神が選ぶ『タルキール:龍嵐録』注目カードトップ3!

晴れる屋メディアチーム

『タルキール:龍嵐録』へようこそ!

新セット『タルキール:龍嵐録』がまもなく発売されます!

魅力的なカードばかりの『タルキール:龍嵐録』を見ると、どんなカードやデッキが強いのか、どのカードを買えばいいのか、悩みますよね。

そこで、各構築フォーマットを代表する実力者である「神」のみなさんに、『タルキール:龍嵐録』で注目するカードトップ3!を聞いてみました!

■「神」とは?

晴れる屋が主催している、『神決定戦』という大会の暫定王者。スタンダード・パイオニア・モダン・レガシー・ヴィンテージ・パウパー・統率者・リミテッドの8フォーマットそれぞれで行われており、予選大会(挑戦者決定戦)と決勝大会(神決定戦)を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。

詳しくはこちらをご覧ください。→『神決定戦』特設ページ

各フォーマットを熟知した者ならではの視点から、鋭い意見が飛び交いました。「神」の目にはなにが映り、なにを考えたのでしょうか。

◆第30期スタンダード神:平山 怜

平山 怜

『タルキール:龍嵐録』カードセット全体の印象

包囲サイ遊撃サイ

『タルキール:龍嵐録』は過去のタルキールのセットと同様、3色の氏族とドラゴンをテーマにしたセットです。多色セットとあって使いたくなる派手なカードや、昔懐かしの《包囲サイ》のリメイクである《遊撃サイ》など、デッキを考えてみたくなるカードがたくさんあります。

反面、3色デッキはどうしてももっさりしやすく、ハツカネズミのスピードについてこれるか、カードパワーでドメインに押しつぶされないか、デッキビルダーの技術が試されるセットでしょう。

砂草原の城塞神秘の僧院華やかな宮殿
遊牧民の前哨地開拓地の野営地

《砂草原の城塞》などのトライランドが再録されましたが、これらは基本土地タイプを持っていないので既存の境界ランドと相性が悪く、3色デッキを組むうえで大きな足かせになっています。「サイクリング」がついていなくてもいいので、トライオームのようなカードが再録されてほしかったですね!

『タルキール:龍嵐録』スタンダード注目カードトップ3!

3位:《ジェスカイの啓示》

ジェスカイの啓示

このカード自体は宝物・トークンを生成できなくなった《マグマ・オパス》のようなカードで、通常使用はあまりされないかもしれません。注目すべき点は、パーマネントのバウンスとダメージの両方を行うことができる点です。

全知アルケヴィオスへの侵攻

これによりアゾリウス全知で、《全知》を置いたあとに《アルケヴィオスへの侵攻》からこのカードを持ってくれば、それだけでループになります。ドローが強制なのでデッキ枚数次第では決めきれないリスクはありますが、《この町は狭すぎる》や勝ち手段を採用する必要がなくなり、《アルケヴィオスへの侵攻》も1枚でよくなるのでデッキの構築の幅がさらに広がるでしょう。

2位:《団結の最前線》

団結の最前線

クリーチャーと土地以外を出せる《集合した中隊》です。ソーサリーなのでさすがに《集合した中隊》に比べれば使いづらいですが、使用可能セットの多い現代スタンダードでは、昔に比べてこのようなカードを使えるデッキも見つけやすいです。

再利用隔室身代わり合成機

既存デッキで入りそうなのは《身代わり合成機》デッキでしょうか。

《身代わり合成機》にアクセスできないと話にならない。

《身代わり合成機》を置くターンが何もできない。

など上記の欠点を解消できます。

1位:《勝利の楽士》

勝利の楽士

スタンダードにはすでに似たような効果の《堂々たる撤廃者》が存在します。一見すると能力も封じることができる《堂々たる撤廃者》に軍配が上がりそうですが、《勝利の楽士》はシングルシンボルかつタフネスが3あり、除去能力を持つ《苦難の収穫者》にも耐えられるので、意外と一長一短です。

