Translated by Atsushi Ito
(掲載日 2017/07/05)
キューブドラフトの良いところは、どんな種類のデッキもドラフトできるところです。ある戦略よりまた別の、特定の戦略を強く好むプレイヤーも存在します。私個人の話をすれば、どんなアーキタイプでも歓迎です。私はキューブが大好きで、特に友人と遊ぶ際にはマジックにおける最高のフォーマットだとすら思っています。以前私がカジュアル・フォーマット : キューブドラフトという記事を書いたのはそれが理由です。
どちらかといえばレガシー・キューブのようにカードパワーが低めのキューブが好みで、というのもミッドレンジとコントロールがコンボと同じくらいの強さを保てるからです。一方ヴィンテージ・キューブは全然違うゲームで、コンボデッキがより強く、それに勝つための最良の手段はアグロデッキを組むか妨害をふんだんに搭載したデッキを組むことになります。このジャングルではフェアデッキを組むための機会はかなり限られてしまいます。
※注: キューブドラフトは同じカードが1枚しか出てこないので、一度カットをすればそのカードと対戦で出くわす心配がなくなるのが通常です。ただこれはシングルエリミネーション形式の場合の話で、Magic OnlineでDraft Leagueに参加した場合は、他の卓のプレイヤーと対戦することになるので、カットする意味がなくなります。
さておき、一緒に8人ヴィンテージ・キューブをドラフトしていきましょう!
1パック目
1手目
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私が思うに、このパックの上位4つのカードは《槌のコス》、《汚染された三角州》、《納墓》、《修繕》です。《冬の宝珠》は悪くないカードですが、Moxenや印鑑がある環境となると効き目が落ちてしまうのが難点です。
《槌のコス》は赤単においてマナカーブの頂点にふさわしいカードで、同じパックに赤単向きのカードがないことを考慮すると十分良い初手でしょう。一方《納墓》は明確にリアニメイトでしか役に立たないカードで、しかもリアニメイトは卓内に2人以上やっているプレイヤーがいたら最悪なので、ここは《納墓》が一周してくるか様子見して、もし返ってくるようなら卓内にリアニメイトは自分だけだとわかるので、それから方針を変えれば良いと思います。《汚染された三角州》は安定のピックですが、ヴィンテージ・キューブではありとあらゆる強力なカードたちがなんでもピックできることを考えると、既にそういったカードをピックしていてそのプレイが容易になるというのでもない限り、初手でピックするのはあまり嬉しくありません。
《修繕》は《荒廃鋼の巨像》や《墨溜まりのリバイアサン》という圧倒的に最強なアーティファクトを早いターンに場に出せるぶっ壊れカードで、このカードを初手でピックすることで、こちらが欲しているのは他のアーキタイプにとって不要なカードになるので、それらを遅い手順で回収しやすくなるというメリットがあります。ほかにも、《修繕》が出ているのを私以外のプレイヤーが知らないというのも良いですね。
2手目
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《ギタクシア派の調査》はコンボデッキにとって素晴らしいカードです。40枚のデッキを圧縮できますし、相手の手札を見ることでコンボを仕掛けることができるのかを知ることができます。また《Eureka》は、《修繕》のためにデッキに入れるであろう巨大なアーティファクトたちを代わりに手札から場に出すための良い代替手段となります。
しかしここでは私は《剣を鍬に》をピックします。単純にパックの中でも一番強く、マジックの歴代除去スペルの中でも最優秀の除去の一角で、とりわけヴィンテージ・キューブにおいては最強と言ってもいいカードだからです。また、このカードは《荒廃鋼の巨像》に対して非常に強いので、もし《荒廃鋼の巨像》をピックした場合、白いデッキと当たったときに絶対安心とまでは言えなくなってしまいます。
3手目
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強欲に一周を狙うようなことはせず、《墨溜まりのリバイアサン》をピックします。《納墓》を流してしまっているので、もし誰かがそれをピックしていたなら《墨溜まりのリバイアサン》もピックするでしょうし、そうなったら自分のデッキが悲惨なことになってしまうからです。
4手目
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アーティファクトデッキを目指す私にとっては、特別素晴らしいカードはないようです。《修繕》の代替パーツとして《カルドーサの鍛冶場主》をピックはしますが、このカードを運用するためにはたくさんの軽いアーティファクトが必要となります。そして問題は、軽いアーティファクトといえばMoxenですが、それらは誰もが非常に高く点数を見積もっていることです。とはいえ、印鑑か何かで十分な量のアーティファクトを確保できるかもしれません。
5手目
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同様に私にとってはあまりぱっとしないパックですが、既に《剣を鍬に》をピックしていることと、また《引き裂かれし永劫、エムラクール》や《グリセルブランド》、あるいはそれらに類する何らかのデカブツを出してくるコンボデッキに対しては《カラカス》が非常に効果的というのがあります。それだけでなく、《カラカス》は《ヴェンディリオン三人衆》や《造物の学者、ヴェンセール》のような青いカードとコンボになります。
6手目
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現時点では《荒廃鋼の巨像》をピックできるかどうかは不確定で、《修繕》のサーチ先が1枚だけというのは不安です。《鋼の風のスフィンクス》は、緑単ランプや赤単相手には《墨溜まりのリバイアサン》よりもはるかに頼もしいカードになります。
7手目
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ここで一緒に入っている《真髄の針》を流さざるをえないのは少し残念ですが、アーティファクトデッキにおいてデッキ内の様々なアーティファクトをサーチするカードとして、《求道者テゼレット》はとても強力です。まだ軽いアーティファクトをピックできているわけではありませんが、いずれにせよ《修繕》のためにピックするだろう、というのもここで《求道者テゼレット》をピックする理由の一つです。
8手目
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特に良いカードもないので、《排斥》をピックしておきます。色も合ってますし、私のデッキに対して強いカードでもありますからね。
9手目
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《ゴブリンの溶接工》は悪くないカードですが、コンボのミラーマッチやカウンター呪文を擁するコントロールデッキとのマッチアップに備え、《催眠の悪鬼》を取っておきましょう。
10手目
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11手目
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12手目
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13手目
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14手目
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15手目
2パック目
1手目
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《カラカス》と組み合わさって驚くべき性能を発揮する《造物の学者、ヴェンセール》と、《モックス・ダイアモンド》や《ディミーアの印鑑》、《金粉の水蓮》といったアーティファクトもあり、悩ましいパックです。ただ軽いアーティファクトが1枚も取れていない現状では、初手で取らざるをえないでしょう。《モックス・ダイアモンド》だとオールインに寄りすぎてしまうので、より重いカードにはなってしまいますが、《ディミーアの印鑑》を取ることにします。
