はじめに
はじめまして!えんぞーと申します。
普段はログテヴェサミットという仲良しcEDHコミュニティで細々と遊んでおります。
ここ数回、統率者神決定戦の結果を個人的に分析し記事を公開していたのですが、今回晴れる屋様からお声がけいただき、この場を借りて分析記事を書かせていただけることになりました。
はじめに2
『第11期統率者神決定戦』、お疲れ様でした!
参加者は過去最高の159名!!地方からの遠征勢も多かったらしく、cEDHの盛り上がりを感じます。
1人のcEDHプレイヤーとして、とてもとても嬉しいことです。
2024年9月23日の衝撃の禁止改定。
2か月後、その禁止改定後初の国内大型大会となった2024年11月30日の『第10期統率者神決定戦』。
さらに、そこから3カ月が経過しました。
さて、『第11期統率者神決定戦』のメタゲームはどうだったのでしょうか?
『第10期統率者神決定戦』後の環境の変遷
まずは環境の変遷についてまとめていきましょう。
こちらは前回の『第10期統率者神決定戦』以降、関東で行われた中型大会で優勝した統率者をまとめたものです。
日付 | 店名 | 統率者 |
---|---|---|
2025/02/22 | 晴れる屋 横浜店 | 《ワイアウッドの呼び手、ギランラ》 《ルーデヴィックの名作、クラム》 |
2025/02/16 | 晴れる屋 千葉店 | 《秘密売り、ティヴィット》 |
2025/02/15 | カードショップサトPin(立川) | 《秘密売り、ティヴィット》 |
2025/02/15 | 晴れる屋 渋谷店 | 《浄火の戦術家、デリーヴィー》 |
2025/02/01 | 晴れる屋 千葉店 | 《秘密売り、ティヴィット》 |
2025/01/26 | 晴れる屋 千葉店 | 《トレストの密偵長、エドリック》 |
2025/01/25 | 晴れる屋 吉祥寺店 | 《先見者、ニヴ=ミゼット》 |
2025/01/19 | 晴れる屋 横浜店 | 《秘密売り、ティヴィット》 |
2025/01/18 | 晴れる屋 千葉店 | 《秘密売り、ティヴィット》 |
2025/01/13 | 晴れる屋 渋谷店 | 《浜辺の王、プラゴン》 |
2025/01/12 | 晴れる屋 千葉店 | 《刃を咲かせる者、ナジーラ》 |
2025/01/03 | 晴れる屋 千葉店 | 《トレストの密偵長、エドリック》 |
2024/12/29 | カードショップサトPin(立川) | 《秘密売り、ティヴィット》 |
2024/12/29 | 晴れる屋 渋谷店 | 《鋭い目の航海士、マルコム》 《織り手のティムナ》 |
2024/12/28 | 晴れる屋 千葉店 | 《刃を咲かせる者、ナジーラ》 |
2024/12/07 | 晴れる屋 千葉店 | 《トレストの密偵長、エドリック》 |
注目は《秘密売り、ティヴィット》の圧倒的強さ!
なんと16大会中6大会で勝利を収める無双っぷり。
特筆すべきは6大会で5名のプレイヤーが《秘密売り、ティヴィット》を使用して優勝しているという点です。
それぞれのプレイヤーがさまざまな大会で結果を残す強豪ですが、この結果はプレイヤーパワーだけのものではなく、デッキのパワーと再現性が極めて高いということではないでしょうか。
また、それ以外の大会もアグロレンジで勝利を目指す統率者はあまり目立たず、ミッドレンジ以降に焦点を当てた統率者が勝利を収めていることが分かります。
■アグロ・ミッドレンジという表現について
トーナメントでプレイされる統率者戦では、ほとんどすべてのデッキがコンボでの勝利を目指します。
ここでの「アグロ」とは高速コンボを狙うゲームレンジ、「ミッドレンジ」とはアドバンテージを獲得しながら、サーチや妨害もまじえてコンボの完遂を目指すゲームレンジを指します。
(実は《刃を咲かせる者、ナジーラ》もしれっと2回優勝しており、この時点で片鱗は見せていましたね…)
第10期以降の環境について、以下のような分析をしていました。
■『第10期統率者神決定戦』以降の環境分析
・禁止改定による影響でみんなマナ不足に陥っている。
・それぞれのデッキが仕掛けるレンジが少し後ろにずれた。
・少しずつプレイヤーがレンジの”ズレ”に対応し始めた。
→レンジがズレたことによって少しだけ受けやすくなっている。
→特にファーストペンギン※1は止められやすい。
・その結果、ミッドレンジまでゲームが伸びやすい。
→ただし受けを含めたインタラクション※2の枚数は足りていない。
・そのため、伸びたゲームを制しきれる統率者が強い。
→その代表例が《秘密売り、ティヴィット》である。
・《リスティックの研究》《神秘的負荷》は引き続き圧倒的な脅威。
→マナ不足でよりケアしにくくなった。
・《息詰まる徴税》は禁止改定以降、圧倒的な強さになった。
→マナ不足になっている中、そこを解消するカードとして価値が上昇している。
→ゲームレンジが遅くなったことで通常ドローでの宝物・トークン生成回数が増えた。
→もちろん置かれた側もマナ不足のためケアしにくい。
(※1ファーストペンギン:最初に勝利に向かうアクションを仕掛けるプレイヤー/統率者のこと。英語の成句から)
(※2インタラクション:対戦相手の行動に対する介入・干渉・妨害といったニュアンス。参考記事はこちら)
この分析から、第11期のメタゲームを以下のように予想していました。
■『第11期統率者神決定戦』メタゲーム予想
・《秘密売り、ティヴィット》が増えそう。
・注目の新カードである《Iron Man, Titan of Innovation》は人気なため多そう。
・《秘密売り、ティヴィット》がぶん回す全除去に耐えるか、《秘密売り、ティヴィット》のレンジになるまでにゲームを決める必要がある。
・それまでにゲームを決める場合、卓に存在するカウンターと除去(インタラクション)をどう掻い潜るかが難しい。
さて、この予想は合っていたのでしょうか……?
