年明けに飛び込んできた【禁止改定という特大ニュース】。
スタンダードに関しては、《約束された終末、エムラクール》はそりゃもう強すぎましたし、 寂しいですが禁止もやむなし かなと思っています。
写真は対戦相手と《約束された終末、エムラクール》を合計で7枚引いたゲームの模様。こちらが3枚しか引けなかったので負けました。
あまりにもエムラロスの影響が大きすぎるあまり、デッキを作ろうとして 「あっ、そういえば《密輸人の回転翼機》も禁止だった」と気付くことがすでに2回 あったりもしましたが、大きな変化のあとはなおさらデッキ構築が大切になると思うので、気持ちを切り替えてがんばりたいと思います。
僕がスタンダード以上に衝撃を受けたのが、このタイミングでモダンで《ゴルガリの墓トロール》と《ギタクシア派の調査》が禁止になったことです。
前者は「発掘/ドレッジ」デッキが大活躍していたので理解できますが、【新型のSuper Crazy Zoo】が誕生して間もないところで《ギタクシア派の調査》が禁止されてしまったのが残念でなりません。
個人的に このリストはここ数年間のモダンでベストのデッキだと思っていた ので本当に残念ですが、幸いにもこの形の先駆者であるGHash77さんがすでに【《ギタクシア派の調査》のない形で5-0を記録】していらっしゃるので、「Super Crazy Zoo」好きの方はぜひご覧ください。
さて、そんなこんなで激動の幕開けとなった2017年ですが、今年も何卒よろしくお願いいたします。『霊気紛争』にはモダンやレガシーでも活躍できそうなカードが多いと感じたので、ほんの少しではありますが、今回はスタンダード以外の観点でのカード評価もお届けしたいと思います。
それでは、『霊気紛争』の20選をご覧ください。
(※各カードは順位ではなく、カード番号順に並んでおります)
■ 1.《守護フェリダー》
《守護フェリダー》+《サヒーリ・ライ》≒《詐欺師の総督》+《欠片の双子》!?
僕の記憶が確かであれば、《詐欺師の総督》と《欠片の双子》はスタンダードに登場した時点ではさほど評価が高くなかったと思います。しかし2枚コンボの恐ろしさは時間の経過とともに証明され、最終的にはスタンダード環境で、そしてモダン環境で一時代を築き上げました。
今回は最初から強く意識されている点はマイナスですが、《守護フェリダー》も《サヒーリ・ライ》も「戦場に出たとき」や「戦場を離れたとき」に誘発する能力持ちのカードと相性が良いので、《つむじ風の巨匠》や《ならず者の精製屋》と併用する《エネルギーカウンター》重視の構築から、《新緑の機械巨人》や《希望を溺れさせるもの》を使い回す力技プランまで、実に多くの可能性が考えられます。
このコンボがプロツアーを席巻する可能性も十二分にありますし、 スタンダード視点で見れば『霊気紛争』で最注目のカード だと思います。
■ 2.《上級建設官、スラム》
待望の《純鋼の聖騎士》2種類目!《純鋼の聖騎士》と言えば、大量の0マナ装備品と《撤収》を組み合わせ、十分な「ストーム」が溜まり次第《ぶどう弾》で焼き殺す【こんな形のコンボデッキ】がお馴染みです。
このデッキは最速で2ターンキルもできるほどの爆発力を兼ね備えているものの、極度に《純鋼の聖騎士》に依存しているデッキなので、安定性に難があるのが最大の欠点とされていました。
しかししかし、今後は 《上級建設官、スラム》の登場によりそれが大きく改善される見込み です!禁止カードの影響で環境は多少なりとも低速化すると予想されているため、《上級建設官、スラム》の加入した《純鋼の聖騎士》デッキが大爆発する可能性も大いにあると思います。
■ 3.《発明品の唸り》
【クソデッキの化身】がときめいたらしい逸材。凡人の僕では《睡蓮の花》を出してハッピー!くらいしか思い付けませんでしたが、まつがん (伊藤 敦) さんは一体どのようなデッキを組むのでしょうか?乞うご期待!
