津村健志オススメの『破滅の刻』注目カード20選

津村 健志

 こんにちは!

 いよいよ新セット、『破滅の刻』の発売が目前となってまいりました。

 このセットで最も大きな注目を集めているのは、久々に《ニコル・ボーラス》が収録されたことではないかと思いますが、何を隠そう僕はグリクシス (青黒赤) と《ニコル・ボーラス》の大ファンで、過去にはこんなデッキでグランプリに参戦した経験もあります。


津村 健志「グリクシスコントロール」 (エクステンデッド)
グランプリ・横浜2010(64位)

4 《沼》
3 《島》
1 《山》
2 《血の墓所》
1 《湿った墓》
1 《蒸気孔》
4 《沸騰する小湖》
4 《沈んだ廃墟》
3 《滝の断崖》

-土地 (23)-


-クリーチャー (0)-
4 《燻し》
4 《差し戻し》
3 《撤廃》
3 《知識の渇望》
1 《強迫的な研究》
4 《滅び》
3 《残酷な根本原理》
3 《魂の裏切りの夜》
3 《金属モックス》
4 《ディミーアの印鑑》
3 《精神を刻む者、ジェイス》
1 《ソリン・マルコフ》
1 《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》

-呪文 (37)-
4 《思考囲い》
4 《否認》
4 《虚空の力線》
3 《大祖始の遺産》

-サイドボード (15)-
hareruya

 改めて見直してみるとOh……Crazy……なリストとしか言えませんが、とにもかくにもそれくらいこのカラーリングが好きなんです。

 今セットは『破滅の刻』と銘打っているだけあって、大量の全体除去呪文に頼りになるフィニッシャーと、コントロールデッキが復権できそうな要素が盛りだくさんなので、僕のようにグリクシスカラーやコントロールデッキが好きな方にはたまらないセットとなっております。

 スタンダードだけでなく、リミテッドも環境が変わって少し遅くなったように感じるので、これまでは成立しづらかった遅いデッキが活躍できそうです。

 今月末には今シーズン最後のプロツアーが控えているので、構築もリミテッドも張り切って練習していきたいと思います!

 それでは、『破滅の刻』20選をご覧ください。

(※各カードは順位ではなく、カード番号順に並んでおります)

1.《典雅な襲撃者》

典雅な襲撃者

 2マナの二段攻撃持ちは夢のかたまり。今のスタンダードには《気宇壮大》《暴力の激励》が入った「赤緑エネルギー」という《典雅な襲撃者》におあつらえ向きなデッキが存在していますし、《霊気との調和》《導路の召使い》とマナ基盤も色を足すに十分。

気宇壮大暴力の激励

 既存の「赤緑」、「ティムール (赤緑青)」に続く新たな「エネルギーアグロ」の登場に期待です!

2.《啓示の刻》

啓示の刻

 直近のスタンダード環境で徐々に存在感の増していた古典的な青白コントロール《啓示の刻》はそれにうってつけの1枚に見えるものの、《停滞の罠》《排斥》との併用が難しいため、既存のデッキリストにそのまま採用!というわけにはいきません。

停滞の罠排斥

 とは言え、除去呪文を《鑽火の輝き》《神聖な協力》にすれば無理なく採用できるでしょうし、「クリーチャー」や「プレインズウォーカー」、さらには「機体」をも一度に対処できるのはこのカードならではの魅力です。

 また、後述の《破滅の刻》とは違い「破壊不能」なカードが残る点を利用して、《周到の神ケフネト》をフィニッシャーにしたりしても面白いかもしれませんね。

3.《厳粛》

厳粛

 《ファイレクシアの非生》《Glacial Chasm》で不死身になったり、《暗黒の深部》から一瞬で《マリット・レイジトークン》誕生したりと、たくさんの使い道が考えられる《厳粛》

ファイレクシアの非生Glacial Chasm暗黒の深部
 レガシーの「土地単」にぜひとも組み込んでみたい逸材ですが、上記コンボ以外にも純粋な対策カードとしても優秀です。

虚空の杯霊気の薬瓶献身のドルイド
歩行バリスタ鋼の監視者電結の荒廃者

 なんとたった1枚でこれだけのカードを封殺してくれちゃうんです!適当に調べただけなのでまだまだ対策できるカードはあるでしょうし、コンボカードと対策カードの両面で期待がかかる1枚。

4.《結束に仕える者》

結束に仕える者

 またまた登場した無限コンボの一翼。コンボの仕組みはいたって簡単で、《侵入警報》がある状態で《結束に仕える者》の能力を起動するだけです。

侵入警報

 その際に《魂の管理人》がいれば無限ライフに、《極楽鳥》などのマナクリーチャーがいれば無限マナになりますが、残念ながらトークンに速攻はないので、勝ち手段は別途必要になります。