堂々たる撤廃者戦導者の号令

また、このカードは攻撃面でも強く、《堂々たる撤廃者》より打点が出るのはもちろんのこと、《戦導者の号令》を置けば1人で毎ターン8点も削れると、コンボを押し通す以外の使い道もあります。

◆第17期パイオニア神:宇都宮 巧

宇都宮 巧

『タルキール:龍嵐録』カードセット全体の印象

こんにちは、17期パイオニア神になりました。宇都宮です。神になって初めての記事ですが、奇しくも僕がマジックを始めた頃の次元であるタルキールということで非常に楽しみなセットです。

龍学者精霊龍の呼集龍の創始

セットの印象としては、やっぱり大量のドラゴンとそれらをサポートするカードに目がいきます。彼らが使えそうなフォーマットであるパイオニアやスタンダードでは、現在『ブルームバロウ』のみなさんが幅を利かせていますが、竜の息吹で環境が一新されたら面白いですね。

不可避の敗北アブザンの夜明け、フェロザー久遠の歌の咆哮

それから氏族関連の多色のカードが多いのも特徴ですね。パイオニアは最近やっと新しいデッキが増えてきましたが、あまり環境の変化がないと言われがちです。なので、最近見ないデッキの復権や新しいデッキの発見につながりそうなカードを、タルキールらしい多色のカードから選出しました。

『タルキール:龍嵐録』パイオニア注目カードトップ3!

3位:《漆黒洞穴の包囲》

漆黒洞穴の包囲

まずは氏族関連のエンチャントサイクルの中からこちらを選びました。「包囲」サイクルは過去のスタンダードで使われていたこともありましたね。

今回のサイクルは、お互いを補完するような役割の違う2種の能力のうち片方を選ぶというデザインで、複数引いてもいいようになっているのが魅力的に見えます。

搭載歩行機械硬化した鱗

現在のパイオニアは、ハツカネズミやカワウソの侵攻を受けて非常に高速環境です。なかなかエンチャントを置いてる暇はなさそうですが、2マナならギリギリありじゃないかなと思います。《搭載歩行機械》と相性が良く、自ターンと相手ターン両方でドローとかしてみたいです。「鱗親和」を復権させてくれという期待を込めて選出しました。

2位:《歌作りの魔道士》

歌作りの魔道士

2位は《瞬唱の魔道士》を彷彿とさせるこのカード。自身のパワーが3あるので、1マナ浮きでプレイして3+シングルシンボルのカードが唱えられます。

集合した中隊

この条件で最も使いたい4マナのカードといえば《集合した中隊》でしょう。5マナのターンに《集合した中隊》から出して2連打したい!

横にパワーが大きいクリーチャーがいればもっと重いカードを軽く唱えることもできますし、《瞬唱の魔道士》のように軽い妨害として使ってもいいです。ティムール3色という部分が重い制約ではありますが、使い道はかなり広いのでいろいろなデッキでその姿が見れそうです。

1位:《高徳の調停者、テヴァル》

高徳の調停者、テヴァル

1位はドラゴンから選びたかったので、重い代償とド派手な効果をもつスゥルタイのドラゴンを選びました。「探査」といえば各環境を破壊してきた歴代屈指の壊れキーワード能力です。

Worst FearsVillainous Wealth老いたる深海鬼絶え間ない飢餓、ウラモグ
さまようアルカイック王神の立像王神の贈り物

重くて使われてこなかったすべてのカードに活躍の機会を与えるカードであり、このカードが使われる場合は、過去になかった新しいデッキが生まれることが期待されます。カードリストの中で最もワクワクしたので、期待を込めて1位にしました。読んでるみなさんが、僕を驚かすようなデッキを作ってくれることを期待しています。

◆第29期モダン神:内藤 圭佑

内藤 圭佑

『タルキール:龍嵐録』カードセット全体の印象

セット名に「龍」があるとおりドラゴンがテーマとなったセットであり、派手なカードが多い印象です。単にドラゴンが多いというだけでもワクワク感が高いのですが、派手なだけではありません。ランキングでも紹介させていただきますが、実用的なカードも多いです。

闘技場の花形止まぬ囁き

また、今回のキーワード能力である「応召」はアグロデッキでの活躍が見込めそうですし、「調和」は墓地利用が容易なモダンであれば上手く活用することもできそうです。新たな可能性を見出してくれそうなセットであり、とても注目しています。

『タルキール:龍嵐録』モダン注目カードトップ3!