■ 4.《致命的な一押し》
原根 (健太) 君に「もうモダンやレガシーで《見栄え損ない》使わなくていいんですよ!」と言われて 心の底からテンションが上がった 1枚。まさか1マナで《死儀礼のシャーマン》も《タルモゴイフ》も除去できるカードが登場するなんて……スゥルタイ (青黒緑) 好きのプレイヤーにはたまらない極上の一品。
このカードの使用率が上がるようなら、相対的に《グルマグのアンコウ》や《墓忍び》の評価が上がるかもしれませんね。
■ 5.《艱苦の伝令》
新キーワード能力「即席」を持つカードの中でも、高い評価を得ている《艱苦の伝令》。相手のデッキを問わず強力な能力を持っているので、きちんとしたデッキさえ組めれば大活躍間違いなし!
今セットは 単純に強いカードよりも使い方次第で花開くタイプのカードが多いように思える ので、デッキ構築がいつも以上に重要になりそうです。
■ 6.《ヤヘンニの巧技》
クリーチャーとプレインズウォーカーを同時に対処したい。そんな願望を叶えてくれるのが《ヤヘンニの巧技》です。実に工夫しがいのある「巧技」シリーズですが、スタンダードであれば呪文を連打できる特性を生かして、ぜひとも 《電招の塔》や《機械医学的召喚》と組み合わせたい ところ!
これまではしょうもないクリーチャーを生け贄に捧げられるだけのことが多かった《餌食》も、《ヤヘンニの巧技》のおかげで再評価されるかもしれません。
■ 7.《カーリ・ゼヴの巧技》
歴代の《脅しつけ》シリーズの中でも屈指の性能を誇る1枚。普通に使っても十分に強力でしょうが、 「巧技」シリーズが注目を集めているもう1つの理由が「融合」カードとの共演 です。
2 《島》 2 《平地》 1 《沼》 2 《神聖なる泉》 1 《湿った墓》 1 《神無き祭殿》 1 《繁殖池》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 2 《忍び寄るタール坑》 1 《天界の列柱》 1 《氷河の城砦》 2 《幽霊街》 -土地 (24)- 3 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー (3)- |
4 《流刑への道》 2 《呪文嵌め》 1 《外科的摘出》 4 《唯々+諾々》 3 《剥奪》 3 《論理の結び目》 3 《時間の把握》 2 《熟慮》 1 《遠隔+不在》 1 《神聖な協力》 3 《エスパーの魔除け》 2 《至高の評決》 4 《瓶詰め脳》 -呪文 (33)- |
3 《外科的摘出》 2 《仕組まれた爆薬》 2 《払拭》 2 《否認》 1 《ルーンの光輪》 1 《天界の粛清》 1 《神聖な協力》 1 《機を見た援軍》 1 《至高の評決》 1 《徴用》 -サイドボード (15)- |
モダン環境で時折目にする、《瓶詰め脳》 (カウンター2つ) から《唯々+諾々》を「融合」モードで唱えてしまうこのコンボ。
《カーリ・ゼヴの巧技》やその他の「巧技」カードでも、《瓶詰め脳》と同様に 「融合」コストを踏み倒して使用することが可能 です。
今のところ《唯々+諾々》以外の「融合」呪文をキャストされた経験はありませんが、デッキによっては《強行+突入》や【初期型のSuper Crazy Zooに採用されていた】《肉体+血流》なんかも面白そうですね。
■ 8.《隠れた薬草医》
スタンダードにおける「紛争」の評価はかなり難しいですが、 「フェッチランド」が使用できるモダンやレガシー、フロンティアなら労せず「紛争」条件を達成 することができます。
《改革派の結集者》と悩んだものの、【モダンの高速アグロ】で追加の《炎樹族の使者》として活躍してくれそうな《隠れた薬草医》を推したいと思います!