群の祭壇集団恐慌爆破基地

 直近の《守護フェリダー》《サヒーリ・ライ》《献身のドルイド》《療治の侍臣》ともにモダンで活躍していることを考慮すると、このコンボもしっかりとした構成ができあがれば新デッキとして地位を確立できるのではないでしょうか。

5.《機知の勇者》

機知の勇者

 あるときは《老いたる深海鬼》の「現出」のタネとして、またあるときは手札にきてしまった《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を墓地に送り込む手段として、スタンダードに新たな風を送り込んでくれそうな《機知の勇者》

老いたる深海鬼絶え間ない飢餓、ウラモグ

 これまで《絶え間ない飢餓、ウラモグ》《死の権威、リリアナ》《末永く》で釣り上げるデッキは《霊気池の驚異》の下位互換という立ち位置でしたが、幸か不幸か《霊気池の驚異》はスタンダードを去ってしまいましたし、《機知の勇者》《巧みな軍略》の登場はリアニメイト好きな方にとってこれ以上ない朗報と言えそうです。

墓場からの復活死の権威、リリアナ末永く

 今こそ墓地からデカブツを釣り上げるとき!Let’s 《Reanimate》

6.《至高の意志》

至高の意志

 便利 of 便利。《粉骨+砕身》とは一体なんだったのか……。

7.《選定の侍臣》

選定の侍臣

 《選定の司祭》《陽光鞭の勇者》でライフを、《機知の勇者》でドローを、《賞罰の天使》で除去をといった具合に、思いのほか汎用性が高い1枚。《名誉あるハイドラ》を探してきてサクッとゲームを終わらせてもいいですが、《多面相の侍臣》をサーチ→《選定の侍臣》をコピーという動きを繰り返せば幸せな気持ちになること請け合いです。

多面相の侍臣

8.《リリアナの敗北》

リリアナの敗北

 『破滅の刻』の色対策カードはどれも優秀ですが、その中でも《リリアナの敗北》はスタンダードのみならずモダンでも大活躍間違いなしの1枚。

死の影残忍な剥ぎ取りグルマグのアンコウ
ヴェールのリリアナ最後の望み、リリアナ

 これらのカードにわずか1マナで対処でき、なおかつモダンならば3点のおまけが響いてくる展開も多いはず。今セットにおけるモダンの注目株その1。

9.《霰炎の責め苦》

霰炎の責め苦

 対戦相手がライフを支払うと効果を発揮しないカードを「懲罰者カード」と呼ぶそうですが、これらのカードがトーナメントシーンで活躍したことは稀でした。

苛立たしい小悪魔怒鳴りつけ

 そのため、今回のシリーズにもあまり大きな期待はしていなかったんですが、このカードはすごい、本当にすごいんです。リミテッドでこちらのライフが25点の状態でキャストされて一瞬で投了した、と言えば少しはその威力が伝わるかもしれませんが、X=1につき3点はあまりにもスケールが大きすぎます。

 リミテッドでは《スカラベの責め苦》も相当に強く感じたので、対戦相手のデッキにこれらのカードが含まれている場合には余計な土地をセットしてしまわないように注意しましょう。

10.《削剥》

削剥

 今のスタンダードで大きな話題を集めているデッキが、《オケチラの碑》を軸にした「白単」や「白青」の「《碑/Monument》」デッキです。


Todd Anderson「白青モニュメント」
StarCityGames.com Invitational Roanoke(4位)

8 《平地》
3 《島》
4 《大草原の川》
3 《灌漑農地》
4 《港町》
3 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地 (25)-

4 《スレイベンの検査官》
4 《無私の霊魂》
4 《ハンウィアーの民兵隊長》
4 《往時の主教》
4 《呪文捕らえ》
4 《雲先案内人》

-クリーチャー (24)-
2 《金属の叱責》
3 《黄昏+払暁》
2 《停滞の罠》
4 《オケチラの碑》

-呪文 (11)-
3 《本質の散乱》
3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
2 《賞罰の天使》
2 《断片化》
2 《石の宣告》
1 《払拭》
1 《金属の叱責》
1 《黄昏+払暁》

-サイドボード (15)-
hareruya

 このデッキが爆発的に数を増やすにつれ、メインボードから《造反者の解放》を採用しているデッキも散見されるようになってきましたが、《削剥》はこの手のデッキに対して堅実な仕事をしてくれる1枚。

