アバターのカードで新デッキ構築!
新セット恒例企画「Hareruya Wayfinder」!
「Hareruya Wayfinder」とは、晴れる屋がスポンサードしている“Hareruya Pros”による新環境のデッキ紹介企画です!
今回は『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』のカードを使ったデッキをたくさん紹介します!
松浦 拓海
赤単
《叫ぶ宿敵》は禁止になってしまいましたが、大量に新しいカードが使えそうな赤単を組んでみました。
新キーワード能力「火の技」で得たマナは、無理にサイズを強化する呪文などを採用しなくても、《雇われ爪》の能力や除去などで充分有効に使えます。この能力のおかげで、以前よりもクリーチャーを展開しながら除去というテンポのいい動きがしやすくなりました。
特に《最深の力、オヘル・アショニル》は、出してすぐ火力を撃ち込むことが難しかったのですが、「火の技」によって出したターンに火力を撃ちやすくなったので、より強く使えるようになっています。
《月殺し、ジャオ》にも注目していて、とにかく単体性能が高く、多色デッキに対して先手で出せたときはとても強力です。《火のベンダーの位に至る》に探索カウンターが4個置かれたあとには、7マナの起動型能力も現実的に狙っていけます。スタンダードの多色デッキは基本土地が少なめであることが多く、場合によっては決まってしまえばそのまま勝ちになる可能性もありそうです。


緑白青同盟者
今回多く収録されている「同盟者」カードを使って、緑白タッチ青の同盟者デッキを組んでみました。パイオニアの白単人間のような動きができそうで、今からワクワクしています。
1マナの《土の味方》は、このデッキだとほぼ2/2か3/2になってくれます。《土の王国の守護者たち》は《不屈の護衛》のように、2-3マナの重要なクリーチャーたちを除去から守ることもできますし、警戒を持っていることで《万里の渓谷の案内人》がいるとアタックしてからマナを出すこともできます。
《土の将軍の副官》は僕の大好きな《サリアの副官》の同盟者版で、本体がトランプルを持っているのはありがたいですね。《万里の渓谷の案内人》の能力でマナを出し、《南極の航海者》で手札を補充。カードをいっぱい出して盤面を制圧していきましょう。
全体除去には少し弱いですが、《素早き救済者、アン》で1ターン防いだり、《神の怒り》などの破壊であれば《無私なる指揮官、ハコダ》で守ることもできます。
再評価カード
緑単ティファに入っていたFINAL FANTSYのカードたち
《アナグマモグラの仔》の登場で《ラノワールのエルフ》がもっと強くなります。今回の禁止改定も込みの評価ですが、緑単ティファは回していて面白いデッキだったので《ティファ・ロックハート》、《旅するチョコボ》などをトーナメントシーンでまた見られることを期待したいです。
《巨大焦がし大口》
《叫ぶ宿敵》が禁止になってしまったので、ライフが回復できなくなるカードを探したところこのカードが出てきました。
《暴れ回るフェロキドン》や《叫ぶ宿敵》など3マナの回復を防ぐクリーチャーは禁止になってきたので、このカードももしかしたら……。赤いアグロデッキのサイドには充分採用圏内ですし、環境によってはメインからでも全然あり得るスペックだと思います。
平山 怜
【記事/X(Twitter)】


緑白青エアベンディング
「気の技」にフィーチャーしたデッキです。気の技は《ミストムーアの大主》や《木苺の使い魔》と相性が良く、「兆候」した大主をクリーチャーとして出しなおしたり、《木苺の使い魔》の出来事を2マナで唱えることができます。
追放領域から唱えるので、《灰毛の天才、オーロック博士》がいれば気の技で追放したカードを無料で唱えられるようになります。こうなると、《不動の守護者、アッパ》と《気のベンダーの位に至る》か《素早き救済者、アン》があれば気の技がループするようになります。
追放領域から呪文を唱え続けることで《不動の守護者、アッパ》の能力で同盟者・トークンが出続けるので、無限にトークンが並びます。
《岐路に立つアン》はこれらのコンボパーツを探しつつ、気の技や《気のベンダーの位に至る》の対象として優秀です。《シヴァのドミナント、ジル》のようなカードを出すだけで盤面が大きく有利になるので、単純にカードパワーが高いと思います。
大きな懸念点はマナベースです。ショックランド、早くきてくれ……

