最新のスタンダード大会結果をチェック!
こんにちは!晴れる屋メディアの紳さんです。
スタンダードもついに『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』シーズンに変わりました。
早速、大会では新カードたちが暴れ回っているようです。今回はMOの大型大会である『Standard RC Super Qualifier』と『Standard Challenge』の結果を中心に最新のスタンダード環境をお伝えします。
『Standard RC Super Qualifier』
6月14日(土)に開催された大型大会『Standard RC Super Qualifier』には243名と多くのプレイヤーが参加しました。
上位4名には地域チャンピオンシップ本戦出場の権利が与えられる重要な大会で、FFコラボの新カードたちはどのような活躍をしたのでしょうか。トップ8の結果を見ていきましょう。
『Standard RC Super Qualifier』
優勝 イゼット果敢
準優勝 アゾリウスコントロール
3位 イゼット果敢
4位 アゾリウス全知
5位 ディミーアミッドレンジ
6位 赤単
7位 赤単
8位 ディミーアミッドレンジ
大会を制したのは《迷える黒魔道士、ビビ》を採用したイゼット果敢でした。3位に入賞したデッキにも《迷える黒魔道士、ビビ》が3枚採用されており、カードパワーの高さが伺えます。
準優勝には《古代魔法「アルテマ」》を採用したアゾリウスコントロール、そのほかトップ8に2名が入賞したディミーアミッドレンジには両方とも《暗黒騎士、セシル》が採用されており、FFコラボの新カードが早くも活躍を見せています。
《迷える黒魔道士、ビビ》イゼット果敢
《迷える黒魔道士、ビビ》を「3マナで除去耐性のないカード」と甘く見ていたプレイヤーも多かったのではないでしょうか。(はい、私です)
実際は3マナの「除去できなければ負け」のカードであり、《コーリ鋼の短刀》《ドレイクの孵卵者》を対処しながら余裕をもって《迷える黒魔道士、ビビ》を除去できるデッキはほとんどなく、前環境の流れを引き継いでイゼット果敢が最強デッキ候補として名乗りを挙げています。
これまで枚数が抑えられることも多かった《食糧補充》ですが、今回のデッキでは4枚フル採用されています。必須というほどではありませんが、《迷える黒魔道士、ビビ》が生き残ったときにドロー呪文連打から一気にゲームを終わらせるためには、1枚ぐらいは《食糧補充》を唱えておきたい場面が多いようです。
また、ライブラリーの上から5枚までのカード見ることができる《食糧補充》は《コーリ鋼の短刀》や《迷える黒魔道士、ビビ》を探す上でも有用で、デッキの動きの再現性を高めています。
《巨怪の怒り》によるパワー上昇は《迷える黒魔道士、ビビ》を一気にフィニッシャーへ変えるほか、《ドレイクの孵卵者》とも相性が良いです。果敢1回分を上乗せすればパワーが6まで上昇し、戦闘ダメージを通すことでドレイク2体をいつでも呼び出せる状態となり、手がつけられなくなります。
サイドボードには3枚の《呪文貫き》が目を光らせており、イゼット果敢を咎めるカードは打ち消しで対処する準備ができています。《迷える黒魔道士、ビビ》を守るカードとしても優秀です。
前環境でも最強デッキ候補だったイゼット果敢ですが、《迷える黒魔道士、ビビ》の参入によってさらに強化されました。このデッキを止めることはできるのでしょうか。
《古代魔法「アルテマ」》アゾリウスコントロール
準優勝したアゾリウスコントロールのリストには、新カードの《古代魔法「アルテマ」》が3枚採用されていました。
《コーリ鋼の短刀》が暴れ回っている今、《審判の日》や《太陽降下》でリセットをかけたところですぐに盤面が危険な状態になってしまいます。しかし、《コーリ鋼の短刀》ごとクリーチャーを吹き飛ばす《古代魔法「アルテマ」》ならすべて解決!
