Translated by Tetsu Furukawa
(掲載日 2024/10/16)
はじめに
やあ、みんな!いつものように、マルシオ(@KbolMagic)が新セットの『ダスクモーン:戦慄の館』について話そうと思う。
今年のハロウィンにはまだ少しばかり早いが、今作のセットはすでに我々のお祭り気分を盛り上げてくれている。今回のテーマはホラーに焦点を当てられており、多くの古典的なスラッシャー映画やホラー映画のファンを魅了していることだろう。
もしこのセットを象徴するカードを選ぶとしたら、間違いなく《続・食肉鉤虐殺事件》だ。リミテッドではそれほど強力ではないものの、以前登場した《食肉鉤虐殺事件》の続編であり、ホラー映画の定番である続編物のような面白さがある。そういう意味では10点満点をつけてあげたい。
今回の記事では、このセットで導入された新たなメカニズムや、リミテッドで特に影響がありそうな個人的に気に入ってるコモンカード、色とアーキタイプのランキング、そしてリミテッドにおける最強カードトップ10を紹介していく。
メカニズム
まず最初に、このセットで導入された新たなメカニズムを紹介し、それらがどのように機能するのかを確認していこう。
兆候
「兆候」は指定されたコストで唱えた際に時間カウンターを置いてプレイし、終了ステップ開始時にカウンターを1つずつ取り除いていくことで、そのカードの真の力を解放する能力だ。このメカニズムは「待機」と似ているが、こちらはカードに置かれたカウンターを取り除いている間も戦場に残る。このセットで「兆候」を持つのは《ホーントウッドの大主》のようなクリーチャー・エンチャントの「大主」サイクルだけだ。
戦慄予示
「戦慄予示」は「予示」の改良版のようなものだ。この能力は、ライブラリーの上から2枚のカードを見て、そのなかの1枚を2/2のクリーチャーとして予示でき、残りの1枚は墓地に置くというものだ。これは、あとでマナコストを支払って裏返すことができるクリーチャーを予示するチャンスを増やすだけでなく、墓地を肥やす戦略にも役立ってくれる。
部屋
これらは2面あるどちらかの「部屋」でプレイでき、それぞれに応じた追加のマナコストを支払うことで、もうひとつの部屋も解放できるエンチャントの分割カードだ。これらのカードは基本的に2枚のカードが1枚になったもので、非常に汎用性が高く、最初にどちらかの部屋をプレイし、次にもう一方の部屋を解放することができる。
生存
「生存」は第2メイン・フェイズの開始時に、そのクリーチャーがタップ状態である場合に誘発する能力だ。攻撃せずに生存を誘発するためには「機体に搭乗する」などのタップ効果を利用することも可能だ。
違和感
この能力は「部屋」を完全に開放(部屋カードの両方の面を使用)したとき、またはエンチャントが戦場に出たときに能力が誘発する。
光霊
これは新しいクリーチャー・タイプで、このセットではあまり登場こそしないものの、これらのクリーチャーとシナジーするカードがいくつかあるので紹介したいと思う。《光霊灯》は光霊・クリーチャー・エンチャント・トークンを生成でき、《闇への恐怖》は相手が光霊・クリーチャーをコントロールしていると、その効果が大きく弱まる。
各色のトップコモン
新セットのメカニズムをしっかり紹介したとこで、今度は各色の個人的に気に入ってるコモンについて話していこう。いつものように、ドラフトやシールドで最も多く使われるであろうコモンカードに注目するつもりだ。
白
白には幅広いマナ域に良い除去呪文とクリーチャーがそろっている。《眠りからの襲撃》は優れたインスタントの除去呪文で、タップされたクリーチャーを対象にするとなんと3マナ少なく唱えることができる。《画面の中への幽閉》は、このセットのなかで最も優れた除去呪文のひとつであり、クリーチャー、アーティファクト、エンチャントに柔軟に対応できる。
クリーチャーのなかで特に気になるのが、《軽業のチアリーダー》だ。2マナ2/2で飛行を付与できるため、攻守にわたり運用できる。
