今年のカード
もはや晴れる屋の冬の風物詩ともいえる大型イベントである『THE LAST SUN』。今年は参加者220名にて開催となりました。スタンダードとモダンで競われる2日間、一体どのプレイヤーがどんなデッキで勝ち抜くのか、今から楽しみでなりません。
ところでみなさんは「今年の漢字®」という企画をご存知でしょうか。
今年の漢字®とは
「今年の漢字®」は漢字の素晴らしさや奥深い意義を伝えるために1995年から始まりました。
毎年年末に、1年の世相を表す漢字一字を全国から募集、どなたでも参加できるイベントです。
公益財団法人 日本漢字能力検定協会 『今年の漢字』より
因みに今年の一字は「金」です。
「今年の漢字®」に習い、1年間を通じて自分を象徴とする1枚のカードをプレイヤーから教えてもらいましょう。
平山 怜(東京)
Hareruya Pros所属
■直近の主な成績
『チャンピオンズカップファイナル シーズン2ラウンド3』準優勝
──「ご自身の今年を象徴とする1枚のカードとその理由を教えてください」
平山「《記憶の氾濫》ですね。チャンピオンズカップファイナルで使用したアゾリウスコントロールのキーカードです。あのときは《喝破》や《放浪皇》もあり、《記憶の氾濫》は歴代最強のドローソースと名高い《時を越えた探索》と同レベルの強さだと感じました」
平山「自分は純粋なコントロールデッキは嫌いなんですが、《記憶の氾濫》があるならいいなと思えるほどのカードでしたね。デッキ内のカードへのアクセス率もですが、7マナでのフラッシュバックがゲームに勝利すると書いてありますから」
──「7マナで勝利するなら、平山さんが得意とするコンボともいえなくもありませんね」
平山「《記憶の氾濫》が強すぎてプロツアー『モダンホライゾン3』で《一つの指輪》のかわりに《記憶の氾濫》入りのコントロールを使用したほどですから。そのくらい《記憶の氾濫》はお気に入りの1枚でした」
井川 良彦(東京)
Card Rush Pros所属
■直近の主な成績
『第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権』 Top8
プロツアー『サンダー・ジャンクション』 優勝
『プレイヤーズコンベンション横浜2024』 優勝
──「ご自身の今年を象徴とする1枚のカードとその理由を教えてください」
井川「チャンピオンズカップファイナルを勝たせてくれた《死せる生》かな。調整グループであるMSDみんなで作ったデッキで、それに乗っかって勝たせてもらえたからね」
──「そういう意味では今年のスタート地点であり、原点ともいえるカードですね」
井川「プロツアーの版図ランプも自分が勝ったという意味で記憶には残っているけど、直前で乗り換えて勝ったのも含めてリビングエンドの《死せる生》のほうが印象深いかなぁ」
ここで横で話を聞いていた平山 怜から待ったが入る。
平山「諜報土地じゃないんですか?あの時点で諜報土地を3枚採用してたの自分たちだけでしたよ」
井川「確かに諜報土地も迷ったけど!ちょっと地味だし、うまぶりすぎ!」
平山の横入れは無事《全面否定》されたようだ。
小笠原 智明(東京)
■直近の主な成績
──「ご自身の今年を象徴とする1枚のカードとその理由を教えてください」
小笠原「《不浄な別室/祭儀室》は練習段階で強いなと気がついた1枚ですね。使えば使うだけ味のするカードで小技を見つけたりと、新しい発見が多かったです。部屋自体が新しいメカニズムということもあり、そこが印象的でした。大会での優勝にも貢献してくれましたし、楽しいカードでした」
小笠原「それともう1枚。これは自分の好みが強くでる1枚なんですが、《ウギンの迷宮》です。モダンにエルドラージが復権したのは印象深いエピソードでした。自分はもともとエルドラージが好きで、タイミングさえ合えば常に使用したいと考えているほどです」
小笠原「ほかのフォーマットでは好みとは関係なしにデッキを選択するのですが、モダンは好きなデッキに走りがちなところがありますね。実際プレミアム予選では一度Top8に入りました」
小笠原「厳しいマッチアップの《有翼の叡智、ナドゥ》が多かったり、サイドボードに《記憶への放逐》が4枚採用されている時期なんかは諦めたりするのですが、それでも一瞬でもガードが下がったら行くぞと準備していますね。今はまさに禁止改定されたばかりでチャンスなのではと思っています」
齋藤 慎也(東京)
■直近の主な成績
『アリーナ・チャンピオンシップ4』 優勝
現パイオニア神
──「ご自身の今年を象徴とする1枚のカードとその理由を教えてください」
齋藤「1枚……う~ん。甲乙つけがたい。絞れないので2枚でもいいですか?」
齋藤「スタンダートでもパイオニアでもお世話になった《巨怪の怒り》と、パイオニアで神挑戦者決定戦と防衛戦で活躍した《湧き出る源、ジェガンサ》の2枚ですね。《巨怪の怒り》は言わずもがなの強さでしたが、《ジェガンサ》はこの相棒が良かったんですよね。ほかの相棒とは趣味が合わなくて」
──「禁止改定により《湧き出る源、ジェガンサ》は使用できなくなってしまいますね」
齋藤「次回の神決定戦はまさに相棒不在となるのは残念です」