原根 健太のプロツアー反省会

晴れる屋

By Atsushi Ito

 3年計画の終盤。目標となるシルバーレベルまで、残る必要な上乗せプロポイントは2点。10勝6敗がノルマだった。

 最終成績、8勝8敗。残り2か月、チャンスは少ない。

 苦境に追い込まれたHareruya Prosの原根 健太に、プロツアーでの反省点を聞いてみた。

--「原根さんは今回ドラフトが2勝4敗、スタンダードが6勝4敗でドラフトがネックとなってしまったわけですが、これについてどういった反省点が考えられるでしょうか?」

原根「今回ドラフトはマジック・オンラインでの『アモンケット』の導入が早く、プロツアーまでに練習できる期間が長かったのもあってみんな結構打ち込んできていて、やりたい色が各人明確に決まっていた印象がありました」

原根「そうなると単純に強いカラーが混みやすくて、受けドラフト (卓内で空いている色を探すやり方) をやっていると弱い色を押し付けられてしまうんですよね。かといって『俺も赤やるぞ』と勢い込んだところでそもそもカードが流れてきませんし」

--「なるほど。そういった状況で勝ちきるにはどうすればいいんでしょうか?」

原根「3-0はできないけど2-1くらいはできるみたいな、やろうと思ったら確実にやれる成功率が高い戦略、そういう貧乏戦略を見つけて持ち込んだ方が良かったと思いました」

原根「先々のプロツアーの生活を考えて『単純にドラフトうまくなろう』と思って色のポジションとか考えてピックをしていたんですが、それだと勝てないなーと」

--「トップ8に入ったクリスチャン・カルカノも《這い寄る刃》スペシャルで3-0していましたね」


クリスチャン・カルカノ「青白」
プロツアー『アモンケット』1stドラフト(3-0)

8 《平地》
7 《島》

-土地 (15)-

6 《這い寄る刃》
3 《聖なる猫》
1 《扇持ち》
1 《突風歩き》
1 《束縛のミイラ》
1 《療治の侍臣》
1 《死者の番人》
1 《栄光半ばの修練者》
1 《断固たる修練者》
1 《ター一門の精鋭》

-クリーチャー (17)-
3 《オケチラの名のもとに》
1 《力強い跳躍》
1 《叱責の風》
1 《知識のカルトーシュ》
1 《排斥》
1 《ロナスの碑》

-呪文 (8)-
hareruya

這い寄る刃聖なる猫オケチラの名のもとに

原根「2ndドラフトで僕も試してみたんですが、経験値が足りずに1-2でした。こういう確実に流れてくるようなカードをうまく使った戦略を、次回以降は見つけていきたいですね」


 プロツアーに参加しているプレイヤーは、10年以上のドラフト歴を持つ者も少なくない。

 そしてドラフトは練習によって「その環境でしか通用しない知識」を得ることも大事だが、複数の環境を通じて勝ったり負けたりを繰り返すことで、「いかなる環境にも通底する知識」を涵養しなければ、前者の知識を得る効率がいつまでも低いままとなってしまう。

 まだマジック歴の浅い原根が今後プロとして活躍できるかどうかは、苦手なドラフトを克服できるかにかかっていると言っても過言ではないだろう。

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