メタゲームブレイクダウン+結果の所感
ここからは『第11期統率者神決定戦』の結果とメタゲームブレイクダウンから受けた印象などを語っていきます。

- 2025/02/23
- 第11期統率者神挑戦者決定戦:メタゲームブレイクダウン
- 晴れる屋メディアチーム
行方不明!?《秘密売り、ティヴィット》はどこへ?
まさかの使用者4名……
《秘密売り、ティヴィット》が増えると予想していたプレイヤーは自分含め多かったのですが、想像より使用者が少なかったです。最強だと思ってたんですけどね……
「統率者神と同じデッキ」を回避するという心理もあるのかもしれません。
でもタカハシ選手が神の座にいるときは《織り手のティムナ》&《ルーデヴィックの名作、クラム》が多かったような……?
《むかつき》、《むかつき》、《むかつき》イイイイィィィィィ!
TOP12には6つの《むかつき》デッキが残り、2日目のゲームの3/4が《むかつき》で決まったように、今回は「《むかつき》回」と言っても差し支えないほどの《むかつき》っぷりでした。
今回、”インタラクションを乗り越えて《むかつき》を撃つことができるデッキを使う”という択をとってくるプレイヤーは少ないと予想していましたが、実際は環境の解答として《むかつき》を撃つことを選択したプレイヤーが多かったです。
《織り手のティムナ》&《ルーデヴィックの名作、クラム》の復活
《織り手のティムナ》&《ルーデヴィックの名作、クラム》使用者、11名!!!
前回比10人増、いったい何があったのか……
『コマサミサーガ沖縄』で優勝したものの、ほかに目立った戦績を上げたわけではないです。
実際に中型大会でもあまり見かけなかったので、ここまで隆盛してくるのは想定外でした。
環境の解答が《むかつき》なのであればより適したデッキがあるはずで、《秘密売り、ティヴィット》なのであれば《秘密売り、ティヴィット》が適したデッキのはずです。
どのような理由付けで《織り手のティムナ》&《ルーデヴィックの名作、クラム》を選択したのか、機会があれば選択したプレイヤーに話を聞いてみたいですね。
統率者ピックアップ
次は主要統率者の戦績を。
今回は「使用者が4名以上」の統率者をピックアップし、それぞれの勝率を見ていきましょう!
統率者 | 使用者数 | 勝ち | 負け | 引き分け | 勝率 |
---|---|---|---|---|---|
《織り手のティムナ》 《ルーデヴィックの名作、クラム》 |
11 | 22 | 40 | 2 | 34.38% |
《眷者の神童、キナン》 | 6 | 10 | 25 | 1 | 27.78% |
《激情の薬瓶砕き》 《鋭い目の航海士、マルコム》 |
6 | 9 | 26 | 1 | 25% |
《トリトンの英雄、トラシオス》 《織り手のティムナ》 |
6 | 8 | 24 | 2 | 23.53% |
《刃を咲かせる者、ナジーラ》 | 4 | 10 | 14 | 0 | 41.67% |
《秘密売り、ティヴィット》 | 4 | 10 | 12 | 2 | 41.67% |
《Iron Man, Titan of Innovation》 | 4 | 7 | 16 | 1 | 29.17% |
《最高工匠卿、ウルザ》 | 4 | 6 | 16 | 2 | 25% |
《厚顔の無法者、マグダ》 | 4 | 5 | 17 | 0 | 22.73% |
《浄火の戦術家、デリーヴィー》 | 4 | 5 | 16 | 2 | 21.74% |
《災厄の占い師、グラルブ》 | 4 | 5 | 19 | 0 | 20.83% |
(※ここでの勝率は「引き分けを負けとカウントした」計算になっています)
……と思っていたのですが、まさかの使用率上位の統率者の勝率が総じて良いという事態!!
