Translated by Daijiro Ueno
(掲載日 2018/04/10)
皆さん、こんにちは!
『ドミナリア』解禁までもうすぐです。たくさんの新しい、エキサイティングなカードたちがスタンダードとモダンの両方に旋風を巻き起こすことは間違いないでしょう。このセットのテーマは、「歴史的」で、これはアーティファクト、伝説のカード、または英雄譚のことを指します。英雄譚が『ドミナリア』で新しく導入されるカードタイプのひとつであるのに対して、アーティファクトや伝説のカードたちはマジックの歴史を通して常に存在してきましたね。
アーティファクトを主軸に据えたデッキ構築は長い間戦略のひとつとして存在してきましたが、今回からは伝説のカードを中心とした、新しくエキサイティングなデッキ構築を行うこともできるようになります!
今日はすでに公開されたカードのうち、スタンダードやモダンで活躍できる可能性を秘めたものをいくつか見ていきます。では、もたもたせずに新しいカードたちをチェックしましょう!
《ウルザの後継、カーン》
では、このセットで間違いなくベストとなるカードから始めてみましょう!
《ウルザの後継、カーン》 はスタンダードだけでなく、モダンでも活躍できる可能性があると思います。まずはじめに、無色であることはスタンダードのあらゆるデッキで採用できることを意味します。今まで無色のプレインズウォーカーは2枚しか存在しませんでした。《解放された者、カーン》と 《精霊龍、ウギン》です。どちらもとてもパワフルですが、それぞれ7マナ、8マナと重いです。
新しい《ウルザの後継、カーン》のマナコストはというと、たったの4マナです。ですので、よりたくさんのデッキにプレイできるチャンスがあります。プラスから入ると忠誠度6の状態で始めることが出来るので、戦闘でこのカードに対処することはより難しくなります。そして常に最低限のリソース交換を行うことができます。
「+1」と「-1」能力はカードアドバンテージ差をつけることに主眼に据えたスタンダードのデッキにおいて素晴らしい活躍をみせるでしょう。そして現在のスタンダードはもっぱらミッドレンジデッキであふれているので、《ウルザの後継、カーン》がトップデッキのリストに常に入ることを予想しています。
「-2」能力について少し話をしましょう。モダンでは、1、2枚の《ウルザの後継、カーン》をマナカーブの頂点に据えた親和のようなデッキはとてもパワフルとなり得ます。早ければ2ターン目に暴れることもでき(何枚か《オパールのモックス》や《バネ葉の太鼓》があれば)、即座に大きな脅威となるでしょう。何よりも重要なことは、初期忠誠度が5であることです。これにより次のターンももう一体トークンを作ることができるということで(アーティファクトをよりプレイすると大きくなる点も良いですね)、依然《カーン》 は忠誠度1付近でもちこたえることができます。
モダンの親和のようなデッキにおいて「-2」能力がこういったポテンシャルをもっているのは確信していますが、スタンダードにおいてもこれは素晴らしい能力だとみなされるべきだと思います。優秀と言われるすべてのプレインズウォーカーと同じように、《ウルザの後継、カーン》もトークンで自身を守ることができますが、このトークンはそれだけでありません。機体や宝物が存在するフォーマットでは、大きな脅威にもなり得るのです。
《ゴブリンの鎖回し》
《暴れ回るフェロキドン》 と 《ラムナプの遺跡》の禁止のあと赤単はかなり弱体化し、必然的に《スカラベの神》デッキがスタンダードのトップの座を引き継ぎました。しかし今赤単は新しく強力な3マナのクリーチャー、《ゴブリンの鎖回し》を獲得しました。
3マナ3/3先制攻撃は信じがたいマナレシオです。それに加えて、誘発型能力の方は戦闘を有利に進めることができます。前のめりに攻撃を仕掛けたあと、相手のクリーチャーを仕留めることができるからです。さらに、現在すべてのトップデッキに採用されている《光袖会の収集者》や、『ドミナリア』リリース後すぐにポピュラーになるであろう《ラノワールのエルフ》、そして白黒吸血鬼の1/1トークンたちを簡単に対処できます。
それだけでも十分素晴らしいですが、プレインズウォーカーも対処できるのはものすごく強く見えますね。また、防御に使えるのもすごく良いですし、過去に見られたトレジャーレッドのようなデッキを構築する手助けにもなります。《ゴブリンの鎖回し》はスタンダードですごく歓迎される追加戦力だと考えているので、プレイするのが楽しみです!
