はじめに
お疲れ様です。増田(@tensai_manohito)です。
今回は表題の通り、『第14期パウパー神挑戦者決定戦』の参加レポートをお届けします。
直近の環境のおさらいから使用デッキの選定、構築思想の解説、さらにサイドボードガイドまで、今回の大会に向けて考えていたことをまとめました。
(前回の大会レポートはこちら)
- 2026/03/27
- パウパーに本気で挑戦してみた ~バントゲート調整録&『パウパー神挑戦者決定戦』大会レポート~
環境おさらい&使用デッキ選定
現在のパウパー環境は、単色デッキが非常に強力です。
特に「赤単マッドネス」「赤単ラリー」「青単テラー」の3つは、頭ひとつ抜けた存在といえるでしょう。
単色ならではの抜群の安定感に加え、多少対策をされていても、ブン回りによって相性差を覆せるだけの速度と爆発力を持っています。総合力でこの3つを上回るデッキは、環境には存在しないと考えています。
■赤単マッドネス
■赤単ラリー
■青単テラー
では、このなかのどれかを使えばいいのかと言われると、話はそう単純ではありません。
最強デッキだからこそ、環境中のあらゆるデッキから意識され対策されています。そのなかで勝ち切るのは決して簡単ではありません。
さらに、使用者が多いことも確実です。ミラーマッチの勝率は長い目で見れば基本的には五分に収束します。
苦手マッチを避けたりミラーマッチで上振れたりすれば、このデッキを選んだ誰かが優勝することはあるでしょう。しかし、それが自分になるとは限りません。
だからこそ、参加するからには優勝できるデッキを選びたい。
そのためには、これらの上位デッキをどう出し抜くかを考える必要がありました。
環境上位のデッキを一通り回しながら情報を集め、特に気になったデッキを重点的に掘り下げてテストしていきました。
バントゲート
パウパーに許された唯一のバリューランド、《バジリスク門》を軸としたミッドレンジです。
クリーチャー戦を軸とするデッキに対して滅法強く、一度盤面を固めてしまえばそのまま相手を封殺できるだけの性能を持っています。
前回の挑戦者決定戦でも使用しており、その際も大きな不満はなかったため、とりあえず候補として調整を始めました。
しかし、実際に回してみると感触はいまひとつでした。
環境上位のデッキには有利なマッチアップが多い一方で、Tier2以下には絶望的な相性のデッキが散見されます。
特にコンボデッキとの相性は悪く、ブン回りによる押しつけや速度で不利をくつがえす展開もほとんど望めません。
結果として、「有利な相手にはしっかり勝てる一方、不利な相手にはほとんど勝てない」という相性差の大きさが気になりました。
また、タップイン土地の多さから、有利なマッチアップであっても後手ではテンポ負けしてしまう展開が少なくありません。
メタゲームがしぼられた大会であれば有力な選択肢ですが、多種多様なデッキと戦わなければならない挑戦者決定戦を勝ち抜くだけの安定感には欠けると判断。
最終的には、使用候補から外すことにしました。
親和
アーティファクトシナジーを軸にした高速アグロです。
序盤から《刷新された使い魔》《Utrom Monitor》《マイアの処罰者》を連打できたときの展開は圧巻の一言。その速度と爆発力は赤単マッドネスや青単テラーすら上回ります。
ブン回った際の爆発力は環境随一で、相性差を力でねじ伏せられる点も大きな魅力です。
一方で、タップイン土地の多さや3色デッキ特有の色事故、アーティファクト土地を多用するがゆえの脆さなど、明確な弱点も抱えています。
特にマナベースの問題は、採用できる土地の選択肢そのものに限界があるため、構築だけで解決することはできません。
それでも、「この不安定ささえ解消できれば最強のデッキになる」と考え、今回一番多くの時間を費やして調整しました。
結論から言うと、答えは見つかりませんでした。
そこで、実際に試した構築をいくつか紹介します。
サイドボードに《水蓮の花びら》を採用した構築です。
《塵は塵に》への対策として《被覆》を採用したいものの、《Utrom Monitor》や《物読み》の影響で青マナは自分のターンに使う場面が多く、構える余裕がありません。
そこで、《水蓮の花びら》を使って強引に青マナを確保することを狙いました。
しかし、結果は期待したほどではありませんでした。
《塵は塵に》を《水蓮の花びら》+《被覆》でかわせたとしても2対1交換になってしまいます。土地は守れてもリソースを失うため、「唱えるカードが残らない」という状況が頻発しました。
