エドリックマスター吉田の新カードレビュー!
みなさん、こんにちは。元統率者神の吉田です。今回は『ダスクモーン:戦慄の館』の発売に先駆けてカードレビューを担当します!
【#関西帝王戦】
— 晴れる屋 TC大阪 (@hareruya_osaka) September 15, 2024
幾度となく決勝ラウンドへ駒を進めた強豪が、遂に戴冠!
その姿は第4期統率者"神"、そして新たな統率者帝王!!
『第5期関西帝王戦 統率者』
優勝は、《トレストの密偵長、エドリック》を操るヨシダ トシユキ!おめでとう!! pic.twitter.com/jPUZmCzYL0
東京の統率者神以外にも大阪で関西統率者帝王を決める大会があるのですが、前回優勝できて第5期統率者帝王になれました。やったね! 最近は各地で統率者の大会が増えてきて嬉しい限り。10月5日には高知で出張版コマンダーサミットも開催されます。お近くの方は是非参加してみてください。
カードレビュー
白
《幽霊による庇護》
オーラによる万能除去。《皇の声、軽脚》《ピレアス号の艦長、シオーナ》のようなエンチャントを多用する統率者では便利な1枚。護法2付与も強力で、《オークの弓使い》に完封されていた《収穫の手、サイシス》も自由に動けるようになります。“オークで完封”仲間だと思ってたのに……。《ギャラクシー・ニュースのDJ、スリードッグ》では攻撃クリーチャーの数分ばら撒けるようになり一方的な全体除去としても使えます。
呪文の対象は「あなたがコントロールしているクリーチャー」で、戦場に出たときの誘発型能力の対象は「対戦相手がコントロールしていて土地でないパーマネント」なので《偏向はたき》などの対象変更呪文をこれに撃つ際はタイミングに気を付けましょう。
《人形作家の店/陶磁器ギャラリー》
多人数戦では「プレイヤー1人を攻撃するたび」能力は3人を同時に攻撃すれば3回誘発します。《輝かしい聖戦士、エーデリン》のように数を並べることに長けた統率者なら猛烈な勢いでクリーチャーが増え、《陶磁器ギャラリー》を解放すれば40点のライフも一瞬で溶けます。《永久忠義の義丸》+《ロフガフフの息子、ログラクフ》のような超軽量共闘ではログラクフによる統率者ダメージ死も見られるかもしれません。
また、アンタップ状態でトークンを生成するので《刈り手、ベイレン》ならマナやドローに充てることも可能。アーティファクト・トークンなので《前兆の時計》の餌にもなります。
《望まれぬ改作》
除去として見ると《剣を鍬に》に劣る性能ですが、対象のコントローラーに戦慄予示させるので《神秘の教示者》などの教示者潰しをすることもできます。
自分が《堂々たる撤廃者》《マラメトの模範、クチル》のような対話拒否できるクリーチャーを多めに採用してるなら、自分のクリーチャーを対象に適当に唱えるのもあり。予示を表向きにするのはスタックに乗らない処理なのでより安全に対話拒否できます。全力で対話拒否の方法を探す謎のパーティゲーム、それが統率者戦。
青
《中央エレベーター/確実な階段》
統率者戦といえばよく分からない特殊勝利! コピーでの悪用防止のため特殊勝利には「8種類以上の名前」を要求してきます。
これがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたは{Ticket}{Ticket}を得、その後、あなたがオーナーであり土地でないパーマネント1つにステッカー1枚を貼ってもよい。
だったら名前を変えてしまえばいい!ということで《Bioluminary》などで名前ステッカーを貼れば突破できますが……まあ面倒ですね。素直に《マリーナ・ヴェンドレル》で中央エレベーターを開け閉めして部屋を揃えて勝ちましょう。
《永劫の好奇心》
《沿岸の海賊行為》に瞬速と4/3と死亡時復活がついてきました。盛りすぎでは?
この手のクリーチャーは《秘密を知るもの、トスキ》《Dhalsim, Pliable Pacifist》《トレストの密偵長、エドリック》のように伝説なことが多く、コピーによる重ね貼りができなかったのですが今回は許してもらえました。ドロー云々よりも4/3軍団に攻撃されるだけで正直かなり痛い!