最近ではすっかりミッドレンジおじさんキャラが板についてきましたが、実はこういったビートダウンデッキも好きなんですよね。きれいに動けたときの爽快感は他のデッキではなかなか味わうことはできないので、みなさんもぜひ《隠れた薬草医》を入れて挑戦してみてください。
■ 9.《ピーマの改革派、リシュカー》
とんでもない能力を持った《ピーマの改革派、リシュカー》さん。クリーチャーを強化する能力だけでも十分すぎるほどですが、マナ加速能力も《新緑の機械巨人》へ繋げたりと悪さができそうですね。
さらにさらに、 《ピーマの改革派、リシュカー》はクリーチャータイプにも恵まれている ので、これだけの性能であればスタンダード以外の環境でもお目にかかる機会があるかもしれません。
■ 10.《リシュカーの巧技》
《巨怪の猛攻》に《リシュカーの巧技》。今回は《約束された終末、エムラクール》と相性の良いカードが盛りだくさんだなぁとにやけていたら、【いきなり嫁がいなくなってしまいました】……。
それを察してか、両親が縁結びのお守りを2つもくれました。今年も良い1年になりそうです。
■ 11.《ゴンティの霊気心臓》
最初は「追加ターンを得る」能力にばかり目がいってしまいましたが、真に注目すべきは「《エネルギーカウンター》を2つ得る」能力なのかもしれません。
《つむじ風の巨匠》・《抽出機構》・《ゴンティの霊気心臓》と揃えば無限に《飛行機械トークン》を出すことができますし、《ゴンティの霊気心臓》は「伝説」なので《サリアの槍騎兵》でサーチすることもできちゃいます!
今セットには《ゴンティの霊気心臓》以外にも、《パラドックス装置》や《次元橋》といった楽しそうな「伝説」のパーマネントが収録されているので、《サリアの槍騎兵》を使ったデッキには夢がありそうです。
■ 12.《キランの真意号》
攻守に長けた新たな「機体」カード。「搭乗」コストは3と重いものの、その代わりにプレインズウォーカーの「忠誠カウンター」を使ってクリーチャーになることができます。プレインズウォーカーを多用したデッキと言えば、1つ前の環境で猛威を振るった「白緑トークン」が想起されます。
個人的には「白緑」だけでなく、《キランの真意号》→《最後の望み、リリアナ》→《ヤヘンニの巧技》→《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》なんて流れも強そうだと思っているので、 黒をメインに据えたコントロールバージョンのリストでも試してみよう と思っています。
■ 13.《金属ミミック》
ものすごく機械っぽい見た目ですけどきっと人間 です。これまで何度となく挫折を繰り返してきた《サリアの副官》→《ハンウィアー守備隊》のギミックも、《金属ミミック》が加わることできっと実用レベルに……。
《霊気装置の設計図》や《スラムの巧技》など《霊気装置トークン》を出すカードも大量かつ良質なので、《金属ミミック》・《鋳造所の隊長》・《小物作りの達人》を入れた《霊気装置トークン》デッキもいいですね。
■ 14.《屑鉄さらい》
新感覚のアドバンテージエンジン。《面晶体の記録庫》でお手軽簡単にアドバンテージを得たり、《激変の機械巨人》や《金属製の巨像》などで豪快にアドバンテージを獲得したりと使用方法は多岐にわたります。
次でご紹介する 《歩行バリスタ》を《改革派の地図》や《テラリオン》で回収する動きは非常に強力 なので、ぜひとも《歩行バリスタ》と合わせて使用したいところ。
■ 15.《歩行バリスタ》
【No more 《搭載歩行機械》 (と《ヴリンの神童、ジェイス》) 】をモットーとする私に隙はありません。幸いにも「+1/+1カウンター」をばらまくカードもたくさん存在しますし、《守護フェリダー》+《サヒーリ・ライ》コンボを打ち落とせるのも◎。
マナコストが(X)(X)のカードはやばいと歴史が証明 しているので、きっとこいつも大丈夫だと思われます。
■ 16.《不撓のアジャニ》
最初はばかにしていました が、【《炎呼び、チャンドラ》しかり】、【《墓後家蜘蛛、イシュカナ》しかり】、僕がこういった印象を受けるカードはきっと強いはずです!
「-2」能力はどう見ても強力そのものですし、除去の枠に《停滞の罠》を採用すれば、デッキ内の土地以外のカードを全てパーマネントにして「+2」能力を存分に生かすこともできるでしょう。6マナという重さこそネックになるものの、そこは《アジャニの誓い》がしっかりとカバー!
