Translated by Daijiro Ueno
(掲載日 2018/06/26)
やあ、新しい記事へようこそ!
今日はスタンダードについて話そうか。プロツアー『ドミナリア』では使わなかったデッキについて議論して、チーム構築スタンダードに向けたデッキリストを紹介しようと思う。
プロツアーでのデッキ選択、「赤単《ケルドの炎》」
プロツアーでは以下のリストからなる「赤単《ケルドの炎》」を使っていた。
-土地 (21)- 4 《ボーマットの急使》
4 《損魂魔道士》
3 《ギトゥの溶岩走り》
3 《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》
2 《地揺すりのケンラ》
4 《ゴブリンの鎖回し》
3 《熱烈の神ハゾレト》
-クリーチャー (23)-
3 《火による戦い》
2 《チャンドラの敗北》
2 《反逆の先導者、チャンドラ》
2 《栄光をもたらすもの》
1 《不死身、スクイー》
1 《ウルザの後継、カーン》
1 《山》
-サイドボード (15)-
今回のプロツアーはもっと多様な環境になると見込んでいたんだが、大会を通して「赤単」、「赤黒」に合計9回も当たってしまったんだ。俺たちのデッキはこの状況に対して十分な準備ができていなかったね。
このデッキを手に取った理由は「黒緑《巻きつき蛇》」や「《鉄葉のチャンピオン》ストンピィ」、「青白コントール」に有利だと思ったからだが、「赤黒ミッドレンジ」には少し不利だったね。時間がなかったし、準備が遅れたこともあって一番気に入ったデッキをプレイすることは叶わなかったんだ。そのデッキというのは、「青黒ミッドレンジ」のことだ。
チーム構築戦へ「青黒ミッドレンジ」を持ち込もう
「青黒ミッドレンジ」はカードの選択肢が豊富だから、自分のやりたいことができてどんなことにも対応できるデッキなんだ。『ドミナリア』が発売されるまでは環境の最強デッキだったんだが、このセットから得たものがこれといってなかったため最強の座を他のデッキに明け渡すこととなったね。
プロツアーで戦っている最中でさえ「デッキ選択を間違えたな」と感じていて、大会が終わったあとは皆が色んなデッキリストを漁りだした。特に「青白」や赤系デッキに次ぐ「第3のデッキ」はどこかと探し求めていたね。俺の旧友でありチームメイトのデイビッド・レイトバウアー/David Reitbauerもその一人で、ボローニャでチームRPTQに参加する予定だった。どうやら「緑単」デッキに解答を見出そうとしていたみたいだが、どれもお気に召さなかったみたいで、俺が替わりとしてこのデッキをオススメしたんだ。そしてこのデッキで彼はチームメイトとともにRPTQを制することになった。
4 《島》
4 《異臭の池》
4 《水没した地下墓地》
1 《水没した骨塚》
2 《イフニルの死界》
1 《愚蒙の記念像》
-土地 (25)- 4 《才気ある霊基体》
2 《帆凧の掠め盗り》
4 《機知の勇者》
3 《貪欲なチュパカブラ》
1 《豪華の王、ゴンティ》
3 《スカラベの神》
-クリーチャー (17)-
2 《アルゲールの断血》
2 《帆凧の掠め盗り》
2 《ウルザの後継、カーン》
1 《豪華の王、ゴンティ》
1 《人質取り》
1 《喪心》
1 《魔術遠眼鏡》
1 《最古再誕》
-サイドボード (15)-
このデッキリストについて議論する前に、こいつはチームスタンダードのために構築されたということを断っておきたい。だから《否認》は他のデッキに譲る想定で、ここでは採用することができないんだ。これが普通のトーナメントだったら《強迫》を《否認》と交換したいと思っているよ。
このデッキの最大の長所は、手札のカードを柔軟に入れ替えることができることで、3枚の《航路の作成》と4枚の《機知の勇者》がそれを可能にする。マッチアップに合わせて要らないカードを捨てることができるんだ。《スカラベの神》を捨てたあと、即座に《死の権威、リリアナ》でゾンビとして蘇らせることで相手の不意をつけるし、《貪欲なチュパカブラ》を捨てて墓地にキープしておけば、《キランの真意号》の起動に対して《スカラベの神》で蘇らせて破壊することができるね。
次に素晴らしい点は、手札を攻める手段が豊富だということだ。《帆凧の掠め盗り》と《大災厄》によって事前に厄介なカードを取り除けるし、サイド後ではさらにこういった呪文を増量できる。
このリストが他のリストと大きく異なる点は、《光袖会の収集者》と《霊気拠点》を採用していない点だ。《霊気拠点》を色マナが濃いこのデッキに入れるのは嫌だったし、《光袖会の収集者》は《ゴブリンの鎖回し》の前に散っていくからね。《機知の勇者》もやられるが、場に出たときにもう一仕事終えているし、墓地から帰ってこれるからそんなに悪いことではない。皆が《光袖会の収集者》を採用し続けているのはこれまでのところこのデッキが活躍できていない主な理由だと思っているよ。
デッキの中には《イフニルの死界》や《愚蒙の記念像》といった能力持ちの土地に加え、この環境屈指の切り札となる《スカラベの神》も入っている。
来たるチームスタンダードでこのデッキをオススメする主な理由は、緑や赤系のデッキに対してかなり有利だし、コントロールに対してもかなり手堅く立ち回れるからだ。このマッチアップではメイン戦では不利といえるものの、サイドから13枚ものカードを投入できるから確実にゲームを変えることができる。
サイドボードプラン
デイビッドがRPTQで用いたサイドボードプランは以下の通りだ。
対「赤単」
対「赤黒」
対「青白コントロール」
対「黒緑《巻きつき蛇》」
対「緑単」
対「青黒ミッドレンジ」
対「《王神の贈り物》」
来たるチームスタンダードへ向けて
俺が知っている限りでは、彼は130チームが参加し、11ラウンドを戦うこのビッグイベントを通して1試合しか負けなかった。このトーナメントのあと、俺はこのサイドボードプランを精査して彼と議論したんだが、メインデッキ、サイドプランのどちらも変える必要はないということで意見は一致したよ。
他のチームメイトのデッキリストはないかと以前尋ねられたので、せっかくだからそちらも惜しみなく公開するとしよう。こちらが「青白」だ。
3 《本質の散乱》
1 《検閲》
1 《一瞬》
4 《不許可》
1 《俗物の放棄》
3 《残骸の漂着》
2 《天才の片鱗》
1 《ヒエログリフの輝き》
2 《燻蒸》
1 《暗記+記憶》
3 《封じ込め》
2 《アズカンタの探索》
1 《霊気溶融》
3 《排斥》
1 《試練に臨むギデオン》
4 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-呪文 (34)-
チームの3つ目のデッキはプロツアーを制した「赤単」と全く同じだから、面白いところはないね。
来たるPTQやグランプリでの健闘を祈っているよ!次に皆と会う場所はグランプリ・バルセロナ2018になるだろう。もし同じ場に居合わせたら、気軽に声をかけてくれよ!
オリヴァー・ポラック=ロットマン