《ベイフォン家の賞金稼ぎ》コンボ
《ベイフォン家の賞金稼ぎ》を使ったコンボデッキです。
《ベイフォン家の賞金稼ぎ》、サクり台(《影の帯の盲信者》)、《恐血鬼》がそろっている状態で、以下の手順でループします。
■コンボ手順
①《恐血鬼》を生け贄に捧げる。
②《ベイフォン家の賞金稼ぎ》の能力が誘発し、「土の技2」で土地をクリーチャー化。
③クリーチャー化した土地を生け贄に捧げて、土地が戦場に戻る。
④「上陸」が誘発し、《恐血鬼》が戦場に戻る。
生け贄に捧げる土地が《ただれた峡谷》であれば無限ダメージですし、盤面に《威名のソルジャー、セフィロス》《浚渫機の洞察》《清掃人の才能》があればほかの土地でも問題ありません。
《ベイフォン家の賞金稼ぎ》を活用したコンボは、下環境であればさらに増えます。
モダンなら《ゴブリンの砲撃》があるので、《ただれた峡谷》を使用する必要がありません。サクり台以外でも《心なき召喚》との組み合わせでも同じことができます(《恐血鬼》が《心なき召喚》で死亡、パワーが下がっているので土の技が1になり土地も即座に死亡する)。ほかには《カルニの庭》から出るトークンが死亡すれば、《カルニの庭》に土の技0をできるので、単体でループします。
スタンダード、パイオニア、モダンと幅広いフォーマットでコンボが組めそうです。
再評価カード
ミシュラランド
今のスタンダードにある多色ミシュラランドサイクルは、自身の能力でクリーチャー化しなくても能力が誘発します。「土の技」が多い緑がらみのミシュラランドには要注目です。土の技の能力の対象にするとお得です。
ほかには、表面がパーマネントで裏面が土地の両面カードをクリーチャー化すれば、死亡時は表面で帰ってくるので、《真実を溺れさせるもの》などとも地味に相性がいいかもしれません。
《大規模な列車強盗》
「火の技」で出たマナは、戦闘中に消費しなければなりません。出たマナのそそぎ先として、重い赤いインスタントは評価が上がるかもしれません。特に追加コンバットを発生させる《大規模な列車強盗》は、火の技も複数回誘発させられるのでなおさら相性がいいです。
マッティ・クイスマ
【記事/X(Twitter)】

白青飛行
白青のアグロデッキは、新セットで《素早き救済者、アン》と《気の民の遺物》という2枚の新戦力を得た。この2色はもともと軽くてトリッキーな飛行クリーチャーを多く使えるため、《気の民の遺物》によってさらに大きな強化を得る可能性がある。サイズが上がることで、より相手がこちらの攻撃を止めるのが難しくなるのだ。
《フェイ花のいたずら》は特に相性がよく、+1/+1修正を受けられる複数の飛行クリーチャーを生成し、対戦相手とのテンポ争いにも必要な干渉手段になってくれる。
《素早き救済者、アン》は本セットで最も強力なカードの1枚であるように思う。あまりに便利で強力なため、スタンダードで使われない理由がないほどだ。このデッキはインスタント・タイミングの呪文を多く採用できるため、瞬速を持つこのカードは自然にデッキにフィットするだろう。
《エイヴンの阻む者》との相性も抜群であり、「気の技」で追放したカードを唱えるコストを上げてくれる点も見逃せない。
《素早き救済者、アン》は変身能力がなくても十分に強力なカードだが、裏面のおかげでゲーム終盤の強力なマナの使い道にもなる。《ひよっこ捜査員》や《遠眼鏡のセイレーン》は優秀な「水の技」のコストであり、終盤を待たずともアンを変身させることができるだろう。


緑青赤講義
《積み重ねられた叡智》はパイオニアにおける《宝船の巡航》を思い起こさせる。墓地をすばやく肥やせば、非常に強力なドロー呪文となるだろう。デッキ全体もこのカードの強みを最大限に活かす構成になっている。
まず前提として、多くの「講義」呪文を採用する必要があるが、幸い緑青赤カラーには良質な講義が複数存在する。
《ブーメランの基礎》《火の技の修行》《爆裂の技》《飲めば潤う!》は、ゲームを長引かせつつ《積み重ねられた叡智》の最大出力を達成するまでのコストの軽い妨害手段だ。
《一繋がりの根》はマナ加速によりゲームプランを安定して進められるようになる。《愛着を捨てる》も重要な1枚であり、墓地をすばやく肥やすのと、土地が余った際にそれを有効牌に変える役割の両方を果たす。これにより、さらなる《積み重ねられた叡智》を探し出し、不要な講義を入れ替えることができる。
もちろん、カードを大量に引くだけでは勝利にはつながらない。しかし、墓地に溜まった呪文を餌に《トレイリアの恐怖》や《渦泥の蟹》といった脅威が、マナ効率の良い勝ち手段となってくれるのだ。
デッキの仕上げとして《名人、アイロー》を1枚採用した。このカードはゲーム終盤に非常に強力な効果を発揮し、墓地に落ちた講義を1マナで再利用できるようにする。《名人、アイロー》や《灰毛の天才、オーロック博士》をさらに増やした構成も可能であり、この2枚がそろえば墓地の講義をすべてタダで唱えられるようになるのだ。
再評価カード
《ウルザの物語》
《ウルザの物語》を《アナグマモグラの仔》の「土の技」でクリーチャーにするのは楽しそうだ。
《灰毛の天才、オーロック博士》
自分のカードを「気の技」したときに、それらを追放領域からタダで唱え直せる点で良いシナジーがある。また「調和」持ちのカードとも相性が良い。
ピオトル・グロゴゥスキ