《反復の学部長、ナバン》
正直に言うと、《血編み髪のエルフ》の解禁でジャンドが息を吹き返したとき、私は人間デッキが活躍できるのはプロツアー『イクサランの相克』が最後になるだろうと思っていましたが、このデッキはまったくもって消え去ることはありませんでした。それどころか、ここ最近グランプリレベルのイベントやオンラインで信じられない成績を残しています。人間がモダンで依然最高のデッキのひとつであることは明確で、《反復の学部長、ナバン》はこのデッキに入るのではないかと思います。
《反復の学部長、ナバン》は戦場に出たときに単体で《教区の勇者》や 《サリアの副官》の能力を2回誘発させることができます。人間デッキに1~2枚枠を割いて採用されると感じています。さらにこのデッキのクリーチャーたちを見てみると、《翻弄する魔道士》や 《反射魔道士》、そして追加の選択肢として 《闇の腹心》といったウィザードたちがいることに気付くはずです。
このデッキがどれだけ良いものになるか見るのは本当に興味深いことですが、《反復の学部長、ナバン》がこのデッキの爆発的を高めるポテンシャルを持っているのは疑いようがありません。それに、新しい人間・ウィザードがこれから公開されることにも注目しています。このカードがウィザードと人間の親和性をものすごく高めていますからね。
《ウェザーライト》
私はこのカードが本当に大好きです! これまでカードリストを見てきて、このカードは《ウルザの後継、カーン》に真に立ち向かうことができるカードだと思いました。『ドミナリア』で最高のカードのひとつですからね!《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》がローテーション落ちしてからずっと、マルドゥ機体はパワフルな4マナを欲してきました。たしかに《熱烈の神ハゾレト》は優れたカードですが、マルドゥ機体にとってベストなカードだと思ったことはありません。しかしながら、《ウェザーライト》はこのデッキに完璧にマッチしますね。
この誘発型能力で探せるカードは《屑鉄場のたかり屋》、 《キランの真意号》、《反逆の先導者、チャンドラ》など豊富にあり、もしかしたら《模範操縦士、デパラ》が再活躍するのを見られるかもしれません。しかしながらこのカードの居場所はマルドゥ機体だけではありません。
このカードは《スカラベの神》デッキにさえ入りこむ可能性があります。青黒デッキには《アズカンタの探索》、《アルゲールの断血》、《奔流の機械巨人》、《豪華の王、ゴンティ》、《スカラベの神》をはじめとした強力な歴史的なカードがありますからね。
もちろん、機体への「搭乗」要員を確保するために少しデッキ構成を変える必要がありますが、スタンダードにこういったカードがあると、デッキ構築の幅を大きく広げてくれると感じています。最終的にはスタンダードのパワーカードのひとつになるのではないかと思いますね。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》
マジックのカードの中で一番のお気に入りである《ザルファーの魔道士、テフェリー》ではありませんが、それでも《テフェリー》がスタンダードに帰ってくるのを見るのはとても楽しみです!スタンダードでプレインズウォーカーの《テフェリー》をプレイできるのは初めてですし、このカードを長いこと待ち望んでいました。過去にたくさんのコントロールデッキをプレイしていましたが、彼の「+1」能力はまさにコントロールデッキが欲しているものです。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》を活用してカードを引き、カウンターや《封じ込め》、《喪心》といった除去のために2マナを立てるという戦略を存分に味わえます。前述の2枚の除去は確実に見かけることになりそうですね。《削剥》や《蓄霊稲妻》, 《本質の散乱》も環境に存在することを忘れないようにしましょう。つまり、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を唱えた際の隙を埋める、2マナの除去やカウンターは豊富にあるのです。
「-3」能力は彼を守り、厄介なカードに対して少なくとも数ターン対処することができるので、手堅いですね。忠誠度が1まで落ちてしまうのは少し危ないですが、依然として強力な能力と言えます。
「-8」能力は基本的にはゲームオーバーを意味し、実質的に戦場に出たあとすぐに4ターンクロックとして機能することになります。このようなカードが、スタンダードで真のコントロールデッキの復権を手助けしてくれることを望んでいます。また、モダンの白青コントロールにその居場所を見つけたとしてもさして驚きではありません。「+1」能力は《流刑への道》 や 《糾弾》があるおかげでより良いものとなります。ですから、私たちはこのカードがどれだけ良いものか気づくことになると思います。彼を採用したデッキは必ずいくつか試してみますね!
さて、これらのカードが『ドミナリア』で最も刺激的なカードたちです!これまでのプレビューを見ていて、スタンダードとモダン両方で使われそうなカードがたくさんあることにすごく驚きました。新しいセットは一般的にスタンダードに影響を与えても、モダンにはさして影響を与えませんが、このセットは例外となるかもしれません。みなさんが記事を楽しんでくれて、また新しいカードをプレイするのを楽しみにしていることを祈ります!
読んでいただいてありがとうございます。
クリスティアン・カルカノ