 《オケチラの碑》だけでなく、《ハンウィアーの民兵隊長》《呪文捕らえ》をも効率的に対処できますし、その他のデッキに対しても《巻きつき蛇》《不屈の追跡者》といった軽量クリーチャーから、《新緑の機械巨人》《奔流の機械巨人》といった重量級のアーティファクト・クリーチャーまで、幅広いカードに対応できる万能除去。

11.《地揺すりのケンラ》

地揺すりのケンラ

 プレビュー放送で井川 (良彦) さんが挙げて評価が分かれた1枚。

 個人的に最初は懐疑的だったものの、普通にプレイした際にも「永遠」の際にもプレッシャーが大きいので、構築でも十分に通用するスペックだと思います。

12.《破滅の刻》

破滅の刻

 スタンダードに革命をもたらすであろう1枚。現在のスタンダードはクリーチャーとプレインズウォーカーで溢れかえっていますが、《破滅の刻》の登場によりそれがどのように変化するのか。

 《大天使アヴァシン》すらも無効化するやんちゃっぷりには世界中のコントロールフリークが大歓喜。

13.《ラムナプの採掘者》

ラムナプの採掘者

 最近大会がないときはレガシーで遊んでいることが多いんですが、その際に出会ったデッキのひとつが《世界のるつぼ》の入った「スタックス」です。


CharlieintheMox「スタックス」
レガシーリーグ(5-0)

4 《変わり谷》
4 《ミシュラの工廠》
4 《不毛の大地》
3 《リシャーダの港》
2 《絡みつく砂丘》
1 《発明博覧会》
4 《古えの墳墓》
4 《裏切り者の都》

-土地 (26)-

4 《磁石のゴーレム》

-クリーチャー (4)-
4 《虚空の杯》
3 《モックス・ダイアモンド》
4 《漸増爆弾》
4 《抵抗の宝球》
4 《世界のるつぼ》
4 《からみつく鉄線》
3 《罠の橋》
4 《煙突》

-呪文 (30)-
4 《ファイレクシアの破棄者》
3 《搭載歩行機械》
2 《呪文滑り》
2 《難題の予見者》
2 《Zuran Orb》
1 《剃刀毛のマスティコア》
1 《罠の橋》

-サイドボード (15)-
hareruya

 このデッキにおける《世界のるつぼ》は、《不毛の大地》や「ミシュラランド」、さらには《裏切り者の都》を使い回せる唯一無二の存在でした。それがこれからは最大で8枚採用できるということで、デッキの安定性向上に繋がるのではないかと期待しております。もちろんクリーチャーであること、色付きであることによるデメリットもありますが、それはアーティファクト破壊カードで対処されないというメリットにもなりえます。

 スタンダードでも《進化する未開地》、各種《砂漠》《荒廃した湿原》などと組み合わせると多大なアドバンテージを獲得できるので、土地を使ってがちゃがちゃしたいプレイヤーはぜひスタンダードでもチャレンジしてみてください。

14.《約束の刻》

約束の刻
 この手のカードにしては珍しく、特殊地形もサーチできるマナ加速呪文。《見捨てられた神々の神殿》×2で《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を高速でキャストするのが王道になりそうですが、《ウェストヴェイルの修道院》なんかを忍ばせておくと2枚目以降も無駄なく運用できそうです。

15.《蝗の神》

蝗の神

 世間では《スカラベの神》の評価が高いようですが、個人的なお勧めは《蝗の神》です。基本的にはスタンダードにおける長期戦の切り札としてお世話になりそうですが、モダンやその他のフォーマットでは色々なコンボが狙えてしまいます。

唯々+諾々恐るべき下層流

 《蝗の神》とこれらのカードと組み合わせると、望む数の蝗を生み出してそのまま殴り勝てちゃうんです!こんなに大量のカードを引いて即座に勝ってしまうのはもったいない気もしますが、最近Magic Onlineで始まった1v1 Commanderなどでぜひともお試しください。

16.《王神、ニコル・ボーラス》

王神、ニコル・ボーラス

 全世界待望の《王神、ニコル・ボーラス》さんのお出ましです。Magic Story -未踏世界の物語-上では「ゲートウォッチ」たちを全滅させてしまいそうな勢いですが、スタンダード、リミテッドでもその力は圧倒的。

 「黒赤タッチ青」、「青赤タッチ黒」、「緑多色」などなど、構築の幅が広いだけに正解を導き出すのが難しいですが、せっかくなので《ニコル》と相性抜群の《破滅の刻》を大量に詰め込んでじっくりコントロールしたいところ。

17.《立身+出世》

立身+出世

 モダンの注目株その2。こちらは各種《死の影》デッキでの活躍が見込まれます。これまで《死の影》デッキの突然死と言えば《ティムールの激闘》くらいのものでしたが、これからは戦場にクリーチャーがいない状態からの突然死もありえます。