なにより、《水蓮の花びら》と《被覆》を同時に引いていることが前提となる点も大きな欠点でした。
《予言のプリズム》と《モーキサイト合金》を採用した構築です。
従来の《胆液の水源》+《勢団の取り引き》は大量のリソースを生み出しますが、そのリソースを活かすには軽量アーティファクトとセットで引く必要があります。
また、戦場のアーティファクトが重要なデッキでありながら、それらを生け贄にするギミックにも違和感がありました。
そこで、戦場に置いてもリソースが減らない《予言のプリズム》と《モーキサイト合金》へ置き換えてみました。
しかし、これも決め手にはなりませんでした。
手札は維持できますが、増えるわけではありません。従来型の強みだった爆発的なリソース回復が失われました。
結果としてマリガンに弱く、フラッドも受け止められない、単なる弱体化になってしまいました。
さらに、《モーキサイト合金》によって本来序盤には不要だった赤マナまで要求されるようになり、マナベースの負担も増えてしまっています。
プリズム・モーキサイト型の課題は「手札が減らないだけで増えてはいない」ことでした。
そこで、《物読み》を増量すれば解決するのではないかと考えました。
《物読み》に近い性能を持ち、条件次第ではそれ以上の働きも期待できる《解析調査》も採用。その「即席」を支えるため、《金選鉱鍋》も合わせて投入しました。
ですが、この案も最終的には不採用となりました。
色マナに悩んでいるデッキが、青のダブルシンボルを要求するカードを採用するとどうなるのか。そう、唱えられません。
ただでさえ青マナは《Utrom Monitor》や《物読み》で競合しやすい色です。このデッキでは、青いカードを増やすのはできる限り避けるべきだと結論づけました。
ホークアイコンボ
《天光を求める者》+《ホークアイの弓》を軸としたコンボデッキです。
登場直後からMagic Onlineの『Pauper Challenge』で連続優勝を果たすなど、存在感を見せつけました。
コンボ自体はさまざまな干渉手段で止められるため、当初はそこまで脅威ではないと考えていました。
しかし、ベースとなっているナヤゲートが除去に強いデッキであることが、このコンボの評価を大きく押し上げます。
もともとナヤゲートは除去には強い一方で、アンフェアデッキのような速度勝負には弱いという課題を抱えていました。
その弱点を《天光を求める者》+《ホークアイの弓》のコンボが見事に補っており、デッキ全体として非常に高い完成度に仕上がっていたのです。
その完成度の高さから、「干渉手段が少ない」「ゲームスピードが遅い」Tier2以下のデッキを環境から一掃してしまうほどの影響力を持っていました。
その結果、《天光を求める者》は禁止となり、デッキそのものが環境から姿を消しました。
個人的には、もう少し様子を見ても良かったのではないかという気持ちもあります。
一方で、いずれ禁止になるだけのポテンシャルを持ったカードだったことも事実です。環境への影響力を考えれば、今回の禁止も納得できる判断でした。
ということで、このデッキは実際にテストすることなく候補から外れることになりました。
The Spy
《欄干のスパイ》による一撃必殺のコンボデッキです。
構築には大きな制約があるものの、ある程度の事前準備から《欄干のスパイ》を唱えるだけで勝利できるため、対策をしていないデッキには圧倒的な強さを誇ります。
もっとも、現実には無対策のデッキはほとんど存在しません。
墓地対策やインスタントタイミングの除去で妨害されることが多く、思った以上にコンボが決まらない場面が目立ちます。特に墓地対策は多くのデッキがサイドボードに用意しているため、メインボードでは勝ててもサイド後は大きく勝率を落とします。
それでも、《気前のよいエント》《カザド=ドゥームのトロール》《サグの原生龍》でそのまま殴り切る展開もあります。
とはいえ、そうしたゲームは多くありませんでした。「コンセプトそのものが厳しいのでは」と感じつつも、メインボードでの勝率は非常に高かったため、画期的なサイドボードプランさえ見つかれば、一気に環境上位へ食い込める可能性があると考えていました。
サイド後はコンボパーツをすべて抜き、除去能力を持つクリーチャーや単体で脅威となるイニシアチブを得るクリーチャーと入れ替えることで、ランプデッキとして立ち回るプランです。
