By Atsushi Ito
突然だが、このプロツアーの参加者の中で最も遅れて参加を表明したプレイヤーをご存知だろうか?
そう、グランプリ・北京2017でトップ8に入賞し、プロツアー京都の権利を獲得しただけでなく、今シーズンでのシルバー・レベルによってまさしく前週にプロツアー『アモンケット』にも出場できることになった男。
プロツアーは初日・2日目ともにブースタードラフト3回戦から幕を開けるが、プロツアーのドラフトともなれば海千山千、そこで勝ち抜くには極めて深い環境理解が必要になるものと思われる。
そこで『アモンケット』環境のリミテッドで結果を残してきたばかりの熊谷先生に、この環境で勝ち抜くためのコツについて教えを請うとしよう。
--「早速ですが、この『アモンケット』環境を全体として見たときに、他の環境と比べて特徴的な部分を挙げるとしたらどういった部分になるでしょうか?」
熊谷「そうですね、一番僕が思っているのは、白いビートダウンが極端に強いことだと思います」
--「と、言いますと?」
熊谷「白のコモンはアンプレイアブルなカードが少なくて、しかも普段と違って全てが攻撃的な方向に向いているので、それこそ卓に白が3人~4人いても、アグロデッキで成立しやすいんですよね」
--「なるほど。ではそういったことを踏まえると、熊谷さんの戦略はどういったものになってくるんでしょうか?」
熊谷「他の色のレアを引けなかった場合、即座に白いビートダウンに参入するようにしています」
--「”即座に”。」
熊谷「とにかく早く、ですね。4番手~5番手のコモンからでもすぐに白に入った方が良いです」
--「要するにコモンで戦えるのは白しかないと」
熊谷「そんな感じですね。白か緑赤のビートダウンくらいかなと」
--「熊谷さんはグランプリ・北京2017のときからその戦略を?」
熊谷「そうですね、Team Cygamesさんの合宿にお邪魔させていただいたときに何回も試してみて、一番簡単な戦略だなと思いました」
--「先ほど4番手~5番手のコモンという話が出ましたが、白の中でのコモンのランキングってどんな感じなんでしょうか?」
熊谷「《突風歩き》と《強制的永眠》がツートップで、次点が《ター一門の精鋭》です。クリーチャーを並べて殴る戦略とかみ合っているので。それと関連して《結束のカルトーシュ》も4番手くらいになります」
>--「タッパー(《扇持ち》)はそんなに高くないんですかね」
熊谷「いや、全然高いです。他の色にこのカードがあったら余裕で初手級だとは思いますが、ただ白はコモンの層が厚いのでその次くらいになりますね」
--「他の戦略に関してはどうでしょうか?たとえば津村さんの5色戦略などは話題になりましたが」
熊谷「それも結局《驚天+動地》をはじめとする全体除去のような特殊なレアが引けたときの逃げ道という扱いなので、さほどやる割合は高くない印象ですね」
--「全体の割合で言うと、熊谷さんのドラフトでは何割くらいが白いビートダウンになるんでしょうか?」
熊谷「初手でレアが引けないときにやっちゃうんで、4割くらいは余裕で行っちゃうんじゃないかなと。それくらい頻繁にやっても大コケはしないくらいの強さということですね。逆に白いビート以外は、レアが2~3枚入っていないと3-0はなかなかできない環境だなと思います」
--「ありがとうございました」
とにかく白いビートをやれというのが熊谷先生の教えのようだ。
ひとまず第1回戦は勝利した熊谷だが、プロツアーでもこの戦略が通用するのか。熊谷先生の奮戦に期待しよう。
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