■ 17.《ならず者の精製屋》
戦場に出るだけで得をするようなクリーチャーは大好きです。《守護フェリダー》・《サヒーリ・ライ》のどちらとも相性が良いので、そういったデッキに無理なく組み込める点も評価できます。
■ 18.《策謀家テゼレット》
これまで以上に使い方が難しそうな《策謀家テゼレット》。ぱっと見では大量のアーティファクトと併用するほかありませんが、もしかすると《往時の主教》や《不屈の追跡者》から生み出される《手掛かり・トークン》から運用したりも?
いずれにせよ 専用のデッキが必要とされるカードは構築力の差が顕著に表れる ので、《ボーラスの工作員、テゼレット》の化身として知られるヤソ (八十岡 翔太) さんがどのようなデッキを組んでくるのか期待されます!
■ 19.《巻きつき蛇》
とっても眠そう な見た目とは裏腹に、極悪な能力を秘めた《巻きつき蛇》。
同じく『霊気紛争』に収録された《ピーマの改革派、リシュカー》を筆頭に、《マラキールの解放者、ドラーナ》、《新緑の機械巨人》に《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》などなど、スタンダードだけ見ても相性の良いカードが目白押し!
2マナ2/3と単体のスペックも十分に合格点をあげられるレベルのカードですし、これまでの「昂揚」を軸にした形とはまた違う一面を持った「黒緑」デッキに出会えそうです。
■ 20.《鼓舞する彫像》
夢と希望に満ち溢れた《鼓舞する彫像》。トークンを出すカードと併用すれば何か悪いことができそうですし、《戦利品の魔道士》や《発明品の唸り》など、《鼓舞する彫像》をサーチする手段も豊富です。
今現在最も大きな話題となっているコンボは《守護フェリダー》+《サヒーリ・ライ》ですが、はたしてそれを凌ぐコンボデッキが登場するのか。プロツアー『霊気紛争』でぜひその点にもご注目いただければと思います!
■ おまけ・『霊気紛争』注目度トップ5
1位: 《致命的な一押し》
2位: 《守護フェリダー》
3位: 《ピーマの改革派、リシュカー》
4位: 《ヤヘンニの巧技》
5位: 《鼓舞する彫像》
本当は 《致命的な一押し》は強すぎるので選外にしようかと思っていた んですが、自分の気持ちに嘘はつけませんでした。これからは【モダンのアブザン】に《流刑への道》を4枚入れなくてもいいのかと思うと、それだけでワクワクが止まりません。
2位~4位は、これまた手堅そうな3枚を。ただし、どのカードも使い方に工夫が必要だと思うので、どのような使われ方をされるのかに注目です。
5位の《鼓舞する彫像》は期待を込めてのチョイス。スタンダードにはトークンを出すカードはたくさんあるので、フィニッシュ手段を何にするかで評価が決まるでしょう。
■ おまけのおまけ・『霊気紛争』3選 反省会
これまでで初めてのケースですが、今回は20選と同時に反省することがあります。昨年から【Hareruya Prosのゴキゲン!プレビュー放送】を開始させていただいたのですが、僕は『霊気紛争』編で《秘密の回収》を選んでいたんです。
適当な3枚をドローするよりもいいはず。入っても1枚だろうけど。など様々な盾を用意して挑んだものの、同席していた あんちゃん (高橋 優太) と原根 (健太) 君の氷のような眼差しに心が打ち砕かれてしまい、 あえなく選外となりました。
《秘密の回収》を使った夢のコンボとして、《影生まれの使徒》や《執拗なネズミ》など、 デッキに好きなだけ入れられるカードと組み合わせるとものすごいアドバンテージを得ることができます。
あとは手札の上限をなくす《聖遺の塔》を置けば完璧!《影生まれの使徒》の場合は、最終的に《グリセルブランド》などのお好みのデーモンクリーチャーできっと勝利できるはずです。
……次回以降はプレビュー放送でも良いカードが選べるようにがんばりたいと思いますので、放送も何卒よろしくお願いします!それでは、また次回の記事で!
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