『ファウンデーションズ』へようこそ!
新セット『ファウンデーションズ』がまもなく発売されます!
魅力的なカードばかりの『ファウンデーションズ』を見ると、どんなカードやデッキが強いのか、どのカードを買えばいいのか、悩みますよね。
そこで、各構築フォーマットを代表する実力者である「神」のみなさんに、『ファウンデーションズ』で注目するカードトップ3!を聞いてみました!
■「神」とは?
晴れる屋が主催している、『神決定戦』という大会の暫定王者。スタンダード・パイオニア・モダン・レガシー・ヴィンテージ・パウパー・統率者・リミテッドの8フォーマットそれぞれで行われており、予選大会(挑戦者決定戦)と決勝大会(神決定戦)を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。
詳しくはこちらをご覧ください。→『神決定戦』特設ページ
各フォーマットを熟知した者ならではの視点から、鋭い意見が飛び交いました。「神」の目にはなにが映り、なにを考えたのでしょうか。
◆第28期スタンダード神:吉田 悠太郎
『ファウンデーションズ』カードセット全体の印象
5年間スタンダードに在籍する新たな形の基本セットということで、「カードパワーが高い」というよりも「かゆいところに手が届く」や「デッキの基礎になる」といったカードが多い印象を受けました。
また、基本セットらしくさまざまな次元のイラストのカードが収録されているのも特徴で、カードのイラストやフレーバーテキストを眺めているだけでワクワクしてしまいますね。
カードとしては、赤のゴブリン/ドラゴン、白の猫/天使、緑のエルフといったように同族デッキの構築を意識したカードが収録されているのが特徴として挙げられそうです。それらの種族は、このパックだけでは一線級のデッキとならずとも、今後の強化でメタゲームに躍り出てくる可能性がありますので、常に目を光らせておく必要がありそうです。
『ファウンデーションズ』スタンダード注目カードトップ3!
3位:《魂石の聖域》
スタンダードに最高のミシュラランド、《変わり谷》の亜種が帰って来ました!
《変わり谷》と比較して起動コストが重くなった代わりに、サイズが1回り大きくなり、また1度起動したあとは永続的にクリーチャーであるようになっています(《隠れ石》ってカード、ご存知ですか?)。
都度コストを払う必要がない代わりにソーサリータイミングの除去に当たるようになったなど、賛否両論考えられる部分もあると思いますが、「すべてのクリーチャー・タイプを持つ」の1文は相変わらず強力です。
現在スタンダードで活躍中の《不浄な別室/祭儀室》を使用したデーモンデッキや、今回大量に収録されたエルフデッキなど、同族デッキでの活躍が期待できそうです。もちろんネズミデッキでもね!
2位:《深淵の収穫者》
テキスト欄に「墓地にマナコストの重いクリーチャーを落として悪いことしようぜ」と書いてありますが、このカードの強みは「悪いことをしなくても強い」ことにあると考えます。
クリーチャーデッキ対決においてこのカードを出されてしまうと、まずはこれを処理しなければ盤面にクリーチャーを出すことすら危険すぎてままなりません。《不浄な別室/祭儀室》とシナジーのあるデーモンなのも強力で、除去を警戒して相手がクリーチャーを展開しなければドロー+ドレインでどんどんゲームが有利になっていきます。
もちろんルーティングなどで《偉大なる統一者、アトラクサ》や《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》を墓地に送って呼び出す動きもゲームを終わらせる力があり、さまざまな使用法が見つかりそうな強力カードだと思います。
1位:《上げ潮、キオーラ》
今回の1位は、プレインズウォーカーではなくなったキオーラ(2枚目)さん。場に出たときに誘発する手札を入れ替える能力は単純ながら使いやすく、3ターン目の動きとして不足ありません。“引いてから捨てる”なのも「土地捨てたら上から土地が引けなくて詰まっちゃった……」みたいな悲しい事態が起こりづらくて好感触。