 表→裏の動きでお手軽に2桁ダメージをたたき込めるので、今後はこれまで以上に対峙する際の難易度があがることでしょう。

18.《悪戦+苦闘》

悪戦+苦闘

 原根 (健太) 君が放送でべた褒めしていた一品。スタンダードの「ゾンビ」のように数で押すデッキで使ってもいいですし、モダンの「ドレッジ」デッキで使うのも◎。

19.《見捨てられた石棺》

見捨てられた石棺

 「サイクリングコンボデッキ」のサイドボード後の勝ち手段として使われるかもしれない1枚。


andreas_qri「サイクリングコンボデッキ」
スタンダードリーグ(5-0)

5 《森》
1 《島》
1 《平地》
1 《沼》
4 《まばらな木立ち》
4 《隠れた茂み》
4 《灌漑農地》
1 《異臭の池》
2 《要塞化した村》

-土地 (23)-

4 《砂時計の侍臣》
4 《シェフェトのオオトカゲ》
1 《終止符のスフィンクス》

-クリーチャー (9)-
4 《ウルヴェンワルド横断》
4 《花粉のもや》
4 《新たな信仰》
4 《葬送の影》
1 《副陽の接近》
3 《楽園の贈り物》
4 《排斥》
4 《新たな視点》

-呪文 (28)-
4 《ドレイクの安息地》
3 《否認》
2 《賞罰の天使》
2 《払拭》
2 《造反者の解放》
2 《燻蒸》

-サイドボード (15)-
hareruya

 このデッキは《失われた遺産》《新たな視点》を抜かれてしまうとデッキのテーマそのものが木っ端みじんにされてしまうのが欠点なので、サイドボード後には《ドレイクの安息地》などで勝ち筋を増量&分散して対抗するのが一般的でした。

 《ドレイクの安息地》と比較すると、《見捨てられた石棺》はアーティファクトなので《失われた遺産》されないのが強みですね。「サイクリング」をクリーチャー中心にしたりといったマイナーチェンジは必要でしょうが、追加の勝ち手段としては悪くないと思います。

20.《ラムナプの遺跡》

ラムナプの遺跡

 ただの土地とは思えぬ大量のダメージが期待できる特殊地形。ここ最近で密かに話題になっている「赤単エルドラージ」系のデッキには間違いなく採用されるでしょうし、それ以外の普通の赤いビートダウンデッキでもお呼びがかかるであろう性能の持ち主。


nasilemak「赤単エルドラージ」
スタンダードリーグ(5-0)

14 《山》
4 《ハンウィアーの要塞》
4 《霊気拠点》
3 《崩壊する痕跡》
1 《海門の残骸》

-土地 (26)-

4 《ハンウィアー守備隊》
4 《作り変えるもの》
4 《難題の予見者》
4 《栄光をもたらすもの》
3 《現実を砕くもの》

-クリーチャー (19)-
2 《マグマのしぶき》
4 《焼夷流》
4 《蓄霊稲妻》
1 《焼けつく双陽》
4 《反逆の先導者、チャンドラ》

-呪文 (15)-
2 《ギラプールの希望》
2 《エルドラージの寸借者》
2 《アクームの火の鳥》
2 《マグマのしぶき》
2 《グレムリン解放》
2 《焼けつく双陽》
1 《力ずく》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》
1 《炎呼び、チャンドラ》

-サイドボード (15)-
hareruya

おまけ・『破滅の刻』注目度トップ5

1位: 《王神、ニコル・ボーラス》

2位: 《破滅の刻》

3位: 《厳粛》

4位: 《機知の勇者》

5位: 《蝗の神》

王神、ニコル・ボーラス

 1位はもちろん《王神、ニコル・ボーラス》《嫁》亡き今、《破滅の刻》と合わせてむちゃくちゃするしかありません。

 《厳粛》はぜひともレガシーで使ってみたいので高めにしてみました。《機知の勇者》はリミテッドでの使い勝手が良かったので、きっと構築でもやってくれるだろうという期待を込めてのチョイス。

 5位の《蝗の神》は、まだ過小評価されているに違いないと信じて。きっとプロツアーでヤソ (八十岡 翔太) さんが三神を引き連れてトロフィーをかっさらってくれるはず……(?)

おわりに

 『破滅の刻』の20選は以上です。

 実はもうすでにMagic Onlineでは『破滅の刻』がリリースされているので、現実世界の発売が待ちきれない!という方はぜひMagic Onlineでも遊んでみてください。

 それでは、また次回の連載で!

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