最新のスタンダード大会結果をチェック!
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
5/3-4日の日程で開催される『チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド3』を直前に控えたタイミングですが、『Standard Challenge』ではこれまでメタ外だったデッキが一斉に結果を残すという事態が起きています。
直近の大会結果をチェックしながら、混沌のスタンダード環境をおさらいしていきましょう!
4/25(金)『Standard Challenge 32』#1
金曜日は『Standard Challenge 32』が2回開催されました。まずは55名が参加した1回目の大会結果をチェックしていきましょう。
4/25(金)『Standard Challenge 32』#1
優勝 赤単
準優勝 グルール果敢
3位 ジェスカイコントロール
4位 イゼット果敢
5位 アゾリウス全知
6位 赤単
7位 イゼット果敢
8位 赤単
トップ8に3名が入賞するなど、圧倒的なパフォーマンスで赤単が優勝しています。準優勝したグルール果敢も「ほぼ赤単」というようなデッキでした。
一方、このようなメタゲームでジェスカイコントロールやアゾリウス全知が入賞している点も興味深いです。
赤単
こちらが優勝したリストです。
これまでの実績を考えると、赤単はスタンダード最強デッキにもっとも近いかもしれません。
本来であれば赤単の対策は容易ですが、《叫ぶ宿敵》や《陽背骨のオオヤマネコ》などでライフ回復ができなくなると対処が難しく、現スタンダードの赤単に勝つためにはライフ回復以外の手段で対抗することが求められます。
優勝デッキリストの《タルキールへの侵攻》はかなり珍しい採用かもしれません。ドラゴンシナジーは特になく、単純に5枚目以降の《噴出の稲妻》として《ショック》を採用するぐらいなら、状況に応じて《果敢な雷口》(裏面のドラゴン)に変えられる《タルキールへの侵攻》を選択したということでしょうか。
隙をついて《巨怪の怒り》などを使い、瞬間的に5点のダメージを与えることは容易です。ときには5点のライフを減らすより、飛行大型戦力が加わったほうが勝利が近いという場面があるのかもしれませんね。
4/25(金)『Standard Challenge 32』#2
つづいて、32名が参加した2回目の大会結果です。
4/25(金)『Standard Challenge 32』#2
準優勝 ジェスカイ眼魔
3位 赤単
4位 アブザンミッドレンジ
5位 ゴルガリミッドレンジ
6位 赤単
7位 オーバーロード
8位 ディミーアミッドレンジ
ここでは赤単を退け、アゾリウスアーティファクトが優勝しています。
また、赤単が増えたことで、除去が強い黒絡みのミッドレンジデッキの活躍が目立つようになりました。なかでも4位入賞のアブザンミッドレンジはこれまでに見たことがないタイプのデッキです。
《養育するピクシー》と《陽光真珠の麒麟》が4枚ずつ採用されており、《望み無き悪夢》や《逃げ場なし》を使い回しながら、隙をみて《絶縁の僧侶》《遊撃サイ》《ヤサンの街道見張り》といった強力な出たとき能力を持つクリーチャーを再利用するという狙いのデッキです。
今後は「アブザンピクシー」というアーキタイプとして確立するかもしれません。これからの活躍に期待したいと思います。
アゾリウスアーティファクト
こちらが優勝したアゾリウスアーティファクトのリストです。使用者は強豪プレイヤー・rerere。その正体はHareruya Prosの平山 怜選手です。
『霊気走破』発売前、「《再利用隔室》で《身代わり合成機》をサーチしたら強い!」と話題になりました。
そして、『タルキール:龍嵐録』発売前、「《団結の最前線》で《身代わり合成機》を戦場に出したら強い!」と話題になりました。
しかし、待てど暮らせど、アゾリウスアーティファクトの有力なレシピは世に出回りませんでした。
今回、ついにチャレンジ優勝デッキとしてアゾリウスアーティファクトを紹介できました。ありがとう平山選手。
アーティファクトといいつつ、エンチャントの《真昼の決闘》を採用していますが、かなりホットな対策カードです。
《コーリ鋼の短刀》デッキや《全知》デッキを沈黙させ、ピクシー系のセルフバウンスデッキも動きが鈍化します。時間が稼げたら《身代わり合成機》から強靭なスタッツのクリーチャーを大量生産し、盤面を制圧します。《バジリスクの首輪》を装備して攻撃するだけでライフレースは一気に逆転できることでしょう!