《薄気味悪い双子》は戦場に出たときに「戦慄予示」をすることから、少なくとも4マナで実質パワー4を持つクリーチャーだ。おそらく白の中で最も優れたコモンのひとつだろう。
《友好的な幽霊》は一見以上に頼れるカードだ。2/4の飛行クリーチャーは相手が処理しづらく、さらにクリーチャーを強化する能力もあって相手にダメージを通すのに大いに役立つ。
《大玄関/優雅なる円形広間》は光霊・クリーチャー・エンチャント・トークンを場に出しつつ、コントロールしているクリーチャーにカウンターを置くこともできる「部屋」カードだ。
青
青のコモンカードはそれほどパワフルではないが、それでも気になるカードがいくつかある。除去について言えば、《声も出せない》が1マナのエンチャントで優秀だ。これは実質的にクリーチャーを無効化できるもので、マナコストを考えるとかなり使えるカードといえるであろう。
《ピラニアバエ》は飛行を持つコストの軽い2/1のクリーチャーだ。タップ状態で戦場に出るデメリットはほとんど気にならない。回避能力のある飛行クリーチャーは、どうしても必要なとき以外はブロックに使わないことが多いからね。
《トンネルの偵察者》は実質的に3マナで合計3のパワーを2体のクリーチャーとして戦場に出せるカードだ。1/1の光霊・クリーチャー・エンチャント・トークンは、このセット特有のシナジーに絡む可能性があり、リミテッドにおいて1枚で2体のクリーチャーを生み出せるのは、2対1のカードアドバンテージを得るうえで非常に強力だ。
《音を立てるな》は青の優れた打ち消し呪文だ。このセットでは、効率よくマナを使って呪文を唱えたり、部屋を解放したりすることが鍵となるため、十分活躍してくれるだろうね。
黒
全体的に、今セットの黒のコモンは、ほかのセットほど多くの除去呪文が収録されているわけではない。この事実だけでも、このセットで黒をドラフトする際には除去呪文をピックする優先度が高くなる可能性がある。
《殺害》は黒の定番ともいえる除去呪文で、ダスクモーンの世界でもその存在感を発揮している。このセットのテーマにも見事にマッチしており、コモン除去のなかでもトップクラスの1枚だ。《ウィンターの介入》は、軽いクリーチャーに対処するためのもうひとつの選択肢だが、攻撃的でない戦略にはそこまで役に立たないかもしれない。《最後の復讐》は、特に生け贄にして嬉しいクリーチャーと組み合わせることで、効果的な除去として機能する。
この色のコモンクリーチャーについて言えば、《ベイルマークのヒル》はそのなかでもベストなコモンといえる。軽いコストでプレイでき、エンチャントをプレイしたり部屋を解放したりするたびにダメージを与えるため、攻撃的なデッキとエンチャントを軸にしたデッキの両方で活躍してくれる可能性が高い。
《闇への恐怖》はヘビィメタルバンドのアイアン・メイデンによる秀逸な曲というだけではない。対戦相手に対処を迫る優れたコモンクリーチャーでもある。攻撃時の威迫と接死は、ときには相手がこのクリーチャーを止めるために2体のクリーチャーを失う羽目になることを意味する。
《哄笑する斬鬼》はターン中にクリーチャーが死亡していれば、+1/+1カウンターが1つ置かれた状態で戦場に出るため、接死を持つ4/4のクリーチャーになれる。特に注目すべきクリーチャーの1枚だ。
赤
赤は今回のセットで最も攻撃的な色のようだ。《ガラス工場/粉々の作業場》は、除去呪文として機能してくれる優れた部屋カードで、左側だけでも十分に役立ってくれるので、右側はゲームを終わらせるための追加ダメージを与えるボーナスに過ぎない。
《焦熱の竜火》はこのセットの優秀な再録カードであり、依然として非常に優れた除去呪文だ。
赤のコモンクリーチャーは、《最優秀殺害者》が特に目を引く。先制攻撃と攻撃クリーチャーに+1/+0を付与する能力は、より攻撃的な戦略でダメージを通す手助けをしてくれるかもしれない。
《寝癖のけだもの》やそのほかの「土地サイクリング」クリーチャーは、応用力があるので非常に運用しやすい。ゲームを展開するために必要な土地を探し出すこともできるし、高マナ域のクリーチャーとしても活躍できるかもしれない。