3位:《鳴り渡る龍哮の征服者》

鳴り渡る龍哮の征服者

小型のドラゴンですが、能力は盛りだくさんで強力です。《減衰のマトリックス》を内蔵したかのようなクリーチャーですが、マナ能力やプレインズウォーカーの能力も止められるようになったのと、スペックが3マナ3/3飛行と十分な戦力なのが好印象。メインからも採用しやすいですね。

もちろん自分の起動型能力も使えなくなってしまうので、構築には気を使わなくてはいけませんが、上手くハマれば相手のデッキを機能不全にすることもできそうです。マナアーティファクトを多く使う脱出基地コンボは、《死の国からの脱出》が禁止になったため消えてしまいましたが、親和デッキはまだ環境に存在するので、このドラゴンを出されるとかなり厳しそうですね。

2位:《湧霧の村》

湧霧の村

何やら強そうな土地が登場しました。1マナ+タップでの起動なので、意外とコストが重いという印象ですが、それでも打ち消されなくなるというのは《対抗呪文》が飛び交うモダンでは魅力的です。《すべてを護るもの、母聖樹》と比較すると、アンタップインできる可能性があるこちらのほうが使い勝手がいいと感じます。

断片無き工作員死せる生

使い方の一例ですが、《断片無き工作員》などの「続唱」呪文にスタックしてこの能力を起動すると、続唱で捲れた呪文が打ち消されなくなります。《死せる生》などのゲームを決め得る強力なカードを通すことができれば、勝利にグッと近づくはずです。リビングエンドユーザーの方々、今がチャンスです。

1位:《嵐の目、ウギン》

嵐の目、ウギン

モダンからの観点ということで、特に迷わずこのカードを1位とさせていただきます(笑)

まず、唱えたときに有色パーマネント追放があるので除去されたとしても損はありません。そして初期忠誠値も7と高く、[+2]の能力を連打するだけでもなかなかクリーチャーのアタックだけでは落とせません。一度ターンが来れば、自身の常在型能力により次々にパーマネントが追放されていき、あっという間に逆転不可能な盤面になってしまいます。

そして、説明不要の奥義!ほぼ「あなたはゲームに勝利する」と読み替えていただいて差し支えないと思います。即座に唱えることができるので、奥義が発動して負けることは1000回に1回もないと思います。

ウルザの鉱山ウルザの魔力炉ウルザの塔

さらに、このカードは7マナです。モダンで7マナといえばウルザ・ランドですね。このカードの登場により、最近下火であったウルザ・トロンが復権するのでは、と囁かれるほど。実際トロンの復権があると思えるほど強力なカードなので、トロンユーザーの方は4枚集めておくことをオススメします。

◆第28期レガシー神:高野 成樹

高野 成樹

『タルキール:龍嵐録』カードセット全体の印象

こんにちは、神の座に帰ってきました。レガシー神の高野 成樹です、久々にカードを3枚選びました。

汚染された三角州溢れかえる岸辺吹きさらしの荒野

今回は『タルキール:龍嵐録』、昔のタルキールなら1位《汚染された三角州》、2位《溢れかえる岸辺》、3位《吹きさらしの荒野》で馬鹿みたいなランキングになっていたかもしれませんが、今回カードが強くて3枚に絞るのに苦労しました。

『タルキール:龍嵐録』レガシー注目カードトップ3!

3位:《勝利の楽士》

勝利の楽士

《堂々たる撤廃者》が白シングル・シンボルになってしまいました。しかも、なぜか戦闘もそこそこできます。コンボデッキはサイドにとってもいいのでは?

