インタビュー: スタンダード神・岡井 俊樹 -初めてのモダン、そして……-

晴れる屋

By Kazuki Watanabe

 様々なプレイヤーが参加している、プロツアー『イクサランの相克』。毎回のプロツアーに参加している殿堂プレイヤーやレベルプロもいれば、新進気鋭のルーキーもいる。国籍も肩書も多種多様だ。

 そして中には、“神”と呼ばれる者もいる。

 今回は2月24日(土)に第10期神決定戦を控える二柱の神に話を伺ってみた。

スタンダード神・岡井 俊樹 -初めてのモダン-

 まず話を伺ったのは、スタンダード神・岡井 俊樹だ。

神・岡井

――「お疲れ様です。初日のドラフトは全勝だったんですね、おめでとうございます」

岡井「ありがとうございます。参加させていただいたPros&Hopes練習会では勝てなかったのですが、そこで得た経験やアドバイスを元に練習を重ねていたんです。普段はあまりドラフトはやらずにプロツアーに合わせて練習をするくらいなので、結果を残せて嬉しいです」

練習会の一風景

練習会での一風景。伊藤 敦と意見を交わす。

――「そうなんですね。モダンは普段からプレイされるんですか?」

岡井いや、今回のプロツアーに向けて初めて触れました

――「初めてのモダン……なかなか準備が大変だったのでは?」

岡井「そうですね。あらゆるデッキに触れてメタゲームを把握する、なんていう方法はもちろん採れないので、強そうなデッキを2つくらい選んで、そのどちらかにしようと考えました。結果、今回は親和を使用しています」

鋼の監視者電結の荒廃者刻まれた勇者

――「親和の動きはかなり独特ですし、サイドボードにはアーティファクト対策が当然のように積まれている思うのですが、実際に使用してみていかがですか?」

岡井「最初は慣れませんでしたが、使っていく内にしっくり来ましたね。アーティファクト対策については、確かに2ターン目に《石のような静寂》を張られると厳しいですけど、絶望するほどではないと思っています。『メイン最強、サイド最弱』とは言われますが、メインで押し負けることもありますし、相手の対策カードを受けた上で勝つこと、そもそも相手が引けないこともありますからね。もっと極端なのかな、と思っていたんですが、『しっかりとマジックできるな』という感想です」

――「なるほど。普段触れている『マジックの楽しさ』は味わえている、と」

神・岡井2

岡井「世界のトップレベルと戦えるので、いつも以上に楽しいです。これはプロツアーではないと味わえない感覚だと思いますね」

第10期スタンダード神決定戦に向けて

――「では、プロツアー参加者ではなく神に対する質問です。初の防衛線を控えているわけですが、新しい環境のスタンダードには触れていますか?」

岡井「いえ、まったく……プロツアーに向けてドラフトとモダンしかやっていなかったので、ネットで結果を残したリストを眺める程度ですね。禁止改訂もありましたし、もう僕が知っているスタンダードではなくなっています(笑)」

――「そうですよね……では帰国したらスタンダードに打ち込む、というわけですね」

神・岡井3

岡井「その予定です。二週間ほど時間があるので、環境を俯瞰しつつデッキを決めていくつもりです。マジックに触れていなかったわけではありませんし、いつもより熱が入っている状態なので、この勢いを活かしていきたいな、と思っています」

もう一つの”初めて”

――「ありがとうございました。頑張ってください! 初日から長丁場ですが、体調はいかがですか? 海外遠征は結構されているんでしたっけ?」

岡井「実は長距離遠征も初めてなんですよ。アジアのグランプリに参加したことはあるんですけど、こんなに長く飛行機に乗ったのは初めてです」

――「モダンだけじゃなく、もう一つ初めて経験したことがあるんですね。時差ボケや飛行機疲れは大丈夫ですか?」

神・岡井4

岡井「もっと辛いのかな? と思っていたのですが、大丈夫ですよ。到着した木曜日も日付が変わる前に眠れましたし、飛行機の中でもしっかりと眠れたので。『僕って飛行機の中でもしっかり眠れる人間なんだな』と気づけたことはプラスかもしれません」


 初めてのモダン、そして初めての長距離移動。慣れない環境だが、それでも岡井はマジックを楽しむ気持ちを忘れていない。

 海外で更なる成長を遂げた岡井 俊樹が、神として挑戦を受ける!