特に《毒々しい学芸員》は、役目を終えたクリーチャーを生け贄に捧げることで相手のクリーチャーと交換できる優秀なカードです。活躍できるデッキがほとんど存在しないだけで、カードパワー自体はアンコモン級だと評価しています。
が、結果はイマイチでした。
このプランなら墓地対策は回避できますが、除去に弱いという根本的な問題は解決できませんでした。
もともとキープ基準が厳しく、マリガンも多いデッキです。そのため、マリガン後に初動のマナクリーチャーを除去され、そのまま何もできずに終わる展開が少なくありません。
また《クラーク族のシャーマン》への耐性も低く、一度盤面を流されると立て直しが難しい点も気になりました。
最終的には、「The Spyというデッキそのものが、この環境ではコンセプトとして厳しい」という結論に至りました。
ポイズンストーム
毒殺を狙ったコントロールデッキです。
コンセプトは非常にシンプル。「毒カウンター」を与え、「増殖」でそれを増やし、あとは《一瞬の平和》《嵐の乗り切り》でゲームを長引かせます。
枯渇ランド&《五元のプリズム》+増殖のシナジーが凄まじく、土地を置く・増殖することがマナ加速につながります。
中盤まで到達できれば、行動回数やリソース面で常に相手を圧倒します。
しかし、序盤の立ち上がりに難があるため、高速アグロなどは大の苦手です。
このデッキは相性差が露骨で、有利なデッキ(「ゲート」「トロン」「ジャンド」などの中速~低速デッキ)にはとことん有利な反面、不利なデッキ(「 赤単マッドネス」「赤単ラリー」「青単テラー」などの高速・干渉手段を持ったデッキ)には驚くほど不利です。
この相性差がどうにかなれば(「赤単マッドネス」「赤単ラリー」「青単テラー」に対して有効な構築・プレイパターンが見つかれば)、最強デッキになり得ると考え、重点的にテストしました。
《伝染性尋問》は毒カウンターを付与しつつアドバンテージを稼げるため、中盤以降の毒付与&ドローのチェイン率を上げてくれます。
ポイズンストームはデッキ内のほとんどがキャントリップであることから、運が悪いと手札がすぐに土地まみれになってしまいます。
その解決策として、「大量にドローする」という強引な手法を取っています。
問題は4色ゆえの序盤の不安定さ。
基本的にはほぼ青単のシミックベースであるため、赤マナや黒マナだけではキープできません。青を含まない枯渇ランド+《島》でキープするにも、そもそも《島》の枚数をほとんど取れないためマリガン率も高く、不安定さが拭えず没になりました。
毒付与を《伝染性尋問》から《ファイレクシア病の前触れ》に変更したタイプです。
《伝染性尋問》を不採用=黒マナを必要としなくなったため、《泥炭の沼地》をすべて《島》に変更しています。これにより、序盤のキープ率アップに成功しました。
また、中盤以降は枯渇ランドを追加で引いても行動回数が増えないため、アンタップイン土地の枚数を増やせる点も魅力です。
最終的なチェイン率は下がってしまったものの、序盤の安定性アップとのトレードオフであれば十分許容範囲でした。
ただ、どこまでいっても不利マッチは不利なまま。
構造上、固定スロットが多く、カード単位でしか有利・不利を改善する方法がないため、サイドボードの枠がまったく足りません。
《赤霊破》《青霊破》を十分な枚数採用しつつ、墓地対策の《フェアリーの忌み者》や全体除去の《ブレス攻撃》まで採用すると、それだけでサイドボードが埋まってしまいます。
ここまでやっても「赤単マッドネス」「赤単ラリー」「青単テラー」には勝ちきれず、相性改善は不可能だと判断し、これ以上の調整は諦めました。
ジャンドワイルドファイア
パウパー界最強のミッドレンジです。
ホークアイコンボが登場したタイミングで、そのアンチデッキとして勝率が上がっているデータが出ていたため、禁止改定が発表されるまでは調整してみようと思い、テストを開始しました。
《間に合わせの砲弾》がとにかく強力で、ホークアイコンボの核となる《天光を求める者》だけでなく、《聖なる猫》まで完全にシャットアウトできます。
また、赤い火力は《虹色の断片》で耐えられるパターンがありますが、黒い除去までケアしようとすると要求値が一気に上がるため、《喪心》を使えることも大きなメリットです。
《バジリスク門》+絆魂クリーチャーに対しても《のたうつ蛹》で強く出られるため、まさに全方位に有利で、負ける要素がほとんどありません。