堂々たる撤廃者有翼の叡智、ナドゥ

《堂々たる撤廃者》と違い、白1マナで良いのでタッチしやすいのが魅力的。レガシーにおける《堂々たる撤廃者》は強いけど、白ダブルが弱くてなかなか採用できなかったんですよね。それが解消されてます。起動型能力は止めれませんが、十分仕事してくれそうです。殴ると横に肉も2体出してくれるので《有翼の叡智、ナドゥ》とも相性良さそうですね。

2位:《鳴り渡る龍哮の征服者》

鳴り渡る龍哮の征服者

最初見たとき、《減衰のマトリックス》に肉ついてきたのねって思ってたら全然違って、「マナ能力でない起動型能力」と書いていません。《無のロッド》《呪われたトーテム像》が合体してついでにプレインズウォーカーもと、いろいろ止めすぎているドラゴンです。もうここまできたら、エンチャントの起動もいれて《ウルザの物語》《騙し討ち》も止めてほしかったですね。

ルーンの母沸騰する小湖血染めの月

このカードを守ってあげたいのに《ルーンの母》もビタ止まり。いまどきのクリーチャーなのに相手だけでなく自分の盤面も止まるので、強すぎて自分にも刺さる可能性大《渦まく知識》を撃ってフェッチを切りたかったのに、自分で貼った《血染めの月》が自身に刺さってしまったことを思い出します。

何で使うのが一番いいのかはさっぱりピンと来ませんが、間違いなくカードは強いです。これから結構見ることになるかもしれないですね。

1位:《湧霧の村》

湧霧の村

スペルを打ち消されなくする土地。《魂の洞窟》と違いクリーチャー以外も対応していて、《すべてを護るもの、母聖樹》と違ってアンタップインできるので奇襲性があります。

花の絨毯魔の魅惑実物提示教育騙し討ち

マナはかかりますが、《花の絨毯》と合わせるとそこも解決しそうです。アルーレンやオムニテル、緑タッチのスニークなどと相性抜群なんじゃないかなと思う1枚。

◆第26期ヴィンテージ神:矢島 広道

矢島 広道

『タルキール:龍嵐録』カードセット全体の印象

嵐の中心、ネリーヴ道の体現者、シィコ終わらぬ歌、ウレニ

やってきましたタルキール!新規ドラゴンがたくさん登場し、ドラゴン好きには堪らないセットになっています。

スタンダードセットなのでヴィンテージで使用されそうなカードは少ないですが、それでも組み合わせやメタゲームによっては、ヴィンテージでもチャンスがありそうなカードを選ばせていただきました。

ヴィンテージでもドラゴンたちの活躍が見たいので、デッキビルダーのみなさまの力作を楽しみにしています!

『タルキール:龍嵐録』ヴィンテージ注目カードトップ3!

3位:《マラング川の執政》

マラング川の執政

このカードの注目すべきポイントは、青シングル・シンボルのインスタント・ドローソースであることです。モックスなどで不特定マナは比較的出しやすいフォーマットですので、4マナはそこまで重くありません。

前セットの《食糧補充》がかなり使われていることを踏まえると、インスタントであることで差別化できるのでチャンスがありそうです。またクリーチャー面も悪くなく、《ウルザの物語》の構築物・トークンを飛ばしたりと意外と活躍するかもれません。

2位:《嵐鱗の末裔》

嵐鱗の末裔

まさかのスタンダードセットに「ストーム」が復活です!ストーム系デッキの天敵といえばやはり《狼狽の嵐》ですが、このカードはクリーチャーであることでそれを克服しています。

ドラゴンの嵐

サイズも申し分なく、召喚酔いが解ければ1ターンで20点を削ることも容易です。元祖《ドラゴンの嵐》もヴィンテージで使われた実績がありますので、それより使いやすいこのカードも活躍の機会はありそうです。

