4回戦を終えて全勝のプレイヤーは8名。この8名にとっては、続く2ラウンドをストレートで2-0できれば権利獲得はほぼ安泰といったところになる。
そんなラインで戦うのは櫻井 祐太と山田 裕樹。山田のデッキは最近モダンで勢力を伸ばしてきた青白赤の「《聖トラフトの霊》コントロール」で、3マナ域が《聖トラフトの霊》と《呪文捕らえ》の2択になっておりドロー次第で攻めと守りの展開が変わるのが特徴的だが、山田は《聖トラフトの霊》を4枚に《修復の天使》まで搭載しており、かなり《聖トラフトの霊》に寄せた構築となっている。
一方櫻井が駆るのはモダンでは少しマイナーな部類に属する「緑白タッチ赤の《異界の進化》デッキ」。フルFoil＋基本地形はグルランドで、デッキの愛用ぶりが窺える。
Game 1
先手の山田がマリガンから《乾燥台地》でターンを返すと、対して櫻井は《極楽鳥》。さらに山田が《神聖なる泉》タップインでターンを返したのを見るや、《復活の声》を送り出す。
青いデッキの天敵とも言えるこのカード。《流刑への道》を引けておらず、《呪文捕らえ》を生かせればという手札だった山田はやむをえず《献身のドルイド》の返しでフルタップで《聖トラフトの霊》を送り出す。
が、帰す櫻井のアクションは《異界の進化》で《復活の声》を生け贄にして《月の大魔術師》を呼び出しつつ、さらに「紛争」を達成した《改革派の結集者》で《復活の声》を戦場に戻すパーフェクトムーブ。
《山》に塗り替わった3枚の特殊地形とは対照的に青いカードばかりの手札で返し手のない山田にできるのは、「負けました」と宣言してカードを片付けることくらいだった。
櫻井 1-0 山田
Game 2
今度は櫻井がマリガン。《貴族の教主》スタートは《稲妻のらせん》で落ち着かせ、続く《極楽鳥》は無視して3マナ立ててターンを返すと、《復活の声》をきっちり《呪文捕らえ》する立ち上がり。
さらに続けて2体目の《復活の声》も《呪文捕らえ》し、妨害とクロック設置をひと呼吸で完遂。飛行4点クロックで攻め立てる。
山田 裕樹
《呪文捕らえ》さえ除去できれば天秤は一気に傾くのだが、《異界の進化》デッキである関係上単体除去の少ない櫻井はこの4点クロックを止める手段を持たない。さらに土地が2枚で詰まっているところに《極楽鳥》を《稲妻》で焼かれ、思うように行動できない。
次のターンの《献身のドルイド》こそ着地の許可を得るものの、《血染めの月》をプレイしたところでスタックで《瞬唱の魔道士》から《稲妻》を本体に打ち込まれ、6点クロックを前にマナクリーチャーしかいない盤面では残りライフが持たない櫻井はカードを畳むしかなかった。
櫻井「《呪文捕らえ》が強いなー……」
櫻井 1-1 山田
Game 3
1マナクリーチャーはなく2ターン目《復活の声》という立ち上がりの櫻井に対して山田は返しで《流刑への道》を打ち込むが、トークンが出てしまうためメインで撃たざるをえず、櫻井は先手3ターン目にしてオープンな4マナ目を確保する。
しかし4マナからの櫻井のアクションは《貴族の教主》からの《歩行バリスタ》と弱めで、これを見て山田は強気に《聖トラフトの霊》を送り出す。土地も《島》《島》《平地》で、《月の大魔術師》はしっかりとケアしている。
これに対して櫻井は《台所の嫌がらせ屋》をブロッカーとして立たせるが、山田は《瞬唱の魔道士》から《流刑への道》「フラッシュバック」でブロッカーを排除すると、《聖トラフトの霊》の進軍をスタートさせ、櫻井のライフを13点まで落とし込む。
櫻井 祐太
続くターンに櫻井は《土覆いのシャーマン》から《月の大魔術師》で相打ち用のブロッカーを並べるが、返しで山田は《天使の粛清》と《稲妻》で両方排除し《聖トラフトの霊》で2度目の進軍。《瞬唱の魔道士》は《歩行バリスタ》で処理するが、櫻井の残りライフは7点。
それでも山田のマナがない隙に何もない《修復の天使》を着地させ、山田の進軍を一旦は押しとどめることに成功する。さらに1ターンをおいて山田が《血清の幻視》で上に積んだ《流刑への道》を《修復の天使》に打ち込むと、フェッチランドでダメージを受けながらもスタックで「X＝5」の《召喚の調べ》をプレイ。《悪斬の天使》を着地させる。
続く《血染めの月》こそ《呪文捕らえ》で追放されるが、《貴族の教主》の「賛美」と合わせて6点ゲインと8点とのダメージレースなら先に殴り勝てる。そう考えた櫻井はゲームを決着する《悪斬の天使》でアタックし、ライフを10点まで引き戻す。
ここで返す山田は《血清の幻視》で上に積んでいた2枚目のカードを引き込むと、《聖トラフトの霊》のみでのアタックに留めて櫻井のライフを4点とし、《呪文捕らえ》をブロッカーに立たせる一見不自然な動き。しかしその違和感を杞憂だと割り切ったか、櫻井は少考ののちに再び《悪斬の天使》をレッドゾーンへと向かわせる。
だが、これを《呪文捕らえ》でブロックした山田は解決前に《修復の天使》をプレイ！絆魂によるライフ回復を防ぎつつ、《聖トラフトの霊》《呪文捕らえ》《修復の天使》という致命のアタッカーを確保する。
やむなく第2メインの《異界の進化》で《悪斬の天使》を生け贄に捧げて《賞罰の天使》をサーチし《修復の天使》を追放する櫻井だったが、既に天使・トークンをチャンプブロックせざるをえない状況。「不朽」で粘るも2度のアタックを受け、ついに櫻井は右手を差し出したのだった。
櫻井 1-2 山田
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