メタゲームブレイクダウン雑感

晴れる屋

By Hiroshi Okubo

 マジック25周年記念プロツアーの幕が下り、スタンダードとモダン、そしてレガシーの3フォーマットのメタゲームの全容、そしてその一つの解答がもたらされた。特にプロツアーでレガシーがプレイされたのは2007年の世界選手権以来ということもあり、非常に注目が集まっていた。

 さて、気になるのはこのプロツアーメタゲームだ。ここでは今回のプロツアーにおける各フォーマットのメタゲームブレイクダウンと、トップ4進出デッキから環境について見ていきたい。

スタンダード

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表はマジック:ザ・ギャザリング公式ウェブサイトより一部を引用しました。

アーキタイプ 使用者数 使用率
赤黒アグロ 66 40.00%
鉄葉ストンピィ 31 18.79%
グリクシス・ミッドレンジ 13 7.88%
「霊気貯蔵器」コンボ 9 5.45%
エスパー・コントロール 7 4.24%
赤単アグロ 7 4.24%
ターボ・フォグ 6 3.64%
白青「副陽の接近」 4 2.42%
ボーラス・レッド 3 1.82%
グリクシス・コントロール 3 1.82%

トップ4進出デッキ:「赤黒アグロ」2名、「白青コントロール」1名、「白青《王神の贈り物》」1名

 メタゲームブレークダウンから上位10件を抜き出すと、目につくのは40.0%という脅威的なシェア率を誇った「赤黒アグロ」だ。

ボーマットの急使ゴブリンの鎖回し熱烈の神ハゾレト

 言わずと知れた前環境の覇者である。今回のプロツアーはチーム戦という形式で行われたことも手伝って、一か八かの選択よりも環境のどのデッキに対しても優位に立ち回ることができるこのデッキの人気に拍車がかかったのだろう。トップ4にも2名が進出しており、赤黒アグロは今大会でもベストな選択肢の一つだったと言えそうである。

 また、トップ4の残る2つのデッキは「白青コントロール」と「白青《王神の贈り物》」という旧環境から目立っていた2つのデッキだった。『基本セット2019』の影響がほとんど見られなかったのは残念だが、「《霊気貯蔵器》コンボ」や「ターボ・フォグ」など新たなアーキタイプの萌芽もあったようで、まだまだこれから環境が動いていく余地もありそうだ。

モダン

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表はマジック:ザ・ギャザリング公式ウェブサイトより一部を引用しました。

アーキタイプ 使用者数 使用率
人間 27 16.36%
白青コントロール 18 10.91%
アイアンワークス 17 10.30%
緑単トロン 17 10.30%
虚ろな者 13 7.88%
黒赤「復讐蔦」 10 6.06%
バント・スピリット 6 3.64%
ジェスカイ・コントロール 6 3.64%
マルドゥ・パイロマンサー 6 3.64%
ストーム 5 3.03%

トップ4進出デッキ:「人間」2名、「虚ろな者」1名、「アイアンワークス」1名

 使用率上位10個のデッキを見渡すと、「人間」や「虚ろな者」など見慣れたデッキ名が並んでいる。だが、シェア率は最も多い「人間」でも2割を切るというのがモダンという環境の多様性を示している。とはいえトップ4には「人間」ユーザーが2名も進出しているので、やはり現環境のベストデッキの一つであるという事実は疑いようもなさそうであるが……。

 が、逆に見慣れないデッキ名も散見される。「黒赤《復讐蔦》」と「バントスピリット」はその最たる例だろう。

復讐蔦呪文捕らえ

 これらのデッキは『基本セット2019』のリリースによって台頭したデッキだ。前者は《縫い師への供給者》によって発掘速度が増し、デッキが安定して回るように。後者は言わずもがな、2マナロードである《至高の幻影》と痒いところに手が届く《悔恨する僧侶》、あるいは《民兵のラッパ手》によってパワーアップし、一躍勢力を築くこととなった。

 『基本セット2019』リリースの影響がスタンダード以上にモダンで色濃く反映されているというのはおもしろい。また、強力なデッキではあるがプレイングが難解と評判の「アイアンワークス」もトップ4に進出を果たしている。これからもモダン環境は激動が続きそうだ。

レガシー

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表はマジック:ザ・ギャザリング公式ウェブサイトより一部を引用しました。

アーキタイプ 使用者数 使用率
グリクシス・コントロール 20 12.12%
スニーク・ショー 16 9.70%
エルドラージ・ストンピィ 14 8.48%
デス&タックス 12 7.27%
ティムール・デルバー 11 6.67%
黒赤リアニメイト 9 5.45%
奇跡 9 5.45%
青黒「死の影」 9 5.45%
白青石鍛冶 8 4.85%
エルドラージ・ポスト 7 4.24%
赤単プリズン 7 4.24%

トップ4進出デッキ:「デス&タックス」2名、「エルドラージ・ストンピィ」1名、「青黒《死の影》」1名

 そしてレガシーのメタゲームブレイクダウンはモダン以上に多様性を示していた。「グリクシス・コントロール」は《死儀礼のシャーマン》を失いながらも、依然として強力な《トーラックへの賛歌》《コラガンの命令》といったアドバンテージカードを用いる重めのコントロールデッキにシフトしている。

トーラックへの賛歌コラガンの命令

 また、「スニーク・ショー」と「デス&タックス」も人気のあったアーキタイプである。それぞれデッキの地力の高さもさることながら、《秘儀の職工》《光異種》といった『バトルボンド』の新カードも活躍していたようだ。

 他にも《死の影》がモダンの枠を超えてレガシーでも活躍していたことに注目したい。《死儀礼のシャーマン》《ギタクシア派の調査》禁止によって環境が大きく動いたレガシーだが、この動乱はしばらく続きそうだ。果たして今回のプロツアーの結果を受けて、レガシープレイヤーたちがどのようなデッキを考案するのか? これからの動向にも注目だ。

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