2手目
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重いアーティファクトを簡単にプレイする手段は他にもあり、《Mana Drain》がそれに当たります。このカードは特にデッキ内のスペルが大量の無色マナを含んでいるような場合になると、馬鹿げた強さを発揮します。
3手目
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《睡蓮の花》は《求道者テゼレット》からサーチすれば《Black Lotus》のように使えますが、それ以外のパターンではそこまで強くありません。ここでは他のアーティファクトを守れる上にアグロ相手の壁となり、かつ軽いアーティファクトということでプランに合致する《呪文滑り》をピックしましょう。
4手目
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《ヴリンの神童、ジェイス》は《剣を鍬に》くらいしか使いまわせるカードがないので私のデッキではうまく使えません。《衝動》は良い選択かもしれませんが、《対抗呪文》を取った方が良いように思います。《修繕》を唱える際のバックアップがあるとなお良いですし、《Mana Drain》をピックしたのでいずれにせよ青が濃い目のマナベースにするだろうからです。
5手目
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《屑鉄の学者、ダレッティ》は私のデッキにとって《ゴブリンの溶接工》なんかよりも遥かに打ってつけのカードです。クリーチャー除去を受け付けませんし、重いアーティファクトを墓地に送り込むことができ、良いスペルを探しつつ余分な土地を「サイクリング」することもできます。しかも、既に墓地に戻すべきアーティファクトがあれば、プレイしたターンにすぐにそれを墓地から戦場に戻すこともできるのです。こうなると、デッキに赤を入れないわけにいきませんね。
6手目
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特に欲しいものはないですが、《電解》は厄介な小型クリーチャーを捌きつつキャントリップできます。カードを引けない単体除去よりは全然マシですね。
7手目
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《イゼットの魔除け》をピックすることもできましたが、《裂け目の突破》はサブプランになりそうだと考えました。このカードをプレイされたくもないですしね。
8手目
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《Mana Drain》《対抗呪文》という2種のダブルシンボルのカウンター呪文をピックしているので、青マナ源はたくさん必要です。さらに白いカードもプレイしようというのですから、マナサポートは重要になってきます。
9手目
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メリークリスマス、初手で悩んだ《造物の学者、ヴェンセール》が返ってきました!《カラカス》とダンスを踊ってくれるでしょう。
10手目
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11手目
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12手目
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13手目
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14手目
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15手目
3パック目
1手目
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2パック目の初手と同様、印鑑をピックします。青マナと白マナを供給してくれるので、私のデッキにピッタリです。《玄武岩のモノリス》か《知識の渇望》が返ってきてくれるとありがたいですね。
2手目
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このパックは極めて難しいです。マナサポートである《蒸気孔》かさらなるカウンターである《マナ漏出》か、はたまたデッキ内のキーカードを探す手助けになる《思案》かという3択から選ばなければなりません。《マナ漏出》は《ディミーアの印鑑》《アゾリウスの印鑑》から打てるのが良いですが、自分のデッキがコンボデッキということを考えるとあまり大量のカウンター呪文を入れたくはないので、《修繕》を探せる《思案》をピックすることにしましょう。
3手目
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不幸にもこのピックの間はネット回線が切断されており、ランダムピックでMagic Onlineが《感動的な眺望所》を選んでくれました。赤と白はどちらも使用していることを考えると別に悪くないピックですが、もし正常にピックできていたら《感動的な眺望所》よりも《トレイリアのアカデミー》か《隔離するタイタン》をピックしただろうと思います。
4手目
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この手順も引き続きネット回線が切れていましたが、フェッチをとれていないので《渦まく知識》がうまく使えないことを考えると、大した損失ではないでしょう。ランダムピックはおよそ使う余地のない《ウーナのうろつく者》で、もし正常にピックできていたとしたら《解呪》をピックしたでしょうね。
5手目
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ここでネット回線が復帰し、《Mana Drain》と最高の相性を誇る《精霊龍、ウギン》を急いでピックすることができました。
6手目
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7手目
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《精神隷属器》以上のカードは見当たりませんね。《修繕》、《Mana Drain》、《屑鉄の学者、ダレッティ》と揃っており、受け入れ態勢は万全です。待ちわびた瞬間がやってきました。
8手目
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9手目
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キューブではどんなデッキにもアーティファクトが入っているので、毎ターンMoxenや印鑑を相手のデッキから奪い去ることができます。伝説のクリーチャーなので《カラカス》で守ることもできますね。
10手目
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11手目
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12手目
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13手目
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14手目
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15手目
デッキリストと結果
Round | Opp | Result |
Round 1 | ナヤ・ランプ | 2-0 |
Round 2 | エスパー・コントロール | 2-0 |
Round 3 | 緑単ランプ | 2-1 |
読んでくれてありがとうございます。
Jeremy DEZANI
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