大きく変動したパイオニア環境のメタゲーム
8月末の禁止制限告知により、《傲慢な血王、ソリン》と《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》が禁止に。事実上、ラクドス吸血鬼とアマリアコンボはパイオニアのメタゲームから姿を消すことになった。
これにより、《全てを喰らうもの、イグラ》を新戦力として加えたジャンドサクリファイスと《心火の英雄》などを強化して《無感情の売剣》の出来事面で投げ飛ばすラクドス果敢が一躍トップメタデッキとなった。
これまで《血管切り裂き魔》によって抑圧されていたサクリファイス系のデッキと、アマリアコンボの超回復戦略を前に尻込みをしていたアグロ系のデッキが揃って立ち位置を良くしている。
今回、147名の参加によって開催された『第15期パイオニア神挑戦者決定戦』のメタゲームはどんなものになるのだろうか。
メタゲームブレイクダウン
デッキ | 使用者数 | 使用率 |
---|---|---|
ラクドスミッドレンジ | 21 | 13.73% |
ラクドス果敢 | 20 | 13.07% |
ジャンドサクリファイス | 12 | 7.84% |
アゾリウスコントロール | 11 | 7.19% |
イゼットフェニックス | 7 | 4.58% |
5色ニヴ=ミゼット | 5 | 3.27% |
エンジェルカンパニー | 4 | 2.61% |
赤単 | 3 | 1.96% |
《異形化》 | 3 | 1.96% |
白単人間 | 3 | 1.96% |
ボロス召集 | 3 | 1.96% |
スピリット | 3 | 1.96% |
緑単信心 | 3 | 1.96% |
《奇怪な具現》 | 3 | 1.96% |
バードレジェンズ | 3 | 1.96% |
《不屈の独創力》 | 3 | 1.96% |
白単コントロール | 3 | 1.96% |
ゴブリン | 2 | 1.31% |
《無駄省き》 | 2 | 1.31% |
奇襲体レッド | 2 | 1.31% |
アゾリウスロータス | 2 | 1.31% |
アブザンパルへリオン | 2 | 1.31% |
《魂剥ぎ》 | 1 | 0.65% |
4色ランプ | 1 | 0.65% |
《陰湿な根》 | 1 | 0.65% |
緑単アグロ | 1 | 0.65% |
ボロス果敢 | 1 | 0.65% |
マーフォーク | 1 | 0.65% |
白単ブリセラ | 1 | 0.65% |
黒単ハンデス | 1 | 0.65% |
グルール機体 | 1 | 0.65% |
オルゾフ人間 | 1 | 0.65% |
バントオーラ | 1 | 0.65% |
マルドゥオーラ | 1 | 0.65% |
ロータスコンボ | 1 | 0.65% |
バントロータス | 1 | 0.65% |
イゼットドロー | 1 | 0.65% |
《奇怪な宝石》 | 1 | 0.65% |
《先祖の結集》 | 1 | 0.65% |
グルールルーカ | 1 | 0.65% |
アゾリウス人間 | 1 | 0.65% |
セレズニアランプ | 1 | 0.65% |
黒単コントロール | 1 | 0.65% |
ライブラリーアウト | 1 | 0.65% |
イゼットエンソウル | 1 | 0.65% |
ボロスコントロール | 1 | 0.65% |
《犯行現場の再現》 | 1 | 0.65% |
《地獄の樹》コンボ | 1 | 0.65% |
アゾリウスファルコン | 1 | 0.65% |
ゴルガリミッドレンジ | 1 | 0.65% |
ラクドスコントロール | 1 | 0.65% |
ディミーアコントロール | 1 | 0.65% |
グリクシスミッドレンジ | 1 | 0.65% |
アゾリウスアーティファクト | 1 | 0.65% |
《栄光の好機》コントロール | 1 | 0.65% |
合計 | 153 | 100% |
※提出されたデッキリストすべてを集計しています。
ラクドスミッドレンジ 21名(13.73%)
「吸血鬼が強いのではない。ラクドスが強いのだ」
そんな声が聞こえた気がする。今大会で21名がラクドスミッドレンジを選択し、使用率13.73%でトップメタとなった。
《税血の収穫者》と《鏡割りの寓話》の強力パッケージに加え、《ドロスの魔神》をフィニッシャーに据えるのが昨今の流行りのようだ。
《血管切り裂き魔》ほどではないが、《ドロスの魔神》もサクリファイス系のデッキを睨みつけるのに十分すぎる役割を果たすだろう。
パイオニアのベストムーブである「1ターン目《思考囲い》」はあらゆるデッキの初動を挫き、コンボ成立を遠ざける。除去とクリーチャーも高いレベルで揃っており、定番ではあるが、隙のないデッキだ。
パイオニアでは毎回のようにトップメタの座に就いているが、このデッキの強さに疑問を持つものはいないだろう。
ラクドス果敢 20名(13.07%)
ベスト・オブ・暴力。
使用者数20名、使用率13.07%と今大会、もっとも人気を集めた新生アグロデッキがラクドス果敢だ。
戦略はいたってシンプルで鋭利。《心火の英雄》や《精鋭射手団の目立ちたがり》を思う存分強化し、殴り、投げ飛ばす。それだけだ。
やや説明不足な部分があるとすれば、投げ飛ばす前に少しばかりのライフ計算をする時間が必要になるくらいのものである。
もし、失敗してしまったのなら、もう一度やり直せばいい。墓地から蘇らせて、強化し、殴り、投げ飛ばす。彼の、あるいは彼女のライフが0になるまで。
ジャンドサクリファイス 12名(7.84%)
《イグラ》が通れば勝つデッキ。
人気のラクドス2種に次いで、使用率7.84%と第3位のシェアを誇ったのがジャンドサクリファイスだ。
チャンプブロックにも定評がある《大釜の使い魔》を出し入れする動きは健在で、2匹の黒猫の姿が確認できたのであれば、《全てを喰らうもの、イグラ》で無限コンボが成立する。
強化ポイントは《全てを喰らうもの、イグラ》だけにあらず。《清掃人の才能》はあらゆる能力がこのデッキにフィットしており、《魔女のかまど》を引き込めなくとも食物を容易に並べることができる。
レベルアップをすれば、切削によって墓地にコンボパーツを落とす手伝いをするほか、不要なパーマネントを生け贄にすることでリアニメイトができる優れものだ。
カラーに緑が追加されたことで、《安らかなる眠り》や《虚空の力線》を対処することも可能となった。
『ブルームバロウ』の登場によって、もっとも強化されたデッキの一つであることは間違いないだろう。今大会ではどのような活躍を見せるだろうか。
おわりに
以上、第15期パイオニア神挑戦者決定戦のメタゲームブレイクダウンをお届けした。
『ブルームバロウ』で登場したカードが既存のアーキタイプを強化した一方で、新生デッキも徐々に頭角を現しているようだ。
特に《跳ねる春、ベーザ》と《世話人の才能》を軸とした白系のコントロールは勢力を拡大しており、定番のアーキタイプとなるかどうかの分水嶺にいる。
ラクドスが勝つのか。それとも、「ラクドスに勝つ」のか。パイオニア環境の今後を占う結果に、まずは注目したい。