スパイダーマンのカードで新デッキ構築!
新セット恒例企画「Hareruya Wayfinder」!
「Hareruya Wayfinder」とは、晴れる屋がスポンサードしている“Hareruya Pros”による新環境のデッキ紹介企画です!
今回は『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』のカードを使ったデッキをたくさん紹介します!
松浦 拓海
赤緑スパイダーアグロ (スタンダード)
今回はスパイダーマンをテーマにしたセットなので、蜘蛛を中心にデッキを組んでみました。
《ラノワールのエルフ》から2ターン目に《スカーレット・スパイダー、ベン・ライリー》を5/4としてプレイしたり、《スパイダーハム、ピーター・ポーカー》や《スパイダーパンク》で《ひきつる人形》から出た蜘蛛・トークンを一斉に強化して戦います。
ゲーム後半では、《ラノワールのエルフ》などを《コナーズの呪い、リザード》で強化して押し込みましょう。また、《意志を貫く力》で強引に突破したり、除去から守ったりして攻めることもできます。
新登場の多色土地《マルチバースへの通り道》は、境界ランドとも相性が良いので2色でも充分採用価値のあるカードだと思います。
ジャッカル人間カンパニー (パイオニア)
今回のセットには「人間」クリーチャーが多く収録されています。人間には戦場に出たときに能力が誘発するものや、場にいるだけで相手を苦しめるカードが多く、それらのコピーを生み出せる《天才遺伝学者、ジャッカル》と相性が良いので組んでみました。
伝説であっても伝説でないコピーを出せるので、《スレイベンの守護者、サリア》や新カードの《サイオニック・ウィーバー、アラクネ》などの効果を二重にかけたりすることも可能です。
もちろん、《サリアの副官》《反射魔道士》《カマキリの乗り手》なども2体出せれば、相手にとんでもない圧力を与えることができます。
今までは白い人間・クリーチャーが多かったので《天才遺伝学者、ジャッカル》のような人間は使いにくかったのですが、最近登場した《始まりの町》や今回の《マルチバースへの通り道》など5色出せる土地が増え、どの組み合わせでもほぼすべてのカードをプレイできるようになりました。
人間タイプを持つクリーチャーは色を問わずほかにもたくさんいるので、好きな人間を探して採用してみるのも面白いと思います。
再評価カード
《スタークによる改良、アイアン・スパイダー》に注目しているので、これと相性の良いアーティファクト・クリーチャーを再評価しています。
パイオニアでは《搭載歩行機械》や《継ぎ接ぎ自動機械》、スタンダードだとグルール昂揚の《継ぎ接ぎのけだもの》と《野火の木人》などの軽いアーティファクト・クリーチャーを強化する動きは強そうです。《アガサの魂の大釜》との相性も良さそうですね。
平山 怜

【記事/X(Twitter)】
緑白スパイダー無限トークン (スタンダード)
「ウェブスリング」と《協力的な両親》を用いたコンボデッキです。《協力的な両親》は、クリーチャーを寝かせる手段として、ウェブスリングと非常に相性が良いクリーチャーになります。
《協力的な両親》+《ウェブ紡ぎ、シルク》のようなトークン生成クリーチャー+《サイオニック・ウィーバー、アラクネ》(or《養育するピクシー》)2枚で無限にトークンを生成することができます。
コンボパーツが多く一見そろいづらそうですが、《スパイダーマンの写真》を《養育するピクシー》で使いまわすことでコンボパーツをそろえることができます。
《マイルズ・モラレス》は優秀な出たとき能力を持っているため、《養育するピクシー》で使いまわして盤面を強固にしていきましょう。また裏面への変身も《始まりの町》や《マルチバースへの通り道》をつかえばできるので、フラッド受けにもなります。
《大いなる力には……》コントロール (スタンダード)
《新たな夜明け、ケトラモーズ》を使ったコントロールデッキに《大いなる力には……》を採用しました。
基本的には除去コントロールとしてふるまい、破壊不能クリーチャー+《大いなる力には……》をそろえましょう。《新たな夜明け、ケトラモーズ》に《大いなる力には……》をエンチャントできれば、一切ダメージを受けない状態になります。
破壊不能を貫通する《洪水の大口へ》のような除去は《古からの確執》で頑張ってなんとかしましょう。
コンボパーツをそろえる手段として《鏡に願いを》を採用しています。また「協約」のコスト兼初動として《ソウル・ストーン》も併せて採用。
《グウェン・ステイシーの死》も《鏡に願いを》のコストになりつつ、Ⅲ章の墓地追放は《新たな夜明け、ケトラモーズ》のアタック条件を満たす助けになる便利なカードです。
再評価カード
《ひきつる人形》
現在のスタンダードにいる数少ないまともな蜘蛛のカードです。横並びするので《スパイダーパンク》などと相性が良いです。
《クライヴたちの隠れ家》
このセットには非常に多くの軽い伝説のクリーチャーが収録されているので、起動条件を満たしやすくなりました。《伝説の秘宝》が落ちてしまったので、伝説のクリーチャーを主体にしたデッキは組みにくくはなってしまったものの、リターンは大きい土地なので頑張って使いたいですね