1位:《鳴り渡る龍哮の征服者》

鳴り渡る龍哮の征服者

白単イニシアチブにピッタリなドラゴンが堂々1位にランクインです!モックスシリーズなどのマナファクトに加え、人気の《超能力蛙》の能力まで縛れます。

スタッツも3/3飛行と申し分なく、《無のロッド》よりもデッキコンセプトに合致したカードといえそうです。最近下火であったイニシアチブですが、このカードの登場で今後見る機会が増えそうです。

◆第4期パウパー神:長谷川 翔一

長谷川 翔一

(※編注:現パウパー神・片山さんのご都合が合わなかったため、第4期パウパー神の長谷川さんに執筆していただきました)

『タルキール:龍嵐録』カードセット全体の印象

こんにちは、元パウパー神の長谷川です。

青春を共に過ごした次元、タルキールへと久々の来訪です。今回のセットでは氏族をフィーチャーした新キーワード能力が存在しており、なかでも注目している能力が「応召」と「調和」。

突撃部隊君臨せし勝者激しき乗りこなし流れ者の日課

「応召」は攻撃時に1/1トークンを攻撃している状態で出す能力です。結構アンコモンっぽい能力ですが、今回コモンにも応召を持ったカードが存在していて良かったです。サクリファイスシナジーなど、さまざまな悪用方法がありそうなので、今後も再録してほしいですね。

「調和」はフラッシュバックの亜種で再利用しやすくなった強化版と捉えています。単純にアドバンテージ能力ですし、《激しき乗りこなし》のような爆発力を押し出すカードも存在していて、このセットの中でも屈指の新能力だと感じています。

日を浴びる繁殖鱗カルドーサの再誕命取りの論争
満潮予言のプリズム

また少し話が逸れますが、先日行われた禁止改定にて環境に大きな変化があったこともパウパー界では大きなニュースでしょう。強すぎた3枚のカードの禁止に加え、《満潮》《予言のプリズム》の解禁による環境の変化は、みなさんも気になっているハズです。

そんな激動の中で注目している新カードたちをご紹介しましょう!

『タルキール:龍嵐録』パウパー注目カードトップ3!

3位:《マルドゥの信奉者》

マルドゥの信奉者

最初の注目カードは1マナの優良クリーチャー。戦場に出たときの能力で占術2を行いながら、マナフィルター能力によって足回りを支えてくれるいぶし銀です。

きらめく鷹実験統合機不気味なガラクタ

ピックアップしたポイントとして、マルドゥカラー3色をフィルターできるのが大きなポイント。パウパーのこの組み合わせといえばマルドゥシンセサイザーですが、マナベースに大きな負担がかかることが大きな懸念点でした。1マナのカードだけでも《きらめく鷹》《実験統合機》《不気味なガラクタ》など各色に選択肢があり、3色を安定してプレイするためのハードルはかなり高くなっています。

ですが、このカードの登場によりマナベースを2色+1色タッチの構成に改善できる可能性があります。占術2のおかげで序盤からカードを探したり、《実験統合機》の追放効果を安定させたり《コーの空漁師》で戻してもよし!

ティムールの信奉者アブザンの信奉者ジェスカイの信奉者スゥルタイの信奉者

《命取りの論争》が抜けた穴をカバーすることはできるでしょうか?また、このほかにも各色に同じフィルター効果を持ったカードが存在しており、それらにも注目しています。パウパーにおいてフィルター効果は強力ですからね!

2位:《サグの原生龍》

サグの原生龍

最近は《地勢》に追加で何かついたカードが結構たくさん出るようになりましたが、おまけがあまりにも豪快な1枚をピックアップ。序盤はマナベースを安定させつつ、後半は3/3飛行+3点ゲインとコントロールの繋ぎとして十分なスペックを持っているように感じました。

予言のプリズム幽霊のゆらめき記憶の壁

特にフリッカートロンでの採用がよさそうで、解禁されたばかりの《予言のプリズム》から「前兆」側が唱えやすく、後半はプレイしながらライフを維持しつつ《幽霊のゆらめき》《記憶の壁》によって毎ターン大量に回復することも。トロンにとって3/3飛行は、フィニッシャーとして申し分ないサイズなのも偉い!