使用率上位の統率者の勝率の向上は、強いデッキを選択するプレイヤーが増えた、と捉えることもできそうです。
参加人数が多くなったことに起因しているのかもしれません。
統率者ピックアップにおいて、「なぜ勝率が出たのか?」は「なぜ勝率が出なかったのか?」より難しい問題ですが、考えてみましょう。
《織り手のティムナ》&《ルーデヴィックの名作、クラム》
第11期 | 第10期※ | |
---|---|---|
使用者 | 11名 | (1名) |
戦績 | 22-40-2 | (3-2-1) |
勝率 | 34.38% | (50%) |
(※第10期の使用者が少ないため参考値)
順位 | ポイント | 戦績 |
---|---|---|
2 | 1950 | 5-1-0 |
7 | 1657 | 4-1-1 |
29 | 1324 | 3-3-0 |
34 | 1166 | 2-3-1 |
40 | 1133 | 2-4-0 |
50 | 1098 | 2-4-0 |
62 | 1054 | 2-4-0 |
64 | 961 | 1-5-0 |
100 | 843 | 1-5-0 |
121 | 649 | 0-6-0 |
– | – | 0-4-0(ドロップ) |
(※X-X-Xは勝ち-負け-引き分けを意味します)
みなさんおなじみ“ミッドレンジの王”。
前回の第10期では使用者が1名にまで減ってしまいましたが、今回はなんと使用者11名。
「復権する可能性はあるが、繊細な新環境に適応するには使い手だけではなく、対戦相手側の環境理解も深める必要があり、復帰までには時間がかかりそう」という評価をしていましたが、予想よりも早い返り咲きとなりました。
とある強豪プレイヤーに「ティムクラはG並みにしぶとい」と言わしめた不屈のジェネラル。《有翼の叡智、ナドゥ》に殺され、禁止改定に殺され、それでも不死鳥の如く蘇ります。
そして、元統率者神タカハシ選手のあまりにも早いカムバック。そこには「この物語の真の主役は誰なんだ?」という疑問が生じるほどです。
今回の環境を制したのは《むかつき》とそこまでを巡る攻防でした。
《織り手のティムナ》&《ルーデヴィックの名作、クラム》の強さは《むかつき》戦略とミッドレンジ戦略の両立であり、このメタゲームの1つの解であったのかもしれません。
《眷者の神童、キナン》
第11期 | 第10期 | |
---|---|---|
使用者 | 6名 | 9名 |
戦績 | 10-25-1 | 9-41-4 |
勝率 | 27.78% | 16.67% |
順位 | ポイント | 戦績 |
---|---|---|
26 | 1329 | 3-3-0 |
35 | 1153 | 2-4-0 |
41 | 1133 | 2-4-0 |
87 | 844 | 1-5-0 |
95 | 844 | 1-5-0 |
102 | 843 | 1-4-1 |
前回は使用者数最多統率者でしたが、勝率は低かった《眷者の神童、キナン》。
ですが、今回は使用者数こそ減ったものの勝率を大幅に伸ばしました。
国内・海外でマナクリーチャーを絞った新たな構築が模索されていたりと、少しずつ立ち位置やデッキ強度が上昇している雰囲気を感じます。
各デッキの最適化が進んだことと、キナンより愚直に勝利を目指すデッキが増えたことによって、「悪目立ち」も少しづつ減ってきましたね。
デッキパワーと人気を兼ね備えていることも魅力です。情報が収集しやすく、構築を気軽に相談しやすいですね。同好の士も見つかるかもしれません!!cEDHを始める際のデッキとしてもオススメできますね。
《激情の薬瓶砕き》&《鋭い目の航海士、マルコム》
第11期 | 第10期 | |
---|---|---|
使用者 | 6名 | 5名 |
戦績 | 9-26-1 | 6-20-1 |
勝率 | 25% | 22.22% |
順位 | ポイント | 戦績 |
---|---|---|
25 | 1330 | 3-3-0 |
27 | 1328 | 3-3-0 |
48 | 1101 | 2-4-0 |
88 | 844 | 1-5-0 |
108 | 649 | 0-5-1 |
122 | 649 | 0-6-0 |
この統率者もデッキパワーと人気を兼ね備えています。
《激情の薬瓶砕き》&《鋭い目の航海士、マルコム》を好きで使っているプレイヤーも少なくはないでしょう。
ただ、現環境にはあまりマッチしていないと考えています。
理由として、足回りだけでなくミッドレンジプランも《鋭い目の航海士、マルコム》に依存している構築が多いことが挙げられます。
何をするにも《鋭い目の航海士、マルコム》の着地を目指すしかなく、《鋭い目の航海士、マルコム》を除去されると全プランが崩壊してしまうことが問題です。
アグロプラン・ミッドレンジプランをどちらも統率者に依存しているという構造は、純粋なミッドレンジ勝負において”脆い”と言わざるを得ません。
とはいえ、まだ伸びしろがある統率者だと思っており、マルコム1軸からの脱却を図ることができれば、もう1段階高い次元の《むかつき》&ミッドレンジデッキとして振る舞うことができるのではないでしょうか。
