はじめに
種族ランキングへようこそ!
この記事では、1つの種族にスポット当て晴れる屋の「販売価格」と「売上枚数」ランキングを見ながら、ランクインしたカードについて紹介していきます。
最初の種族は「ゴブリン」!果たして、どんなゴブリンがランクインしているのか!?
ゴブリンとは?
ゴブリンとはファンタジー世界ではおなじみの種族であり、小柄でずる賢い人型の生物です。
マジックにもたくさんの種類のゴブリンが存在しており、次元によって洞窟にいたり鍛冶場で武器を作っていたりと特徴が異なります。
マジックにおけるゴブリンの初出は1993年発売の『リミテッド・エディション』。
《ゴブリン気球部隊》《ゴブリンの王》《モンスのゴブリン略奪隊》の3種類が登場し、その後も多くのエキスパンションで赤を中心に収録されてきました。
それでは、まずは「販売価格」ランキングから見ていきましょう!
販売価格ランキング トップ10 (2025年1月時点)
第1位 《ゴブリンの王》 300,000円 『サマー・マジック』
《ゴブリンの王》が販売価格ランキング1位と王の名にふさわしい結果となりました。その価格なんと300,000円!
幻のセットである『サマー・マジック』(※)のカードということもあり、納得の価格でしょう。
(※『サマー・マジック』とは?)
9. マジックには、公式に販売に至らなかった基本セットの版が2つ存在する
1994年の『リバイズド』にはいくつもの問題があった。色が多少褪せていた。《セレンディブのイフリート》のアートや枠が間違っていた。さらに、黒のカード数枚のイメージに関してウィザーズは神経質になっていた。そこで、新しく印刷し直すという決定がくだされた。その新しい版は「エドガー/Edgar」というコードネームが与えられたが、一般には「サマー・マジック」と呼ばれている。一番有名なのは《ハリケーン》の、青のカード枠になっているという印刷ミスだろう。カードの色は濃かった。ウィザーズはそれを破棄することを決定し、箱も破棄された。一部(40箱程度だと思われる)は誤って販売され、マジック史上もっとも希少な収集品の1つとなっている。
『公式記事:続・マジックに関する25の雑多な話』より引用
またこのカードは、セットによってクリーチャー・タイプが何度か変化したカードでもあります。初登場した『リミテッド・エディション』ではゴブリンでしたが、その後の『第8版』まではゴブリンを失い「ロード」のみとなりました。これにより、ゴブリン関連の恩恵を得られない哀しき王に……。
しかし、『第9版』でゴブリンが追加、『第10版』ではロードが廃止となり、完全な《ゴブリンの王》となったのです。めでたし、めでたし(?)
第2位 《ゴブリンの溶接工》 60,000円 『ウルザズ・レガシー』日本語・Foil
第2位は『ウルザズ・レガシー』日本語・Foilの《ゴブリンの溶接工》。
場と墓地のアーティファクトを入れ替えるという珍しい能力を持っています。これにより、序盤から準備さえ整えば《隔離するタイタン》などをリアニメイトすることが可能!
現在ではレガシーのペインターで採用されており、《ゴブリンの技師》で任意のアーティファクトを墓地に落としつつ、《絵描きの召使い》と《丸砥石》のコンボを狙ったり、《ケイオス・ディファイラー》で相手のパーマネントを破壊したりと多彩な動きを見せてくれます。
第3位 《ゴブリンの太守スクイー》 52,000円 『メルカディアン・マスクス』日本語・Foil
『メルカディアン・マスクス』を代表するゴブリンなのが《ゴブリンの太守スクイー》です。
墓地にあると勝手に帰ってくるので手札コストにし放題。当時は同じ環境に《マスティコア》がいたので、無限の維持コストとして活躍しました。
最近ではアスモフードの《地獄料理書》のコストとして使われることも。
第4位 《ゴブリンの女看守》 50,000円 『第7版』日本語・Foil
ゴブリン専用のチューターである《ゴブリンの女看守》が4位にランクイン。
ゴブリンはその歴史から種類も豊富ということもあって、さまざまな能力もったカードが多く存在します。コンボパーツや《上流階級のゴブリン、マクサス》などをピンポイントでサーチできるのは非常に強力であり、今でも使われている優秀なゴブリンです。
第4位 《包囲攻撃の司令官》 50,000円 『スカージ』日本語・Foil
「ギャンコマ」こと《包囲攻撃の司令官》が同率4位にランクイン。
過去には《ゴブリンの名手》と《総帥の召集》を使った「ゴブリン召集」が有名で、『世界選手権03』の上位デッキを製品化した『World Championship Decks 2003』に金枠でも収録されています。
『ドミナリア』で再録されたときは、ラクドスミッドレンジのフィニッシャーとして当時のスタンダードで採用されていましたね。