ただ、ホークアイコンボは禁止改定によって環境から消滅。しかし、コンボ要素を除いたナヤゲートとしては環境に残ることになり、それに対してもジャンドワイルドファイアは依然として有利でした。
この時点でジャンドワイルドファイアにはいくつか課題があると考えていましたが、それらを解決できれば十分使用に耐えうるデッキだと判断し、ここから本格的な調整に入りました。
マナベース
ジャンドワイルドファイアは色カウントが非常にシビアです。
土地が2枚あってもキープできないパターンが最悪なので、それを避けるため採用する土地の配分には特に気を配りました。
《森》の2枚目は色カウント上は必要かもしれませんが、序盤に引くと《荒地》と大差ありません。
そこで、メインの《のたうつ蛹》以外の緑のカード(《ニクス生まれのハイドラ》《ムラーサの胎動》)を不採用とし、《森》を《沼》へ変更するなど、色バランスを意識した調整を行いました。
《クラーク族のシャーマン》《毒素の分析》
ジャンドワイルドファイアは構造上マリガンしやすいデッキです。
3色デッキで足回りが不安定なことに加え、アーティファクトランド+《浄化の野火》や《胆液の水源》+《腸抜きの洞察》など、リソース獲得手段が組み合わせ前提で、ちぐはぐな初手が配られやすいです。
そのため、マリガン後は単体で役割を持ちにくく、手札が少ない状態では強く使いづらい《クラーク族のシャーマン》はマリガンで戻されやすいです。
《クラーク族のシャーマン》が必要になるマッチアップ(「エルフ」「赤単ラリー」)では、初手に欲しくなりますが、リスト非公開制のイベントではキープして良いか判断しづらく、特にメイン戦で強く使うのが難しいと考えて不採用としました。
《感電破》
《クラーク族のシャーマン》の代わりに序盤から安定して使える干渉手段として採用しました。
ジャンドワイルドファイアはタップインランドが多いため、それらを処理しながら唱えられる1マナ除去は非常に貴重です。2マナ除去とは大きな差があります。
また、このデッキはダメージソースが不足しがちで、《のたうつ蛹》が除去されると途端に勝ち手段を失うという問題もあります。
《感電破》であれば、《間に合わせの砲弾》と合わせて本体を削り切るプランを取りやすくなる点も評価しました。
《熱狂的な献上》《勢団の取り引き》
テストを重ねる中で、地図・トークンを強く使える展開があまり多くなかったため、ライフ回復も見込める《勢団の取り引き》へ差し替えました。
《勢団の取り引き》は親和では定番のドローソースで、《マイアの処罰者》との組み合わせによるライフゲインが、赤系デッキへの強さとして評価されています。
ジャンドワイルドファイアでは最大4点までしか回復できませんが、ドローソース同士が連鎖しやすいことに加え、《レンバス》のライフゲインもあるため、2~3枚重なると回復量は十分無視できないレベルになります。
《嵐の乗り切り》《焚火》
《嵐の乗り切り》は赤単マッドネスに対する最高クラスのサイドカードです。
しかし、これを強く使うためには2つの課題があります。
① ストーム数を稼げるだけの手札をキープすること。
② 緑マナを安定して用意すること。
①について、赤単マッドネス戦ではサイド後にゆったりリソースを確保する余裕はないため、リソース獲得手段(《浄化の野火》《胆液の水源》《腸抜きの洞察》)は減らします。
しかし、《嵐の乗り切り》を強く使うためには、リソースを確保しつつストーム数も稼がなければなりません。
「ストーム数を稼ぐ方法として、相手の行動に合わせて撃てばいいのでは?」と思うかもしれませんが、これは簡単にケアされてしまいます。緑マナが立っているタイミングで無理に攻めなければいいだけだからです。
別の方法でプレッシャーを掛けられているならまだしも、そうでない状況で緑を含む2マナを構えている相手に突っ込んでくる人はいません。
結果として、こちらだけがテンポを失い、《嵐の乗り切り》を強く使えない状況を作られてしまいます。
②について、ジャンドワイルドファイアの緑マナは最も確保しづらい色です。
黒は除去とドローソース、赤は《浄化の野火》と《のたうつ蛹》のために優先して並べますが、緑はほぼ《のたうつ蛹》でしか使いません。
そのため、緑マナ(特に《森》)は序盤から戦場に並べたくありません。
また、赤単マッドネスが順調に回った場合のリーサルターンは4-5ターン目です。そのあたりで《嵐の乗り切り》を唱えたいのですが、ちょうど《のたうつ蛹》を唱えたいターンとも重なってしまいます。