とは言いつつも、現時点でも
これらの強さは健在で、25%という最低限の勝率も出ています。
今後もそれなりに見かけ、それ相応に勝ちを重ねると予想されます。
《トリトンの英雄、トラシオス》&《織り手のティムナ》
第11期 | 第10期 | |
---|---|---|
使用者 | 6名 | 8名 |
戦績 | 8-24-2 | 10-26-10 |
勝率 | 23.53% | 21.74% |
順位 | ポイント | 戦績 |
---|---|---|
13 | 1414 | 3-3-0 |
44 | 1119 | 2-3-1 |
58 | 1068 | 2-4-0 |
92 | 844 | 1-4-1 |
119 | 649 | 0-6-0 |
– | – | 0-4-0(ドロップ) |
こちらもcEDHといえばの統率者ですね。
しばらくの間、「負けないゲームを作ることはできるものの勝ち手段に欠ける」と評価されていましたが、第10期統率者神決定戦13位のムカイ選手による「勝ち切るアプローチ」によって国内のデッキリストが1段階進化したと考えています。
さらに「より早いアプローチ」や「逆にどっしりアプローチ」などが研究され、新たな進化の片鱗を見せているこのデッキは、次回の統率者神でも台風の目になりうるポテンシャルを秘めています。
《刃を咲かせる者、ナジーラ》
第11期 | 第10期 | |
---|---|---|
使用者 | 4名 | 2名 |
戦績 | 10-14-0 | 2-9-1 |
勝率 | 41.67% | 16.67% |
順位 | ポイント | 戦績 |
---|---|---|
4 | 1727 | 4-2-0 |
12 | 1421 | 3-3-0 |
36 | 1152 | 2-4-0 |
74 | 889 | 1-5-0 |
神に辿り着いたデッキです。
戦士トークン横並び→《浄火の戦術家、デリーヴィー》or《不気味な雇われ人》→無限追加戦闘のイメージが強いですが、5色グッドスタッフとしてふるまうことも可能(というか本質は5色グッドスタッフ)です。
さらに環境に合わせ、《むかつき》戦略や《暗黒の儀式》などのマナ加速+《ネクロポーテンス》の通称「ダークネクロ」戦略なども搭載可能です。
今回TOP12に入賞した2名のリストは、この戦略に重きを置いたリストでした。
《刃を咲かせる者、ナジーラ》の有意ポイントを考えていきましょう。多色ミッドレンジなので、優秀な4色共闘との比較になります。
メリットは当然5色目、デメリットは統率領域にクリーチャーが1体しか置けないことですね(当たり前すぎる)。
……当たり前すぎるので、固有の強みを考えていきます。
・《ナクタムンの侍臣、サムト》というオリカ《刃を咲かせる者、ナジーラ》と超絶にシナジーするドローソースの存在。
・《エルフの指導霊》《ほくちの壁》とそれらをサーチできる《召喚士の契約》による《むかつき》後の安定性。
→”ジャンドむかつき3種の神器”を採用しながらカウンターと対話拒否を持てる。
・統率者が汎用でないからこその統率者固有コンボ(無限戦闘)。
・青いミッドレンジでクリーチャー戦略を取るにもかかわらず《赤霊破》《紅蓮破》が当たらない。
・大量のトークンによるコンバットでゲームを動かすことができる。
などがあげられます。
しかし、《刃を咲かせる者、ナジーラ》の真の強みは構築によってレンジを調整できる幅が大きいことです。
今回入賞した《むかつき》戦略や「ダークネクロ」戦略だけでなく、無限戦闘特化型や、戦士シナジーに重きを置いた型など5色であることを活かした柔軟なレンジ調整が可能です。
《秘密売り、ティヴィット》
第11期 | 第10期 | |
---|---|---|
使用者 | 4名 | 3名 |
戦績 | 10-12-2 | 8-9-1 |
勝率 | 41.67% | 44.44% |
順位 | ポイント | 戦績 |
---|---|---|
14 | 1410 | 3-3-0 |
20 | 1362 | 3-3-0 |
43 | 1122 | 2-2-2 |
63 | 1054 | 2-4-0 |
今回TOP12入賞こそしませんでしたが、直近の中型大会の結果、そして今大会の勝率を見てみると間違いなく“現環境最強”の統率者の1体です。
実はこの統率者、私がデータ収集を始めた第9期以降、勝率が40%を下回ったことがありません。
(第9期 45.83%→第10期 44.44%→第11期 41.67%)
1度着地するとゲームを強引に持っていくことができる除去耐性のある重量統率者ですので、着地した瞬間に「自分のゲーム」を作ることができ、それが環境に非常にマッチしています。
①《秘密売り、ティヴィット》着地を目的に「マナを加速する」フェーズ
②《秘密売り、ティヴィット》着地後ゲームを掌握し、勝ちを目指すフェーズ
と目的が明確でプレイの方針がシンプルなため、初心者にもオススメしやすい統率者になっております。
強くてシンプル!みんな、《秘密売り、ティヴィット》を出そう!
