第8期ヴィンテージ神挑戦者決定戦、最終ラウンド。ここでフィーチャー席に呼ばれるということは、つまりバブルマッチ――トップ8進出の懸かった絶対に負けられない戦いということだ。
ここで相対する2人のプレイヤー。
【Prague Eternal】トップ16入賞、【Prague Eternal】優勝と数々の輝かしい戦績を持ち、【東京MTG】の広告塔としても活躍しているエターナル界のスター、佐渡 海(東京)。
そして【BIGMAGIC OPEN Legacy vol.1】でトップ8に入賞した経験を持ち、長くエターナルフォーマットに親しんできた古豪、松下 正和(神奈川)。
2人のエターナルプレイヤーが、神への挑戦権を手に入れるため、スイスラウンド最終決戦に臨む。勝利の女神はどちらに微笑むのか?
松下 正和(神奈川) vs. 佐渡 海(東京)
Game 1
先攻の佐渡がまずはと《暗黒の儀式》でお伺いを立てると、これが解決され黒3マナを得る。続けて《魔力の墓所》、《Mox Ruby》とプレイし《思考囲い》で手札を確認。《Wheel of Fortune》でハンドをリフレッシュし、《強迫》でさらに前方確認。
松下のクリーチャーのみの手札をしっかりとメモに残し、《魔力の櫃》と《Mox Jet》をプレイして長かった第1ターンを終了する。
返す松下は最初にキープした7枚を色マナの出ない手札に交換させられたことで、《不毛の大地》で佐渡の《Underground Sea》を壊すのみでターンを終えることとなる。
佐渡 海(東京)
佐渡「じゃあ、もう少しだけ遊びましょうか」
そう語りながらプレイしたのは《Timetwister》。再び7枚になった手札から《思考囲い》で松下の手札を再び確認。その手札に《平地》が1枚しかなく、まだ身動きが取れないことを確認するといよいよ松下の首級を上げる算段を立て始める。
ドロー、セットランド、ゴー。わずかに数秒でターンを終えた松下に対し、佐渡がプレイしたのは《修繕》!
松下「《記憶の壺》かな?」
佐渡「遊びたいのはやまやまなんだけどね……今度はコンバット遊びがしたいので」
現れたのは《荒廃鋼の巨像》。これを対処できなかった松下は佐渡のコンバット遊びを見届け、苦笑交じりにサイドボードに手をかけた。
松下 0-1 佐渡
Game 2
今度は松下の先攻。しっかりと”先攻の動き”ができるハンドをキープし、《Black Lotus》で佐渡の《意志の力》を引き出しながら《魔力の墓所》と《平地》から《異端聖戦士、サリア》を戦線に投入する。
返す佐渡は《Mox Pearl》、《水蓮の花びら》、《ギタクシア派の調査》とプレイし、《トレイリアのアカデミー》をタップインしてターンを終える。
松下は《スレイベンの守護者、サリア》をレッドゾーンに送り、《水蓮の花びら》に《断片化》。
佐渡「《水蓮の花びら》?」
松下「当然」
松下 正和(神奈川)
実質的に無色マナしか供給しない《Mox Pearl》を無視して《水蓮の花びら》を除去しにかかるが、佐渡もこれに対応して黒マナを得て《吸血の教示者》をプレイし《Ancestral Recall》を積み込み、翌ターンにプレイして手札を補充。
だが、盤面で優位に立つ松下は《異端聖戦士、サリア》で攻め立てながら《変位エルドラージ》を戦線に追加。
佐渡は《Timetwister》で盤面を処理するカードを探しに行くも、叶わず。マッチは第3ゲームへ移行した。
松下 1-1 佐渡
Game 3
先攻の佐渡は《暗黒の儀式》、《Mox Ruby》、《Mox Sapphire》と順調に「ストーム」を稼ぎ、1ターン目に《巣穴からの総出》! 8体のゴブリントークンを展開して松下に迫る。
対する松下は《魔力の墓所》を経由しつつ《異端聖戦士、サリア》。さらに第2ターンには《スレイベンの守護者、サリア》、《磁器の軍団兵》と展開し、残りライフは9まで落ち込むもなんとか佐渡のトークンの軍勢を押し返せるだけの戦力を揃える。
先制攻撃を持った壁を前に、佐渡は逡巡しつつターンを終える。松下の残りライフはわずかに9。松下自身がコントロールする《魔力の墓所》次第で押し返せるという判断だ。
松下 正和(神奈川) vs. 佐渡 海(東京)
しかし、無情にもこの後ダイスは2ターン連続で佐渡を裏切る。ライフ変動なしでターンを迎える松下は《磁器の軍団兵》と《変位エルドラージ》を攻勢に向かわせながら徐々に佐渡を追い詰めていく。
だが、トップデッキの神は佐渡を見放さなかった。引き込んだのは《毒の濁流》!
ゴブリントークンによる一斉攻撃の後にこれで盤面を一掃すると、松下のライフは2、佐渡のライフは5まで落ち込み、返す松下もまた、素早く《異端聖戦士、サリア》と《変位エルドラージ》を再展開して佐渡に最後のクロックを突き付ける。
ゲームの勝敗は松下の《魔力の墓所》に――コインフリップの代替として行われるダイスロールに委ねられることとなった。
佐渡「確率は50%だね。偶数が出ればそっちの勝ち、奇数が出れば僕の勝ち」
松下「ダイスやジャンケンで勝敗を決めちゃいけないってルールがあった気がしたけどねw」
最後にダイスロールでゲームの勝敗が決してしまうのは運命の悪戯か。ここまで佐渡を裏切り続けてきた《魔力の墓所》だったが、最後に勝利の女神はどちらに微笑むか――
ギャラリーが息を呑んで見守る中、松下が振ったダイスの目は4。
勝負の綾を引き寄せた松下がトップ8進出!
松下 2-1 佐渡
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