2ターン目《プロフトの映像記憶》から動くのも、スタッツを一気に高めることができて楽しそうですね。またそれだけでなく、攻撃したときに「スレッショルド」を達成していれば、特大サイズのトークンを呼び出すことができます。
相手からすれば許されないムーブなので、その前に除去が当たることになるのですが、場に出たときに仕事をしつつも相手に対処を強要するということで、実質的に出し得。新スタンダードにおいて3ターン目の定番アクションとなりそうです。
◆第15期パイオニア神:齋藤 慎也
『ファウンデーションズ』カードセット全体の印象
こんにちは。パイオニア神の齋藤です。
往年の名カードが多数収録されている『ファウンデーションズ』。《ラノワールのエルフ》がスタンダードで5年使える!と話題ですね。『テーロス』の黒単信心からMTGを始めた私にとっては、《冒涜の悪魔》なんかも思い出深いカードで、今後のスタンダードがどうなっていくのか非常に楽しみです。
ただパイオニアで使えるセットは『ラヴニカの回帰』以降。私が懐かしさを覚えるカードは大体がもとからパイオニアで使用可能、なのに懐かしいということは……残念ながら基本的には使われてこなかったカードたちということになります。もちろん再評価される可能性もありますので、それは今後の楽しみとしつつ、今回は新録の中から注目カードを挙げてみました。
『ファウンデーションズ』パイオニア注目カードトップ3!
3位:《狡猾な侵入者、魁渡》
プレイヤーに戦闘ダメージが通るたびに忠誠度が増えるという珍しいテキストを持った魁渡。最近結果を残した青黒忍者で使ってみたいカードです。
《遠眼鏡のセイレーン》や《フェアリーの悪党》といった1マナの飛行クリーチャーで殴りながら忠誠度を増やし、トークンを量産していきたいところ。
青単色であることを活かして、青赤魂込めビートダウンでの採用もありかもしれません。忍者と同じく1マナから展開していくデッキですし、《アーティファクトの魂込め》で5/5になったクリーチャーをブロックされなくできるのもプレッシャーがありそうです。
2位:《深淵の収穫者》
対象が墓地に落ちたターン中という制限はあるものの、自分相手問わず、インスタントタイミングで実質リアニメイトできるというなかなかすごいテキストを持ったクリーチャー。相手の《偉大なる統一者、アトラクサ》をハンデスして釣ってもよし、相手の《黙示録、シェオルドレッド》を除去して釣ってもよしと、どんな方法で墓地に落ちてもかまわないので、単純に強いカードとしていろいろなデッキで使われるかもしれません。
起動にタップが必要なため生き残ってもらう必要があり、3/2というボディが頼りなくはありますが、《砕骨の巨人》が数を減らしているのは追い風。またデーモンということで、ぜひとも《不浄な別室/祭儀室》を採用したデッキで使いたいところですね。《不浄な別室/祭儀室》《止められぬ斬鬼》など、3マナ域は激戦ではありますが、試してみたいところです。
1位:《七つの死の種父》
先制攻撃・警戒・威迫・トランプル・到達・絆魂・護法……こんな盛り盛りのテキストを見せられて真っ先に思い浮かぶ相方といえば……そう、《魂剥ぎ》ですね(?)。(※護法はつきません)
その昔、魂剥ぎネオフォームというデッキがありました。6マナの「探査」クリーチャーを《新生化》して《偉大なる統一者、アトラクサ》を3ターン目に出したり、すごい《魂剥ぎ》を降臨させたりするデッキです。
すごい《魂剥ぎ》を作成するにあたり、一番の相方だったのは《原初の夜明け、ゼタルパ》。飛行・二段攻撃・警戒・トランプル・破壊不能……正直能力だけなら《七つの死の種父》より強い。が、8マナのゼタルパと違って《新生化》から出しやすい点は種父に軍配が上がります。