引き続き環境最強として横綱相撲を取り続けるのか、今後が楽しみです。
《Iron Man, Titan of Innovation》
第11期 | 第10期 | |
---|---|---|
使用者 | 4名 | – |
戦績 | 7-16-1 | – |
勝率 | 29.17% | – |
順位 | ポイント | 戦績 |
---|---|---|
15 | 1382 | 3-3-0 |
31 | 1294 | 3-3-0 |
69 | 893 | 1-4-1 |
113 | 649 | 0-6-0 |
Secret Lair「Marvel Superdrop」で登場した「アイアンマン」こと《Iron Man, Titan of Innovation》は、統率領域に置くにはあまりにも高いカードパワーを持っています。
アーティファクトクリーチャーなのはフレーバーに沿っていてカッコいいと思いますが、《Mishra’s Workshop》から出てくるのはインチキすぎる!
「アーク・リアクターのカード化」とまで言われた「アイアンマンのオリカ」こと《秘密の複製機》を絡めたコンボがまだあまり知られておらず、初見殺し要素もあったのかもしれません。
また、4名のプレイヤーがそれぞれの独自構築を披露しており、まだまだ発展途上のデッキであることを感じます。
勝ちきれなかったのは、あまりにも強すぎる”圧”の影響もあると考えています。「なんかやばくね?」で除去られそうな、あまりにも禍々しいテキスト。
とはいえ頻繁に対戦機会がある統率者ではなさそうなので、初見殺しで勝ちやすいいわゆる“御祝儀期間”はまだしばらく続きそうな気がします。
《最高工匠卿、ウルザ》
第11期 | 第10期※ | |
---|---|---|
使用者 | 4名 | (1名) |
戦績 | 6-16-2 | (0-6-0) |
勝率 | 25% | (0%) |
(※第10期の使用者が少ないため参考値)
順位 | ポイント | 戦績 |
---|---|---|
24 | 1331 | 3-2-1 |
54 | 1085 | 2-4-0 |
79 | 874 | 1-5-0 |
105 | 649 | 0-5-1 |
この統率者も豪快で、国内海外ともにファンが多い印象です。
しかし、今回高い勝率を残すとは思いませんでした。
《眷者の神童、キナン》や《Iron Man, Titan of Innovation》とともに、いわゆる「青茶系」の勝率が高いです。
以下のような理由があると考えられます。
・加速がアーティファクトに寄っているため、全体除去にある程度の耐性がある。
・止めどころが分かりづらい。
・1枚1枚のアーティファクトはジャブだが、組み合わせでじわじわと勝利に向かえる。
・アーティファクト除去は、クリーチャー除去に比べ採用率が低い。
・アーティファクトは《否認》系カウンターの一部では止められない。
対「青茶系」の統率者は、統率者+アーティファクトのシナジーの知識や展開されうる盤面の想像力が求められますので、ポロっとゲームを落としてしまうことも多いでしょう。
《厚顔の無法者、マグダ》
第11期 | 第10期※ | |
---|---|---|
使用者 | 4名 | (2名) |
戦績 | 5-17-0 | (4-6-0) |
勝率 | 22.73% | (40%) |
(※第10期の使用者が少ないため参考値)
順位 | ポイント | 戦績 |
---|---|---|
22 | 1350 | 3-3-0 |
84 | 860 | 1-5-0 |
114 | 649 | 0-6-0 |
– | – | 1-3-0(ドロップ) |
『ブルームバロウ』にて《三本木のマスコット》《樹皮形態の収穫者》と2枚の”メタルドワーフ”を手に入れ厚みが増しました。
海外では人気も高く、第10期での入賞の記憶も新しい統率者ですが、その割には動きをしっかりと把握しているプレイヤーが少ないです。条件さえそろえばインスタントWinも可能で、知らないと予想外のところから敗北します。
また、コンボ特化からスタックス戦略まで、デッキ構築段階であれば意外と取れる戦略が広かったりもします。赤単だと思って舐めるなかれ。
実は3年前(!)の『第1期統率者神決定戦』を1位通過したのも、この《厚顔の無法者、マグダ》でした。
ヘビーユーザーの多い統率者なので、統率者神決定戦に出場するなら事前に予習しておきたい統率者のひとつではありますね。
《浄火の戦術家、デリーヴィー》
第11期 | 第10期 | |
---|---|---|
使用者 | 4名 | 6名 |
戦績 | 5-16-2 | 9-19-6 |
勝率 | 27.74% | 26.47% |
順位 | ポイント | 戦績 |
---|---|---|
1 | 2004 | 5-0-1 |
106 | 649 | 0-6-0 |
115 | 649 | 0-6-0 |
– | – | 0-4-1(ドロップ) |
《浄火の戦術家、デリーヴィー》は、EDHでも屈指のパワーカード《一つの指輪》《ガイアの揺籃の地》を強く使うという点で最高の位置に存在する統率者です。
さらに《一つの指輪》というミッドレンジデッキに対する太いプランを獲得後も、近代MTGのクリーチャーの質向上に伴い定期的な強化を貰っています。
このように並べると、この1年ちょっとでどのくらい強化を貰っているかが伝わるでしょうか。
直近でも《運送の魔道士》を獲得し、《一つの指輪》をはじめとした優秀なパーマネントへのアクセス性が向上しました。
勝ち筋がクリーチャーコンボなので、《否認》系カウンターを構えあう展開を貫くプランを持っており、ミッドレンジゲームにおいて非常に高い勝率を誇ります。
ただ、どこまで行ってもクリーチャーを展開してテンポを取っていくデッキですので、アグロレンジでの勝ち切り性能・受け性能が若干低い点が、今回の勝率が低かった理由だと考えられます。
また、勝率21.74%とみるとそこそこ勝っているように見えるものの、5勝はすべて同一のプレイヤーによるものです。全体でみると負けている統率者ともいえますね。
デッキパワー・立ち位置ともに良いと考えているのですが、プランニングベースで高いレベルでの構築とプレイを求められる難しいデッキだと感じます。
《災厄の占い師、グラルブ》
第11期 | 第10期※ | |
---|---|---|
使用者 | 4名 | (2名) |
戦績 | 5-19-0 | (4-4-3) |
勝率 | 20.83% | (36.36%) |
(※第10期の使用者が少ないため参考値)
順位 | ポイント | 戦績 |
---|---|---|
47 | 1102 | 2-4-0 |
57 | 1070 | 2-4-0 |
75 | 879 | 1-5-0 |
111 | 649 | 0-6-0 |
そこそこ勝ってはいますが、勝ちきれませんでした。
《最後の審判》との相性が良く、必殺技持ちのスゥルタイグッドスタッフと聞くと聞こえはいいですが、裏を返せば4色、2色共闘と比較したときの強みを出すのが難しいといえます。
『ブルームバロウ』の発売から約7か月が経ちましたが、まだギリギリわからん殺しが通るような……通らないような?
