものではありません。
であれば、《ヨーティアの前線兵》を採用して「3ターン目イーオス」を狙う動きでも、けっしてデッキパワーは落ちないのではないでしょうか。むしろマナベースが安定し、色事故による敗北を回避することができそうです。
デッキを2色にすることで《ミレックス》が採用できるのも大きなポイントです。このデッキでは《戦導者の号令》も3枚採用されており、長期戦も挑める構成となっております。
サイドボードには《魔女跡追いの激情》ではなく、これまであまり見られなかった《稲妻のらせん》が採用されています。ラクドスリザードやグルール雄姿などボロス召集よりも早いアグロデッキが存在する環境であるため、《稲妻のらせん》の価値はかなり高いです。
ジェスカイとボロス、今後の召集デッキはどっちが主流になっていくのでしょうか。
8/30(金)『Standard Challenge 32』#2
つづいて、57名が参加した2回目の『Standard Challenge 32』の結果をチェックしていきます。
8/30(金)『Standard Challenge 32』#2
優勝 オルゾフブリンク
準優勝 オルゾフミッドレンジ
3位 グルール雄姿
4位 グルール雄姿
5位 ボロスハツカネズミ
6位 オルゾフミッドレンジ
7位 アゾリウスコントロール
8位 ラクドスリザード
ここではオルゾフカラーのデッキが好成績を収め、トップ8に3人を送り込みました。オルゾフ対決となった決勝はオルゾフブリンクに軍配が上がっています。
オルゾフブリンク
こちらが優勝したデッキのリストです。強いとされつつも、大会ではなかなか勝ちきれなかったブリンク型のデッキがここで結果を残しました。
ブリンクといっても、《養育するピクシー》や《星界を呼ぶ者、ゾラリーネ》は手札や墓地からパーマネントを出し直しているだけです。これらのクリーチャーを用いながら、出たとき能力でハンデスや除去といった仕事をするパーマネントを使いまわします。
使いまわしたいパーマネントは多岐に渡ります。現環境的にはクリーチャー除去ができる《魔女の虚栄》《税血の刃》あたりが頼りになりますが、どちらも確定除去ではないため、過信はできません。
盤面をコントロールしきるというよりは、アドバンテージを得ながら飛行クリーチャーたちでライフを詰めていくという堅実な戦い方を目指すデッキのようです。不要になったパーマネントは《甦りし悪夢、ブレイズ》の能力を強く使うためのエサとして最適でしょう。
ちなみに《星界を呼ぶ者、ゾラリーネ》の能力で最終カウンターが置かれて戻ってきたパーマネントは、《ギラプールの守護者》でブリンクすることでリフレッシュできます。かなり粘り強く戦うことができそうですね。
サイドボードには追加の除去やハンデス、場に出た能力を2倍にする《機械の母、エリシュ・ノーン》などを用意。このデッキには採用されておりませんが、《クチルの側衛》なども試してみたくなります。
《忘却の儀式》がローテーション落ちしたことで除去性能が落ちたことは否めませんが、《無情な法執行者》でカバーできているようです。
また、『ダスクモーン:戦慄の館』でこのデッキと相性が良い《逃げ場なし》が登場します。デメリットなしで《鱗の焦熱、ゲヴ》を処理できるのはかなり強力ですね。
将来性も高いので、気になる方はぜひ、このデッキを使ってみてください。
8/31(土)『Standard Challenge 32』
最後に、61名が参加した『Standard Challenge 32』の結果をチェックしていきましょう。
8/31(土)『Standard Challenge 32』
優勝 赤単
準優勝 グルール雄姿
3位 版図ランプ
4位 ゴルガリミッドレンジ
5位 ディミーアミッドレンジ
6位 オルゾフミッドレンジ
7位 ラクドスリザード
8位 ラクドスリザード
版図ランプが3位入賞と健闘しましたが、この大会もアグロデッキが1、2フィニッシュを決めるなど、速いデッキが優位となりました。
今、もっとも勢いにのるデッキの1つであるグルール雄姿を退け、優勝したのは赤単でした。
赤単
こちらが優勝した赤単のリストです。
もともとグルール雄姿やボロスハツカネズミのエースアタッカーは赤いクリーチャーに集中していました。それならば、「より速く、より強く」を求めて赤単アグロに帰結するのは自明の理です。
タップインは甘えと言わんばかりに、18枚の《山》が1ターン目から《僧院の速槍》を送り出します。中盤以降は《岩面村》もスムーズに使えますね。
また、従来の赤単ではほとんど見かけなかった《レンの決意》が4枚採用されています。このデッキはメインはすべての呪文が2マナ以下であり、2枚ともプレイできる可能性は高く、ほぼ2マナ2ドローとして機能しそうです。
果敢や《精鋭射手団の目立ちたがり》と相性が良いことは言うまでもありませんね。
グルール雄姿と違い、《蛇皮のヴェール》や《王のもてなし》がないため、クリーチャー除去はまともに喰らってしまいます。《多様な鼠》の能力を誘発させることで相手に先に除去を使わせて、除去されなかったクリーチャーに強化呪文を使うといった駆け引きが大切になってくるでしょう。
うかつにタップインしたところを《精鋭射手団の目立ちたがり》にオールインする戦法は健在です。
おわりに
先週につづき、全体的にアグロデッキが安定した成績を残しました。
特に採用率が高いカードとしては、グルール雄姿・ボロスハツカネズミ・赤単と、すべてのデッキに4枚ずつ採用されている《心火の英雄》と《熾火心の挑戦者》の活躍には目を見張るものがあります。
ハツカネズミたちを咎めるために、対策カードをたくさん採用した白系のデッキが増えています。それにも関わらず、勝ち続けるハツカネズミデッキのカードパワーには感服するしかありませんね。
また、オルゾフブリンクは今後の注目アーキタイプです。研究が進めば、《山賊の才能》を軸としたメガハンデスのようなデッキが登場する未来もありそうです。
今月末には『ダスクモーン:戦慄の館』の発売も控えてますし、スタンダードのメタゲームから目が離せませんね!
来週の大会結果もお楽しみに!それではまた。