By Kazuki Watanabe
先日、Hareruya Hopesに新たなプレイヤーが加入した。
その中の1人、イパン・アジズ・リーファト/Ipank Aziz Riphatがこのプロツアー『破滅の刻』に参戦している。
インタビューを申込んだところ「もちろん喜んで! アジズと呼んでくれ」と快諾をいただいた。筆者自身、彼については知らないことが多い。早速始めよう!
Hareruya Hopes、アジズにインタビュー!
--「ようこそ日本へ、と言いたいところだけど、1週間ぶりだね」
アジズ「そうだね。日本は本当に過ごしやすい国だよ。蒸し暑さだけが、少し気になるけれどね」
--「2週連続の京都だけど、日本で過ごしていたわけじゃなかったんだよね?」
アジズ「そうなんだよ。少し慌ただしかった。先週末のグランプリ・京都2017が終わって、一度インドネシアに帰国したんだ。仕事をこなさなければならなかったからね。そして、水曜日にまた日本へ戻ってきたんだよ」
--「それは大変だね……世界を飛び回って大会に出ているけれど、旅をしながらマジックを楽しむ秘訣があったら教えて貰える?」
アジズ「これと言って秘訣はないんだ。マジックをプレイするだけでも楽しいからね。ただ、その楽しさを倍増させてくれるのが、友達が世界中にいるということだ。マジックを通して、あらゆる場所に友達ができた。海外の大会に行けば、彼らに会うことができる。そう考えるだけで、疲れは和らぐよ」
アジズが語る「2つの勝利の秘訣」
--「なるほどね。では、今度は楽しむためでなく、勝つための”秘訣”を教えて欲しい。RPTQを突破してこのプロツアーに参加しているわけだけど、勝利のための秘訣はあるかい?」
アジズ「そうだな……僕が常に意識している2つの”秘訣”がある。まず1つは、プレイする前の段階だ。それは、メタを読むことだね。たとえば、今回は『赤単とゾンビを使うプレイヤーが多いはずだ』と読んで、この2つに有利なデッキを構築してきたんだ。メタゲームブレイクダウンを見る限り、この読みは正しかったようだね」
--「そうだね。君の予想どおり、その2つのデッキがトップメタだった」
アジズ「これもマジックのおもしろさだ。対戦の前から、勝負は始まっている。出場者の中で有利なデッキを持ち込めば、皆より少し近い距離から勝利に向かえるわけだからね」
--「そのとおりだね。では、もう1つは?」
アジズ「常に落ち着いていること。どんなときでも荒れることなく、心に波風を立てないことだ」
--「なるほど。どれだけ危険な場面でも、落ち着いてプレイすることか」
アジズ「ただ、これはプレイ中の話だけではないんだ。先ほど言った、メタを読む段階でも冷静でいなければならない。『これが強いに違いない!』と思って考えることを辞めてしまってはダメだ。常に冷静に、世界中のゲームを分析して、周囲の一歩二歩先を読まないとね」
麦わらの男、アジズ
--「なるほど、ありがとう。では、最後に一つだけ。君の帽子は”あの海賊”が被っているものだよね?」
アジズ「そうだよ! “MUGIWARA”さ。『ONE PIECE』は妻も子供も、大好きでね。ルフィは僕にとって憧れでもあるんだ。常に楽しみながら自分の意志を貫いていて、冷静でありながら、ここぞという時に怒りや強さを見せる。最高の手本だよ」
--「彼はインドネシアでも人気なんだね。……けど、君は海賊(pirates)になりたいわけじゃないよね?」
アジズ「もちろんさ! おなじPとTが付くなら、Piratesじゃなくて、Pro Tour champ(プロツアー優勝)が良いかな」
--「そして、Platinum Level(プラチナレベル)になるわけだ」
アジズ「そうか! そっちもPとTが付くね!」
2人で笑いながら握手を交わす。このインタビューをきっかけに、彼の”世界中にいる友だち”の1人になれたことを願おう。