マッティ・クイスマ

【記事/X(Twitter)】
アンチヴェノムリアニメイト (スタンダード)
《恐ろしき癒し手、アンチヴェノム》はマナ基盤さえ整っていれば、いきなり圧倒的な盤面を築ける非常に強力なカードのように見える。
スタンダードには強力なリアニメイト対象が豊富に存在する。特に『ダスクモーン:戦慄の館』の「大主」たちは、リアニメイトの良い対象になるだけでなく、それ単体でも優秀なカードなため、リアニメイト戦略に必要なカードをすべて引かずとも戦えるようになるので価値が非常に高い。
問題なのは白には良いディスカード手段がなく、リアニメイト戦略を狙う場合は白単色のデッキでは現実的でないということだ。ただ幸いなことに、優秀なディスカード手段が最も多く、2色土地にアクセスしやすい色の組み合わせがある。それが赤だ。
《逸失への恐怖》《フェニックスのドミナント、ジョシュア》《光砕く者、テルサ》といったカードは、リアニメイト用のフィニッシャーを捨てつつ、同時に《恐ろしき癒し手、アンチヴェノム》を探しにいくこともできるのでとても優秀だ。
最強のリアニメイト対象といえば、『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』で登場した2種類の巨大な召喚獣はどちらも魅力的な選択肢だろう。それぞれ違った場面で強みを発揮するため、盤面の状態に応じてどちらを出すか選択肢を持てるのは嬉しい。
デッキの最後の枠は、アグロデッキに対抗するための軽い除去呪文で埋めている。なかでも《削剥》は、除去呪文であると同時に《アガサの魂の大釜》への解答にもなる。
レディ・オクトパスベルチャー (モダン)
《傑出した発明家、レディ・オクトパス》は新カードのなかでも特に強力な可能性を秘めており、既存の青単ベルチャーをより爆発力のある形へと進化させるかもしれない。ただし、そのためにはデッキ構造を根本的に変える必要がある。
このカードの最大の魅力は、《ゴブリンの放火砲》を素早く唱えられること、そして《モックス・アンバー》を起動できる軽い伝説のクリーチャーであることだ。さらにほかの軽量アーティファクトを採用する動機にもなり、《オパールのモックス》の「金属術」達成にもつながる。
両方のモックスが動くことで、旧型よりもデッキがかなり高速化し、さらにレディ自身が《ゴブリンの放火砲》と組み合わせて3ターンキルの脅威にもなるだろう。
《ミシュラのガラクタ》《思案》《氷魔法の秘宝》《手掛かりトークン》、そして通常のドロー・ステップといった要素のおかげで、《傑出した発明家、レディ・オクトパス》の能力を誘発させる手段は豊富にある。
最大限に能力を活用するため、このデッキでは《攪乱のフルート》を4枚フル投入しており、レディ経由でこっそり戦場に出すことが可能だ。
《攪乱のフルート》は現在のメタゲームにおける妨害ツールとして非常に優秀である。さらにこのカードと《氷魔法の秘宝》は、《発明品の唸り》を使うための便利な布石にもなり、X=4で唱えるのをずっと楽にしてくれる。
再評価カード
《運命を貪るもの》
モダンに存在するほぼ無色のランプデッキは、現在《記憶への放逐》という”ガムテープ”で身動きを封じられている。だが、もし《スパイダーパンク》ですべてを打ち消されないようにできたら……?
《バネ葉の太鼓》
「ウェブスリング」のサポート役として、《バネ葉の太鼓》以上に優れたカードが思いつくだろうか?
ピオトル・グロゴゥスキ
黒赤大混乱アグロ (スタンダード)
スパイダーマンの世界からやって来たヴィランたちは、スタンダード環境で大暴れする準備ができているようです。
とはいえ、イゼット大釜のようなデッキに対してこのリストがすぐに互角に戦えるかどうかは分かりません。それでも、この構築はたくさんの新カードを使ってプレッシャーをかけつつ、同時にアドバンテージを得られるようになっています。
《ゴブリンの影》はデッキのメインエンジンで、ライブラリーを掘り進め、カードを捨ててアドバンテージを生み出しながら少しずつダメージを与えることができます。このカードから《忍耐の記念碑》と動くのは少し悠長ですが、一度回り始めると対戦相手のライフはあっという間に削られていくでしょう。手札を捨てるカードは24枚あるので、《忍耐の記念碑》を1ターンに何度も誘発させるのは容易です。
このデッキには「大混乱」系の捨てて嬉しいカードが豊富にあり、それらを捨てながら手札の質を上げられます。多くは伝説のカードなので、被りを避けるために枚数はひかえめにしました。《恐血鬼》は名誉「大混乱」カードで、捨てるだけでアドバンテージを得られ、追加のマナを必要としません。
《ロケット推進ゴブリン・グライダー》はダメージを押し込む手助けとなり、簡単にサイズを上げられる《略奪するアオザメ》と相性抜群です。《蜂群人間、スウォーム》は軽い飛行クリーチャーで、《スカーレット・スパイダー、ケイン》はディスカードと大混乱の両方を兼ねています。
たとえば、1ターン目に《略奪するアオザメ》を出し、次のターンに相手のクリーチャーに《カボチャ爆撃》を撃ちながら《スカーレット・スパイダー、ケイン》を捨ててそのまま唱え、さらに《恐血鬼》を捨てるという動きを想像してみてください。かなり強力ではないですか?