何気に結構強いドラゴンなので、パウパーではなかなか成立できないドラゴンデッキの立役者を担ってほしい気持ちもあります。サポートカードだけは大量にあるので、そろそろフィニッシャーが欲しい!

1位:《止まぬ囁き》

止まぬ囁き

第1位は僕の大好きなテラーデッキ大歓喜のドロースペル!!!1マナ1ドローの単純な能力ですが、「調和」コストで再利用ができるのが最大のポイント。しかも、調和コストが6マナなので《トレイリアの恐怖》を始めとしたテラーをタップするだけで1マナで墓地から唱えることができます。

留意綿密な分析ミューズの囁き

《留意》《思考掃き》で落ちても嬉しく、《綿密な分析》と違い手札に来てもOK。さらにテラーたちを軽減で出してから調和で再利用するので、完全にテラーのためのオリジナルカード。カード開発部の中にテラーファンがいるに違いありません。

そもそもな話ですが、1マナで再利用可能なドロースペル自体が珍しく《ミューズの囁き》以来な気がします。その割にコストや条件もあまりにも軽く設計されており「これマジで大丈夫なのか?」とやや心配になるほどです。

本当に早く使いたい!!!!

◆第11期統率者神:田中 俊也

田中 俊也

『タルキール:龍嵐録』カードセット全体の印象

今回の『タルキール:龍嵐録』は「楔3色の氏族」のカードが多く含まれており、対応したデッキは多くの収穫があると思います(一方氏族カードではあるものの、単色デッキでも利用できる《キシュラ村》などのサイクルもあり、統率者戦への優しさを感じます)。

アブザンの意志ジェスカイの意志スゥルタイの意志
マルドゥの意志ティムールの意志

そのなかでも、「闘魂」と「応召」を含むトークンテーマ、「調和」と「相続」を含む墓地テーマ、ドラゴンテーマは特に大きく強化される見込みです。統率者デッキでも、統率者がいる場合に両方のモードを選ぶことができる「意志」サイクルが、5色すべてに追加されたのも注目です。

『タルキール:龍嵐録』統率者注目カードトップ3!

3位:《自然の律動》

自然の律動

《イコリアへの侵攻》《破滅の終焉》系のカードの追加です。2枚との違いは、今回のティムールカラーのキーワード能力である「調和」を持ち、2体のクリーチャーをサーチできる点です。

ガイアの揺籃の地野生の魂、アシャヤ精霊の魂、アニマー

緑シンボルを多く要求する点は気になりますが、緑には《ガイアの揺籃の地》があるため、ある程度は簡単に唱えることができる想定です。さらに、統率者が大きいデッキでは特に使いやすく、《野生の魂、アシャヤ》《精霊の魂、アニマー》では調和コストをGGGGのみにすることも簡単だと思います。

2位:《勝利の楽士》

勝利の楽士

2マナで多くの妨害を無視できる《堂々たる撤廃者》系のカードです。統率者戦では、《太陽の指輪》《魔力の櫃》など、多くの無色マナを生成するカードを使うことが多いため、白シングル・シンボルで唱えられるこのカードは、より強力な可能性もあり注目しています。

蛮族のリング陰謀団のピット

もちろん、《堂々たる撤廃者》とは異なり、戦場の起動型能力を止めることはできませんが、今後よく見るカードになると思います。タフネスが3である点も、これまでの《堂々たる撤廃者》の対策カードであった、《蛮族のリング》《陰謀団のピット》を無視できるため見逃せません。「応召2」もおまけとしては破格で令和感があります。

1位:《湧霧の村》

湧霧の村

氏族ごとにある、条件付きアンタップイン土地の中からこれを選びました。過去の類似カードとして、呪文を打ち消されなくする土地には《すべてを護るもの、母聖樹》《魂の洞窟》といったカードがあるものの、カードタイプを指定しておらず、これらとは大きく異なると感じ1位に選びました。