この記事を書くために一生懸命デッキリストとにらめっこしたのですが、《Thought Lash》などのライブラリーアウト戦略、《諜報強化》などを利用した諜報+リアニメイト戦略、《墓所の照光者》などを採用したシナジー戦略など、いろいろなアプローチが試されており興味深いですね。
総評
総じて統率者依存度の低いデッキの勝率が高いです。
一般的にcEDHにおいて、統率者依存度の低いデッキ≒強いデッキとされています。
理由はたくさんありますが、以下が大きな要因です。
・統率者への除去に耐性があること。
・デッキ内のカードの質が高いこと。
・統率者を出さないという選択が取れること。
《魔力の墓所》と《宝石の睡蓮》の禁止以降、統率者依存度の高いデッキは構えることによるテンポロスの影響が大きすぎて、リスクリターンが合っていません。そのため、そういったデッキはマナカーブ通り統率者をキャストすることが多くなっています。
最初にゲームが動く2~3ターン目にフルタップで統率者を出さざるを得ないデッキが多いことはアグロ戦略に対しての大きな”隙”であり、そこを突けるデッキの躍進につながったのではないか、と考察しています。
《刃を咲かせる者、ナジーラ》デッキリスト比較
注目のデッキ《刃を咲かせる者、ナジーラ》
今回のTOP12で最も注目のデッキはやはり《刃を咲かせる者、ナジーラ》でしょう。
2名のTOP12入賞、そして統率者神を獲得した統率者ですからね。
先ほどの項で《刃を咲かせる者、ナジーラ》は構築によってレンジを調整できる幅が大きいという説明をしました。
ここでは実際に、4位通過のナナミ選手と11期統率者神タナカ選手のリストを比較してみましょう。
以下がデッキ内のカード差分になります(18枚)。
ナナミ選手は「ダークネクロ」戦略、タナカ選手は《むかつき》戦略に重きを置いたデッキリストでした。
CABALという海外チームでmemoというプレイヤーが《むかつき》特化ナジーラを研究しており、今回神に就任したタナカ選手のリストはこのリストベースのように思われます。
ナナミ選手のリスト:「ダークネクロ」戦略
マナ加速+《ネクロポーテンス》による最速プランと、《ネクロポーテンス》+「瞬速付与」による中長期戦を見越したプランの両刀戦略が目的。もちろん《むかつき》もある。
副次効果としてインスタントWinを構え続け勝利をかっさらうプランもとれる。
・《ネクロポーテンス》が考慮されたカード選定
→《輪作》と《出現領域》による「瞬速付与」の増量。
→インスタントWinを構えるための《息詰まる徴税》。
・《鏡に願いを》の採用
→《ネクロポーテンス》兼《息詰まる徴税》兼《ナクタムンの侍臣、サムト》。
→《繁茂》は協約コストでありながら、中長期戦で除去を回避できるマナ加速。
・マナベースの選定
→《深き闇のエルフ》《禁忌の果樹園》《花の絨毯》など《ネクロポーテンス》のための黒マナを意識した選択。
・カウンター・インタラクションの選定
→《ネクロポーテンス》での早仕掛けを意識し、《目くらまし》などマナのかからないものが優先。
タナカ選手のリスト:《むかつき》戦略
《むかつき》による短期決戦を制すのが目的です。
・「むかつき後」が考慮されたカード選定
→《業火への突入》:追加の瞬間的なマナ加速。
→《ロフガフフの息子、ログラクフ》:生贄コスト要因&戦士シナジー。
→《衝動的なこそ泥》:生贄コスト要因&《むかつき》後の色問題解決。
→《願い爪のタリスマン》:追加のサーチ。
→《魔力変》:《むかつき》後の色問題解決&TOPサーチの受け。
→《最後のチャンス》:追加のマナ加速換算。
・マナベースの選定
→生贄コストを兼ねるマナクリーチャー多め+《裏切り者の都》。
・カウンター・インタラクションの選定
→《むかつき》を「通しに行く」ものが優先。
→《殺戮の契約》:《激情の後見》、《偏向はたき》、魂力ランドなどのケア。
……早口になってしまいましたが、このように入賞した2デッキだけでも18枚の差分があり、選択した戦略によって尖り方が異なることが伝わったでしょうか。
データ
メタゲームブレイクダウン(ヒットチャート)
前回との統率者比較
第10期→第11期で統率者を変更しなかったプレイヤー(43名)
