最新のスタンダード大会結果をチェック!
こんにちは!晴れる屋メディアの紳さんです。
先週に行われた禁止制限告知により、《迷える黒魔道士、ビビ》《プロフトの映像記憶》《叫ぶ宿敵》の3枚がスタンダードから姿を消しました。
さらに、新セット『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』が登場し、完全なる新環境に突入。
長らくに渡り「イゼット大釜」に支配されつづけたスタンダード環境は終わりをむかえ、まったく新しいメタゲームが始まります。
さて、今回の記事では最新の『Standard Challenge』の大会結果をチェックしながら、現時点での有力なアーキタイプをチェックしていきたいと思います。
ちなみに、MOで『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』の新カードが実装されるのは19日の予定なので、今回の記事では新カードを採用したリストは出てきません。まずは禁止制限告知の影響を感じていただければと思います。
『Standard Challenge 32 – 2025/11/15』
まずは土曜日に開催された『Standard Challenge 32 – 2025/11/15』の結果から見ていきましょう。56名のプレイヤーが参加しています。
『Standard Challenge 32 – 2025/11/15』
優勝 ディミーアミッドレンジ
準優勝 シミックウロボロイド
3位 《残響の力線》アグロ
4位 イゼット果敢
5位 ディミーアミッドレンジ
6位 赤単
7位 ディミーアミッドレンジ
8位 オルゾフピクシー
優勝はディミーアミッドレンジ、準優勝はシミックウロボロイドと、イゼット大釜としのぎを削りあっていた有力デッキがまずは結果を残しました。
6位入賞の赤単は、《叫ぶ宿敵》が抜けた穴にまさかの《最深の力、オヘル・アショニル》を4枚フル投入し、ダメージを増大させる方向でブラッシュアップしています。
《雇われ爪》《煮えたぎるバイパー》《剃刀族の棘頭》が飛ばす1点ダメージがすべて《アショニル》のパワー分のダメージへと増幅され、《アショニル》が除去されなければ圧倒的な暴力で押し切ることができそうです。
《最深の力、オヘル・アショニル》の説明に一部誤りがありました。すでに該当箇所は訂正しております。ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。
ディミーアミッドレンジ
こちらが優勝したデッキのリストです。軽量クリーチャーを軸に《悪夢滅ぼし、魁渡》と《永劫の好奇心》という2大アドバンテージカードを戦場に送り込み、アドバンテージ差を活かして勝利を狙います。
今回のリストでは《ティシャーナの潮縛り》がメインに3枚、サイドボードに1枚とかなり厚めに採用されていました。除去や打ち消しだけでは対応できないカードも《ティシャーナの潮縛り》ならば止められる可能性があり、なにかと汎用性が高いカードです。
瞬速3/2という攻撃的なスタッツもデッキに合っており、戦闘面でも頼りになる万能クリーチャーです。
今後はイゼット大釜&赤単コンビに封じ込められていたコントロールデッキやランプデッキ、コンボデッキなどが台頭することが予想されますが、それらのデッキに対して一番有利に立ち回れるのがディミーアミッドレンジというアーキタイプだと思います。
新環境でも安定した成績を残すことはできるでしょうか。
シミックウロボロイド
準優勝したシミックウロボロイド。ディミーアミッドレンジと並び、前環境で安定した成績を収めていたアーキタイプです。
《脚当ての補充兵》を「新生」でプレイしたり、《天才遺伝学者、ジャッカル》のコピー能力を活かしながら横並べの盤面をつくり、《ウロボロイド》でわかりやすくフィニッシュを狙います。
非常にシンプルかつストレートなデッキではあるものの、デッキ全体のカードパワーが高く、マスト除去&マストカウンターとなるカードが多すぎるため、わかっていても止められません。
最近は《ルクサの体現、サブ=スネン》を1-2枚採用する型が流行っており、MOを中心に結果を残しています。
破壊不能を持つためシミックウロボロイドの天敵である全体除去に耐性があり、《サブ=スネン》が持つ致命的なデメリットも、《亭主の才能》など+1/+1カウンターを置くギミックが豊富なこのデッキであれば許容できます。
今後の展望ですが、このデッキは《ラノワールのエルフ》と《遺伝子送粉機》というマナクリを2種8枚採用しているため、新カードの《アナグマモグラの仔》がかなり強く使えるのではないかと思われます。
「土の技」で《眠らずの蔓茎》をクリーチャー化する動きも強力なため、タップインをどこまで許容できるかわかりませんが、《眠らずの蔓茎》を採用するデッキも登場するかもしれませんね!