《刈り鎖の剃刀族》も面白いクリーチャーだね。それなりのパワーとタフネスがあって、盤面が停滞した際にはドローする能力は特に重要になるかもしれない。
緑
個人的には、今回の緑はコモンで使いやすいクリーチャーが最も多くそろっていると思う。《怪物的出現》はおそらく、このセットにおける緑のコモン除去呪文の中では最も優れているだろう。2マナで場のクリーチャーか手札のクリーチャー・カードを選び、そのパワー分のダメージを相手のクリーチャーに与えられる。
《内気なけだもの》は注目に値するクリーチャーで、5/4のサイズを持ちながら死亡時に「戦慄予示」でき、2/2のクリーチャーを戦場に残すことができる。
《脊柱狙いのムカデ》はかなり強力なカードだろう。土地をサーチして手札に加えられるので、ほかの色をタッチする際にも役立つ。さらに「昂揚」を達成できれば、3/3の警戒持ちクリーチャーになる点も見逃せない。
《肉潜り虫》は攻撃にも防御にも優れた性能を持つカードだ。接死をほかのクリーチャーに付与することで、相手にダメージを与えるだけでなく、強力なクリーチャーとのトレードを強いることができるため非常に使い勝手が良い。
《戦慄予示》はキーワード能力の名前が付けられたカードだ。基本的にはライブラリーの上から2枚のカードを見て、そのうちの1枚を墓地に送り、もう1枚を2/2のクリーチャーとして裏向きで戦場に出す。このセットには「戦慄予示」を使ったシナジーがたくさんあるので、このカードは「昂揚」やほかのメカニズムのために墓地を肥やすのに非常に重要な役割を果たす。
《朽ちゆくジム/ウェイトルーム》はマナベースを調整したり、大きなクリーチャーを展開するための良い選択肢になるかもしれない。また、6マナで5/5の裏向きのクリーチャーとしてプレイできるため、それ単体でも強力なクリーチャーとなる。
カラーランキング
このセットは色やアーキタイプのパワーレベルが非常に拮抗しているため、好きな色の順位を決めるのは難しかった。緑を1位に選んだのは、使いやすいコモンのカードが多くあるからだ。
赤は最も攻撃的な色で、優秀なクリーチャーと除去呪文のバランスが取れているため2位にした。
白も除去やクリーチャーが豊富にそろっているので、今回は3位に位置づけた。黒はコモンの除去がいつもより少ないため4位となった。
最後に青は、ほかの色と比べてやや遅れをとっているので最下位にした。
デッキタイプの分析とランキング
『ダスクモーン:戦慄の館』リミテッドのアーキタイプは全体的に非常にバランスが取れていて、どのアーキタイプを中心にデッキを構築しても上手くいくと思う。とはいえ、「戦慄予示」は多くのアーキタイプにおいてかなり重要な能力であり、「戦慄予示」を持つカードはこれらのメカニズムを機能させるために優先されるかもしれない。
ここではリミテッドにおけるアーキタイプを分析し、それぞれの戦略について簡単に説明したあと、個人的に気に入ってるアーキタイプからあまり好まないものまで順位を付けていこうと思う。
1位 赤白アグロ
白赤はパワーが2以下の軽量で速いクリーチャーを展開することを目指している。《見捨てられた人形、アラベラ》《真夜中の騒乱》《肌裂けの人形》は、この戦略を支える重要なカードだ。
一般的にリミテッドはかなり長期戦になる傾向にあるが、攻撃的な戦略である赤白はその逆をいくことができる。たとえば《古参の生存者》のような1マナ・2/1のクリーチャーをプレイしながら、除去呪文を駆使して試合を素早く終わらせられるのだ。
2位 黒緑昂揚
黒緑の目指す動きは、さまざまなタイプのカードを墓地に送ることで「昂揚」を達成することだ。ソーサリー、インスタント、アーティファクト、エンチャントをうまく組み合わせることでそれをサポートする。「戦慄予示」は、それらのカードを墓地に落としやすくするために非常に重要な役割を果たしてくれる。
《繁殖蜘蛛》や《群れの巣人》はこのアーキタイプにぜひ欲しいカードで、《ひと皮剥けば》のような「戦慄予示」できるカードは「昂揚」の達成を手助けしてくれる。
