By Hiroshi Okubo
齋藤 智也(5C人間) vs. イイジマ シン(バーン)
先攻の齋藤が「5C人間」の圧倒的な展開力を見せつけてイイジマを屠ると、第2ゲームではイイジマ操る「バーン」が驚異的な速度でライフを削り去る。互いに過激な自己紹介を終え、運命の第3ゲームが開始された。
先攻の齋藤が土地を置くのみでターンを終えたのに対し、イイジマは《ゴブリンの先達》から動き出す――バーンデッキの好スタートだ。だが、返す齋藤は2枚の土地をタップし、《スレイベンの守護者、サリア》を力強くプレイ!
思わず呻くイイジマ。《ゴブリンの先達》が止まってしまったことももちろんだが、その手札には2枚目の土地がなかったのだ。手札には《稲妻》が2枚控えていたものの、それをプレイすることは叶わない。イイジマが身動きを取れずにいる間に、齋藤は《教区の勇者》、《帆凧の掠め盗り》、《配分の領事、カンバール》と次々にクリーチャーを展開していく。
何とか「待機」していた《裂け目の稲妻》で《スレイベンの守護者、サリア》を除去し、《配分の領事、カンバール》に《稲妻》を打ち込むイイジマだったが、もはや並の火力呪文では対処できないサイズまで膨れ上がった《教区の勇者》を前にイイジマは膝を屈するのだった。
齋藤 2-1 イイジマ
渡邉 真木(リビングエンド) vs. 平戸 奥義(ジェスカイ)
平戸にゲームロスの裁定が出されており、このマッチはサイドボードなしの2ゲーム目から開始された。さらに泣き面に蜂とばかりに平戸はダブルマリガン。さすがに険しい表情を浮かべる。
だが、不運にも負けず平戸は第2ターンに《地揺すりのケンラ》をプレイして果敢にクロックを刻み始める。渡邉は淡々と「サイクリング」をし続けるのだが、《地揺すりのケンラ》の猛攻を受けていることもあり《通りの悪霊》「サイクリング」によるペイライフが痛い。
一度は《死せる生》をプレイして劣勢を取り戻した渡邊だったが、平戸が《稲妻の天使》と《カマキリの乗り手》をプレイしてなおもライフを詰めてくると渡邊のライフは露と消えることとなった。
気を取り直して第3ゲームを開始すると、今度は第2ゲームの果敢な攻めが嘘のように平戸が沈黙を続ける。その間に渡邉は《大爆発の魔道士》をプレイしてクロックを刻み、合間に「サイクリング」をしながら《死せる生》を「待機」。着々と仕込みを進めていく。
平戸も見えている驚異――「待機」中の《死せる生》を見つめながら、あえて手札を使わずにディスカードステップにカードを捨てるという方策を取り始める。墓地に溜まっていく《カマキリの乗り手》たち。これならば《死せる生》解決後に逆転の芽が残るはずだ。
……そう、そのはずだった。だが、渡邉は平戸のその目論見に対する解決策も持っていた。手札からディスカードされる《フェアリーの忌み者》。これが平戸の《カマキリの乗り手》たちを追放し、やがて《死せる生》がプレイされる。
平戸も《呪文捕らえ》で一度はこの《死せる生》を追放するのだが、渡邉はさらにこの《呪文捕らえ》に《叫び大口》。万策尽きた平戸は《死せる生》の解決を見届け、静かにカードを片付け始めるのだった。
渡邉 2-1 平戸
松田 芳朗(バーン) vs. 篠原 厳(4Cグッドスタッフ)
こちらでも篠原にゲームロスの裁定が出されており、マッチは第2ゲームから開始された。篠原にとってはよりによって松田相手に――もとい、「4Cグッドスタッフ」が苦手としている「バーン」相手にゲームロスからスタートするのは非常に厳しい展開だ。
篠原が土地を置くのみでターンを終えるのに対し、松田は《ゴブリンの先達》、《僧院の速槍》で序盤から容赦なく責め立てる。《僧院の速槍》こそ《致命的な一押し》で処理することに成功するも、序盤からライフレースで大きくリードを取られる形となった。
だが、ここから篠原の反撃が始まる。まずは《集団的蛮行》で《ゴブリンの先達》を処理し、《隆盛+下落》で松田の手札を2枚奪う。一気にガス欠に陥った松田に対し、《不屈の追跡者》を突き付けていく。
松田は火力呪文を投げつけながら《大歓楽の幻霊》で応戦するが、篠原は7/6まで育て上げた《不屈の追跡者》の隣に《グルマグのアンコウ》を添える。勝負あったか。完全に地上が止まってしまった様子を見て、誰もがそう思った。
しかし、序盤についたライフの差がゲームの明暗を分けることとなる。篠原の猛攻に耐えながらも火力呪文で篠原を焼き切り、松田が準決勝へと駒を進めることになった。
松田 2-0 篠原