初日全勝者インタビュー: 副島 優一 -楽しむことが、マジックの基本-

晴れる屋

By Kazuki Watanabe

 朝から熱戦が続いたThe Last Sun 2017。初日の8回戦が無事に終了した。

 スタンダード4回戦、レガシー4回戦という混合フォーマット。さらに、レベルプロや古豪が集う厳しいトーナメントとなったが、見事に全勝で終えたプレイヤーが居た。

副島 優一1

 副島 優一。

 一度の敗北も喫することなく初日の8ラウンドを終えた副島に話を伺ってみよう。

友人と共に勝ち取った全勝

――「初日全勝、おめでとうございます」

副島「ありがとうございます。少し驚いてます」

――「デッキに関する詳しいお話は明日もあるので控えておきますが、普段はどのフォーマットをメインにプレイしているのですか?」

副島「普段はモダンとレガシーがメインですね。スタンダードは神挑戦者決定戦などのイベントに合わせる、という形です」

――「なるほど。普段プレイしていないスタンダードの準備はかなり大変だったのでは?」

副島「そこは友人に助けて貰いました。デッキは宇都宮 巧さんの75枚とまったく同じなんです」

――「そうだったんですね。宇都宮さんと言えば、昨日開催された『ぷち・らすとさん』で優勝されてましたし、去年のThe Last Sun 2016でトップ8にも入賞をしていた実力者ですよね」

副島「そうですね。The Last Sunに出場したい! と思ったのも彼が活躍している姿を見たからなんです。『自分も出てみたい』と思って、予選突破を目指しました。スタンダードに関しては彼にデッキレシピと、デッキの回し方、そして主要なデッキとのマッチアップに関するアドバイスなどを貰って、これが見事に効いた、という状態です」

――「なるほど。今日はどのようなデッキと対戦したのですか?」

副島「赤単に2回、あとはティムールと4Cエネルギーでした。現在のスタンダードを代表するデッキばかりなので、彼に貰ったアドバイスが完璧に効きました。宇都宮さんもスタンダード全勝だったので、デッキが強かったんですよね。全勝できたのは、とにかく彼のお陰です

レガシーではいい流れに乗れた

――「では残りの4ラウンド、レガシーについてはいかがでしたか?」

副島「かなり運が良かった、と思っています。デッキも上手く回ってくれたし、それから当たり運も良かったですね。苦手な《秘密を掘り下げる者》を使用するデッキに当たらなかったんですよ。グリクシスデルバーをメインで使っている人とスタンダードラウンドで当たって、『レガシーだったら負けてたかもな』という場面もありました」

秘密を掘り下げる者

――「混合フォーマットならでは、ですね」

副島「そうですね。いい流れに乗れたと思っています」

混合フォーマットの楽しさ

――「改めて、スタンダードとレガシーの混合フォーマットについてお伺いしたいのですが、実際に参加してみていかがでしたか?」

副島 優一3

副島想像以上に楽しかったですね。スタンダードのデッキは第10期スタンダード神挑戦者決定戦と同じなのですが、自分に合っていて、単純に使っていて楽しいんです。そしてレガシーは普段から楽しんでいるフォーマットですからね。楽しいデッキと楽しいフォーマットを一日で満喫できました

――「なるほど。スタンダードとレガシーは大きく異なったフォーマットなので、なおさらかもしれませんね」

副島「そうですね。スタンダードは膠着した場面でじわじわとアドバンテージを奪っていく難しさと楽しさがありますし、逆にレガシーは膠着した場面があまりないですよね。派手に突破する手段がありますから」

――「そういった違いも、一日で楽しめたわけですね」

副島「楽しかったです。『デッキのスペシャリスト』が何人もいるのがレガシーの特徴だと思うのですが、そういった人たちとも対戦できましたから」

楽しむことが、マジックの基本

――「その楽しい戦いが明日もまだまだ続きます。最後に明日に向けた意気込みをお聞かせください」

副島 優一2

副島「あまり欲を出すと負けそうなので……全力で楽しみたいです。楽しむことが、マジックの基本だと思うので。年に一介の貴重な機会なので、とにかく楽しみたいですね」

――「明日も6ラウンド+決勝ラウンドですから、長丁場になりますね」

副島「そうですね……あまり体力がある方ではないので、今夜はゆっくり休みます」

――「お疲れの中、ありがとうございました。明日もぜひ頑張ってください!」


 初日を全勝で終えた副島。その背景には、目標であり仲間であるかけがえのない友人の存在と、「マジックを楽しむ」という基本があった。

 長時間の戦いを終えて疲労もある中、「全力で楽しみたい」「友人のお陰」と明るい笑顔で述べる彼に改めて祝福の拍手を送り、明日への健闘を祈ることにしよう。