メタゲームブレイクダウン
昨年12月16日の禁止制限告知によってモダン環境には大きな変化が訪れた。
《一つの指輪》や《色めき立つ猛竜》の禁止もさることながら、それ以上にインパクトを与えたのが《オパールのモックス》《緑の太陽の頂点》《信仰無き物あさり》《欠片の双子》といった、古えの強力カードたちの解禁である。
あの禁止改訂から約2ヵ月。モダン環境は今、どのようになっているのか。
「モダンの有識者」たる強豪プレイヤー、169名が集まった『第29期モダン神挑戦者決定戦』のメタゲームをお届けしよう。
| デッキ | 使用者数 | 使用率 |
|---|---|---|
| ディミーア眼魔 | 25 | 14.53% |
| ボロスエネルギー | 16 | 9.30% |
| マルドゥベイルマーク | 13 | 7.56% |
| 青単ベルチャー | 8 | 4.65% |
| ヨーグモス医院 | 8 | 4.65% |
| ジェスカイコントロール | 7 | 4.07% |
| ルビーストーム | 6 | 3.49% |
| エルドラージ | 5 | 2.91% |
| レンアンドオムナス | 5 | 2.91% |
| カスケードクラッシュ | 5 | 2.91% |
| アミュレットタイタン | 5 | 2.91% |
| エルドラージトロン | 4 | 2.33% |
| ホロウワン | 3 | 1.74% |
| ラクドスバーン | 3 | 1.74% |
| ハンマータイム | 3 | 1.74% |
| マルドゥエネルギー | 3 | 1.74% |
| ライブラリーアウト | 3 | 1.74% |
| ジャンドサーガ | 3 | 1.74% |
| 8-Cast | 2 | 1.16% |
| 鱗親和 | 2 | 1.16% |
| 出産の儀 | 2 | 1.16% |
| 不屈の独創力 | 2 | 1.16% |
| ドメインズー | 2 | 1.16% |
| ボロスバーン | 2 | 1.16% |
| リビングエンド | 2 | 1.16% |
| 脱出基地コンボ | 2 | 1.16% |
| マルドゥオボシュ | 2 | 1.16% |
| 黒単ネクロドミナンス | 2 | 1.16% |
| 親和 | 1 | 0.58% |
| 欠片の双子 | 1 | 0.58% |
| 裂け目の突破 | 1 | 0.58% |
| ネオブランド | 1 | 0.58% |
| マーフォーク | 1 | 0.58% |
| ジャンド昂揚 | 1 | 0.58% |
| 繁殖鱗コンボ | 1 | 0.58% |
| エレメンタル | 1 | 0.58% |
| アスモフード | 1 | 0.58% |
| エスパー眼魔 | 1 | 0.58% |
| ラクドス御霊 | 1 | 0.58% |
| エスパー御霊 | 1 | 0.58% |
| グリクシス眼魔 | 1 | 0.58% |
| グリクシス御霊 | 1 | 0.58% |
| ラクドスシャドウ | 1 | 0.58% |
| 青単マークタイド | 1 | 0.58% |
| サムワイズフード | 1 | 0.58% |
| オルゾフブリンク | 1 | 0.58% |
| エスパースピリット | 1 | 0.58% |
| デスアンドタックス | 1 | 0.58% |
| グリクシスウィザード | 1 | 0.58% |
| ヘリオッドカンパニー | 1 | 0.58% |
| イリーシアヴァラクート | 1 | 0.58% |
| スゥルタイミッドレンジ | 1 | 0.58% |
| 《巣穴の魂商人》コンボ | 1 | 0.58% |
| クラガンウィックシュート | 1 | 0.58% |
| 《ジェスカイの隆盛》コンボ | 1 | 0.58% |
| 合計 | 172 | 100% |
※提出されたデッキリストをすべて集計しています。
ディミーア眼魔 25名(14.53%)
現在、モダンでもっとも人気があるデッキが「ディミーア眼魔」だ。今大会でも使用者数25名、シェア率14.53%と押しも押されもせぬトップメタとなった。
《超能力蛙》が定着すれば墓地に《忌まわしき眼魔》を送るのは容易で、以降は《発掘》による1マナでのリアニメイトを狙うことができる。もちろん、《発掘》が釣り上げるのは《忌まわしき眼魔》でなくてもいい。このデッキには《超能力蛙》《オークの弓使い》といったモダンを代表する超強力クリーチャーが揃っている。
有利な盤面を手に入れたなら、打ち消しで「現状維持」をしているだけでゲームに勝ててしまう。簡単に逆転を許さない、堅実な試合運びが魅力のデッキだ。
墓地が肥えたなら、追加のフィニッシャーとして《濁浪の執政》も送り込んだっていい。攻め手には事欠かないのだ。
ちなみに「ディミーア眼魔」と呼んではいるが、多くのデッキリストではサイドボードに《溶融》を忍ばせるなど、赤をタッチしている。《オパールのモックス》解禁以降、アーティファクト系デッキへの対策も抜かりはないようだ。
マルドゥベイルマーク 13名(7.56%)
今、もっとも勢いに乗る新進気鋭のデッキが「マルドゥベイルマーク」だ。今大会でも「ディミーア眼魔」「ボロスエネルギー」に次ぐ3番目に人気を獲得したデッキとなった。
《色めき立つ猛竜》が禁止されて以降、エネルギーデッキは《溌剌の牧羊犬、フィリア》を試してきたが、このカードと抜群の相性を誇るのが《ベイルマークの大主》である。
「兆候」によって2マナで戦場に出したのち、《溌剌の牧羊犬、フィリア》でブリンクできれば、すぐさまハンドアドバンテージが得られる5/5として機能する。
また、《ベイルマークの大主》はただハンドアドバンテージを得るだけでなく「カード4枚を切削する」点もポイントが高い。最強カードである《火の怒りのタイタン、フレージ》にアクセスできる可能性がグッと高くなるからだ。
ちなみに《魂の導き手》が採用されているが、これ以外にエネルギーの要素はほとんどなく、これまでのエネルギーデッキと共通するカードはたくさん採用されているものの、まったくの別デッキと考えていいだろう。
新生デッキ「マルドゥベイルマーク」は、今大会で台風の目となるだろうか。
脱出基地コンボ 2名(1.16%)
今大会、意外にもシェア率が低かったデッキが「脱出基地コンボ」で、使用者はわずか2名に留まった。
しかし、このデッキのポテンシャルは高く、直近のメタゲームでもトップティアに迫る人気を見せている。
《オパールのモックス》を手に入れたことでマナ加速力が高まり、パーツさえ揃ってしまえばキルターンは早い。《研磨基地》と《死の国からの脱出》が揃えば、以降は0マナのアーティファクトを唱え続けるだけでセルフライブラリーアウトが成立し、《タッサの神託者》でゲームに勝ててしまう。
また、《研磨基地》と0マナアーティファクトによる切削能力が高く、墓地利用デッキではあるがリアニメイトや《御霊の復讐》などとは違い、《除霊用掃除機》のような単発の墓地対策カードをもろともしない強度でコンボを決めることもできる。
今大会では人気こそ低迷しているが、逆に警戒心が薄くなってチャンスではないだろうか。活躍に期待したい。
おわりに
以上、『第29期モダン神挑戦者決定戦』のメタゲームブレイクダウンをお届けした。
《色めき立つ猛竜》禁止もなんのその、ボロスエネルギーはいまだに有力デッキとして活躍し続けている。《ベイルマークの大主》の快進撃も楽しみだ。
はたして、どんなデッキが勝ち上がるだろうか。勝負の行方に注目したい。

























