はじめに
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
ついに!『ダスクモーン:戦慄の館』が発売されました!
新環境となったスタンダードで早速、結果を残した新カードがあるようです。最新の『Standard Challenge』の大会結果をチェックしていきましょう!
9/26(木)『Standard Challenge 32』
MOで『ダスクモーン:戦慄の館』が実装された直後に開催された『Standard Challenge 32』の結果です。45名が参加しました。
9/26(木) 『Standard Challenge 32』
優勝 グルール果敢
準優勝 アゾリウスアグロ
3位 5色レジェンズ
4位 ボロス果敢
5位 白単コントロール
6位 《犯行現場の再現》
7位 ジェスカイ召集
8位 ディミーアミッドレンジ
新環境、最初の大会を制したのはグルール果敢でした。準優勝にアゾリウスアグロと、まずはアグロデッキが結果を残しています。
6位に入賞した《犯行現場の再現》デッキには新カードの《タミヨウの物語》が4枚採用されていました。
クリーチャー・インスタント・ソーサリー・アーティファクト・土地と満遍なく採用された構成のため、「切削」を連続して行える可能性は低そうです。しかし、毎ターンの切削によって《犯行現場の再現》コンボを狙えること、そして最終章で《犯行現場の再現》や《多元宇宙の突破》を唱えるチャンスが生まれるのはかなり大きいのではないでしょうか。
グルール果敢
こちらが優勝したグルール果敢のリストです。
「2ターンキル」で話題になっていた《残響の力線》と《騒音の悪獣》パッケージが早速、採用されています。
初期手札に《残響の力線》があれば、1ターン目に《騒音の悪獣》、2ターン目に《巨怪の怒り》《裏の裏まで》&各コピーでパワー10以上のトランプルを持った《騒音の悪獣》が完成します。そのまま殴って自身の能力で投げ飛ばすという凶悪ムーブが実現可能です。
一撃で倒しきれなかった場合でも、、《裏の裏まで》を使っていれば戦慄予示でさらなるクリーチャーを用意できる点も見逃せません。
《騒音の悪獣》が引けなくても、《心火の英雄》や《精鋭射手団の目立ちたがり》を強化して《無感情の売剣》の出来事面で投げ飛ばすといった大ダメージコンボも狙えます。一瞬の隙を突いてゲームに勝つことができそうです。
サイドボード後はクリーチャー除去に対抗するため《蛇皮のヴェール》などが入ります。また、《ウラブラスクの溶鉱炉》を着地させればロングゲームでも競り勝つパワーがあり、このデッキは単純なアグロデッキとは一味も二味も違います。
少なくとも、《残響の力線》が初手に来なければ勝てないデッキということではなさそうです。
このデッキに対抗する際は、1ターン目に出された《騒音の悪獣》《心火の英雄》をこちらのターンで処理することを徹底すると良いでしょう。相手のターンまで待ってしまうと、インスタント呪文で除去を回避されてしまうことがあります。
このデッキがトップメタになった場合、軽い除去がないデッキは容赦なく2ターンキル、3ターンキルされてしまいそうですが、今後のメタゲームはどのように変化していくでしょうか。対策方法も含め、各デッキの今後の動向に注目が集まります。
9/27(金)『Standard Challenge 32』
つづいて9/27(金)に開催された大会の結果です。こちらは42名が参加しました。
9/27(金) 『Standard Challenge 32』
優勝 《救いの手》リアニメイト
準優勝 版図ランプ
3位 ボロス果敢
4位 アゾリウスオーラ
5位 グルール果敢
6位 シミックテラー
7位 アゾリウスオーラ
8位 赤単果敢
《残響の力線》果敢デッキが猛威を振るうなか、ここでは《救いの手》を使用したリアニメイトデッキが優勝しました。
新デッキ、アゾリウスオーラも2名が入賞するなど、躍動しています。
《救いの手》リアニメイト
こちらが優勝したデッキのリストです。前環境で「アゾリウスメンター」として活躍していた《救いの手》を使用したリアニメイトデッキがベースとなっていますが、《僧院の導師》が抜けています。
主な採用クリーチャーは新カードの《忌まわしき眼魔》と《傲慢なジン》。4枚採用の《錠前破りのいたずら屋》もクリーチャーですが、これは切削&《救いの手》を回収できる出来事面がメインです。
3マナ最強クラスのクリーチャーたちが墓地に落ちたら、《救いの手》や《再稼働》といった軽い呪文でリアニメイトします。《忌まわしき眼魔》は強力ですが、普通にプレイするにはあまりにも追加コストが重いことがネックでした。墓地から釣り上げる分には問題ありません。
《忌まわしき眼魔》や《傲慢なジン》が定着すれば、打ち消しなどで守りながらクロックパーミッションを完遂します。
サイドボードにはアグロ対策カードが厚めに採用されています。このデッキは全体的に軽い呪文で構成されているため、小回りがきくのが良いですね。
ドロー呪文も多く、デッキの動きの再現性は高そうです。また、《傲慢なジン》はリアニメイトせずに唱えたとしてもそこまで重くないため、かなり安定して戦場に出すことができるでしょう。
《忌まわしき眼魔》の戦慄予示で《忌まわしき眼魔》を設置できたら宇宙を感じます!これからの展望としては、《僧院の導師》が再びデッキに舞い戻る可能性もあり、このアーキタイプの今後が気になりますね。
版図ランプ
こちらは準優勝した版図ランプのリストです。《豆の木をのぼれ》や《力線の束縛》が採用されておらず、一般的にイメージする版図ランプとはかなり異なった構成となっております。