第4位 《群衆の親分、クレンコ》 50,000円 『ラヴニカ・リマスター』英語版・ダブルレインボウ・Foil(シリアル入り)
『ラヴニカ・リマスター』では全64種のレアや神話レアに、それぞれ500枚限定で「ダブルレインボウ・Foil仕様のシリアル番号付きカード」が出現します。コレクター・ブースターから1%の確率でしか出ないため、これらのバージョンは軒並み高額となっています。
《群衆の親分、クレンコ》は起動型能力で戦場のゴブリンを倍々に増やしていくことができるので、ロードとの相性は抜群。特に《ゴブリンの酋長》は速攻を付与してくれるので、クレンコを出したそのターンに能力を起動しつつトークンで攻撃できます。
MTGアリーナ限定フォーマットの「ヒストリック」では、《上流階級のゴブリン、マクサス》からこれらを一気に展開してワンショットキルするデッキが横行しました。
『ファウンデーションズ』に収録されたことで5年は使えるので、今後収録されるゴブリン次第でまた日の目を浴びることでしょう。
第4位 《ゴブリン気球部隊》 50,000円 『サマー・マジック』
なんでこんなに高いの?それはね、『サマー・マジック』だから。
「敵が近くまで来すぎだぞ!急げ!ひき蛙を膨らませろ!」
《ゴブリン気球部隊》 フレーバーテキストより
能力こそ地味ですが、火を使ってひき蛙で空に飛んでいくの可愛すぎますね😊
第8位 《鏡割りのキキジキ》 45,000円 『神河物語』日本語版・Foil
神河・ブロックではお馴染みの《鏡割りのキキジキ》が8位にランクイン。
《鏡割りのキキジキ》はゴブリンデッキだけでなく、さまざまなデッキでコンボパーツとして使われてきました。《侵入警報》とのキキジキアラームや、追加の《欠片の双子》として《詐欺師の総督》と無限トークンコンボを決めたりと用途は多岐に渡ります。
第9位 《モンスのゴブリン略奪隊》 30,000円 『サマー・マジック』
1マナ・1/1という超シンプルスペックなゴブリン。
《マロー》をはじめ、昔はデザイナーの名にちなんで名付けられたカードも多く、《モンスのゴブリン略奪隊》はリチャード・ガーフィールド氏の旧友であるモンス・ジョンソン/Mons Johnson氏から来ているそう。
モンス・ジョンソン/Mons Johnsonはリチャード・ガーフィールドの旧友である。彼はゴブリン好きで知られていたので、『アルファ版』を作るときにリチャードは人気のあるゴブリンを作ることにした。そのゴブリンこそ、彼の友人にちなんで名付けられたパシャリク・モンスである。《モンスのゴブリン略奪隊》は、このパシャリク・モンスの仲間たちなのだ。
《モンスのゴブリン略奪隊》のフレーバーテキストで登場した《パシャリク・モンス》は、のちに『モダンホライゾン』でカード化されました。
ちなみにこのカード、デュエルマスターズでも登場しています!
第9位 《ゴブリンの名手》 30,000円 『オンスロート』日本語・Foil
タップすると1点を好きなとこに飛ばせる、いわゆる「ティム能力」を持ったゴブリン。自分でアンタップこそできませんが、クリーチャーが死亡するとそのたびに起き上がります。
つまり、相手にどれだけタフネス1のクリーチャーがいようと1枚で壊滅させることが可能!
前述したゴブリン召集のキーカードであり、《スカークの探鉱者》や《包囲攻撃の司令官》と組み合わせると、ゴブリンを生け贄にマナを生み出しながらダメージを飛ばすことができるのです。
現在でも最安値が1,500円と人気であり、統率者やミドルスクールなどで使われています。
第10位 《不死身、スクイー》 20,000円 『機械兵団の進軍 多元宇宙の伝説』英語版・ダブルレインボウ・Foil
ストーリーでも主要キャラとして登場したことのあるスクイー。ファイレクシアによって不死身の身体にされてしまうのですが、カードでも「墓地や追放領域からも唱えられる」まさに不死身のクリーチャーとなっています。
侵略戦争も終盤が近づいた頃、スクイーはファイレクシアによって捕えられてしまい、何度死のうとも生き返る身体へと改造されてしまいます。その目的は「繰り返し処刑して楽しむため」。いや本当に。やはり様々な理由で長寿キャラ多数のドミナリア、リリアナは何を思うのか。
構築では主にレガシーの《食物連鎖》デッキで、無限マナ生み出すコンボパーツとして採用されることがあります。
第10位 《ゴブリンの群衆追い》 20,000円 『オンスロート』日本語・Foil
サイズの修正値が+2/+0と凄まじく、レガシーやヴィンテージで驚異的な打点をこれまで稼いできたゴブリンです。
当時のプロツアーでも大活躍な《ゴブリンの群衆追い》が10位となりました。
売上枚数ランキング トップ10 (2024年集計)
第1位 《巣穴の魂商人》 2,844枚
2024年に最も売れたゴブリンは《巣穴の魂商人》でした!