どちらも緑マナを要求するため、同じターンに使おうとすると緑マナが2つ以上必要になります。これを安定して用意するには、フェッチランドから持ってこられる《森》を2枚採用しなければなりません。
しかし、序盤にほとんど必要のない《森》を2枚採用することは、ジャンドワイルドファイアの安定感を大きく損なう要因になります。
そのため、緑マナを要求する《嵐の乗り切り》は採用しないことにしました。
代わりに、色マナを必要とせず、空いたターンに設置しやすい《焚火》を採用しました。
これらの調整によって、もともと有利な相手への勝率を大きく落とすことなく、苦手だった赤系デッキへの耐性を持たせることに成功。
手応えを感じたため、このままジャンドワイルドファイアを使用することに決めます。
使用デッキ&大会レポート
使用したのは前述の通り「ジャンドワイルドファイア」です。
最終的に使用したリストはこちら。
当日の結果は以下の通り。
| ラウンド | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| R1 | ディミーアテラー | ×○○ |
| R2 | 親和 | ○○ |
| R3 | ナヤゲート | ○○ |
| R4 | フリッカートロン | ×× |
| R5 | ジャンドワイルドファイア | ○○ |
| R6 | 悪鬼シュート | ×○× |
| R7 | 赤単マッドネス | ○○ |
| R8 | 白単オーラ | ○○ |
最終成績は6勝2敗、13位でした。
初戦から4マリガンを喫するという絶望的なスタートでしたが、その試合は奇跡的に勝利をおさめます。
また、R2の親和、R7の赤単マッドネスでは、調整段階で採用を決めた《感電破》や《勢団の取り引き》がしっかり活躍し、調整の成果を実感できる内容でした。
勢いそのままに勝ち進みたいところでしたが、R4のフリッカートロン、R6の悪鬼シュートでは相手の動きをとがめきれず敗北。
結果としてはあと一歩届かず、挑戦者決定戦突破とはなりませんでした。
大会全体を通してはマリガン祭りに見舞われました。実際、8回戦で17回もマリガンしています。
それでもジャンドワイルドファイアはリソース回復能力が高く、多少マリガンが嵩んでも十分ゲームになることが多く、デッキの地力の高さを改めて実感しました。
また、最も苦手と想定していた赤単ラリーと当たらなかったこともあり、マッチアップ運にもある程度恵まれていたと思います。
惜しくもトップ8には届きませんでしたが、事前の調整内容には手応えを感じられる大会となりました。
最新リスト&簡易サイドボーディングガイド
最後に、現在使用しているリストと、主要マッチアップでのサイドボーディングについて解説します。
挑戦者決定戦で使用したリストから、《喪心》を1枚《沼》に変更しています。
想像以上にマリガンが多く、その理由の9割が土地1枚以下でのマリガンでした。
ジャンドワイルドファイアは、黒マナさえ確保できれば《胆液の水源》+《腸抜きの洞察》《勢団の取り引き》といった初動でキープできるパターンが多くあります。
そのため、安定性を重視して土地を1枚増量しました。《喪心》と差し替えたのは、除去の枚数は現状でも十分足りていると感じたためです。
vs. 赤単マッドネス
vs. 赤単マッドネス
細かくライフを削られないことが何より重要です。
《ヴォルダーレンの美食家》《こそこそサクサク》で細かく削られるとリーサルラインがどんどん下がり、相手の受けが広がってしまいます。
《虚無の呪文爆弾》は、黒マナを払えない状況でも《こそこそサクサク》を追放できるなら、よろこんで起動しましょう。
《勢団の取り引き》は温存しすぎず、《胆液の水源》や《レンバス》でも構わないので、余裕があるタイミングで唱えます。もちろん《刷新された使い魔》と組み合わせるのが理想ですが、それを待つあまり唱える機会を逃すほうが最悪です。
また、素早く攻勢に転じることも大切です。
《のたうつ蛹》から出るエルドラージ・落とし子・トークンは雑に使って構いません。無理に貯め込まず、《胆液の水源》《レンバス》を唱えるためのマナに使っても大丈夫です。
《感電破》は《ケッシグの炎吹き》《どぶ潜み》の対処にも使えますし、切り返しの場面ではリーサルを早める役割も担います。《喪心》のような単なる除去と違い、手札に抱えておくことの裏目がほとんどない点も優秀です。
