はじめに
種族ランキングへようこそ!
この記事では、1つの種族にスポットを当て、晴れる屋の「販売価格」と「売上枚数」ランキングを見ながら、ランクインしたカードについて紹介していきます。
今回の種族は「エルフ」!果たして、どんなエルフがランクインしているのか!?
エルフとは?
エルフとは、主に西洋風のファンタジーに登場する人型の種族です。
森や大自然とともに暮らしており、特徴としては「細身な体型と尖った耳」「寿命が長い」「魔法が使える」などがあります。
また、マジックともコラボした長編小説『指輪物語』をきっかけに、エルフのイメージ像が広がったといわれています。実際に『指輪物語』の作品に触れてレゴラスのカッコよさに惚れた人も多いのではないでしょうか?
マジックにおけるエルフの初出は1993年発売の『リミテッド・エディション』。ただ、ゴブリンやマーフォークとは違ってロードは収録されませんでした。
今では緑の代表的なクリーチャー・タイプとなっており、構築フォーマットでも人気です。戦場に展開してビートダウンしていくデッキが多く、ロードクリーチャーがほかの種族に比べて豊富で、全体強化しながら一致団結して戦います。
それでは、まずは「販売価格」ランキングから見ていきましょう!
販売価格ランキング トップ5 (2025年4月時点)
第5位 《死儀礼のシャーマン》 60,000円 『ラヴニカ・リマスター』英語版・ダブルレインボウ・Foil(シリアル入り)
クリーチャー ― エルフ・シャーマン
:墓地にある土地・カード1枚を対象とする。それを追放する。好きな色1色のマナ1点を加える。
,
:墓地にありインスタントやソーサリーであるカード1枚を対象とする。それを追放する。各対戦相手はそれぞれ2点のライフを失う。
,
:墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを追放とする。あなたは2点のライフを得る。
『ラヴニカへの回帰』で登場した《死儀礼のシャーマン》が5位にランクイン!
3つある能力がどれも優秀で、「1マナのプレインズウォーカー」と言われるほど強力なエルフです。そのあまりの強さにモダンとレガシーでは禁止となりました。
墓地に土地がないとマナを出せませんが、下環境にはフェッチランドがあるので問題ありません。メインから採用できる墓地対策カードでもあり、アグロ相手には2点ゲイン、コントロール相手には2点ルーズと、どんなデッキ相手でも輝くエルフです。
第4位 《進化した謎、ヴァニファール》 100,000円 『カルロフ邸殺人事件』英語版・ダブルレインボウ・Foil(シリアル入り)
伝説のクリーチャー ― エルフ・ウーズ・ウィザード
あなたのターンの戦闘の開始時に、以下から1つを選ぶ。
・あなたの手札にあるカード1枚を偽装する。(それを護法
を持つ2/2のクリーチャーとして裏向きの状態で戦場に出す。それがクリーチャー・カードなら、そのマナ・コストで、いつでも表向きにしてよい。)
・あなたがコントロールしている無色の各クリーチャーの上に、それぞれ+1/+1カウンター1個を置く。
『カルロフ邸殺人事件』のコレクター・ブースターには、全7種しかない「大都市ラヴニカ」版のシリアル入りカードが出現します。それぞれ250枚しかなく、出現率はなんと1%未満!かなりの激レアなのでこの価格にも納得ですね。
スタンダードでも使用できるエルフですが、エルフシナジーは特にありません。戦闘開始時に手札のカードを「偽装」できるので、《大祖始》を伏せて《犯人暴き》や《ホーントウッドの金切り魔》といったカードを使って「リバースカードオープン!」と叫ぶことができます(?)
ラヴニカのストーリーでは、ギルドの守りを固めようと知的人型のハイブリッド生物を作る「守護者計画」というものがありました。その計画を推し進めていたのがヴァニファールで、彼女自身も自己実験でウーズと同化(!)し、消化器官が不要になったとか……
『ラヴニカの献身』Bundle付属小冊子P.21より訳
エルフとして生まれたヴァニファールは完璧な自己実験の産物です。ヴァニファールは自らを、シミックの理想の体現とみなしています。彼女は食事も、睡眠も、呼吸も必要としません。その身体が受動的に栄養素や酸素を吸収しているのです。
第3位 《ラノワールのエルフ》 120,000円 『サマー・マジック』
種族ランキングでは常連のセット『サマー・マジック』※の《ラノワールのエルフ》が3位となりました。
マジック黎明期から存在する定番のマナクリーチャーであり、最近では『ファウンデーションズ』で再録されたことで、スタンダードで5年間使用できるようになりました。
再録も数えきれないほどされており、このランキングでは同名カードを省いているので紹介していませんが、『ファウンデーションズ』のコレクター・ブースターから出現する「フラクチャー・フォイル仕様ジャパン・ショーケース版」の《ラノワールのエルフ》が7万円となっています。百瀬寿(@momos_page)先生の手掛けた、とても美しいイラストのラノエルですね。
(※『サマー・マジック』とは?)