《団結の最前線》が一番のキーカードとはなりますが、仮に引けなかったとしても《カイラの再建》や《再利用隔室》などでゲームをつくることができ、再現性が高いデッキです。
《再利用隔室》のタネとしては、除去としての役目を終えた《バネ仕掛けの鋸刃》や伝説ルールのためにモジモジしている《アイレンクラッグ》などが絶好です。
一見すると《再利用隔室》と相性が良さそうな《奇怪な宝石》を採用したくなりますが、単体では仕事ができず、伝説なので重ねて引いたときの弱さも気になるカードではありました。
現スタンダードのゲームスピードでは《蒐集家の保管庫》や《精神迷わせの秘本》を出している暇もなさそうで、《奇怪な宝石》はバリューがそんなに高いカードではなさそうです。
スパッと見限って今回のリストを調整し、優勝という結果につなげているのはさすがですね!
アゾリウスアーティファクトの今後の活躍も大いに期待したいところです。
4/26(土)『Standard Challenge 64』
つづいて、土曜日の大会結果です。104名と多くのプレイヤーが参加しました。
4/26(土)『Standard Challenge 64』
優勝 イゼット果敢
準優勝 黒単デーモン
3位 イゼット果敢
4位 ジェスカイ眼魔
5位 ディミーアミッドレンジ
6位 イゼット果敢
7位 イゼット果敢
8位 イゼット果敢
トップ8に5名が入賞と、大ブレイクしたイゼット果敢が優勝しています。
イゼット果敢
こちらが優勝したイゼット果敢のリストです。こちらは前回の記事で紹介したテラー型と違い、《僧院の速槍》や《精鋭射手団の目立ちたがり》をフル採用しています。
- 2025/04/21
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- 紳さん
《コーリ鋼の短刀》が着地すれば、以降は1マナのドロースペルや除去呪文を連打しながら、どんどん盤面を強くすることができます。
先手の場合は1ターン目に《僧院の速槍》や《カワウソトークン》を戦場に出しつつ、《コーリ鋼の短刀》の着地を狙うことができます。
対応する側としては《コーリ鋼の短刀》を野放しにするとゲームにならないため、急いで対処をすることになります。しかし、その間も果敢は誘発し続けることになり、どこかのタイミングでクリーチャーを対処しなければいけません。その上でさらなる《コーリ鋼の短刀》の脅威や《精鋭射手団の目立ちたがり》をケアすることは難しく、いわゆる「押しつけ」の強いデッキといえるでしょう。
デッキ全体が軽い1-2マナ呪文の集合のため、すぐに手札尽きてしまいそうなところを《食糧補充》という野太いリソース回復呪文がカバーしています。マナフラッドも避けることができますね。
《コーリ鋼の短刀》や《精鋭射手団の目立ちたがり》は2マナながら、十分なフィニッシャーとなるのが実に恐ろしいデッキです。
ちなみに今回の優勝デッキリストでは《この町は狭すぎる》はメインに不採用、サイドボードに1枚だけの採用に留まっています。《嵐追いの才能》と相性がよく、定番カードだと思われていましたが、よくよく考えると《嵐追いの才能》以外に手札に戻したいカードがないんですね。
最近のリストでは、採用されていないことの方が多いようです。
4/27(日)『Standard Challenge 64』
それでは最後に、日曜日の大会結果です。92名のプレイヤーが参加しました。
4/27(日)『Standard Challenge 64』
優勝 黒単デーモン
準優勝 イゼット果敢
3位 オーバーロード
4位 アゾリウスアグロ
5位 ジェスカイ眼魔
7位 アゾリウス全知
8位 イゼット果敢
前日、準優勝していた黒単デーモンと75枚同一のリストが優勝しました。
アグロ、ミッドレンジ、ランプ、コンボとさまざまなゲームレンジのデッキが入賞しています。
黒単デーモン
こちらが優勝した黒単デーモンのデッキリストです。《大洞窟のコウモリ》がフル採用されたリストはなんだか懐かしい感じがします。
