By Atsushi Ito
機体と霊気池が跋扈するスタンダードに、彗星のように現れた第三のデッキ。
『アモンケット』が生み出した新たなコンセプトである黒単ゾンビは、このナッシュビルの地で華々しくデビューし、話題をさらうこととなった。
とはいえ、プロツアー開催の一週間ほど前からマジック・オンライン上では既に頭角を見せていたデッキということもあり、メタゲームブレークダウンを見てもわかるように、プロプレイヤーたちの間では当然既知のアーキタイプではあったようだ。
その証拠に、Lee Shi Tian率いるMTG Mint Cardの面々と彼らと調整をともにしたメンバーだけでも、7人が黒単ゾンビを選択している。
Hareruya Pros・齋藤 友晴もそんな一人だ。
そこで、実際にゾンビを調整し、選択した齋藤に、ゾンビというデッキについて話を聞いてみた。
--「齋藤さんはどういう風にゾンビというデッキ選択に至ったんでしょうか?」
齋藤「マジック・オンラインで勝っていたのを見て、候補にあがった形だね。そこからはありとあらゆるデッキを試してみて、結果として機体と霊気池、特に機体を警戒しないといけないことがわかったので、ゾンビが有力視されることになった」
--「機体・霊気池との相性はどんな感じなんでしょうか?」
齋藤「機体には有利で、霊気池もこれまで通りの形なら良い勝負になるね」
--「リストの中で何か工夫した点がありましたら教えてください」
齋藤「メインで《リリアナの支配》の3枚目のところを同型を意識して《闇の掌握》に差し替えたけど、基本は出回っているレシピと一緒かな。《リリアナの支配》は強いんだけど、マナカーブ上4マナ圏がないデッキなので、テンポ良く動けないリスクを加味して減らしている。サイド後は強いので、サイドに2枚とってはいるけどね」
齋藤「サイドの《失われた遺産》は一見《没収》の方が良さそうに見えるけど、対《霊気池の驚異》のサイド後は相手が《没収》を見越して《霊気池の驚異》に頼らない形になることが多いので、相手が重要視する身だけを狙い撃ちできる《失われた遺産》の方が好感触だね、実際大活躍したし」
--「今後、このリストを改善するとしたらどういった選択肢が考えられるでしょうか?」
齋藤「プロツアーが終わってメタがちゃんとできてくると、色を増やす意味が出てくると思う。タッチ白でゾンビの種類を増やしてもいいし、タッチ青のカウンターはハンデスより単純に優秀だし。タッチ赤で《熱烈の神ハゾレト》も良いかもしれない。クリーチャーが軽くてでかいけど《燻蒸》などの全体除去に弱いから、《熱烈の神ハゾレト》を追加して蓋をする動きは強そう」
--「最後に、齋藤さんから見て今大会のベストデッキは何でしょうか?」
齋藤「チームGENESISが持ち込んだ《炎呼び、チャンドラ》入りの《霊気池の驚異》だね。《守護フェリダー》が禁止になって6マナフルタップのアクションが肯定されるようになったから、《霊気池の驚異》と最高にかみ合うこのカードに気づけなかったのは失敗だったなー」
--「ありがとうございました」
22 《沼》 2 《ウェストヴェイルの修道院》 -土地 (24)- 4 《戦慄の放浪者》 4 《墓所破り》 4 《無情な死者》 4 《金属ミミック》 4 《呪われた者の王》 4 《戦墓の巨人》 -クリーチャー (24)- |
4 《闇の救済》 3 《致命的な一押し》 3 《闇の掌握》 2 《リリアナの支配》 -呪文 (12)- |
4 《精神背信》 2 《屑鉄場のたかり屋》 2 《豪華の王、ゴンティ》 2 《失われた遺産》 2 《リリアナの支配》 2 《最後の望み、リリアナ》 1 《闇の掌握》 -サイドボード (15)- |
齋藤 友晴 「黒単ゾンビ」
プロツアー『アモンケット』
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