白青エアベンディング
《素早き救済者、アン》は、とても柔軟で優秀な妨害カードだと感じました。基本的には《反射魔道士》と《呪文捕らえ》を組み合わせたような存在で、アグロデッキに対して頼れる受けの手段になりますし、スタック上での干渉も可能です。
さらに、自分のクリーチャーや呪文にも「気の技」を使うことができます。「ワープ」で出した《量子の謎かけ屋》を戦場から離れる前に「気の技」で追放すれば、次のターンにはたった2マナで4/6の飛行クリーチャーを出せるのです。
《不動の守護者、アッパ》は大主との相性がとても良いです。溜めておいた大主をまとめて「気の技」で追放すれば、大幅なマナ軽減になります!
《空飛ぶ友だち、モモ》は序盤の展開をより強力なものにしてくれます。
たとえば、1ターン目に《空飛ぶ友だち、モモ》、2ターン目に《量子の謎かけ屋》と《水飛沫の門》や、1ターン目に《空飛ぶ友だち、モモ》、2ターン目に《フラッドピットの大主》、3ターン目に《不動の守護者、アッパ》という動きで、相手に大きなプレッシャーをかけることができます。4ターン目には、1マナで大主を唱えることもできるのです!
また、このデッキには飛行クリーチャーが多いため、《空飛ぶ友だち、モモ》で2点以上のダメージを与える機会がよくあるでしょう。このカードは《ラノワールのエルフ》と《秘密を掘り下げる者》を合わせたようなカードともいえるのです。
今まで紹介したカードはすべて、テンポよく使える軽い干渉手段と組み合わせてこそ活躍します。2マナ域が少し弱く、《フラッドピットの溺れさせ》を採用するのはあまり乗り気ではありませんが、ほかにより良い選択肢もなく、十分に役割を果たしてくれると思います。「気の技」で追放したり、ブリンクする対象としても悪くありません。
禁止改定後のスタンダードは、どんなデッキにもチャンスのある非常にオープンな環境です。今こそ新しい戦略を試すのに最適なタイミングだと思います。


白青黒祭殿ピクシー
しばらくスタンダードをプレイしている方なら、《養育するピクシー》デッキに見覚えがあるはずです。ピクシーデッキはこれまでイゼット大釜に苦戦していましたが、その脅威がフォーマットから消えた今、クリーチャーデッキを狩るデッキとして再びメタゲームに戻る準備が整っています。
《望み無き悪夢》が去ったことで、火力面には少し弱くなりました。しかし、その不足を補うのが《北の気の寺》と「祭殿」サブテーマです。
《北の気の寺》は繰り返し再利用でき、ライフを回復しつつ相手のライフを少しずつ削っていきます。これを《呑気な物漁り》を中心としたアグレッシブなクリーチャーと組み合わせることで、追加のダメージを最大限に活かす構成にしています。
《精霊のオアシス》は常に手札を豊富に保ってくれます。複数枚引いても、2枚目以降は少なくとも《予言》相当の働きをしてくれます。最初の1枚は《北の気の寺》との相性を考えるとできるだけ早く引きたいですが、基本的にはこのカードは手札に戻しません。その代わり、2枚目以降をプレイすれば、少なくとも2枚のカードを引けます。
《南の気の寺》は貧弱な盤面を一気に致命的な戦力へと変えてくれます。《コスモグランドの頂点》のトークン生成能力と非常に美しいシナジーがありますし、数体の飛行クリーチャーにカウンターを乗せるだけでも十分に脅威となります。
3つの「祭殿」をすべてそろえると、バウンス持ちのクリーチャーをプレイするたびに、カードを引いて盤面を全体強化する小型《包囲サイ》が誕生します。ここから相手が生き残るのは至難の業でしょう。
再評価カード
《スランの医師、ヨーグモス》は近年モダンでやや影を潜めていましたが、新セットの登場で再注目したいカードです。《アナグマモグラの仔》はマナクリーチャーを使うデッキに最適であり、生け贄要員としても優秀です。これはヨーグモスデッキが本来得意とする動きと非常にかみ合っています。
ヨーグモスデッキの要素を《サムワイズ・ギャムジー》や《日を浴びる繁殖鱗》と組み合わせるのも現実的な選択であり、《アナグマモグラの仔》はどちらの型にも自然にフィットします。
いざ、新環境へ!
競技シーンで活躍するHareruya Prosのメンバーにさまざまなデッキを構築してもらいました!
今週末はプレリリースが開催中なので全力で楽しんでください!今回紹介された新カードに一早く触れる機会でもあります。
それでは、新環境でお会いしましょう!

























































































