By Susumu Morita
4 《古えの墳墓》
4 《ミシュラの工廠》
4 《Mishra's Workshop》
4 《不毛の大地》
1 《露天鉱床》
-土地(18)- 4 《歩行バリスタ》
3 《搭載歩行機械》
4 《電結の荒廃者》
4 《ファイレクシアの破棄者》
4 《鋼の監視者》
4 《鋳造所の検査官》
3 《ファイレクシアの変形者》
1 《磁石のゴーレム》
-クリーチャー(27)- 1 《Black Lotus》
1 《Mox Emerald》
1 《Mox Jet》
1 《Mox Pearl》
1 《Mox Ruby》
1 《Mox Sapphire》
-パワー9(6)-
■基本的な動き
MUDは、《Mishra's Workshop》の驚異的なマナ加速から《鋳造所の検査官》、《電結の荒廃者》、《歩行バリスタ》などのアーティファクト・クリーチャーを展開し、速やかに相手を殴り倒すビートダウンデッキです。
最近(《アメジストのとげ》制限後)は《電結の荒廃者》を中心とした《搭載歩行機械》、《歩行バリスタ》、《鋼の監視者》などとのシナジーを活かした構築が主流となっています。
特に《電結の荒廃者》と《歩行バリスタ》の相性の良さは特筆すべきものがあり、この2枚の組み合わせにより相手に生半可なクリーチャーの展開を許さないほか、安全圏だと思ったところから相手のライフを消し飛ばすといったコンボ的な動きも可能です。
《鋳造所の検査官》は一見地味なカードですが、《Mishra's Workshop》→《鋳造所の検査官》→Mox→《抵抗の宝球》/《電結の荒廃者》/《ファイレクシアの破棄者》etc.といった他のカードではできない強力な動きができるほか、本来「X=1~2」あたりになるはずだった《搭載歩行機械》や《歩行バリスタ》を一回り大きく出すことができます。
また、自分でプレイした《抵抗の宝球》のコスト増加を自分だけ軽減するなどデッキのポテンシャルを底上げする役目を担っています。地味ながら、パワーが3あることで無視できないクロックになるのも見逃せません。
ただ攻めるだけではなく、《Mishra's Workshop》からは《抵抗の宝球》や《三なる宝球》などもプレイできるので最初は相手の展開を遅らせることを優先し、その後クリーチャーを展開するといった動きもできます。
《虚空の杯》→《磁石のゴーレム》→《アメジストのとげ》と、ここ数年間で立て続けにキーカードが制限されたにも関わらず、いまだ環境の頂点に立ち続けていることから、デッキパワーの高さには疑いの余地はありません。
なお、同じく《Mishra's Workshop》を使うデッキにスタックスがありますが、こちらは《煙突》や《罠の橋》、《世界のるつぼ》などでボードコントロールを行うデッキであり、ビートダウンであるMUDとは動きが全然違ってくるという点は覚えていた方が良いでしょう。
■得意なマッチアップ
展開力の高さとクリーチャー戦に強い《歩行バリスタ》・《搭載歩行機械》などを採用していることからエルドラージやURデルバーなどクリーチャーデッキ全般に有利です。
《抵抗の宝球》や《ファイレクシアの破棄者》などがあることからコンボデッキに対しても悪くない戦いができるでしょう(サイドから入って来るであろう《ハーキルの召還術》などには注意が必要ですが)。
また、このデッキはブン回りの頻度も高いことから、下に書いてあるような苦手なマッチアップでも相手に対策を間に合わせず勝ってしまうことも多々あります。
■苦手なマッチアップ/苦手なカード
オース相手は基本的に不利と考えています。特に最近流行の《業火のタイタン》採用型だと《ダク・フェイデン》などのメインのアーティファクト対策が厚いこともあり、かなり厳しい戦いを強いられるでしょう。
また、展開力が非常に高いデッキであるがゆえに息切れも早く、《剣を鍬に》などクリーチャー除去を多数投入しているコントロールデッキも苦手としています。この手のデッキはメインは勝てることも多いですが、相手の不要牌が抜けたサイド後が厳しい戦いになるので何とかメイン戦を取っておきたいところです。
さらにデッキパワーの高さゆえ真っ先にメタられる立場であることから、多くのデッキに《静寂》、《魔力流出》、《力ずく》など強烈な対策カードが積まれており、本来得意なマッチアップでもひっくり返されてしまうことも多いです。特に《魔力流出》は厳しく、1枚で勝負が決まりかねません。
■サイドボードプラン
ここではサンプルレシピを私が使った場合のサイドプランを紹介します。
対 MUD
VS MUD
In
Out
基本的に殴り合いになるため無駄牌を多く引いた方が負けます。無駄牌になりやすいマナ拘束系の置物は基本的にすべて他の有効牌に入れ替えるようにしています。
お互い《歩行バリスタ》と《電結の荒廃者》を《ファイレクシアの破棄者》で止め合う展開が予想されるので、《ワームとぐろエンジン》と《搭載歩行機械》が勝負のカギになるでしょう(序盤のブン回りに対応できなかった方があっさり負けるケースも多いですが)。
対 オース
VS オース
In
Out
《墓掘りの檻》と《魔女封じの宝珠》を投入します。サイドアウト候補は《搭載歩行機械》+αになりますが、《業火のタイタン》採用型(=《ダク・フェイデン》が入っている)が相手と想定した場合は《鋼の監視者》を減らすことになるでしょう。それ以外なら《ファイレクシアの破棄者》を減らします。
対 ドレッジ
VS ドレッジ
In
Out
※残りは《磁石のゴーレム》や余分なMoxから数枚をサイドアウト。
メインボードを見て(ピッチドレッジ型か否か、フィニッシャーは何かetc)判断することになりますが、《魔女封じの宝珠》以外全部投入する可能性があります。
大抵の場合、マナ拘束系の置物と《ファイレクシアの破棄者》を抜いて墓地対策を入れますが、それ以外は相手のデッキ構成を見て(1本目は嫌でも見ることになる)判断しましょう。
※《虚ろな者》や《グルマグのアンコウ》を投入してくる相手には《四肢切断》や《ワームとぐろエンジン》が効果的ですが、ピッチドレッジ型など《暗黒の深部》を投入してくる相手には効果が薄いです。
対 ストーム
VS ストーム
In
Out
主な負けパターンは《ハーキルの召還術》を打たれてからコンボに繋がれることと早いターンでの(《修繕》からの)《荒廃鋼の巨像》を出されることです。
サンプルリストではあまり入れるものはないですが、《搭載歩行機械》を抜き、《魔術遠眼鏡》、《魔女封じの宝珠》を投入します。
挙げていけばキリがないのでその他デッキに対しては省略しますが、コントロールに対しては《魔術遠眼鏡》(プレインズウォーカー、《Time Vault》対策)クリーチャーデッキには《四肢切断》と《ワームとぐろエンジン》を投入することが多いです。
■バリエーション
MUDとしてのバリエーションはあまり多くはないですが、クリーチャーを少し減らし、《からみつく鉄線》を採用(※)した型や《鋼の監視者》・《搭載歩行機械》の枠に《先駆のゴーレム》や《高速警備車》が入った型があります。
ややハンドに溜まりやすい短所はあるものの、同系に強くなることなどから個人的には《先駆のゴーレム》がお勧めです(参考デッキリスト)。