最新のスタンダード大会結果をチェック!
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
今回はアメリカのコネチカット州ハートフォードで開催された「地域チャンピオンシップ」を含む各大型大会の結果をチェックしながら、最新のメタゲーム追いかけたいと思います!
『$5K RCQ – Standard – SCG CON Hartford』
5月17日(土)、地域チャンピオンシップ シーズン4ラウンド1の予選大会1回目が開催されました。
206名と多くのプレイヤーが参加し、上位8名が地域チャンピオンシップ本戦出場の権利を得ています。
『$5K RCQ – Standard – SCG CON Hartford』
優勝 アゾリウス全知
準優勝 イゼット果敢
3位 イゼット果敢
4位 オルゾフミッドレンジ
5位 ディミーアミッドレンジ
6位 イゼット果敢
7位 黒単
8位 イゼット果敢
優勝したのは最新型の《マラング川の執政》2枚で無限ループに入るアゾリウス全知でした。
- 2025/05/13
- Just Nowスタンダード!vol.56 -地域CSでミシュラ合体?ラクドスミッドレンジが準優勝!-
- 紳さん
アゾリウス全知については前回の記事で取り上げておりますので、今回は割愛します。
また、今大会もトップ8にイゼット果敢が4名入賞と、圧倒的なパフォーマンスを見せています。
オルゾフミッドレンジ
こちらが4位に入賞したオルゾフミッドレンジのリストです。ほとんど黒単のような構成ですが、サイドボードから現環境に対して有効な白いメタカードを投入する狙いがあります。
定番の《分派の説教者》を2枚採用に抑え、《止められぬ斬鬼》を4枚フル採用という、少し見慣れない構築です。ちなみに、即死コンボの相方となる《アクロゾズの放血者》を採用せず、堅実に《ドロスの魔神》を4枚採用しています。
《止められぬ斬鬼》の2/3というスタッツは《コーリ鋼の短刀》を装備したモンク・クリーチャー・トークンをブロックするのに適しており、仮に追加の果敢などでサイズアップされたとしても、接死で討ち取れる点が優秀で、ブロッカーとしての役割は《分派の説教者》と遜色ありません。
また、《止められぬ斬鬼》は破壊されても戦場に戻ってくる(しばらく麻痺はしますが)ため、リソース勝負になっても強いクリーチャーです。
コントロールやコンボデッキなど、こちらが決着を急ぎたい相手に対しても《分派の説教者》より《止められぬ斬鬼》の方が大きなプレッシャーとなるでしょう。
ハンデスはかなり多めに採用されていました。「3-4ターン目の強力な呪文を安全に通したい」という狙いもありつつ、《残虐爪の強奪》のような追放ハンデスを4枚フル採用していることからも、海外では特に人気が高いアゾリウス全知を警戒しているのかもしれません。(結果的に優勝はアゾリウス全知でしたが)
また、《残虐爪の強奪》は相手の手札が少ないときでも「贈呈」で唱えることで強制的にカードを引かせた上で奪い取ることが可能です。ブラフで土地を1枚だけ抱えた相手に《強迫》をプレイさせられることも多いのですが、《残虐爪の強奪》はそんな状況でも役に立つハンデスです。
サイドボードにはイゼット果敢とアゾリウス全知の両方に有効な《真昼の決闘》や、《嵐追いの才能》ごとトークンを吹き飛ばせる《害獣駆除》などが採用されています。
いずれも強力なメタカードで、白をタッチするメリットは十分にありそうです。
『$10K RCQ – Standard – SCG CON Hartford』
翌日の5月18日(日)は地域チャンピオンシップ シーズン4ラウンド1の予選大会2回目が開催されました。
1回目よりさらに多い297名が参加し、上位16名が地域チャンピオンシップ本戦出場の権利を得ています。
『$10K RCQ – Standard – SCG CON Hartford』
優勝 赤単
準優勝 オルゾフミッドレンジ
3位 イゼット果敢
4位 イゼット果敢
5位 アゾリウス全知
6位 イゼット果敢
7位 イゼット果敢
8位 ディミーアミッドレンジ
この大会もトップ8にイゼット果敢が4名入賞と、トップメタデッキの実力がいかんなく発揮されました。
しかし、優勝は赤単、準優勝はオルゾフミッドレンジという結果となっております。
赤単
こちらが優勝した赤単のリストです。サイドではなくメインから《魔道士封じのトカゲ》が4枚フル採用されています。
クリーチャー – トカゲ
プレイヤー1人がクリーチャーでない呪文1つを唱えるたび、魔道士封じのトカゲはそのプレイヤーに、そのプレイヤーがこのターンに唱えてクリーチャーでない呪文の数に等しい点数のダメージを与える。