それも《偉大なる統一者、アトラクサ》でいいだろという話なのですが、すでにアトラクサが場に出ていたり、すべて墓地に落ちているパターンもあり、またライフを詰めている状況なら護法が活躍する可能性も……あるかもしれません。と、思い入れで語りすぎましたが、カード自体のポテンシャルは高いと思うので、上手く使えるデッキの登場に期待しています。
◆第4期パウパー神:長谷川 翔一
(※編注:現パウパー神・片山さんのご都合が合わなかったため、第4期パウパー神の長谷川さんに執筆していただきました)
『ファウンデーションズ』カードセット全体の印象
こんにちは、元パウパー神の長谷川です。久しぶりの基本セットの流れを汲む『ファウンデーションズ』がリリースとなります。
今回のセットでは、なんとスタンダードで5年間も使用できる珍しいセットとなっており、デッキの基盤のとなる汎用カードの再録や同族といったテーマにフィーチャーされています。また、今回から一部店舗では先行リリースキャンペーンが再開しており、僕自身もスタンダードを楽しむ予定です。
さて、そんな『ファウンデーションズ』ですが、コモンは全体的に再録が中心となっており、正直なところ目新しい要素は少なめでパウパー自体への影響度は大きくはありません。ですが、強力な新カードや待望のコモン落ち、さらには《トレイリアの恐怖》や《深き刻の忍者》を始めとしたパウパーの定番カードが多数再録されているセットでもあります!
ぜひ、この機会により始めやすくなったパウパーをプレイしていただきたいですね。それではさっそく注目カードのご紹介に参りましょう!
『ファウンデーションズ』パウパー注目カードトップ3!
3位:《論破》
3マナの打ち消し、俗にいう《取り消し》の互換ですが、非常にマナ効率のいい1枚をピックアップ。
これまでに登場した3マナカウンターには、さまざまな効果を持ったものがありましたが、大体が占術や特定の条件で1マナ軽くなる・別の効果が選べるといった《対抗呪文》があるフォーマットだと少し見劣りするものばかりでした。
ですが、このカードは一味違います。カウンターしながら手札交換できるので十分3マナ相当の動きを行っていますし、《対抗呪文》がある環境でも差別化できていると考えていいでしょう。
採用されそうなデッキは、ターボフォグや毒コントロールなどでしょうか。序盤をカウンターなどで妨害しつつ、特定のカードへアクセスしたい青いコンボデッキに採用されていくか、今後に注目しています。
2位:《ドゥイネンの精鋭》
コモン落ちではありますが、《クラーク族のシャーマン》や《ブレス攻撃》によって村を焼かれていたエルフに待望の強化カードが!!今までは手札をダンプしていかなけば横並びするのが難しかったですが、1枚でエルフ2枚分になるカードの登場は、デッキの出力を大きく変えてくれそうな印象です。
より少ない枚数で面の構築が可能になったことで《樺の知識のレインジャー》や《遠くの旋律》でのリターンを得やすくなっていることに加え、《暴走の先導》や《紆余曲折》で捲れた際に事実上の2枚分としてカウントすることで下振れを抑えてくれたりと、この先のエルフ村の再興に期待したいところ。
個人的には、エルフのロードとかもそろそろ出してくれてもいいんじゃないかな!?と思っています!タフネス上げるだけでもいいから!!
1位:《勇往邁進》
第1位は強力なモードを持ったコンバットトリック!!1マナインスタントで任意の基本土地を持ってこれる……つまり、パウパーフォーマットで最強レベルの呪文と名高い《ロリアンの発見》に近い使用感のカードになると考えています。
1マナを構えるだけで「状況に応じて土地を伸ばす」or「+2/+2」による攻めと守りを器用に使い分けられるので、いろいろなデッキに採用できそうですが、個人的なおすすめは感染デッキでの採用です。最近はあまり流行っていなかったですが、2色をそろえつつダメ押しにも使えるこのカードの登場で再び復権できることを期待したいですね。
実はこのカード『ジャンプスタート』限定収録のカードなので、持ってない人は早めにおさえることをオススメします!今のうちだぞ!!!