イゼット果敢
《迷える黒魔道士、ビビ》と《プロフトの映像記憶》を失ったイゼットですが、絶対的エース《量子の謎かけ屋》の活躍により、まだまだ入賞できるデッキであることを証明しました。
「ワープ」で唱えた《量子の謎かけ屋》に《水飛沫の門》を使用することで、ドローを進めながら飛行4/6を定着させることが可能です。また、カワウソである《稲妻罠の教練者》に対して使用すれば1ドローのボーナスを発生させながら、再度《稲妻罠の教練者》の出たとき能力を誘発させることができます。
ハンドを増やしたあとは、呪文をたくさん唱えながら果敢を誘発させてゲームの主導権を握ります。
特に《「占星術師」の天球儀》を装備させたクリーチャーの成長率には目を見張るものがあり、《降霜断崖の包囲》によってトランプルを付与させることで一撃で仕留めることが可能となっています。
《量子の謎かけ屋》が強いのか、それともマジックにおける「イゼットという色の組み合わせ」がそもそも強いのか。新環境でもイゼットカラーのデッキをたくさん見ることになりそうですね。
『Standard Challenge 32 – 2025/11/16』
つづいて、日曜日に開催された『Standard Challenge 32 – 2025/11/16』の結果です。51名のプレイヤーが参加しました。
『Standard Challenge 32 – 2025/11/16』
優勝 ディミーアミッドレンジ
準優勝 スゥルタイリアニメイト
3位 シミックウロボロイド
4位 シミックウロボロイド
5位 シミックミッドレンジ
6位 ディミーアミッドレンジ
7位 ジェスカイコントロール
8位 イゼット果敢
ここでも《悪夢滅ぼし、魁渡》が躍動し、ディミーアミッドレンジが2連覇となりました。
7位入賞のジェスカイコントロールは「イゼット大釜の退場」と「赤単のスピードダウン」でかなり立ち位置が良くなったデッキです。
ディミーアミッドレンジ相手には分が悪いものの、《湧霧の村》により打ち消せなくなった《ジェスカイの啓示》をブッ放すという必殺技があり、どんなデッキが相手でも勝ちの目が残ります。
《道の体現者、シィコ》をプレイし、誘発型能力によって《食糧補充》を唱える動きはあまりにもアドアドしく、これがやりたくてこのデッキを使っているファンも多い事でしょう。
スゥルタイリアニメイト
準優勝したスゥルタイリアニメイト。《スーペリア・スパイダーマン》で墓地にある《最後の贈り物の運び手》を対象にとったときの動きはスタンダード最強で、墓地と戦場のクリーチャーが入れ替わるという《死せる生》や《生ける屍》のような豪快な能力が誘発します。
さらに、なぜか追放する約束だったはずの《最後の贈り物の運び手》が戦場に居座るという挙動に驚いたプレイヤーも多いのではないでしょうか。マジックって奥深いゲームですよね。
これだけ派手な動きを狙うデッキですが、現スタンダード環境には《魂の洞窟》があり、《スーペリア・スパイダーマン》を打ち消されずに通すことが可能です。イゼット大釜の退場によって墓地対策が少し甘くなる可能性もあり、今が狙い目のデッキなのかもしれません。
今回のリストでは《不注意な読書家》という、意外なカードが4枚採用されていました。裏向きで戦場にでるパーマネントがほぼなく、これといったシナジーがなさそうに見えましたが、単純にターン終了時に1枚ドローして1枚捨てる動きがリアニメイトに向いており、ルーティングを目的としたクリーチャーで2マナ2/3というスタッツの優秀さが評価されているようです。
このデッキには採用されていませんでしたが、《幻獣との交わり》は「諜報」で墓地を肥やしつつ、フラッシュバックで唱えたときに裏向きで戦場に出ることになるため、デッキとも《不注意な読書家》とも相性が良く、採用する価値がありそうなカードだと思いました。
《峰の恐怖》も採用しているため、リアニメイトコンボを成立させたターンに勝ちきることも可能です。
《ベイルマークの大主》や《蒸気核の学者》など、墓地を肥やす手段として採用されているクリーチャーたちが戦闘面でも頼りになる性能で、コンボ対策されても意外とフェアプランで戦うことができます。
『MTG DECKS』の「Standard winrates(スタンダードの勝率)」を確認すると、200マッチ以上のゲームを経て勝率61%という驚異的な成績を残しており、現スタンダード環境トップの勝率を残しています。
新環境でもっとも警戒すべきアーキタイプとなるかもしれませんね!
シミックミッドレンジ
見たこともないデッキが入賞していました。さすが新環境ですね。
《氷耕しの探検家》でセットランドのチャンスと回数を増やし、《寓話の小道》によるフェッチなども駆使しながら《強靭形態の調和者》の上陸を複数回誘発させて爆発的な打点を狙っています。
《氷耕しの探検家》の性能を活かすために墓地に土地を送り込むカードがいくつか採用されており、このデッキならば《変容する悪党、サンドマン》も活き活きとするでしょう。《重厚な世界踏破車》も採用されてますし、これらの「土地の数だけスタッツが強化されるカード」にめちゃくちゃトランプルをつけてあげたいですが、なにかあるでしょうか。
ありました。
3枚採用されている《群れの家宝》。ただのマナアーティファクトだと思っていましたが、起動型能力でパワー4以上のクリーチャーにトランプルを付与できます。破壊力は十分すぎるほどありますね!
サイドボードから《フラッドピットの溺れさせ》や打ち消し要素も加わり、搦め手も得意とするところです。
《ウロボロイド》につづく新しいシミックカラーのデッキとして、注目していきましょう。
おわりに
以上、最新の大会結果をお伝えしました。まずは既存のデッキたちが結果を残しているようですが、『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』の新カードがとにかく強そうなので来週からは新デッキが続々と登場する予感がしております!
《迷える黒魔道士、ビビ》も新スタンダード環境のメタゲームを優しく見守ってくれていることでしょう。キミがいないメタゲームは寂しいけど、すごく楽しいことになりそうだよ。パイオニアでまた一緒に戦おうね。
さあ、次はどんなデッキが活躍するでしょうか。次回の大会結果もお楽しみに!

























