1-2ターン目をハンデスと除去に費やし、相手のデッキがなんであろうと出鼻を挫くことに重点を置いています。裏目が少ない上に除去を強制させる《大洞窟のコウモリ》は改めて強いカードに見えますね。
3ターン目以降は黒の優秀なクリーチャーを次々と送り込み、盤面を制圧しながら早期の決着を目指します。《スピードデーモン》の採用は少し珍しいですね。
伝説のクリーチャー – デーモン
飛行、トランプル
エンジン始動!(あなたが速度を持たないなら、1から始まる。速度はあなたの各ターンに1回、対戦相手がライフを失ったとき、1上がる。最高速度は4である。)
あなたの終了ステップの開始時に、カードX枚を引きX点のライフを失う。Xは、あなたの速度に等しい。
デーモンシナジーが狙えるだけでなく、生きるドローソースでもある強力なクリーチャーです。「エンジン始動!」があるため、最低でもX=1は確保できており、終了ステップを迎えればリソース的にはもうプラスとなります。
《黙示録、シェオルドレッド》とは相性が抜群で、速度が上がりすぎてしまっても気にせずにドローを進めることができ、かえってライフが増えていくのは驚異的です。
もちろん、《黙示録、シェオルドレッド》にしても《スピードデーモン》にしても除去の的にはなりますが、もしも相手が貴重な除去を《大洞窟のコウモリ》に差し向けていたとすれば、生き残る可能性は上がります。
『タルキール:龍嵐録』からの新カード、《カルシの帰還者》も2枚採用されていました。3マナ飛行・接死・絆魂3/3とかなり破格のマナレシオを持ったクリーチャーです。
そのままでも優秀ですが、除去されて墓地にいってからも「相続」で飛行・接死・絆魂をクリーチャー1体に与えることができ、《ドロスの魔神》などに絆魂を与える動きは無視できない強さです。
また、ゲーム終盤は最高速度に到達することで、デーモンたちに速攻を持たせることができます。
《アモンケット・サーキット》のような無色マナしか出せない土地を採用できるのは、単色デッキの強みといえるでしょう。
おわりに
新型を含め、さまざまなデッキが活躍する混戦模様となってまいりました。チャンピオンズカップファイナル本番でトップメタになるデッキを予想するのはとても難しいです。
今、一番勢いがあるデッキはイゼット果敢だと感じますが、はたしてトップメタとなるでしょうか。
また、ダークホースとなりそうなメタ外のデッキとしては、4/24(木)の『Standard Challenge 32』で4位に入賞した白単ランプ(白単コントロール)にも注目したいところです。
マナ・アーティファクト連打から早期に《嵐の目、ウギン》の着地が狙え、以降は不要なアーティファクトであっても、すべて除去札として機能するという狙いが素晴らしいと思いました。
アグロ対策となる《領事の権限》や軽い除去の《軍備放棄》が使えるのが白単の強みで、「《叫ぶ宿敵》さえなんとかすれば赤単には負けない」といった構成のデッキです。
並大抵のミッドレンジは《嵐の目、ウギン》のカードパワーでねじ伏せることができ、コントロール相手には《噴水港》や《ミレックス》が刺さります。
単色デッキながら白が器用な色ということもあり、かなり万能に戦えるイメージです。今後の活躍が楽しみなデッキですね!
それでは、次回の『Just Now スタンダード!』はチャンピオンズカップファイナルの結果を中心にお伝えします!

また、晴れる屋TC東京では前日の5月2日(金)に『チャンピオンズカップシーズン3ラウンド3 ラストチャンストライアル』を開催します!
上位入賞者(※)には翌日開催のチャンピオンズカップファイナルへの出場権が与えられますので、最後のチャンスをお見逃しなく!
※大会の参加人数によって出場権が与えられるプレイヤーの人数が決まります。64名以下の場合は上位2名、65名以上-128名以下の場合は上位4名、129名以上の場合は上位8名にチャンピオンズカップファイナルへの出場権が与えられます。
優勝するのは、この記事を読んでいるアナタかも!?それでは、また!