最新のスタンダード大会結果をチェック!
晴れる屋メディアの紳さんです。早速ですが、デッキを1つ紹介させていただきます。
こちらは先週の11月27日(木)に開催された『Standard Challenge 32』で優勝したデッキです。《ベイフォン家の賞金稼ぎ》を採用したループコンボが搭載されています。
①《ベイフォン家の賞金稼ぎ》が戦場にいる状態で《恐血鬼》を《影の帯の盲信者》の起動型能力で生け贄に捧げる。
②土地でないクリーチャーが死亡したことにより《賞金稼ぎ》の能力が誘発。《ただれた峡谷》を「土の技」でクリーチャー化する。
③クリーチャー化した《ただれた峡谷》を生け贄に捧げるとタップ状態で戦場に戻ってくるため、対戦相手に1点ダメージを与えながら「上陸」によって《恐血鬼》が戦場に戻ってくる。
④対戦相手のライフが0になるまで①~③をループさせ、勝利。
新セット発売前から注目されていたコンボではありましたが、こんなにも早く結果を残すとは驚きです!
コンボパーツが4枚と多いものの、《ただれた峡谷》はマナベースのなかに自然と組み込むことができますし、《恐血鬼》は必ずしも戦場にいる必要がなく、墓地にいればコンボを始めることができる点がコンボへの道のりを緩くしています。(土地をセットするか、適当なクリーチャーを生け贄に捧げることさえできれば、「土の技 → クリーチャー化した土地を生け贄 → 上陸」という動きが可能なため)
現スタンダードは《自然の律動》によってクリーチャーをサーチして戦場に出すことも可能なため、こういったクリーチャー主体のコンボデッキが組みやすくなっていますね!今後の活躍が楽しみです。
さて、それでは今週も最新の大会結果をチェックしていきましょう!
『Standard Showcase Challenge – 2025/11/29』
土曜日に開催された『Standard Challenge 32』には69名のプレイヤーが参加しました。
トップ8に入賞したデッキは以下の通りです。
『Standard Showcase Challenge – 2025/11/29』
優勝 ジェスカイコントロール
準優勝 イゼット講義
3位 イゼットルーティング
4位 スゥルタイリアニメイト
5位 ディミーアミッドレンジ
6位 シミックミッドレンジ
8位 イゼットルーティング
新型のジェスカイコントロールが優勝という結果となりました。クリーチャー主体のデッキに強く、『MTG DECKS』の集計によればシミックウロボロイドに対する勝率は60%超えと、現環境で有力なアーキタイプの1つとなりそうです。(絶望的なマッチアップであるディミーアから目を背ければ)
序盤~中盤の妨害兼ブロッカーとして《素早き救済者、アン》が採用されており、「気の技」によってあらゆるパーマネントや呪文を一時的に追放することができます。《カワウソトークン》を完全に追放できるのが現在のメタゲームに合っていますね。
ゲーム終盤は自軍の《道の体現者、シィコ》や《マラング川の執政》に気の技を使い、出し直すことで大きなアドバンテージが得られるナイスカードです。
注目の全体除去、《古代魔法「アルテマ」》は不採用で、1マナ軽い《審判の日》が優先されています。
《アルテマ》は「土の技」でクリーチャー化した土地ごと吹き飛ばせることで注目されていましたが、そもそも《アナグマモグラの仔》デッキ相手に5マナでは間に合っていないことも多そうです。
さらには、こちらがコントロールデッキなのを確認した上でおいそれと複数枚の土地をクリーチャー化するようなことも考えづらく、結局は「1枚の土地を巻き込めるかどうか」程度の性能に留まることが予想されます。トータルで考えれば《審判の日》の方が使い勝手が良さそうで、納得の構築といえるでしょう。
イゼット講義
見たことがない新デッキが準優勝という結果を残しました。イゼットカラー、恐るべし。
7種20枚、大量の講義カードが採用されたこのデッキは、メインボード60枚中25枚が新セットのカードで構成されていました。これぞ新デッキですね!
《ばあば》《勇敢なブーメラン使い、サカ》《愛着を捨てる》という、軽量なルーターがふんだんに採用されており、序盤からどんどん墓地に講義カードを送り込みます。
そして、3種類以上の講義カードが墓地に置かれることで《ばあば》が覚醒。以降は「クリーチャーでない呪文のコストが
減る状態」になり、《積み重ねられた叡智》も《Ancestral Recall》に早変わりです!《剃刀族の棘頭》が誘発しないことを考えればアンリコより上かもしれませんね。
《ばあば》覚醒後はドロースペルや火力を連打しながら爆発的に果敢を誘発させることができるため、《カワウソトークン》や《「占星術師」の天球儀》を装備させたクリーチャーで攻撃したり、《轟く機知、ラル》の奥義などで華麗にゲームを終わらせます。
「イゼット講義」は今回の準優勝をきっかけにブレイクとなるでしょうか。講義デッキを組みたい方はぜひ、参考にしてみてくださいね!