第10期→第11期で統率者を変更したプレイヤー(50名)
第10期に参加せず第11期に参加したプレイヤー(66名)
おまけ:第10期に参加したが、第11期に参加しなかったプレイヤー(47名)
TOP12の平均卓順
統率者 | 順位 | ポイント | 戦績 | 平均卓順 |
---|---|---|---|---|
《浄火の戦術家、デリーヴィー》 | 1 | 2004 | 5-0-1 | 2.50 |
《織り手のティムナ》 《ルーデヴィックの名作、クラム》 |
2 | 1950 | 5-1-0 | 1.67 |
《野生の意志、マラス》 | 3 | 1788 | 4-2-0 | 2.67 |
《刃を咲かせる者、ナジーラ》 | 4 | 1727 | 4-2-0 | 2.67 |
《光輝の夜明け、ヘリオッド》 | 5 | 1700 | 4-1-1 | 1.50 |
《ロフガフフの息子、ログラクフ》 《織り手のティムナ》 |
6 | 1670 | 4-2-0 | 2.83 |
《織り手のティムナ》 《ルーデヴィックの名作、クラム》 |
7 | 1657 | 4-1-1 | 2.83 |
《ギトラグの怪物》 | 8 | 1624 | 4-1-1 | 2.67 |
《ロフガフフの息子、ログラクフ》 《求道の達人、サイラス・レン》 |
9 | 1622 | 4-2-0 | 2.67 |
《熱心な秘儀術師、ハルダン》 《秘儀を運ぶもの、パコ》 |
10 | 1569 | 4-2-0 | 1.50 |
《虎の影、百合子》 | 11 | 1456 | 3-3-0 | 2.17 |
《刃を咲かせる者、ナジーラ》 | 12 | 1421 | 3-3-0 | 2.67 |
今回も、ほとんどのTOP12プレイヤーが期待値かそれに準ずる平均卓順を記録しています。
毎回のことですが、平均卓順2.50をオーバーしながらTOP12に入るのは難しいですね。159名という参加者数によって、3-3のプレイヤーは2名しか入賞できず、ほぼ4勝要求という厳しさも要因だと思います。
参加者が増え続けるのは喜ばしいことですが、4-2でオポ落ち(オポではないですが)する未来を想像すると震えますね。
引き分け
試合数 | 割合 | |
---|---|---|
ゲーム | 220 | 96.07% |
引き分け | 9 | 3.93% |
計 | 229 | 100% |
今回は前回に比べて、引き分けのゲームがかなり減りました。
色の分析
色 | 採用デッキ数(第11期) | 採用率(第11期) | 採用デッキ数(第11期) | 採用率(第10期) |
---|---|---|---|---|
白 | 72 | 45.28% | 55 | 37.16% |
青 | 108 | 67.92% | 88 | 59.46% |
黒 | 94 | 59.12% | 75 | 50.68% |
赤 | 90 | 56.60% | 65 | 43.92% |
緑 | 72 | 45.28% | 66 | 44.59% |
無色 | 0 | 0% | 2 | 1.35% |
159 | 148 |
メタゲームブレイクダウン改
『第11期統率者神決定戦』のメタゲームブレイクダウンはリスト提出者の集計なので、当日欠席者やリスト未提出プレイヤーなどの差分が発生しています。
差分は以下の通りです。
統率者 (えんぞーによる集計) |
使用者数 | 差分 | 統率者 (晴れる屋メタゲームブレイクダウン) |
登録者数 |
---|---|---|---|---|
《ロフガフフの息子、ログラクフ》 《求道の達人、サイラス・レン》 |
3 | +1 | 《ロフガフフの息子、ログラクフ》 《求道の達人、サイラス・レン》 |
2 |
《鍵の主》 | 2 | +1 | 《鍵の主》 | 1 |
《原初の征服者、エターリ》 | 2 | -1 | 《原初の征服者、エターリ》 | 3 |
-1 | 《結界師ズアー》 | 1 |
採用率分析
競技プレイを続けるためにも、全プレイヤーのリストを閲覧することはさすがにできないので、晴れる屋メディアチームのみなさまにお願いして、主要カードの総採用枚数を調べていただきました。
いくつかのカードについて語っていきます!
