参加者252名ものプレイヤーが集った本大会。
殿堂プレイヤーやレベルプロといった豪傑たちが蠢くこの9回戦という長い戦いを潜り抜け、トップ8が確定した。
スイスラウンド4位・島村 幸宏(東京)。
彼の使用するデッキは「4C《霊気池の驚異》サヒーリコンボ」。
《約束された終末、エムラクール》という当たりは失ったものの、まだ環境には《絶え間ない飢餓、ウラモグ》が存在する。さらに『霊気紛争』で得た「サヒーリコンボ」という新たな弾丸を装填しこの準々決勝に臨む。
対する相手はスイスラウンド5位・齋藤 智也(東京)。
一目見ただけでは普通の黒緑デッキに見えるかもしれないが、そうではない。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《不撓のアジャニ》という白きプレインズウォーカーたちが、黒と緑のクリーチャーたちを鼓舞している。
自ら組み上げたこの独創的な構築の「アブザンミッドレンジ」と共に目の前の驚異に立ち向かう。
神へと近づく戦いが今、始まる。
Game 1
先攻はスイスラウンド上位の島村。お互い手札を確認し、島村はマリガンを宣言。齋藤は初手をキープする。
先に動いたのは島村、《霊気拠点》、《織木師の組細工》、《霊気との調和》とテンポよく動き、早くもエネルギーは6つ。対する齋藤は《歩行バリスタ》、《霊気圏の収集艇》とプレイ。
だが、島村の4ターン目には《霊気池の驚異》が盤面に姿を現す。この洗練されたムーブを前に齋藤は「お祈り……」と声を漏らす。
だが、あえて自分のターンには起動せずターンを返す島村。これを受け、齋藤に残された妨害手段は殴りきるのみ。《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》をプレイし《霊気圏の収集艇》で攻撃。
これに合わせて島村が《霊気池の驚異》を起動すると、齋藤はいよいよ本当に手を合わせお祈りする。めくれたのは……《ならず者の精製屋》。エネルギーを2つ得て、次なる《霊気池の驚異》の起動を目指す。
この間に齋藤は《領事の旗艦、スカイソブリン》を盤面に追加し、島村の《ならず者の精製屋》を除去。続けて《霊気圏の収集艇》でクロックを刻む。
島村 幸宏 |
ターンが返ってきた島村は2体目の《ならず者の精製屋》。そのまま2回目となる《霊気池の驚異》を起動し、唱えたのは《サヒーリ・ライ》。《絶え間ない飢餓、ウラモグ》へと辿り着くため、《サヒーリ・ライ》の能力で《ならず者の精製屋》をコピーして再度エネルギーを蓄えて行く。
時間がない齋藤は攻め手を緩めない。島村のライフを確認し、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を戦場に送り出す。
《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》のマイナス能力で3/3となった騎士トークンが勇みよく《領事の旗艦、スカイソブリン》に「搭乗」。全力で攻撃する齋藤。《領事の旗艦、スカイソブリン》が《ならず者の精製屋》を、《歩行バリスタ》が《サヒーリ・ライ》をそれぞれ落とす。
苛烈な攻撃からターンをもらった島村は《導路の召使い》をプレイしエネルギーは7。そのままターンを返す。この齋藤のターンになにか当たりを引き当てなければならない。
ゲームを決める最後のアタック。これに対し3度目となる《霊気池の驚異》を起動する島村。ここでようやく姿を現したのは《絶え間ない飢餓、ウラモグ》!!
盤面の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と《領事の旗艦、スカイソブリン》を彼方に飛ばし降り立つ。
齋藤はついに対面した脅威から勝ちにつながる道を探すが、これには解答がなく投了。
ギリギリのゲームを耐え忍び、島村が勝利!
島村 1-0 齋藤
齋藤「《絶え間ない飢餓、ウラモグ》さえ来なければ……」
サイドボードを行いながら、齋藤がぽつりと漏らす。4ターン目に《霊気池の驚異》を設置されながらも懸命に攻め立て、あと一歩のところまで追い詰めたところを大逆転されてしまい、その悔しさは一入だろう。
今度こそ、と入念なシャッフルを行い、気を持ち直して2ゲーム目が始まる。
Game 2
先攻は齋藤。お互い手札を見るなり即キープを宣言し、齋藤は《森の代言者》、《異端聖戦士、サリア》と流れるようにプレイ。対する島村は《チャンドラの誓い》、《蓄霊稲妻》と何事もなかったかのように対処する。
齋藤 智也 |
負けじと4ターン目に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を着地させた齋藤は、続く自分のターンに《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を紋章に変えつつ、2体目となる《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を戦場に出す。
戦場には3/3の騎士トークンが2体。《霊気池の驚異》が出る前に倒さなければならないという強い意志を感じるプレイだ。
島村は3ターン目にプレイした《ならず者の精製屋》で《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に攻撃を差し向けるが、これを阻むは騎士トークン。厳しい状況の続く島村はブロッカーとして《導路の召使い》をプレイするも、返す齋藤が《致命的な一押し》で露払いする。
やがて《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》が強烈すぎるクロックで蹂躙を繰り広げ、一瞬で勝利をもぎ取った。勝負は最終戦にもつれ込む。
島村 1-1 齋藤
Game 3
最終戦、この戦いを制するのは《絶え間ない飢餓、ウラモグ》か、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》か?
先攻の島村は《導路の召使い》、齋藤は《巻きつき蛇》と好調な滑り出し。
3ターン目に《サヒーリ・ライ》をプレイする島村。これに臆することなく齋藤がプレイしたのは《ピーマの改革派、リシュカー》!
黒緑デッキの最強ムーブを最終戦で繰り出す齋藤。《巻きつき蛇》が《サヒーリ・ライ》に襲い掛かるが《導路の召使い》がその身を呈して《サヒーリ・ライ》を守る。
緊張の4ターン目、そこには《守護フェリダー》の姿はなく、ターンを返す島村。「そううまくは行かないか…」そんな言葉が口から洩れる。
ターンが返ってきた齋藤。2体で《サヒーリ・ライ》を落としにかかるが《巻きつき蛇》に《蓄霊稲妻》を差し向けられ、《サヒーリ・ライ》が生き残ってしまう。
安心が出来ない齋藤だったが、盤面に次なる脅威である《不屈の追跡者》を追加する。
返す島村は思わずドローに力を込める。ここまで防戦一方ではあったが、《守護フェリダー》さえ引けば……! 齋藤は固唾を呑んで見守る中、島村の第5ターン……。
……《守護フェリダー》は未だ現れず、空しくターンを返すしかない。これを受け、ここぞとばかりに《サヒーリ・ライ》を落とす齋藤は《森の代言者》、続くターンに《異端聖戦士、サリア》を送り出す。
島村は《織木師の組細工》で延命を図るも、齋藤の繰り出す《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の紋章という鼓舞により膝を屈するのだった。
怒涛の攻めで準決勝への切符を手にしたのは齋藤だ!
島村 1-2 齋藤
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