『Standard Showcase Challenge – 2025/11/30』
つづいて日曜日に開催された『Standard Challenge 32』の結果です。70名のプレイヤーが参加しました。
『Standard Showcase Challenge – 2025/11/30』
準優勝 多色《陰湿な根》
3位 イゼットルーティング
4位 ゴルガリコントロール
5位 エスパーアーティファクト
6位 スゥルタイリアニメイト
7位 赤単
8位 ディミーアバウンス
優勝は昔ながらのアゾリウスアーティファクトでした。ちょくちょくトップ8に入賞が見受けられるアーキタイプでしたが、メタゲーム的に良い立ち位置にきているようです。
奇をてらうようなカードは採用されていませんが、《身代わり合成機》による《構築物トークン》の横並べはフェアデッキ同士の戦いで無類の強さを発揮することでしょう。
特筆すべきは《領事の権限》を4枚フル投入している点でしょうか。相手のクリーチャーだけタップさせて《別行動》で一網打尽を狙っているようです。
少しもったいないように感じますが、この構成であれば、盤面が押されているときに《団結の最前線》から《領事の権限》を戦場に出すことも視野に入れながら戦っていくことになりそうです。
多色《陰湿な根》
かなり斬新な構成の《陰湿な根》デッキが準優勝しておりました。なんと


の4色デッキです。
《魔導戦士、ティナ》は戦場に出たときに5枚切削しながら《陰湿な根》を探すことができ、さらには変身したときのバリューがめちゃくちゃ高いカードです。
「兆候」でプレイされた非クリーチャー状態の《ベイルマークの大主》をコピーすると、速攻を持ったクリーチャーとしての《ベイルマークの大主》が戦場に出て、さらに攻撃に参加することができます(時間カウンターはコピー可能な値ではないため)。ターン終了時に生け贄に捧げることになりますが、十分なアドバンテージが得られることでしょう。
《陰湿な根》を誘発させるためのギミックもたくさんあり、横並べのスピードも負けません。
《脱皮の世話人》は好きな色のマナを生み出せるため、多色化したこのデッキのマナベースを支える重要なカードとなるでしょう。
メインボードのカードだけを見ると、わざわざ白をタッチするほどのこともないように感じますが、サイドボードには白絡みのカードがたくさん採用されていました。
《嵐追いの才能》をはじめとした置き物の脅威を対処できる《農場の奇妙な動物たち》や、戦場に出たときの能力を無効化する《門衛のスラル》、さらには《陰湿な根》を誘発させるための仕掛けがそのまま流用できる《新たな夜明け、ケトラモーズ》など、選抜されたメンバーが揃っています。
ちなみに現スタンダードには、かつて《陰湿な根》デッキの天敵であった《一時的封鎖》と似ている《ピナクルの星檻》がありますが、こちらはエンチャントを対処することができません。
たしかに各種マナクリーチャー、《植物トークン》、土の技でクリーチャー化した土地までもが一時的に追放されることは痛いのですが、肝心かなめの《陰湿な根》が残るため、比較的容易に立て直しをはかることができます。
今が最大のチャンスかもしれない《陰湿な根》デッキ。根強いファンがいそうなアーキタイプですね。根だけに。
『チャンピオンズカップシーズン4ラウンド3 スペシャル予選 in TC東京』
最後に、TC東京で開催された『チャンピオンズカップシーズン4ラウンド 3スペシャル予選 in TC東京』の結果を紹介します。60名の参加があり、上位4名がチャンピオンズカップ出場の権利を得ました。
権利を獲得したのはグルール昂揚、ディミーアバウンス、イゼットブリンクといった現環境のトップティアのデッキたちでした。
そんななか、Hararuya Prosの平山怜さんがナヤユウナで権利を獲得していました。
晴れる屋スペシャル予選
— Rei Hirayama (@sannbaix3) November 30, 2025
ナヤユウナ
5-0-1→se1勝ちで権利
大釜なければ最強なのは自明ってわけ pic.twitter.com/FAAqjo7xIb
ナヤユウナ
デッキの軸をなす《スピラの希望、ユウナ》《ボイラービルジの大主》《ミストムーアの大主》がそれぞれ4枚フル採用されており、さらにサイドボードからも《ビビアン・リード》のような重めのプレインズウォーカーが投入される構成となっています。
「このデッキも《アナグマモグラの仔》を入れたほうが強いのでは?」と一瞬思いましたが、そこはプロの構築。《アナグマモグラの仔》が入る余地がないからこそ、このリストになっているはずです。
実際問題、墓地も肥えていないうちから《ユウナ》を高速展開したところで価値はなく、それならば「切削」やルーティングを進めた方がデッキとしては強い動きなのでしょう。
現環境のスピードに立ち向かうため、メインから1マナの除去も多く採用されています。序盤~中盤は手札を整えながらリアニメイトの準備をし、展開が早い相手に対しては《塔の点火》や《縫い目破り》でペースダウンを狙います。
新カードの《アンの氷山》は3マナと少し重いですが、インスタント・タイミングでプレイできる万能除去であり、さらには兆候でプレイした自軍の大主たちを追放し、のちのち「水の技」や「協約」で生け贄に捧げることで、大主をクリーチャーとして戦場に出現させることも可能な攻防一体のカードです。
環境から《叫ぶ宿敵》が消えたことで、《ユウナ》によってエンチャント・クリーチャーに付与される絆魂が信頼性の高いライフ回復要素となりました。特に《ボイラービルジの大主》とのコンビはライフレースを一気に逆転するほどのインパクトがあります。
平山プロが言う通り、今こそ《ユウナ》が”最強”の座を射止める時が来たのかもしれません。
おわりに
スタンダード、群雄割拠が過ぎる。
混沌のメタゲームはまだまだ続きそうで、ここから抜け出すデッキがなんなのか想像できません。
巻き返しを期待したいのは赤単でしょうか。多色デッキがかなり隆盛しているので、ここいらで《月殺し、ジャオ》にガツンとイカれて欲しいという気持ちがあります。
次はどんなデッキが活躍するでしょうか。次回の大会結果もお楽しみに!































