同じく『モダンホライゾン3』で登場した《マリオネットの見習い》と、《墓所這い》との無限コンボが話題となりましたね。最近では《出産の儀》を用いてコンボをそろえるようです。
第2位 《鏡割りの寓話》 2,456枚
正確にはゴブリンではないですが、裏面の《キキジキの鏡像》がゴブリンなのでランクイン。
発売からありとあらゆるデッキとフォーマットで採用され、“マジックと相性が良いカード”として現在も大活躍中です。勢いあまって前環境のスタンダードでは禁止となりました。
第3位 《ボガートの獲物さらい》 2,361枚
裏面がアンタップインの土地なこともあって、メインから採用できる墓地対策として大活躍。黒系のデッキにはとりあえず入れておいて損なし、ということで人気を集めました。
第4位 《鍾乳石の追跡者》 2,047枚
『イクサラン:失われし洞窟』で登場したスタンダード・リーガルなカードですが、主戦場はレガシーのようです。
フェッチランドのおかげで簡単に「落魄」することができ、1ターン目から2/2・威迫と軽くて優秀なクロックになります。レガシーはクリーチャーデッキがそこまで多くなく、コンボやコントロール相手にとって脅威となるゴブリンです。
第5位 《逃走する暗号破り》 1924枚
果敢・速攻とアグロデッキにとってうれしい能力を持ちつつ、ドロー能力までついた偉いゴブリンです。
しかし、『ブルームバロウ』からどう考えても強すぎるハツカネズミたちが登場したことで、その枠を追われています(泣)
第6位 《下賤の教主》 1,695枚
《貴族の教主》がゴブリンになってジャンドカラーのマナを生み出せるようになりました。ゴブリンのメインカラーである色をサポートしながら、自身もゴブリンなので種族サポートの恩恵を得られる優秀なゴブリンです。
第7位 《騒音の悪獣》 1,526枚
スタンダードで大暴れ中の果敢デッキに採用されている《騒音の悪獣》が7位に登場。
コンバットトリックと相性が良く、《残響の力線》と《無感情の売剣》による理不尽な負け方をしたプレイヤーも多いのではないでしょうか?許せませんよね。
《心火の英雄》と違って自身の能力で生け贄に捧げられるため、うっかりタップアウトするとゲームが終わっていることも多いです。
第8位 《犯罪小説家》 1,500枚
可愛いゴブリンですが、能力は強力です。アーティファクトを生け贄に捧げるだけでマナがでるなんて、コンボの匂いが強烈にしますよね?
同じ『カルロフ邸殺人事件』で登場した《ブリキ通りの男爵、クレンコ》と相性が良く、クレンコ自身の能力でアーティファクトを生け贄に捧げると《犯罪小説家》からマナが出るので、そのままクレンコの能力のマナを支払えます。
ほかにも、《飛行機械の鋳造所》と《弱者の剣》を使ったソプターコンボや《クラーク族の鉄工所》、《活性機構》+《アシュノッドの供犠台》など、さまざまなコンボで活躍する可愛いゴブリンです。
第9位 《ゴブリンの墓荒らし》 1,485枚
『イクサラン:失われし洞窟』という比較的最近のセットから登場も、今やパウパーのカルドーサレッドでお馴染みのゴブリン。
アーティファクト土地を使用できるパウパーでは、1ターン目からデメリットなしの《ゴブリンの先達》になります。
第10位 《無謀なる従僕》 1,484枚
《無謀なる従僕》も主にパウパーで使用されているゴブリンです。
序盤はクロックを稼ぎながら、後半は宝物・トークン+ドローと無駄がありません。パウパーにはタフネス1をいじめるカードも多いので、タフネス2なのは嬉しいですね。
先制攻撃持ちなので、ダメージを与えてから生け贄にするとアーティファクトカウントが増えて、一緒に攻撃している《ゴブリンの墓荒らし》のサイズを上げられるという小テクもあります。
おまけ:伝説のゴブリン紹介
昨今は統率者ブームということで、『ファウンデーションズ』までに登場した伝説のゴブリンをまとめました。
ゴブリンは統率者戦でも人気です!なかでもゴブリン・トークンをばらまく《群衆の親分、クレンコ》や、《ゴブリンの女看守》とのコンボが素晴らしい《上流階級のゴブリン、マクサス》、マリガンルールを利用する奇妙な《地下牢の管理人、グレンゾ》が人気を集めています。
ほかにも《食物連鎖》の無限マナコンボパーツとなる《不死身、スクイー》や、《村の鐘鳴らし》《やっかい児》《強制的な勧誘者》と無限トークンコンボとなる《鏡割りのキキジキ》、《ゴブリンの女看守》とのコンボが楽しい《人目を引く詮索者》などなど!統率者戦ではたくさんのゴブリンが活躍しています!
2つのランキングを通してゴブリンを紹介してきましたが、昔活躍したゴブリンから、現在使われている人気なゴブリンまでいろいろと登場して楽しめたのではないでしょうか?
次回はまた新たな種族ランキングでお会いしましょう!