3位 白黒リアニメイト
今回の白黒は、《蛾の儀式》や《繭からの出現》《生きるか死ぬか》のようなリアニメイト呪文がいくつかある。この戦略は非常に粘り強く、特に「戦慄予示」によってカードを墓地に置けるため安定性がある。
リアニメイトして嬉しい対象としては、《帷大足》《不快な切断魔》、さらには《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》が挙げられる。
4位 赤緑昂揚
赤緑もこのセットで攻撃的な戦略のひとつだ。《野火の木人》のような攻撃的なものから、《けだものの圧倒》といった優秀な除去呪文もあり、これらも「昂揚」の恩恵を受ける。「戦慄予示」を持つカード群はこの戦略と非常に相性が良く、さまざまなタイプのカードを墓地に送るのに役立ってくれるだろう。
5位 緑白生存
このアーキタイプは「生存」を持つクリーチャーの能力を誘発させることを目的としている。《巧みな語り部》や《落とし子狩り、リップ》は、第2メイン・フェイズにタップされた状態で使いたいカードだ。《野球のバット》はこのアーキタイプにおいては非常に汎用性の高いカードで、通常は攻撃時に相手のクリーチャーをタップするが、意外にも自分のクリーチャーをタップして「生存」を誘発させる手助けにもなってくれたりする。
また「搭乗」をもつ《未確認浮遊船》は、攻撃するだけでなく「生存」を誘発させるための良い選択肢にもなる。
6位 青緑戦慄予示
青緑の《不注意な読書家》は「戦慄予示」から恩恵を受ける可能性があるクリーチャーだ。また「戦慄予示」を発動させつつクリーチャーを表向きにすると、カードアドバンテージを得られる《成長する戦慄》といったカードもある。
さらに、このアーキタイプには《肝冷やしの手》や《ひと皮剥けば》といった戦慄予示を持つ優れたカードもそろっている。
7位 黒赤サクリファイス
黒赤は自分がコントロールしているパーマネントを生け贄にすることを活かす戦略だ。《不穏な笑い》と《無害なネズミ》は生け贄にしたいパーマネントで、《最後の復讐》や《鋸刃の皮膚裂き》はその動きをサポートしてくれるカードだ。これらのシナジーは優れてはいるが、このアーキタイプは最終的には、相手のクリーチャーを多く除去し、毎ターンダメージを与えてゲームを終わらせることに重点を置いている。
8位 白青違和感
青白はエンチャントをプレイし、それを活用することに重点を置いている。《呑気な物漁り》、《グレムリンを手懐ける者》はこのアーキタイプでは積極的にプレイしたいクリーチャーだ。また、《水中トンネル/泥濘んだ水族館》や《手術室/病室》のような部屋カード、さらには《幽霊による庇護》のようなオーラも、ゲーム中に役立つエンチャントだ。
9位 青赤部屋
青赤は「部屋」を活用することに最も重点を置いたアーキタイプのひとつだ。《咆哮する焼炉/蒸気サウナ》や《煙たい談話室/霧がかった応接間》などが、積極的にプレイしたい部屋として挙げられる。《侵入する憤怒霊》や《亡者の鍵持ち》はこれらの部屋を活かす手助けをしてくれるだろう。
10位 青黒違和感
青黒はミッドレンジ・コントロールのアーキタイプで、エンチャントを活かすことを目指している。このアーキタイプを代表するカードは《髑髏鳴らしの嫌がらせ》と《無限への恐怖》だ。ゲームをコントロールするためには、エンチャントと除去呪文を優先的にピックする必要があるだろう。
強力なカード トップ10
10位 《希望の光、ニコ》
このカードは、手掛かり・トークンの改良版である2つの破片・トークンを生成するのだが、それらが盤面上の自身の最強クリーチャーのコピーになる可能性があるのは、リミテッドにおいて非常に強力といえるだろう。この事実だけで、トップ10に入れる価値がある。
9位 《フラッドピットの大主》
《フラッドピットの大主》はこのランキングで最初にランクインした「大主」で、彼らはどれも非常に強力だ。戦場に出たときにドローできる5/3の飛行クリーチャーであり、「兆候」によって序盤からプレイすることも可能である。飛行を持つので、処理されない限りは素早くゲームを終わらせることができるだろう。