メインターゲットは当然、イゼット果敢となります。クリーチャーでない呪文を唱えるたびに加速度的にダメージを与える《魔道士封じのトカゲ》はまさしくキラーカードで、タフネス4と非常に除去されづらいクリーチャーです。
《コーリ鋼の短刀》の能力を誘発させるために気軽にドロースペルを連打したいところですが、2つ唱えるだけで3点のダメージを受けることになり、3つ目の非クリーチャー呪文は唱える気にもならないことでしょう。
《真昼の決闘》と違い、赤単としての動きは阻害せずに、他のデッキを締めつける点が強力です。
アゾリウス全知にとっても《魔道士封じのトカゲ》は障害となります。除去しない限りはコンボをスタートできず、《マラング川の執政》《エファラの分散》《一時的封鎖》などで対処はできますが、それらを探すためのドロースペルはすべてダメージを誘発させるため、赤単相手にライフを減らされた状態で《魔道士封じのトカゲ》を乗り越えてコンボにいくにはそれなりの手札が求められます。
赤単にとって鬼門となる《跳ねる春、ベーザ》や《黙示録、シェオルドレッド》のようなクリーチャーを対処するため、メインから《魔女跡追いの激情》が4枚フル採用されています。サイドには《焦熱の射撃》の用意もあり、このあたりのチューニングは最近のメタゲームによる影響が大きそうです。
シンプルながら、しっかりとメタゲームに合わせて変化している赤単。なかなか奥深いデッキです。
『Regional Championship – SCG CON Hartford』
最後に、ハートフォード・シリーズのメインイベント『地域チャンピオンシップ シーズン3ラウンド3』の結果をチェックしていきましょう。
5月17-18日の2日間に渡って開催され、929名と多くのプレイヤーが参加しました。
『Regional Championship – SCG CON Hartford』
優勝 赤単
準優勝 アゾリウスコントロール
3位 イゼット果敢
4位 オルゾフピクシー
5位 オルゾフミッドレンジ
6位 赤単
7位 イゼット果敢
8位 イゼット果敢
優勝したのは、やはり《魔道士封じのトカゲ》入りの赤単でした。伏兵であったアゾリウスコントロールとの決勝を見事に制しています。
アゾリウスコントロール
こちらが準優勝したアゾリウスコントロールのリストです。1枚だけ《アダーカー荒原》が採用されていますが、おそらくは0枚に抑えたかった土地だと思われます。
ペインランドに頼らざるを得ないジェスカイコントロールに見切りをつけ、2色にまとめつつ、さらにメインから《領事の権限》を採用するなど、アグロデッキを強く意識しています。
《領事の権限》は《コーリ鋼の短刀》を完璧に止めることはできないカードですが、速攻持ちのクリーチャーに攻撃されることを防ぎ、ライフの減りを大幅に抑えることができそうです。
また、4ターン目の《審判の日》はもう間に合わないと判断したのか、3枚の《別行動》に全体除去の役を任せているようです。《領事の権限》とも相性がよく、面白いチューニングです。
万が一に備えて、《審判の日》も1枚だけ採用されていました。
スケールの大きいデッキに対しては《完成化した精神、ジェイス》で勝負を決めることができ、コンボデッキは打ち消しと《石の脳》で完封できそうです。
黒系のハンデスはかなり厳しいのですが、サイドから《萎れ葉のしもべ》が投入できるのと、《食糧補充》や《マラング川の執政》の前兆面などでリカバリーが狙えます。
苦手なデッキに対して有効なカードをサイドボードに集め、イゼット果敢をメインからメタるという、お手本のような構築です。
《道の体現者、シィコ》と《食糧補充》のシナジーに魅力を感じ、コントロールデッキを握り続けた方も多いでしょう。しかし、赤単やイゼット果敢に苦汁を飲まされ続けていませんか?
コントロール好きの方は、改めてこちらのアゾリウスコントロールを試してみてはいかがでしょうか。
おわりに
現在、イゼット果敢が圧倒的なトップメタとして君臨していますが、メインからガッチガチの対策をしたデッキが結果を残しているようです。
厳しくマークされ続けているイゼット果敢ですが、どの大会でもトップ8には常に残り続けており、デッキの強さは疑う余地がありません。あとは対策カードの対策を見つけるだけではないでしょうか。
イゼットカラーなので戦場に出たエンチャントはなかなか対処しづらいところがありますが、タフネス4のトカゲぐらいはあっさりと処理したいところです。
次はどんなデッキが活躍するでしょうか。来週の大会結果もお楽しみに!それでは、また。