「兆候」による3マナでプレイし、「偏在地」という全基本土地タイプを持った土地・トークンを戦場に出せる《ホーントウッドの大主》は版図ランプにとてもマッチしているカードです。
《永遠の策謀家、ズアー》でクリーチャー化すれば、時間カウンターが置いてあってもすぐに攻撃できる点も強力で、もちろん攻撃時の能力も誘発します。《ミストムーアの大主》も当然ながら強いですね。
大主と《永遠の策謀家、ズアー》が対処されても、ランプデッキの真骨頂といわんばかりに重量級の呪文を叩きつけることができます。《永遠の策謀家、ズアー》を使用する都合上、黒マナの割合を増やす必要があるため、《向上した精霊信者、ニッサ》の枠が《無形の処刑者、ケイヤ》になっていますね。
また、黒の要素が濃くなることで《苦痛ある選定》や《一巻の終わり》といったインスタントタイミングの追放除去がしっかり採用できています。《騒音の悪獣》や《心火の英雄》が蔓延している現環境では頼もしいカードです。
版図ランプの追放除去といえば、これまでは《力線の束縛》が採用されていました。《永遠の策謀家、ズアー》とも相性が抜群に良いのですが、このカードを不採用とした理由はやはり速度なのでしょう。
《苦痛ある選定》と違い、《力線の束縛》は2ターン目にプレイすることがほぼ不可能です。2ターン目に除去を構えないと負けるというプレッシャーが、版図ランプのデッキ構築にも大きな影響を及ぼしているようです。
アゾリウスオーラ
こちらはトップ8に2名を送り込んだアゾリウスオーラのリストです。4位と7位に入賞したデッキは、75枚すべておなじ構築でした。
エースアタッカーである《呑気な物漁り》を戦場に送り込み、エンチャントで強化しながらクロックを守るデッキです。
除去しながら絆魂と護法を付与する《幽霊による庇護》や、瞬速で1ターン限定の呪禁を付与できる《破片魔道士の救出》など、ただの強化に収まらないオーラが強力ですね。
再録された《天上の鎧》も、一気にゲームを決めてしまう迫力があります。
また、かつての「呪禁オーラ」のような縦の突破だけでなく、《グレムリンを手懐ける者》による横並べ戦略を狙うこともできます。このデッキにおいては、さながら《若き紅蓮術士》のように活躍できるでしょう。
「青いエンチャントレス」《精体の追跡者》や、エンチャント呪文を軽くする《知りたがりの光霊》など、シナジーも抜群です。
このデッキの天敵は《一時的封鎖》で、通されたらすべてを失います。サイドボードには着地後に即破壊で無効化できる《邪悪を打ち砕く》や《否認》が厚めに採用されており、対策の対策もぬかりないようです。
それにしても、新カードの採用率がものすごく高いデッキですね。今後の活躍が楽しみです!
9/28(土)『Standard Challenge 32』
最後に9/28(土)に開催された大会の結果を見ていきましょう。こちらは41名が参加しました。
9/28(土) 『Standard Challenge 32』
優勝 グルール果敢
準優勝 白単コントロール
3位 アゾリウスアグロ
4位 白単コントロール
5位 グルール果敢
6位 赤単
7位 《救いの手》リアニメイト
8位 版図ランプ
ここでも《残響の力線》を4枚採用したグルール果敢が優勝という結果になりました。とても安定した成績を残しており、上振れがなくても強いデッキであることに疑い余地はなさそうです。
その果敢デッキに対する有力馬として、《跳ねる春、ベーザ》を4枚採用した白単コントロールの活躍もありました。準優勝を含めた2名が入賞という好成績を収めています。
さて、ここでは3位に入賞したアゾリウスアグロに注目したいと思います。
アゾリウスアグロ
アグロデッキの名手で知られる、Hamuda氏の新作デッキです。
8月に『Standard Challenge』を連覇した、前環境のアゾリウスアグロがベースとなっているようですが、新カードの採用がふんだんに見られます。
除去を兼ねる機体、《未確認浮遊船》はかなり面白いカードです。この手のカードは戦場を離れたときに追放したカードが戻ってくることが多いのですが、戻ってきません。代わりに追放されたカードのオーナーに戦慄予示のチャンスが与えられます。
また、飛行2/2は機体の攻撃力としては物足りませんが、《生命ある象形》でクリーチャー化させると飛行5/4となるのが強そうです。
新カードの《幽霊による庇護》と《破片魔道士の救出》も採用。どちらもアグロデッキではとくに輝きが増すオーラです。
土地以外のパーマネントの数だけスタッツが上昇する《バニコーン》も相変わらず強く、オーラの数もカウントできる点が良いですね。《幽霊による庇護》がついた《バニコーン》による絆魂パンチには、多くのアグロデッキが絶望するのではないでしょうか。
また、地味な強化ポイントながら、境界ランドという新しいアンタップインの2色土地が増えたことでデッキの安定性が向上しています。
サイドボードには軽めの除去・置き物対策・打ち消しが揃い、隙がありません。今後もかなり有力なアーキタイプとなるのではないでしょうか。
おわりに
新スタンダード環境は始まったばかり。果敢系のデッキの台頭が目立ちますが、《幽霊による庇護》はあらゆるフェアデッキに新しい可能性を与えてくれそうです。
そして、《幽霊による庇護》の強さが知れ渡ることで、今度は《叫ぶ宿敵》のようなカードの採用率が上がり、またメタゲームに変化が出てくると思われます。
次はどんな新しいアーキタイプが活躍するのでしょうか。次回の大会結果もお楽しみに!