はじめに

みなさん、こんにちは。Hareruya Hopes所属の江原 洸太です。

この度、第14期スタンダード神決定戦で高橋 優太さんを倒し、第14期スタンダード神になることができました。初の記事執筆になりますが、同大会の感想と、そこで使用した「5色スケープシフト」の解説を書いていきたいと思います。

5色スケープシフトを選択した理由

第14期スタンダード神挑戦者決定戦の前日までは、この環境で練習を重ねていた「バントスケープシフト」を使用する予定でした。しかし、直近の試合であまり良い成績を残すことができず、このデッキを使用するかどうか悩んでいました。

「スケープシフト」というデッキが現環境で非常にメタられていると感じ、何か工夫が欲しいと考えていました。

そんな中、Twitterを眺めているとMagic Pro League (MPL) プレイヤーであるAndrea Mengucci選手の「5色スケープシフト」が目に留まり、すぐにMTGアリーナで使ってみてこのデッキの優れた点に気付きました。

それは《風景の変容》の採用枚数 (2枚のみ) です。《風景の変容》は自分のターンに唱えても、返しのターンに全体除去などでゾンビが倒されてしまうため、《時を解す者、テフェリー》の[+1]能力が絡まないと弱く、4枚採用には違和感を覚えていました。しかし、このリストは《風景の変容》に頼らないで勝つことが多く、その違和感が解消されていたのです。

このデッキの主役である《不屈の巡礼者、ゴロス》が《死者の原野》をサーチしてくれるおかげで、《風景の変容》を経由することなくゲームに勝てるため、《風景の変容》の枚数を抑えて同型やコントロールデッキに強い《運命のきずな》を採用することができました。

今の環境が少し遅めで、なおかつミラーマッチが増えると考え、ミラーマッチに強いこのリストをそのまま第14期スタンダード神挑戦者決定戦に持ち込むことに決めました。

デッキリスト

3 不（ふ）屈（くつ）の巡（じゅん）礼（れい）者（しゃ）、ゴロス (M20) 226 2 森（もり） (ANA) 65 2 島（しま） (ANA) 62 1 平（へい）地（ち） (ANA) 61 2 繁（はん）殖（しょく）池（いけ） (RNA) 246 2 神（しん）聖（せい）なる泉（いずみ） (RNA) 251 2 寺（じ）院（いん）の庭（にわ） (GRN) 258 1 氷（ひょう）河（が）の城（じょう）砦（さい） (XLN) 255 1 内（ない）陸（りく）の湾（わん）港（こう） (DAR) 240 1 陽（よう）花（か）弁（べん）の木（こ）立（だ）ち (XLN) 257 1 アゾリウスのギルド門（もん） (RNA) 243 1 ゴルガリのギルド門（もん） (GRN) 248 1 イゼットのギルド門（もん） (GRN) 251 1 セレズニアのギルド門（もん） (GRN) 256 1 シミックのギルド門（もん） (RNA) 257 1 疾（しっ）病（ぺい）の神（しん）殿（でん） (M20) 254 1 神（しん）秘（ぴ）の神（しん）殿（でん） (M20) 255 1 茨（いばら）森（もり）の滝（たき） (M20) 258 1 平（へい）穏（おん）な入（い）り江（え） (M20) 259 4 死（し）者（しゃ）の原（げん）野（や） (M20) 247 1 オラーズカの拱（きょう）門（もん） (RIX) 185 1 爆（ばく）発（はつ）域（いき） (WAR) 244 2 樹（じゅ）上（じょう）の草（そう）食（しょく）獣（じゅう） (WAR) 149 4 ハイドロイド混（こん）成（せい）体（たい） (RNA) 183 4 エルフの再（さい）生（せい）者（しゃ） (M19) 180 2 拘（こう）留（りゅう）代（だい）理（り）人（にん） (RNA) 165 4 成（せい）長（ちょう）のらせん (RNA) 178 4 迂（う）回（かい）路（ろ） (GRN) 125 2 風（ふう）景（けい）の変（へん）容（よう） (M19) 201 2 運（うん）命（めい）のきずな (M19) 306 4 時（とき）を解（ほぐ）す者（もの）、テフェリー (WAR) 221 3 夏（なつ）の帳（とばり） (M20) 198 3 霊（れい）気（き）の疾（しっ）風（ぷう） (M20) 42 3 ドビンの拒（きょ）否（ひ）権（けん） (WAR) 193 2 拘（こう）留（りゅう）代（だい）理（り）人（にん） (RNA) 165 2 時（とき）の一（いっ）掃（そう） (WAR) 223 2 ドミナリアの英（えい）雄（ゆう）、テフェリー (DAR) 207

