ヴィンテージデッキ案内 -オース-

晴れる屋

By Shin Tomizawa

基本的な動き

 本来受け身なカードである《ドルイドの誓い》を能動的に利用して、厳選された強烈なフィニッシャーを降臨させるのを目標とした、ヴィンテージ初期から成立するコンボを主軸に据えたデッキです。

禁忌の果樹園ドルイドの誓い

 “出たら勝つ”といっても過言ではない《グリセルブランド》はほぼ全てのオースデッキのリストに採用されていますが、サンプルデッキリストではそれに加えて《業火のタイタン》が採用されています。Moxenや《Black Lotus》といったヴィンテージならではのマナサポートがあるため6マナというコストは十分唱えられる範囲です。

グリセルブランド業火のタイタン

 戦場に出たときと攻撃するときに誘発する《弧状の稲妻》がクリーチャーデッキに対して有効なのは言わずもがな。《若き紅蓮術士》《スレイベンの守護者、サリア》といったクリーチャーを一網打尽に焼き払い、このデッキの天敵である《封じ込める僧侶》のようなヘイトベアーにも強いです。

 従来このデッキは基本的にノンクリーチャーデッキだったこともあり、対戦相手のプレインズウォーカーの対処に手を焼いていましたが、《業火のタイタン》ならばプレインズウォーカーの対処も容易です。弱点を補う1枚として最近は多くのオースデッキのメインボードに採用されています。

ダク・フェイデン精神を刻む者、ジェイス

 また、このデッキはコンボの構成要素が少ないためカウンター呪文を多く積むことができ、コンボが機能していない場合にはプレインズウォーカーコントロールとして振る舞うこともできます。

 採用されるプレインズウォーカーはメインから無理なく採用できてアーティファクト対策にもなる《ダク・フェイデン》と、ヴィンテージにおいても最高のプレインズウォーカーである《精神を刻む者、ジェイス》を採用するのが一般的です。

TIPS

得意なマッチアップ/苦手なマッチアップ

 メンターやMUD、ドレッジといったデッキはエンチャントや巨大なクリーチャーを対処する能力も低いため、有利に試合を運べます。

僧院の導師磁石のゴーレムBazaar of Baghdad

 逆に《ドルイドの誓い》単品では意味を成さないノンクリーチャーのコンボデッキ相手は苦手で、現環境ではストームがこれにあたります。他には《封じ込める僧侶》《変位エルドラージ》を擁する白エルドラージにも苦戦を強いられるでしょう。

バリエーション

 先述の通りコンボ成立に必要なカードの枚数が少ないため、フリースロットが多いのも特徴の一つです。

 カウンター呪文とドロー呪文、プレインズウォーカーを中心に構成されるのが一般的ですが、除去呪文を増やしてコントロール色を強めたり、《実物提示教育》とのハイブリッドや、《ドラゴンの息》を入れて瞬殺を狙うなど、様々なオプションを仕込むことができます。

実物提示教育ドラゴンの息潮吹きの暴君

 フィニッシャーもクリーチャーでさえあれば何でも場に出せるため、《グリセルブランド》《引き裂かれし永劫、エムラクール》《潮吹きの暴君》など多岐にわたります。

 現在のトレンドは《グリセルブランド》《業火のタイタン》の2種を採用するリストです。

苦手なカード(代表例)

封じ込める僧侶墓掘りの檻神聖の力線

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