8位 《猛打者、タイヴァー》
こいつは非常に強い。クリーチャーをタップすることで得られる破壊不能により、対処するのが非常に難しい。さらに、+X/+Xを付与する効果と組み合わせることで、戦場では相手への重大な脅威となりうるだろう。
7位 《人形作家の店/陶磁器ギャラリー》
このカードは攻撃するたびに1/1のトークンを生成する。ゲームが展開するにつれて、すべてのクリーチャーを《野生の末裔》に変身させることも可能だ。
6位 《群れの巣人》
このセットには「戦慄予示」を持つカードが多くあるので、「昂揚」を達成するのはそれほど難しくはない。《群れの巣人》は実質的には3体のクリーチャーを生成し、そのうち2体のトークンは飛行を持つ。さらに、昆虫や蜘蛛に+1/+1と接死を付与する能力が、このカードをより強力にしている。
5位 《ベイルマークの大主》
2マナで「兆候」を使えるのは非常に優秀だ。2ターン目からカウンターを取り除くことができるので、あっという間に5/5の脅威を手にいれることができる。さらに、墓地からクリーチャーやプレインズウォーカーを戻せる能力は、長期戦において不可欠なカードアドバンテージをもたらしてくれるかもしれない。
4位 《ボイラービルジの大主》
「大主」サイクルは全体的に非常に優秀だ。このカードは、戦場に出たときや攻撃時に任意の対象に4点のダメージを与えることができる。まるで《火炎舌のカヴー》と《業火のタイタン》を組み合わせたカードのようだ。どちらもリミテッドにおいて素晴らしいカードといえる。
3位 《不浄な別室/祭儀室》
5マナの6/6飛行クリーチャーという時点ですでに優秀だが、毎ターン追加でドローしつつも2点のライフをドレインするという、豪勢なおまけまでついてくる。6/6のデーモンを失うとリスクがあるので、最初の部屋は慎重に解放する必要があるね。
2位 《ヴァルガヴォスの猛攻》
このカードは非常に速いペースで効果が強力になっていく。3マナで3/3を、5マナで4/4を2体、7マナで5/5を3体生成可能だ。今回のセットはゲームがかなり長引く可能性があるので、このカードを唱えるだけの十分な時間とマナさえあれば勝利をもたらしてくれるだろう。
1位 《ミストムーアの大主》
リミテッドを長くプレイしている人なら、いかに《墓所のタイタン》がドラフトやシールドで手が付けられないかはすでにご存じであろう。この「大主」がどれほど強力かも分かってもらえるはずだ。
4マナで2体の2/1の飛行クリーチャーを生成できるだけでもリミテッドにおいては非常に強力なのだが、数ターン後には相手は延々とトークンを生み出す6/6のクリーチャーを対処しなければならない。7マナで唱えられるということも加味したうえで、このカードは1位を獲得するにふさわしい強力なカードといえるだろう。
まとめ
このセットはコモンカードのパワーレベルが全体的に高くないため、クリーチャー同士の消耗戦が多くなる。そんななかで、レアや神話レアのカードはより際立つだろう。またカードアドバンテージを得られるものを優先的にピックすれば、長期戦をより有利に進められる。
今回のセットでは「戦慄予示」が重要なメカニズムとなっており、多くのアーキタイプでその特性が活かされている。これらのカードに注目していけば、シナジーのあるデッキが構築しやすくなるだろう。さらに、コモンの2色土地や《広漠なる変幻地》、レアのサイクル土地も豊富にあるため、色をタッチするのも比較的容易だ。デッキのパワーを上げるために、積極的に色を追加しても問題はないだろう。
そういうわけで、『ダスクモーン:戦慄の館』はリミテッドにおいて非常に面白いセットだと思っている。今後もさらに戦略やアーキタイプを掘り下げていくのが楽しみだ。このセットについて私の初見における考察を楽しんで読んでいただけたのであれば幸いだ。では、また次回お会いしよう!
マルシオ・カルヴァリョ (X)