MTGアリーナ　デッキインポートのやり方

　1.上記のデッキインポート用テキストをコピーする

　2.コピーした状態でMTGアリーナの「デッキ」タブを開き、「インポート」を押す

　3.成功すると、「インポート成功」と表示されます。

5色スケープシフトの特徴

このリストと一般的な「スケープシフト」デッキで大きく異なる点は、以下の2種類のカードになります。

《運命のきずな》2枚

まずは《運命のきずな》。7マナなので《死者の原野》が誘発し始めるターンにちょうどキャストできますし、ゾンビを出しながら追加ターンを得ることで疑似的にゾンビに速攻を与えたり、相手のダメージ計算を狂わせたりと、無駄なく使うことができました。

相手のプレインズウォーカーを落とすことにも一役買ってくれ、このデッキの天敵のひとつである《夢を引き裂く者、アショク》の[-1]能力を起動された際にも追放されずにライブラリーに戻ってくれるので、ライブラリーアウトの危険性も消えて至れり尽くせりでした！

《不屈の巡礼者、ゴロス》3枚

そして《不屈の巡礼者、ゴロス》。確実に《死者の原野》をサーチすることができ、アタッカーやブロッカーにもなれる隙のないカードです。

流行りの除去でもなかなか倒すことができず、伝説のクリーチャーであり無色という点も強かったです。

おまけみたいに付いている起動型能力、「ゴロスビーム！！」もこのデッキでは使用できる機会が多く、マナを伸ばすデッキの性質と非常にかみ合っています。「ゴロスビーム」から《運命のきずな》や《時を解す者、テフェリー》を唱えたりと、多くの場面で助けられました。

なお、《不屈の巡礼者、ゴロス》の起動型能力は「プレイしてもよい」という記述なので、これでめくれた土地は通常通りセットランドすることができます。ミラーマッチなどは《死者の原野》の枚数勝負になることが多いですが、このカードのおかげで試合を有利に進められます！

サイドボーディング

バントスケープシフト

対 バントスケープシフト

Out

In

白黒吸血鬼

対 白黒吸血鬼

Out

In

赤単

対 赤単

Out

In

ティムールエレメンタル

対 ティムールエレメンタル

Out

In

バントランプ

対 バントランプ

Out

In

エスパー系

対 エスパー系

Out

In

上記の通り、《成長のらせん》をサイドアウトすることが多いです。《樹上の草食獣》は、1→3→5ときれいに動けた場合のリターンが大きいため、サイド後も残していました。

第14期スタンダード神挑戦者決定戦・神決定戦の結果

第14期スタンダード神挑戦者決定戦

当日はデッキがかみ合い、4ゲームしか落とすことなく優勝できました。

準決勝では、劣勢の盤面で《不屈の巡礼者、ゴロス》の能力から《運命のきずな》2枚、《時を解す者、テフェリー》1枚がめくれてギリギリで勝利。決勝戦の相手はマジック・フェスト千葉2019の優勝者である中道 大輔さんと気が抜けない試合が続きましたが、なんとか決勝ラウンドの「バントスケープシフト」3連戦を制し、神への挑戦権を手に入れることができました。とにかくデッキが強く、回していてとても楽しかったです。

第14期スタンダード神決定戦

神決定戦では高橋さんの「エスパーコントロール」相手の立ち回りを理解するのに苦戦しましたが、デッキ相性のおかげでストレートで勝利することができました。サイド後は《スランの崩落》をいつ打たれるかドキドキしていました。

おわりに

なんとかスタンダード神になることができて、今はうれしい気持ちでいっぱいです。強さと楽しさをあわせ持った「5色スケープシフト」を、みなさんにもぜひ使っていただければと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

江原 洸太 (Twitter)