ちなみに《永劫の好奇心》をコピーしたクリーチャーが死亡すると戦場に戻ってきて再度《永劫の好奇心》のコピーになることを選べますが、今度は「非クリーチャーのエンチャント」として戦場に出てしまうようなので《アシュノッドの供犠台》で無限マナループ!とはいかないようです。
《忌まわしき眼魔》
統率者戦では対戦相手のターンが3回あるので、1周するころには打点が11まで膨れ上がります。
《滑り寄る魔術師、カディーナ》《進化した謎、ヴァニファール》ではキツイ追加コストを偽装で踏み倒しつつ戦慄予示で並べたクリーチャーを強化できるので非常に相性がいいです。《這い寄る魔術師、カディーナ》でなら各対戦相手のターンに1ドロー。無色のクリーチャーが並ぶので《隆起する災い魔、アズラスク》の経験カウンター稼ぎもできます。
予示したカードを回収したくなったら《始源の霧》を使いましょう。
変異デッキに入れると裏向きカードが「変異」なのか「予示」なのか「偽装」なのか分からなくなるので目印やトークンカードを使いましょうね……。
《マリーナ・ヴェンドレルの呪文書》
ゲームに敗北するとか書いてあるとなぜか強そうに見えます。 《寛大なるゼドルー》で押し付けて攻撃すれば相手を敗北させることも可能。ただし、敗北させるとこのカードが返ってくるので残り2人の攻撃には注意が必要です。
《苦悶の占い師、クェザ》や《空鮫、シャーブラズ》ではライフゲインとドローを無限に繰り返してライブラリーを引ききれます。ライフゲインもドローも強制なので《応じ返し》などで自分で止められるようにしておきましょう。
黒
《穴の中へ》
統率者デッキより。 《未来予知》のような効果ですが、わずか3マナ!その代わりに唱えるたびに土地以外のパーマネントを要求してきます。トークンが並びがちな統率者戦では餌はそこまで困らないでしょう。最悪自身も餌にできます。
土地がトップに来ると止まりますが疑似的なサクリ台としての運用も可能。《フェイに呪われた王、コルヴォルド》《クロールの死の僧侶、マジレク》のような生け贄で強化される統率者では非常に強く使えそうです。
《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》
超ド派手なデーモン。《巨大なるカーリア》からいきなり出てくると護法もあってすぐ制圧されそうです。
統率者にするなら9マナは重いので《晶洞ゴーレム》で踏み倒したり《刺のある研究》で大量ドローを狙う仕掛けが必要そうです。出せたら《この世界にあらず》や《異界の排除分子》で除去から守り、逆に奪った除去で今度は相手のクリーチャーを除去して奪いましょう!《闇取引》《記憶の壺》も強力。《Helm of Obedience》なら相手1人のデッキ全てが使えます!
《家路》が苦手なので土地破壊も欲しいところ。逆に《家路》を奪えれば相手の《波止場の恐喝者》などを送り返して除去して使い回すことも可能です。
《終末の加虐者》
あまりにも大雑把なライブラリー破壊。《最後の審判》と異なりサーチはできずコンボパーツは全員吹き飛ぶので偶然《タッサの神託者》を持っていた、とかでなければ殴り合いのゲームが始まります。
《ヨーグモスの息子、ケリク》《悪名高い残虐爪》から高速で出すとゲームはすぐ終わりそうですが…自分がライブラリーアウトする前に全員のライフを削り切れるのでしょうか。
《欺瞞の神、フィナックス》では即顕現するため自身の効果で1人ずつライブラリーアウトさせることができ、《恐怖の顕現、ウンブリス》ではパワー200超えの化け物が殴りかかってきます。パワー200って何……?
赤
《間の悪い故障》
《偏向はたき》がモードの1つとして使える強力なカード。青くないデッキでは呪文への干渉手段がまだまだ少ないため使われそうです。他2つのモードも便利。
「ブロック不可」モードを使えば《船壊し、ダーゴ》《秘儀を運ぶもの、パコ》《コスモスの門徒、アレクシオス》などの殴り統率者で対戦相手のブロック計算を狂わせ、致命傷を与えられる1枚となるでしょう。
《復讐に燃えた憑依》
《脅しつけ》の亜種なのですがルーティング効果がついています。
《破天荒、ステラ・リー》ではこれをコピー→自身をアンタップしルーティング→コピー→ルーティング……と繰り返すことで無限にルーティングをすることができます。こうしたリミテッド向きのカードに変な一文がついてるだけで輝くのも統率者戦ならではの醍醐味ですね。
《上機嫌の放火犯》
統率者デッキ「忘れられた懲罰」より。
素の状態ではパワーが1しかないので大したダメージにはなりませんが、《囚われの黒幕、オブ・ニクシリス》《魂の鋤引き、ヴァルガヴォス》ではアドが稼げるため実質《神秘的負荷》。
不死があるので《スランの医師、ヨーグモス》とのコンボパーツにしたり、増殖で+1/+1カウンターを増やして火力の底上げもできます。
緑
《生垣裁断機》
《面晶体のカニ》とのコンボが話題ですね。《斡旋屋一家の潜伏先》などのフェッチランドを出せればさらに繋がりやすくなるようです。 《自然の力、ティタニア》でもサクリ台があればチェインが可能。