サイド後も基本的なプレイ方針はほとんど変わりません。
後手では、《火の中へ投げ捨てる》や《粉々》で土地を割られると行動回数で追いつけなくなるため、現実的にケアできる範囲であれば意識したほうがベターです。
《強迫》は序盤の《街道筋の強奪》《目標の強奪》を落として相手の展開を鈍らせるのが主な役割ですが、《火炎破》は最後まで手札に残りやすいため、終盤に引いてもそこまで腐らないのが嬉しいポイントです。
vs. 青単テラー
vs. 青単テラー
このマッチアップでは、ジャンドワイルドファイアがコントロール側です。
勝ち急がず、とにかくリソースを交換しながらライフを守り、ゲームを長引かせることを意識しましょう。ゲームが長引けば《喪心》や《のたうつ蛹》が機能し始めます。そこまで持ち込めればまず負けません。
逆に、序盤から《トレイリアの恐怖》を複数並べられて押し切られる展開が最も負けやすいパターンです。
《虚無の呪文爆弾》は最強です。カード・アドバンテージを失うことなく簡単にゲームを長引かせられます。ただし、《虚無の呪文爆弾》は必ずドローできる状態で起動しましょう。
「ここで起動しないと《トレイリアの恐怖》が出てしまう」という状況にならないよう、ほかの行動をせず黒マナを構えてください。ドローできない状態で起動するくらいなら、《トレイリアの恐怖》を唱えられるのを眺めていたほうがマシです。
サイド後は《赤霊破》が加わることで、かなり戦いやすくなります。
《強迫》を何も考えずに唱えると、相手の墓地にインスタントやソーサリーを増やしてしまい、《トレイリアの恐怖》を唱える手助けになってしまいます。なので、《強迫》は必ず通したい呪文とセットで唱えましょう。
《刷新された使い魔》も同様です。マナが余っているからと適当に唱えるのではなく、《のたうつ蛹》や《喪心》といったキーカードを通したいタイミングで合わせて唱えることを心掛けます。
《刷新された使い魔》は相手が《ロリアンの発見》を唱えようとする直前のターンに唱えるのも有効です。
《ロリアンの発見》を落とせれば最高ですし、キープしていた《島》を捨てさせた場合でも、《ロリアンの発見》を唱えるターンを遅らせたり、《払拭》や《水流破》といったバックアップと同時に唱えられなくしたりできます。
結果として、《赤霊破》を当てやすい状況を作ることができます。
vs. 赤単ラリー
vs. 赤単ラリー
ワーストマッチです。相手がしっかり回ったら、まず勝てません。相手がくすぶることを祈りましょう。
《喪心》をサイドアウトしているのは、除去が弱いからではありません。2マナ単体除去を唱えているような展開では、勝てる見込みが薄いためです。
このマッチアップでは、《ブレス攻撃》をクリーンヒットさせることが最も重要です。
なので、2ターン目に《喪心》を唱えるためにアンタップインランドを使ってしまう展開は避けたいです。1、2ターン目までに手札のタップインランドを処理し、3ターン目はアンタップインランドから、確実に《ブレス攻撃》を唱えられるように意識しましょう。
《やんちゃなアウフ》は《機械仕掛けの打楽器奏者》や《実験統合機》を追放するためにサイドインします。それらを追放したあとも2/2クリーチャーとして戦場に残るため、相手に追加で除去を要求できる点も優秀です。
《強迫》は劇的に有効なカードというわけではありませんが、序盤のターンパスを減らす目的でサイドインしています。
中盤以降は腐りやすいものの、このマッチアップをかなり不利と割り切るのであれば、少しでも序盤の安定性を高めるほうが重要です。
1-2ターン目のタップイン処理のタイミングで《強迫》から《レンの決意》や《実験統合機》を抜きつつ、3ターン目の《ブレス攻撃》に繋げられれば勝機は見えてきます。
vs. ジャンドワイルドファイア
vs. ジャンドワイルドファイア
ミラーマッチは運ゲーです。身も蓋もないですが……。
土地と手札を伸ばし続け、お互いに十分なリソースが貯まったところから順番にカードを唱えていき、どちらが先にドローソースを使い切るかの勝負になります。
そのため、序盤にコケたほうが大体負けです。とにかく土地が止まらないように気をつけましょう。
基本的にはクリーチャーを展開するよりも、リソースを確保することを優先します。このマッチアップはお互いに除去が豊富なので、先にクリーチャーを並べても得をしにくいためです。《のたうつ蛹》で景気よく殴っても、すぐに《喪心》で交換されてしまいます。