メインから採用されている《一時的封鎖》に加え、サイドボードには《真昼の決闘》。今回のリストには採用されていませんが、いざとなれば《領事の権限》も採用することができるのが白系コントロールデッキの強みです。いずれもイゼット果敢や赤系のアグロデッキに対して有効で、現在のメタゲームにマッチしています。
現在主流のテンポデッキとアグロデッキを抑え込みながら、あらゆるフェアデッキに対してリソース勝負に持ち込み、カードパワーで圧倒します。
打ち消しもメインから3種8枚体制と多めに採用されています。現環境ではアゾリウス全知のようなコンボデッキも無視できない存在ですが、これだけ打ち消しの用意があれば対抗できますね。
コントロールデッキらしく、あらゆるデッキと対等以上に渡りあえる構築になっています。
この手のデッキは《魂の洞窟》が目の上のタンコブとなりますが、現スタンダード環境には《魂の洞窟》を使うデッキがオーバーロードぐらいしかなく、そのオーバーロードはイゼット果敢や赤系アグロに封殺されているため、数を急激に減らしています。つまり、今は天敵がほとんどいない状態です。
《古代魔法「アルテマ」》という新兵器を手に入れた新生アゾリウスコントロール。今後の活躍が楽しみです。
『Standard Challenge 32 – 2025/06/14』
続いて、6月14日(土)に開催された『Standard Challenge 32』の結果をチェックしていきましょう。
『Standard Challenge 32』
優勝 ラクドス果敢
準優勝 赤単
3位 赤単
4位 イゼット果敢
5位 イゼット果敢
6位 ディミーアミッドレンジ
7位 赤単
8位 ディミーアミッドレンジ
全体的にアグロデッキが多く入賞するなか、優勝したのは《残響の力線》型のラクドス果敢でした。
《破れかぶれの策》が4枚採用されており、クリーチャーがブロックされて死亡したり、《無感情の売剣》の「出来事」で投げ飛ばした際のバリューが高いデッキとなっています。
新カードを採用したデッキについては、まず準優勝した赤単に《オペラ劇場のラブソング》が4枚採用されているほか、トップ8に入賞したディミーアミッドレンジに《闇の腹心》が4枚採用されていました。この大会でもFFコラボの新カードが存在感を示しています。
《オペラ劇場のラブソング》赤単
インスタント
以下から1つを選ぶ。
・あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を追放する。次のあなたの終了ステップまで、それらのカードをプレイしてもよい。
・クリーチャー1体か2体を対象とする。ターン終了時まで、それらはそれぞれ+2/+0の修整を受ける。
新カードの《オペラ劇場のラブソング》はモード選択型のインスタントで、上のモードは2枚の衝動的ドロー、下のモードは最大2体までのクリーチャーの対象をとって+2/+0の修整を与えることができます。
衝動的ドローに関しては《探索するドルイド》の「出来事」を彷彿とさせ、+2/+0の修正は同時に2体分の雄姿を誘発させられる点が強力です。どちらのモードも赤単が欲する能力であり、とてもユーティリティな新カードだと感じます。
イゼット果敢に対しては《魔道士封じのトカゲ》、白系のコントロールデッキに対しては《叫ぶ宿敵》が劇的に刺さります。この2枚はメタ的なクリーチャーでありながら、ほとんどのデッキに対しても悪くない性能のダメージ源として機能するため、メインから無理なく採用できる点が強力です。
サイドボードの《石術の連射》は《迷える黒魔道士、ビビ》を討ち取るための切り札としても優秀ですが、《迷える黒魔道士、ビビ》は一瞬にしてタフネスを6以上に上げることも可能な恐ろしいクリーチャーですので、油断は禁物です。《魔女跡追いの激情》や《焦熱の射撃》など、2枚使ってでも落とせるなら落としておいた方が無難でしょう。
イゼット果敢に安定して勝てるようであれば、このデッキが最強の座を奪い取る日も近そうです。
新カードを採用した入賞デッキたち
それでは最後に、ここ1週間ほどの大会をチェックして気になった「新カードを採用した入賞デッキ」を2つほど紹介します。
《暗黒騎士、セシル》黒単
こちらのデッキはかなりアグロ寄せで、1ターン目から接死持ちの優秀なクリーチャーを展開することで除去を強要していきます。
《闇の腹心》はアドバンテージを獲得するだけでなく、《暗黒騎士、セシル》を早期ターンに変身させるための手助けともなるため、対戦相手からするとマスト除去となるでしょう。しかし、これら1-2マナのクリーチャーに除去を使わせることが真の狙いで、3ターン目以降に展開する脅威が除去されにくくなります。
最近ではほとんど見かけることも少なくなった《ヨーグモスの法務官、ギックス》が4枚フル採用されており、このカードも《暗黒騎士、セシル》と相性がよく、ライフを支払いながらドローを進めていくのが強力です。《分派の説教者》も近しい役割を担うことができ、こちらのライフが危険なときは《黙示録、シェオルドレッド》によって一転、ライフ回復をはかることができます。
これらの強力なクリーチャーに加え、タイミングが重要ではありますが、《強迫》の使い方次第であらゆるデッキを封殺できるポテンシャルがあります。
ただし、《闇の腹心》含め、ライフ管理が難しそうなデッキではあるので、イゼット果敢や赤単を相手にする場合は細心の注意をしたいところです。
《スピラの希望、ユウナ》オーバーロード
オーバーロードの数少ない入賞例ですが、新カードが3種類も採用されていました。
能動的に墓地を肥やす手段は1枚採用の《ラクシャーサ流取り引き》ぐらいで、《スピラの希望、ユウナ》はオーバーロードたちにトランプルと絆魂を付与する目的で投入されています。
もっとも、オルゾフピクシー相手にディスカードを強要された際には、《ミストムーアの大主》あたりを捨てて《スピラの希望、ユウナ》で釣り上げる絶好のチャンスとなりそうですね。
《召喚:フェンリル》は5枚目の《ホーントウッドの大主》としての役割を果たします。3ターン目にランプしつつ、すぐさまブロックに参加できる点は《ホーントウッドの大主》よりも優秀で、前のめりなデッキが多い今の環境においては《召喚:フェンリル》の方が合っているのではないでしょうか。
現在は《豆の木をのぼれ》とのシナジーを優先して《ホーントウッドの大主》が採用されていますが、実は《召喚:フェンリル》がアグロデッキに対する解答となるのかもしれません。3ターン目にランプすることで、4ターン目に《古代魔法「アルテマ」》をプレイできるのが良いですね。
おわりに
早速、レベルの高い大会でFFコラボの新カードが活躍し、ワクワクしてきました。
まだまだ調整中のデッキが多そうですし、これからさらに色んなデッキが登場してメタゲームを賑わせることになりそうですね!
- 2025/06/10
- 「プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』」観戦ガイド
そして、今週末には「プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』」が開催され、世界トップレベルのプロプレイヤーたちが構築したデッキを見ることができます。どんなカードが活躍するのか、今から楽しみですね!
来週の「Just Nowスタンダード!」はプロツアーの結果を中心にお伝えしますので、お楽しみに!