死の国からの脱出ネクロポーテンス食物連鎖輪作

攻めるために《死の国からの脱出》《ネクロポーテンス》《食物連鎖》などを打ち消されなくすることもできますし、相手の脅威に対する守りの呪文を打ち消されなくするなど、さまざまな利用方法が想定されます。近年、《輪作》の評価が上がっていますが、今回さらに強化されたといえます。

◆第20期リミテッド神:矢田 和樹

矢田 和樹

『タルキール:龍嵐録』カードセット全体の印象

みなさん、こんにちは。リミテッド神の矢田 和樹です。

久々のタルキールへの再訪ということで、今回は珍しく3色がテーマの環境です。多色セットらしく全体的にカードパワーは高めで、派手なリミテッドが楽しめそうです。

神秘の僧院血溜まりの洞窟マンモスの咆哮

3色デッキが組めるようにマナサポートはいつもより豊富で、アンコモン枠には3色土地が、土地枠には7/8の確率で2色土地が封入されています。ドラフトでは土地からピックするか、3色のパワーカードからピックするか悩ましい選択が頻発しそうですね。

溶鉄の吐息サグの原生龍腐蝕するドラゴンの嵐

基本的には楔3色(※)の5つのアーキタイプを軸にデッキを組むことになりますが、全色で横断的にドラゴンとそのシナジーカードが用意されており、5色ドラゴンなんてアーキタイプも成立するかもしれません。

※楔3色の組み合わせと名称

アブザン:WBG 白黒緑(WBG)

ジェスカイ:URW 青赤白(URW)

スゥルタイ:BGU 黒緑青(BGU)

マルドゥ:RWB 赤白黒(RWB)

ティムール:GUR 緑青赤(GUR)

『タルキール:龍嵐録』リミテッド注目カードトップ3!

3位:《交易路の特使》

交易路の特使

最低保証でも4マナ5/4のスタッツで、条件達成するとドロー付き4マナ4/3と、単色のコモンではなかなかお目にかかれない優秀なスペックです。

要塞の族護衛牙の賢者

ドロー条件のカウンターに関しては、新規キーワード能力であるアブザンの「闘魂」かスゥルタイの「相続」で比較的容易に達成することが可能です。加えて2枚目以降のこのカードでも条件達成できる点も優秀で、何枚でもデッキに入れたい1枚ですね。

2位:《充溢するドラゴンの嵐》

充溢するドラゴンの嵐

各色のアンコモンに1種類ずつ存在する、ドラゴンが場に出ると再利用可能なエンチャントの1枚です。

夢見がちな空乗り衝撃の名射手苛立ちの暁破り嵐叫の蛮龍

単純に4マナ4/4相当の優秀なスタッツのクリーチャーが繰り返し使えるというのは、どのアーキタイプでも優秀ですが、特にマルドゥでは「応召」に関連するシナジーとも相性が良いのでさらに点数が上がりそうです。また、コモンやアンコモンに存在するドラゴンは5マナ域が多く、4マナのこのカードからマナカーブ良く展開できる点も非常に強力です。

1位:《ジェスカイの祭壇守り》

ジェスカイの祭壇守り

あまりにも能力が盛られ過ぎていて、本当にアンコモンなのかと目を疑いました。速攻により1回攻撃を通すことは簡単ですし、1ターンでも生き残ればすぐに一方的なゲーム展開を作り出します。地味に見えるライフゲインも不利な盤面でのダメージレースを可能とし、当然ですが前述したドラゴンシナジーも兼ね備えています。

フィニッシャーとして類を見ない破格のスペックで、ドラフトでこのカードが流れてきたらまっすぐジェスカイに飛び込みたいですね。

新環境を楽しもう!

「神」ならではの柔軟な発想と鋭い着眼点から、各フォーマットの『タルキール:龍嵐録』の注目カードをレビューしてもらいました!

目を引くような強いカードが多く、どんなデッキを組むか考えるのが楽しいですね!彼らの意見を参考に新たな戦力とともに新環境へと踏み出しましょう!

タルキール:龍嵐録

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