《刷新された使い魔》で呪文を捨てないよう、中盤以降は不要な土地を手札に1枚は残すことを意識しましょう。相手の《刷新された使い魔》への耐性を付ける意味でも、とにかくリソースを伸ばし続けることが重要です。
《間に合わせの砲弾》は、このマッチアップで最も重要なフィニッシャーです。片方だけが《間に合わせの砲弾》をコントロールしている場合、それだけで勝敗が決まるといっても過言ではありません。
メイン戦はどうしようもありませんが、サイド後は《やんちゃなアウフ》は必ず1枚は手札に残し、《間に合わせの砲弾》に対処できるようにしましょう。
vs. 親和
vs. 親和
このマッチにおける《のたうつ蛹》は最強です。親和側は単体でこれを突破する手段がほとんどありません。ここにカードを2枚以上使わせつつ、最終的に《間に合わせの砲弾》で削り切るのがよくある勝ちパターンです。
リソース源はジャンドワイルドファイア側のほうが多いため、慌てて攻める必要はありません。適度にカードを交換しながら、相手の息切れを待てば問題ありません。
ただし、《ケンクのアーティフィサー》だけは要注意です。
メイン戦ではほとんど触る手段がないため、相手も《のたうつ蛹》だけを全力で除去し、破壊不能になった3/3土地で攻めてくるプランを取ってきます。
最近は採用率も高いため、《ケンクのアーティフィサー》を引かれる前にライフを詰めておく意識も重要です。
《やんちゃなアウフ》と《喪心》の入れ替えはかなりダサいですが、《やんちゃなアウフ》は相手のほぼすべてのクリーチャーに加え、《間に合わせの砲弾》や《ケンクのアーティフィサー》でクリーチャー化した土地にも触ることができます。
単体除去の上位互換のような役割を果たしてくれるため、除去の枚数が過多にならないよう《喪心》と入れ替えています。
vs. ナヤゲート
vs. ナヤゲート
《浄化の野火》はナヤゲートのキーカードである《バジリスク門》を破壊できるうえに、絆魂クリーチャーたちは《のたうつ蛹》で無力化できます。
つまり、ジャンドワイルドファイアがかなり有利なマッチアップです。
このマッチアップでは、自分のアーティファクトランドを対象にしてリソースを伸ばす使い方はしません。《バジリスク門》を放置すると、クリーチャー戦で太刀打ちできなくなるためです。
お互いにリソースを交換し続けると、最終的にはデッキのほとんどを使い切るゲームになります。
結果として、勝ち手段は《間に合わせの砲弾》と《レンバス》による再利用バーンになることが多いです。
《レンバス》を唱え、戦場に出たときの誘発に対応して《間に合わせの砲弾》で射出し、そのあとに《レンバス》の占術を解決することで、実質的に3マナ1点バーンとして繰り返し使えます。
《間に合わせの砲弾》は適当に設置すると《スレイベンの魔除け》で対処されてしまいます。そのため、《間に合わせの砲弾》は必要になるまで手札に温存し、相手の手札が減ってきたタイミングで《刷新された使い魔》を唱えて手札を絞ってから通すことを意識しましょう。
サイドインする《強迫》は《塵は塵に》と《タミヨウの保管》を狙います。
特に《塵は塵に》は、序盤にアーティファクトランドを2枚追放されると、それだけで投了を考えるレベルの被害になります。
《強迫》が引けなかった場合は、2枚目以降のアーティファクトランドを可能な限り置くのを遅らせるなどして、《塵は塵に》のクリーンヒットだけは絶対に避けましょう。
《タミヨウの保管》は《浄化の野火》で《バジリスク門》を狙った際に守られると厄介なので、《強迫》は《浄化の野火》とセットで使います。
vs. トロン
vs. トロン
そこまで不利という認識はないものの、かといって得意という認識もありません。体感では五分くらいのマッチアップです。
特に《ピナクルの突撃艇》がやっかいです。《のたうつ蛹》が一撃で倒されるうえに、残った7/7・飛行クリーチャーの制圧力も非常に高く対処が難しいです。
《浄化の野火》は基本的に相手のウルザランドを狙います。特定のウルザランドを集中的に破壊し続ければ、相手の動きは極端に鈍ります。
狙うのは《ウルザの魔力炉》か《ウルザの鉱山》です。《ウルザの塔》は基本的に狙いません。
《ウルザの塔》を狙わない理由は、最後に戦場へ出た土地が《ウルザの塔》だった場合、最も多くのマナを生み出してしまうからです。
たとえば、戦場に《ウルザの魔力炉》と《ウルザの鉱山》がある状態で、《探検の地図》から《ウルザの塔》を持ってきてトロンがそろうと、最後に置いた《ウルザの塔》からは3マナ出ます。