9. マジックには、公式に販売に至らなかった基本セットの版が2つ存在する
1994年の『リバイズド』にはいくつもの問題があった。色が多少褪せていた。《セレンディブのイフリート》のアートや枠が間違っていた。さらに、黒のカード数枚のイメージに関してウィザーズは神経質になっていた。そこで、新しく印刷し直すという決定がくだされた。その新しい版は「エドガー/Edgar」というコードネームが与えられたが、一般には「サマー・マジック」と呼ばれている。一番有名なのは《ハリケーン》の、青のカード枠になっているという印刷ミスだろう。カードの色は濃かった。ウィザーズはそれを破棄することを決定し、箱も破棄された。一部(40箱程度だと思われる)は誤って販売され、マジック史上もっとも希少な収集品の1つとなっている。
『公式記事:続・マジックに関する25の雑多な話』より引用
第2位 《エルフの射手》 300,000円 『サマー・マジック』
クリーチャー ― エルフ・射手
先制攻撃
射手は何の警告もなしに攻撃を始めると言われている。彼らのほうでは最初の一矢が警告なんだと言ってるがね。
《ラノワールのエルフ》と同じく『サマー・マジック』から《エルフの射手》がランクイン。2マナ・2/1で緑にしては珍しく先制攻撃があり、能力こそ地味ですが、こう見えてレアリティはレアです。
クリーチャー・タイプ「射手」は到達を持っていることが多いですが、フレーバーテキストを読むと先制攻撃なのもうなずけますね。
ちなみに『アルファ版』の《エルフの射手》は印刷ミスでパワー・タフネスが1/2表記になっています。
当時の構築環境では、《白騎士》や《黒騎士》と相討ちできるのが優秀で、《怨恨》や《巨大化》で強化して攻める「緑単ストンピィ」や赤緑アグロの「ステロイド」に採用されていました。
第1位 《人の子の女王、アルウェン》 600,000円 『指輪物語:中つ国の伝承』英語版・ダブルレインボウ・Foil(シリアル入り)
伝説のクリーチャー ― エルフ・貴族
人の子の女王、アルウェンは破壊不能・カウンター1個が置かれた状態で戦場に出る。
, 人の子の女王、アルウェンの上から破壊不能・カウンター1個を取り除く:これでないクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは破壊不能を得る。そのクリーチャーの上に+1/+1カウンター1個と絆魂・カウンター1個を、人の子の女王、アルウェンの上に+1/+1カウンター1個と絆魂・カウンター1個を置く。
栄えあるエルフ販売価格1位は、『指輪物語:中つ国の伝承』で登場した《人の子の女王、アルウェン》となりました!
コレクター・ブースターのさらに特別版である『Special Edition Collector Booster』に収録されており、この「ポスター」ボーダーレス版のシリアル番号入り(ダブルレインボウ・Foil仕様)のカードは、20種類・各100枚しか印刷されていません!まさに幻のカード!!
アルウェンは『指輪物語』に登場するエルフの女性で、「裂け谷」という領の主であるエルロンドの娘です。美しさと気高さで知られ、彼女は不死のエルフでありながら、人間の王・アラゴルンを愛しました。彼と結ばれるために自ら不死を捨て、定命となって生きる運命を選んだのです。
『指輪物語』でも王女的存在であるアルウェンが、マジックのエルフ界でも1位となりました(晴れる屋の販売価格で)。
第6位~第10位
6位:《ラノワールの使者ロフェロス》 50,000円 『ウルザズ・サーガ』英語版・Foil
6位:《錯乱した隠遁者》 50,000円 『ウルザズ・レガシー』日本語版・Foil
8位:《ゴルガリの女王、サヴラ》 32,800円 『ラヴニカ・リマスター』ダブルレインボウ・Foil(シリアル入り) PSA10
9位:《復活した精霊信者、ニッサ》 30,000円 プレインズウォーカー・シリーズ上位賞プロモ・Foil
10位:《花を手入れする者》 25,000円 『イーブンタイド』Foil
販売枚数ランキング トップ5 (2024年5月~2025年4月集計)
第5位 《事件現場の分析者》 2,327枚
自身で墓地を肥やすことができ、《見事な再生》能力もある優秀なエルフです。『カルロフ邸殺人事件』発売後のスタンダードでは、『ニューカペナの街角』のフェッチランドを大量に使った「世界魂ランプ」で使われていました。
現在はモダンのアミュレットタイタンで、《変容する森林》のコンボループの相方として採用されています。コンボ手順が少し複雑なので、詳しくはHareruya Prosのカニスターことピオトル・グロゴゥスキ選手の記事をご覧ください!
