By Kazuki Watanabe
プロツアーを目指すプレイヤーは、世界中に存在する。
この場で戦えるのは、ごくわずかなプレイヤーのみ。多くのプレイヤーにとって、「プロツアー出場」は“叶えたい夢”なのだ。
その夢を、このプロツアー『ドミナリア』で叶えた者が居る。
Hareruya Hopes、宇都宮 巧。
MOPTQ シールド BGtR 7-2
— Takumi Utsunomiya (@katuo079595) 2018年2月26日
ドラフト BW 3-0
やっとプロツアーいける!!!!!!!!!
皆さん応援本当にありがとうがざいました!!!!!!!!! pic.twitter.com/uql6idcoB6
彼は、2月に開催されたMOPTQを突破し、念願の場所への切符を掴んだ。
夢を叶え、世界のトッププロたちと戦い、初プロツアーで2日目進出を果たした宇都宮に、早速話を聞いてみよう!
プロツアーに向けて
――「プロツアー出場、そして、2日目進出、おめでとうございます!」
宇都宮「ありがとうございます! 夢が叶いました。本当に嬉しいです」
――「実際に出場し、この場で戦ってみた感想をお聞かせ願えますか?」
宇都宮「すごく楽しいです。当然ですが、とにかくプレイヤーのレベルが高くて、『これがプロツアーで戦うってことなんだ』、そして『もう一度この場所に来たい!』 という思いが強いですね」
――「宇都宮さんは、普段から晴れる屋で調整をしていますよね。ドラフトとスタンダードは、どのように準備をされましたか?」
宇都宮「ドラフトに関しては、BIGsの河浜 貴和さんが主催したドラキチ合宿、そしてPros&Hopes ドラフト練習会に参加させていただいたので特別なこともありました。ですが、スタンダードに関しては、普段と変わらない練習をしていました。自分自身の強みはなんだろう? と考えたときに、『マジックの練習なら何時間でも苦じゃない』という点があるんです。なので、とにかく練習の時間を増やしました」
――「普段どおりの練習で、普段よりも長めに、ということですね」
宇都宮「そうですね。晴れる屋で、友人たちとひたすら練習をして、思考を巡らせました。これはいつもどおりですね。もちろん、いつもより熱が入っていたと思います」
プロツアーで勝つための、デッキ変更
――「なるほど。今回は『赤黒アグロ』を使用されましたよね。この選択は、早い段階から決めていたのですか?」
宇都宮「いえ、実は直前で変更したんです。それまでずっと『《王神の贈り物》』を使っていたのですが、これではダメだ! と思って、思い切ってデッキを変えたんですよ」
――「そうだったんですね! 『これではダメだ!』と思った理由は何ですか?」
宇都宮「一番大きかったのは、『青白コントロール』との相性ですね。『《王神の贈り物》』は『青白コントロール』に有利だ、と思って調整を続けていました。そして、プロツアーの練習も兼ねて、グランプリ・トロント2018に出場したんです。そうしたら、トッププロたちが使用する『青白コントロール』にまったく歯が立たなかったんですよ。すでに急所を押さえられていて、的確にカウンターで捌かれる、という感じでしたね」
――「おお……それは衝撃的な体験ですね」
宇都宮「衝撃的でしたね。『青白コントロール』は多いだろう、という予想もした上で選んだデッキだったので、『これではダメだ』と。プロツアーのレベルで勝てるわけがない、と判断して、デッキを変更することにしました。何か良いデッキはないかな? と探しているときに、第11期スタンダード神挑戦者決定戦で、佐々部 悠介さんが使っていたデッキリストが自分の好みに合っていたので、それをベースに改良をすることにしたんです」
――「挑戦者決定戦があったのは先週末ですよね?」
宇都宮「そうですね。なので、この1週間……正確にはデッキリスト登録までの3日間はかなり慌ただしかったです。ですが、自信を持って仕上げることができました」
夢を叶えて、次の一歩
――「慌ただしくも充実した日々を過ごしてきたわけですね。では、ここからは”目標”についてお聞かせください。プロツアーに出場する、という夢を叶えたわけですが、次の夢、そして目標は何でしょうか?」
宇都宮「まずは、プロツアーに毎回参加する選手になりたいと思っています。今回が初めてだったのですが、たった一度のチャンス、で終わらせたくないですね。最初に言ったとおり、とにかく楽しい場所なので、ここで常に戦えるプレイヤーになりたいな、と」
――「”出場する”という夢から、一歩先へ進むわけですね」
宇都宮「そうしたいですね。毎回のように参加している先輩たちはプロツアーという場に慣れていますし、それだけ高いレベルで戦える実力があるわけですからね。世界のプロたちと戦えるプレイヤーになりたいな、と素直に思います」
――「先輩たち、という言葉がありましたが、宇都宮さんにとって”憧れのプレイヤー”はいらっしゃいますか?」
宇都宮「それはもちろん、お世話になっている原根 健太さんです。プレイヤーとしての強さもそうなのですが、原根さんには普段から色々なことを教えて頂いてるんですよ。遠征で助けてもらうことも多いですし、憧れのプレイヤーですね。なので、僕も同じように誰かを導けるようなプレイヤーになりたいんです」
――「宇都宮さんが原根さんに導いてもらったように、ということですね」
宇都宮「もちろん、まだ気が早いとは思います。そして、誰かの前に立つには、それだけの成績を残さなければなりません。まだまだ先は長いと思いますが、少しずつ進んでいきたいと思います」
世界を舞台に戦うプレイヤーを目指して
――「では、最後に読者の皆さん、そして普段練習を共にしている仲間たちへ、メッセージをお願いします」
宇都宮「今回この”夢の場所”、プロツアーに参加できたのは、応援してくださっている方と仲間たちのおかげです。Hareruya Hopesに加入してから、応援の言葉を貰う機会が増えて、本当にありがたく思っています。トッププロの一員になり、世界を舞台に戦えるように、練習を積み重ね、努力を続けていきます。応援よろしくおねがいします」
――「ありがとうございました。この後も頑張ってください!」
プロツアーに憧れる1人のプレイヤーが、このリッチモンドで夢を叶えた。
目指すのは、”夢の場所”を”いつも戦う場所”にすること。そして、この場で戦いを続ける、偉大な先輩のようなプレイヤー。
宇都宮 巧が、プロツアーの常連となる日が必ず来るだろう。
そして、ここで語られた言葉が、彼が輝かしい戦績を残す”未来の原点”になると、私は信じている。
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