一方、戦場に《ウルザの魔力炉》と《ウルザの塔》がある状態で、《探検の地図》から《ウルザの鉱山》を持ってきた場合、最後に置いた《ウルザの鉱山》から出るのは2マナです。
つまり、《ウルザの塔》を戦場に残したまま《ウルザの魔力炉》または《ウルザの鉱山》を狙ったほうが、トロン成立後のマナを1マナ少なく抑えられます。そのため、《浄化の野火》で破壊するのは《ウルザの魔力炉》か《ウルザの鉱山》を優先します。
《虚無の呪文爆弾》は、《ムラーサの胎動》などの墓地回収で破壊したウルザランドを使い回されないように使います。
《棘茨のワーム》の5点ライフゲインを防ぐためだけに使うのはおすすめしません。そこは割り切って受け入れ、より重要な墓地利用を止めることを優先しましょう。
vs. The Spy
・変更なし
このマッチアップにおける《虚無の呪文爆弾》は最強です。これが1枚戦場にあるだけで、相手はコンボを決められません。
ただし、ダラダラとゲームを長引かせるのは禁物です。壁やマナクリーチャーを並べたあと、《気前のよいエント》《カザド=ドゥームのトロール》《サグの原生龍》などでビートダウンしてくるため、油断はできません。
いずれは《仮面の蛮人》で《虚無の呪文爆弾》を突破されるので、コンボを封じて有利になったら素早く攻勢に転じ、そのままゲームを畳みましょう。
《喪心》は基本的にマナクリーチャーを除去するためには使いません。マナクリーチャーに《喪心》を使ってしまうと、《気前のよいエント》などの大型クリーチャーを突破する手段が不足してしまうためです。
《浄化の野火》は、状況によっては相手の土地を対象にします。黒マナ源を破壊することで、《欄干のスパイ》を唱えられなくできる場合があります。
ただし、《サルーリの世話人》や《水蓮の花びら》から黒マナを出されることもあるため、過信は禁物です。
サイド後の入れ替えはありません。メインデッキの時点で、このマッチアップに必要な要素はそろっています。
《刷新された使い魔》を適当に唱えると、相手がクリーチャーを捨てて《仮面の蛮人》がアクティブになり、返しにアーティファクトランドを追放されることがあります。
相手の墓地にすでに《気前のよいエント》や《カザド=ドゥームのトロール》が落ちているなら仕方ありませんが、そうでない状況で安易に《刷新された使い魔》を唱えるのは避けましょう。
相手は手札に使い道のない《戦慄の復活》《ロッテスの巨人》《土地譲渡》が貯まっていることも多いため、《刷新された使い魔》を強く使えるケースは稀です。
サイドボードに追加の墓地対策を採用しているのであれば、《刷新された使い魔》と入れ替えるのがオススメです。
vs. フェアリー
vs. フェアリー
フェアリーは《月回路のハッカー》《深き刻の忍者》で攻撃を通し、《呪文づまりのスプライト》を忍術で使い回すことでアドバンテージを稼ぐデッキです。そこさえ止めてゲームを長引かせれば、ジャンドワイルドファイア側が有利になります。
逆に《月回路のハッカー》《深き刻の忍者》に攻撃を通され、《呪文づまりのスプライト》を忍術の種として手札に戻される展開は負けに直結します。除去でもクリーチャーによるブロックでも構いません。とにかく攻撃を防ぎましょう。
また、除去を唱える順番にも気をつけましょう。
たとえば、相手の戦場にフェアリーが1体いる状態で、こちらの手札に《感電破》と《喪心》があるとします。
ここで何も考えずに《感電破》から唱えると、《呪文づまりのスプライト》で打ち消されてしまいます。そのあとに《喪心》を唱えても、フェアリーの頭数が残ってしまうため、打ち消しを回避することはできません。
しかし、《喪心》から唱えれば、相手が対応して《呪文づまりのスプライト》を唱えてきたところを《感電破》で除去することで、フェアリーの頭数が足りなくなり《喪心》は打ち消されずに解決されます。
《呪文づまりのスプライト》と戦ううえでは非常に重要なテクニックです。ぜひ覚えておきましょう。
おわりに
前回以上に準備に時間をかけたものの、今回もトップ8に残ることは叶わず。
ただ、手応えは感じているので、次回こそは優勝を目指して頑張ります。
今回の調整内容が、これからジャンドワイルドファイアを使う方の参考になれば幸いです。
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