- 2024/10/07
- アミュレットタイタンにおける《事件現場の分析者》の使い方
- Piotr Glogowski
第4位 《フレイアリーズの信奉者》 2,395枚
『モダンホライゾン3』で登場した表面がクリーチャーで、裏面が土地の両面カードサイクルの1枚です。クリーチャーのほうはコストの重いエルフ・クリーチャーですが、重要なのは裏面が土地であること。
下環境で活躍する「The Spy」や「ベルチャー」といったコンボデッキは、デッキの中に土地・タイプのカードを採用できないため、これらの裏面が土地の両面カードが大量に採用されているのです。
最近のレガシーイベントでもThe Spyが結果を残しており、こういったデッキが人気のため、このカードもたくさん売れているようですね。
第3位 《ティタニアの僧侶》 2,435枚
『ウルザズ・サーガ』で登場したコモンのエルフです。エルフ版の《ガイアの揺籃の地》であり、この種族はクリーチャーを横に並べることに長けているため、あっという間に大量のマナが出せるようになります。
クリーチャーをアンタップするカードと相性が良く、出るマナも大量なので、組み合わせるカード次第では無限マナになることも。
ちなみに戦場のエルフすべてを参照するので、相手の場にエルフがいるとさらに出せるマナが増えます。
第2位 《エルフの神秘家》 4,158枚
昔からお世話になっている方も多いであろう安定のマナクリーチャーです。1マナのマナクリなんて、なんぼあってもいいですからね。
現在の主戦場はパイオニアで、《輝晶の機械巨人》を使ったセレズニアミッドレンジで採用されていることが多いようです。
また最近では、『Secret Lair』シリーズで初音ミクになった《エルフの神秘家》が登場しました。普通のバージョンのラノエルより、マッナマナにしてくれそうですね(?)
第1位 《ラノワールのエルフ》 6,293枚
2位が1マナのマナクリーチャーなら1位も当然マナクリ、ということで《ラノワールのエルフ》が販売枚数トップとなりました。
同型の1マナのマナクリーチャーに《フィンドホーンのエルフ》もいるのですが、レガシー以下でしか使えないのでランクインしませんでした。ただ性能はまったく同じなので、統率者戦ではよく使われていますよ!
何度も再録されているラノエル、みなさんはどのイラストが好きですか?
第6位~第10位
6位:《コーヴェクダル、エラダムリー》 1,944枚
7位:《進化の証人》 1,901枚
8位:《グリッサ・サンスレイヤー》 1,734枚
9位:《不屈の補給兵》 1,672枚
10位:《フィンドホーンのエルフ》 1,470枚
おまけ:伝説のエルフ紹介
現在エルフには、126体の伝説のクリーチャーが存在しています。こうして見ると多色の伝説エルフが多いですね。
エルフを軸にした統率者を挙げるとするなら《エルフの刃、ラスリル》でしょうか。『カルドハイム』統率者デッキである「エルフの帝国」で統率者にも指定されているので、エルフの中のエルフというわけです。
自身でエルフ・トークンを生み出せる能力を持ち、注目なのがその起動型能力で、自身とほかのエルフ10体をタップすると、すべての対戦相手から10点ドレインできます。
戦場にエルフを並べてビートダウンしつつ、マナを大量に用意し、《ティタニアの僧侶》のくだりでも触れた無限マナ&無限アンタップコンボで豪快な起動型能力を連打しましょう!
さて、2つのランキングを通してエルフを紹介してきましたが、おなじみのエルフから珍しいものまで、さまざまなエルフが登場して楽しめたのではないでしょうか?
次回はまた新たな種族ランキングでお会いしましょう!
これまでの種族ランキング
- 2025/03/26
- パワー9に匹敵するマーフォークがいる!?種族ランキング:マーフォーク編!
- 晴れる屋メディアチーム
- 2025/01/20
- 30万円のゴブリンが存在する!?種族ランキング:ゴブリン編!
- 晴れる屋メディアチーム