◆第19期リミテッド神:鈴木 勇樹
『ファウンデーションズ』カードセット全体の印象
どうもみなさん、こんにちは!リミテッド神の鈴木です!
今回の『ファウンデーションズ』は、基本セットの系譜ということで構築的にもリミテッド的にも非常に分かりやすいデザインとなっていて、これからMTGを始める方にとてもオススメのセットとなっています。スタンダードで5年間使用が可能なので、ぜひリミテッドでカードを集めたりしながら構築も楽しんでいってもらえたら嬉しいなと思います。
リミテッドは基本的に2色でデッキを組むことが多いのですが、多色のアンコモンを見ると、その色の組み合わせで目指すべき方針がなんとなく分かるので、デッキも組みやすいかなと思います。
このセット特有の新しいメカニズムなどはないので、ひとつひとつ覚えながら(思い出しながら)プレイしていきましょう!
『ファウンデーションズ』リミテッド注目カードトップ3!
3位:《ラノワールのエルフ》
みんなのラノエルが帰ってきた!!!ここ最近は、1マナのマナクリーチャーは強すぎるとの判断なのか、しばらく刷られていませんでしたが、満を持しての《ラノワールのエルフ》再録!!
構築でも強いんですが、もちろんリミテッドでも強力です。特に1ターン目にプレイできたときのゲームに与える影響はすさまじいです。2ターン目以降のすべてのターンで、相手よりも1マナ多くマナが使えるのですから。先手の場合は、相手と2マナ差のアクションを取ることができ、後手のときは先手後手を入れ替えることができます。初手のキープ基準になるのもいいですね!
プレイブースターからは出ませんが、別イラストの《ラノワールのエルフ》なんかも非常に人気がありそうですね。4枚集めて構築デッキに入れたら幸福度UP間違いなし!?緑デッキを使用する理由付けになるかも。
2位:《癒し手の鷹》
1ターン目に登場する飛行クロックかつ絆魂持ちクリーチャー!1マナのクリーチャーと侮るなかれ!この環境は到達持ちのクリーチャーが意外と少なくて、意識してデッキを組まないと飛行が止まりません。1ターン目に出たこの鷹が毎ターン殴って6~7点ダメージを与えつつ、その分ライフを回復するなんてことも。
ライフを回復することで誘発する能力を持つクリーチャーや装備品とも相性がよく、今環境ではいろんなカードと相互作用がある非常に強力なクリーチャーです。パワーを1上げるだけでもプチフィニッシャーになってしまいます。《ラノワールのエルフ》同様、初手のキープ基準になりつつ、中盤以降で引いてきたときですら強い可能性のあるすごい子です。
1位:《噴出の稲妻》
《ショック》の上位互換。「キッカー」で好きな対象に4点与えることも可能です。本体にも飛んで無駄がありませんし、序盤~終盤までいつ引いても嬉しいカードです。高マナ域のカード以外は、おおむね対処可能なのも嬉しいところ。3マナ域や4マナ域にもタフネス2が存在するため、テンポ面でも非常に優秀ですね。1マナと構えやすいどころもgoodです。
2色土地を使って構えることで、インスタントの読みを1点に絞らせないようにすることもできます。
装備品や格闘除去、強化スペルなど、クリーチャーを起点としたアクションに対して、たった1マナで睨みを利かせることができる非常に優良なスペルです。
『ファウンデーションズ』初出のカードを選出したかったんですが、個人的に好きなコモンカード達になってしまいました(笑)。
新環境を楽しもう!
「神」ならではの柔軟な発想と鋭い着眼点から、各フォーマットの『ファウンデーションズ』の注目カードをレビューしてもらいました!
目を引くような強いカードが多く、どんなデッキを組むか考えるのが楽しいですね!彼らの意見を参考に新たな戦力とともに新環境へと踏み出しましょう!
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