ゲーム後半、土地はスペルを探しているときに捨てたいカードの典型ですが、《オズコープ社》はその場合でも問題なくプレイできるので、《恐血鬼》を使うデッキでは非常に便利です。
おそらく最も印象的な「大混乱」クリーチャーは《真紅の混沌、カーネイジ》でしょう。2マナで4/3・トランプルというだけでも強力ですが、さらに追加で《逸失への恐怖》や《光砕く者、テルサ》を墓地から戻せるのはかなり優秀です。3マナ域を多く積んで、サクリ台を増やした「カーネイジ」特化型の構築も十分に考えられます。
《マルチバースへの通り道》は《血の墓所》がスタンダードで使えない痛みを和らげてくれます。おまけにこのカードは《ブレイズマイアの境界》とも相性が良いです!
《ドク・オックの触手》親和 (モダン)
モダン環境では、いまや無数の方法で親和デッキを構築できます。赤と《ピナクルの特使》を諦めるのはつらいところですが、ここでは新戦力の《ドク・オックの触手》を最大限活かすことに注力しています。
1マナで+4/+4修正は破格の強化であり、しかも《ドク・オックの触手》は伝説ではないため、複数コントロールできるのがうれしいところです。《ウルザの物語》でぜひともサーチしたい!まさにそんなカードでしょう。
《河童の砲手》と《思考の監視者》は説明不要の親和デッキの定番カードです。そこに新たに《記録の守護者》が加わり、《ドク・オックの触手》の条件を満たすクリーチャーが増えました。サイズが大きいかつ飛行を持っているフィニッシャーは大歓迎です。
また《溶岩拍車のブーツ》の枚数も増やしました。どのクリーチャーも巨大なサイズで戦場に出るので、速攻を付与するメリットも比例して大きくなります。もちろん《頭蓋囲い》も速攻クリーチャーとの相性は抜群です。
さらに《スパイダーセンス》という新カードも採用しました。やや状況に依存するカードではありますが、親和がよく使う《金属の叱責》 の有力な競合になりえるカードです。
打ち消せる範囲は少し限定されますが、「ウェブスリング」が《バネ葉の太鼓》と非常に良く噛み合いますし、0マナのクリーチャーを手札に戻すのは大した痛手ではありません。むしろ《思考の監視者》を手札に戻せるのは大きなメリットでしょう!
再評価カード
《傑出した発明家、レディ・オクトパス》のおかげで、私たちの前には《睡蓮の花》をめぐる新たな可能性の連続が広がっています。
高速マナ加速はマジックにおいて常に最強の効果であり、《睡蓮の花》も構築環境で何度も姿を見せてきました。ドラゴンストーム、アドグレイス、そして現在の青単ベルチャー。いずれのデッキも、程度の差こそあれ、《睡蓮の花》を活用してきたのです。《傑出した発明家、レディ・オクトパス》は、これまで以上に早くその高速マナの可能性にアクセスできるようにしてくれます。
1ターン目に《傑出した発明家、レディ・オクトパス》をプレイできれば、その場で《睡蓮の花》を唱えられ、2ターン目から途方もないマナ加速が可能になります。さらに、彼女は1マナの青い伝説のクリーチャーであり、アーティファクト関連の能力を持つ……つまり《湖に潜む者、エムリー》《知りたがりの学徒、タミヨウ》《モックス・アンバー》《オパールのモックス》と並べて使うのにぴったりです。
高速マナの使い道が 《現実の設計者、タメシ》や《ゴブリンの放火砲》であれ、《大いなる創造者、カーン》や《嵐の目、ウギン》であれ、あるいは《信仰の見返り》を使ったループのようなものだとしても、世界はあなたのものでしょう。もし決め手となるカードがアーティファクトなら、後のターンに《傑出した発明家、レディ・オクトパス》を使ってそれらをキャストすることもできます。
ただし、ひとつやっかいなこともあります。もし《傑出した発明家、レディ・オクトパス》が対処されてしまうと、《睡蓮の花》を1ターン遅れて「待機」する羽目になります。このコンボは、心臓の弱い人向けではないかもしれませんね。
いざ、新環境へ!
競技シーンで活躍するHareruya Prosのメンバーにさまざまなデッキを構築してもらいました!
今週末はプレリリースが開催中なので全力で楽しんでください!今回紹介された新カードに一早く触れる機会でもあります。
それでは、新環境でお会いしましょう!