《ラグーンの神秘家、アーチェロス》で土地をアンタップインさせたり、《屍花》でゾンビトークンを増やしつつ発掘で土地を増やしたりといろいろ悪さしかしません。
《永劫の活力》
《謎の石の儀式》内蔵クリーチャー。
自身もマナを出せるので《眷者の神童、キナン》で一気に加速できそうです。横並びすると全体除去で流されてしまいますが、死亡しても戦場に戻ってこれるのはありがたいところ。
エンチャント・クリーチャー全般に言えることですが《白鳥の歌》が当たることは忘れやすいので気を付けましょう。
《収納室/忘れられた地下室》
《世界のるつぼ》と《ヨーグモスの意志》の贅沢セット。るつぼの方はなぜか3マナ据え置きなので《迷える探求者、梓》《ギトラグの怪物》でフェッチランドを拾って加速し後半マナに余裕ができたら右の部屋を開けましょう。
エンチャントなので《悟りの教示者》で持ってこれるのは本家にない強み。《マリーナ・ヴェンドレル》で部屋を開け直したり《雲石の工芸品》でバウンスして使い回すこともできます。
多色
《見捨てられた人形、アラベラ》
《オセロットの群れ》《千番目の月、アニム・パカル》《祝福された墓の僧侶》《古参の兵士》でトークンを並べ、《世慣れた見張り、デルニー》で誘発を倍にするのがシンプルながら強力。
《逸失への恐怖》で戦闘を増やしたり《生体融合外骨格》で毒による勝利を目指すのも良いでしょう。
ライフゲインもできるので《失われし夢の井戸》で手札補充もしていきましょう。
やることがシンプル、安価なシナジーカードも多いので、これから統率者戦を始めるという方にも向いてそうです。
《マリーナ・ヴェンドレル》
MTG史上唯一のドアを閉められる統率者。
ドアを開けて《確実な階段》による特殊勝利が主な勝ち筋でしょう。《食物連鎖》+《不死身、スクイー》による無限マナが成立すればこのカードを何度も追放して統率領域から唱え直すことでライブラリーのすべてのエンチャントを入手して《鍛冶の神、パーフォロス》を出し、再びクリーチャーを出し入れして無限ダメージで勝つこともできます。
ドアで勝ちたいなら《等時の王笏》+《劇的な逆転》で無限マナ、無限アンタップできるようにして《汚染された貯水槽/仄暗い地下牢》で地下牢のドアを無限に開け閉めすれば貯水槽の効果で全員倒せます。ドア壊れちゃうよ…。
《鍵の主》
統率者デッキ「奇跡の人」より。
《死の国からの脱出》を思い起こす能力ですが、脱出できるのはエンチャントのみ。勝手に壊れる《ネクロマンシー》や《激しい叱責》は何度も使えて便利です。《船砕きの怪物》などで無限マナになれば、無限切削から《タッサの神託者》を《ネクロマンシー》で釣り上げて勝てます。
他にも《ネクロポーテンス》《光輝の夜明け、ヘリオッド》といった強力なカードも再利用できるのでエスパーカラーで強い統率者を組んでみたい場合にはよさそうです。
フルアートだと凄く分かりにくいのですが、これ自身もエンチャント・クリーチャーなので《耐え抜くもの、母聖樹》などには注意が必要です。
《殺人人形、マーヴィン》
2マナにして割ととんでもないことが書いてあるクリーチャー。能力元となるカードをコントロールしていないといけないため、悪さはしにくいようです。
統率者にするなら《ピリ=パラ》+《パラジウムのマイア》による無限マナや《Phyrexian Devourer》による統率者ダメージ死、さらに《歩行バリスタ》を加えて全員焼き切るといったところでしょうか。
統率者以外でも《全能なる者アルカニス》や《オズワルド・フィドルベンダー》といった強力な起動型能力を持つ統率者で先に置いておけば、実質速攻付与感覚で使うこともできます。
《除霊用掃除機》
1マナアーティファクトでインスタントタイミングで狙ったカードを繰り返し追放できるカードはなんだかんだでありませんでした。追放したカードを出すものとしては《恐竜の遺伝子》もあるので、墓地対策がメインなのかトークンがメインなのかで使い分けましょう。
境界サイクル
アンタップインできる2色土地としてはシンプルながら強力。1ターン目には加速で緑マナがほしい緑白は便利そうに見えます。 1ターン目に何色のマナがほしいか、基本土地タイプを持つカードがどれだけあるかで優先度は変わってきそうですが、2色統率者のデッキでは重宝されそうです。
過去セットの再注目カード
今回はエンチャントがテーマということで《運命に導かれし者、ケイリクス》。兆候持ちの《ミストムーアの大主》の踏み倒し、《人形作家の店/陶磁器ギャラリー》や《破壊の落とし子》をコピーして爆発打点!――と書き出したあたりでスタンダードでも同様に注目されているという話を聞きました。そういえば君スタンダードのカードだったね……。それでも《世話人の才能》《つるむ面倒》を増やし続けたり秘密のアーケードでなんでもコピーできるようになったりとここ数ヶ月で一気にできることが増えたように思われます。スタンダードで使われる前に買っておきましょう。今のうちだぞ!
展望
これで『ダスクモーン:戦慄の館』カードレビューは以上となります。今回紹介したカードのほかにも面白そうなカードがたくさんあるので、みなさんもいろいろ試してみてください!