《むかつき》 36枚
36/159≒22.64%のプレイヤーが《むかつき》を搭載したデッキだったことになります。
少なくとも1名の《むかつき》デッキと同卓する確率は約53.65%。
6ゲーム行うと《むかつき》デッキとの同卓期待値は約3.2ゲームとなります。
あなたはこの数値を高いと感じるでしょうか?それとも低いと感じるでしょうか?
《汚れた契約》《タッサの神託者》《Demonic Consultation》
青黒デッキの割合は56/159でした。
訊いた段階でうすうす感じてはいましたが、だいたいこのパッケージが採用されていますね(訊いた意味なかったか?)。
《汚れた契約》は非青の黒いデッキにサーチのかさ増し兼受けカードとして採用されるため、採用数が若干多いのだと思います。
《死の国からの脱出》 56枚
赤いデッキの割合は90/159でした。つまり56/90ということで、こちらは意外な結果でしたね。
《死の国からの脱出》は赤いカードとして最強クラスのパワーカードです。
赤単色でもコンボは《研磨基地》と《ライオンの瞳のダイアモンド》(or《水蓮の花びら》)だけでで完結しますし、《ギャンブル》《ジェスカの意志》《Wheel of Fortune》という単体で優秀なカードがコンボ遂行の助けになります。ゲーム中にインタラクションとして使用できる《ぶどう弾》がフィニッシュ手段となるので、完全な無駄スロットになりにくいです。
また、《死の国からの脱出》をリソースカードとして使う(≒《ヨーグモスの意志》として使う)ことも弱い動きではなく、特別な理由がない限り、あらゆる赤いデッキに入りうるカードだと考えています。
《約束された終末、エムラクール》 8枚
「勝ち筋が細いデッキの救世主」としてもっと枚数が多いと思っていましたが、実際にはかなり少ない採用枚数でした。
《約束された終末、エムラクール》の能力に対応するために、《偏向はたき》や《もみ消し》系の能力打ち消しを構えたり、《ライオンの瞳のダイアモンド》を事前にキャストしておく動きなどもありますが、ここまで少ないと無理して極端にケアしすぎる必要はないのかもしれませんね。
主要な打ち消し呪文
・《激情の後見》 103枚
・《意志の力》 102枚
・《精神的つまづき》 101枚
・《白鳥の歌》 93枚
・《狼狽の嵐》 92枚
・《否定の契約》 91枚
・《断れない提案》 88枚
・《否定の力》 77枚
・《精神壊しの罠》 67枚
青いデッキの割合は106/159でした。
ほとんどのデッキに《激情の後見》《意志の力》《精神的つまづき》が採用されていることが分かりますが、採用率1位が《激情の後見》であったことには驚きです。
採用率No.1カウンターは《精神的つまづき》で、採用率は100%だろうと思っていたので、若干ではありますが予想とは違っていました。
また《断れない提案》が《狼狽の嵐》以下であることも意外な結果です。
《リスティックの研究》《神秘的負荷》《息詰まる徴税》が強力な環境ですので、これらをカウンターできるカードが優先されると考えていました。
《否定の力》《精神壊しの罠》の2枚がほかのカウンターより極端に少なかった結果を見ると、《むかつき》が通りやすかったのも納得です。
そのほかの主要なカード
・《ガイアの揺籃の地》 56枚
・《Mishra’s Workshop》 21枚
まとめ
『第11期統率者神決定戦』はメジャーデッキの勝率が高い大会となりました。
「日本の環境はローグが多い」と言われるようですが、実際に数えると使用者1~2名の統率者が81デッキ(50.94%)と約半分の割合でした。やはり多い。
参加人数が多かったこともあり、ざっくり計算でも7/8の確率で使用者1~2名の統率者とマッチングすることになります。
メジャーデッキでないということは、色拘束や統率者の重さなど、どこかしらに明確な”弱さ”が存在していると解釈できます。
弱点を突かれて負けてしまい勝率が伸びなかった≒強いデッキ/使用者数が多いデッキの勝率が高かった、と考えられます。
第10期~第11期は《秘密売り、ティヴィット》と《むかつき》が定義する環境でした。
強いデッキ、強い戦術がはっきりとしてきたため、「“禁止改定以降の激動cEDH”もいったんここまでではないか?」と考えています。新環境で試されていたいろいろなアプローチも成熟してきている時期ですしね。
《織り手のティムナ》&《ルーデヴィックの名作、クラム》の復権からも、メタゲームの変化がある程度落ち着いたことを想像させます。
ということで、外的要因での変化が起きない限り、このままの環境が続くのではないか?と予想しています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
この分析記事が、みなさんの良きcEDHライフの一助になれば幸いです。
おわりに2
マッチアップと戦績を公開・提供してくださるみなさま、いつもありがとうございます。
この場を借りてお礼申し上げます。
今回は個人的に集計したデータではなく、晴れる屋様からデータを提供していただき、このような形での記事公開となりました。
今回は集計にみなさまの情報は使用しませんでしたが、cEDHの大会レポート文化や戦績公開文化、対戦前に写真撮影をする文化は私も大好きで、今回もいろいろな方の記事やポストを見て楽しませていただきました。
引き続きこの文化が続いていくことを願っております。
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