スタンダード・デッキ・ピックアップ! -緑白トークン-

渡辺 和樹



 『カラデシュ』が発売されたことで、『タルキール龍紀伝』と『マジック・オリジン』のカードはスタンダードから姿を消しました。


集合した中隊搭載歩行機械ドロモカの命令


 これによって弱体した、もしくは消滅したアーキタイプも存在するわけですが、失ったパーツを『カラデシュ』から補填することで、まだまだ活躍を続けそうなアーキタイプも存在します。

 本日ご紹介するのは、こちらです。



Yamauchi Shoutarou「緑白トークン」
平日スタンダード14時の部 – 2016/09/30(3-0)

9 《平地》
7 《森》
4 《梢の眺望》
4 《要塞化した村》
1 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地 (25)-

4 《森の代言者》
3 《無私の霊魂》
2 《空中対応員》
2 《異端聖戦士、サリア》
3 《折れた刃、ギセラ》
3 《新緑の機械巨人》
2 《大天使アヴァシン》

-クリーチャー (19)-
3 《石の宣告》
4 《ニッサの誓い》
2 《停滞の罠》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
3 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》

-呪文 (16)-
4 《ラムホルトの平和主義者》
3 《生命の力、ニッサ》
2 《人工物への興味》
2 《高速警備車》
1 《異端聖戦士、サリア》
1 《優雅な鷺、シガルダ》
1 《石の宣告》
1 《停滞の罠》

-サイドボード (15)-
hareruya


ゼンディカーの同盟者、ギデオンウェストヴェイルの修道院ゼンディカーの代弁者、ニッサ


 《搭載歩行機械》《ドロモカの命令》は失ったけれど、「緑白トークン」はまだまだ現役!《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》という強力な「トークン生成コンビ」はそのままですが、クリーチャーの選択が少々異なります。

 今までの「緑白トークン」で採用されていたクリーチャーは、《大天使アヴァシン》《搭載歩行機械》《森の代言者》《首絞め》《ラムホルトの平和主義者》といったプレインズウォーカーがトークンを展開するまでの戦線維持を主たる役割としていましたが、新しい「緑白トークン」で選択されているのはアグロ寄りで、緑白の優秀な面々によって構成されています

 そして『カラデシュ』から新たに加わり、驚くべき影響を与えているのが、この1枚です。


新緑の機械巨人


 《新緑の機械巨人》

 5マナ8/8、トランプル!


 発表された当初、あまりの強力さに「読み間違えたかと思って、カードのテキストを読み直した」なんて人もいるのでは?自身が8/8、トランプルとして戦場にそびえ立つも良し、並んだトークンやクリーチャーに+1/+1カウンターをばらまくも良し、1体を+4/+4するも良し、と戦隊モノのヒーローロボのように、八面六臂の活躍を見せてくれます。


空中対応員植物トークン


 《空中対応員》にカウンターを注ぎ込めば、6/7、飛行、警戒、絆魂《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》の植物トークンも4/5に早変わりです。《タルモゴイフ》か。



 さて、同様に「緑白」を選択し、《新緑の機械巨人》を搭載したデッキが、【SCG Open Indianapolis】で結果を残しています。



Tom Ross「緑白アグロ」
SCG Standard Open 2016/10/02 Indianapolis(10位)

6 《森》
8 《平地》
4 《梢の眺望》
4 《要塞化した村》
2 《霊気拠点》
1 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地 (25)-

4 《スレイベンの検査官》
4 《導路の召使い》
4 《森の代言者》
4 《博覧会場の警備員》
2 《不屈の追跡者》
4 《新緑の機械巨人》

-クリーチャー (22)-
3 《顕在的防御》
2 《永遠の見守り》
4 《密輸人の回転翼機》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
-呪文 (13)-
2 《自然のままに》
2 《石の宣告》
2 《燻蒸》
2 《隔離の場》
2 《生命の力、ニッサ》
1 《不屈の追跡者》
1 《保護者、リンヴァーラ》
1 《断片化》
1 《神聖な協力》
1 《停滞の罠》

-サイドボード (15)-
hareruya


森の代言者永遠の見守り不屈の追跡者


 前環境では、【「白単人間」をひたすら使い続けていた】Tom Rossが選択したのは、「緑白アグロ」です。


密輸人の回転翼機導路の召使い顕在的防御


 昨日の【スタンダード・デッキ・ピックアップ】でご紹介した《密輸人の回転翼機》が4枚採用されています。その他に『カラデシュ』からは、《博覧会場の警備員》《導路の召使い》《霊気拠点》、そして《顕在的防御》が採用されていますね。


スレイベンの検査官


 《スレイベンの検査官》《新緑の機械巨人》の手にかかれば、5/6にサイズアップ。「調査」を終えたあとは、勇猛に殴りかかってくれることでしょう。


自然のままに断片化隔離の場


 サイドボードに目を向けてみると、《自然のままに》《断片化》という1マナのアーティファクト呪文が目を引きます。各種「機体」を始めとするアーティファクトが活躍している現在、これらの呪文は重要性を増しているようですね。

 また、《ドロモカの命令》が消えたことで、各種エンチャントの評価が上がっています《停滞の罠》《隔離の場》は、《断片化》と一緒に白いデッキで姿を見ることが増えそうです。




 新セットの登場によって、「見たこともないデッキが活躍するだけ」とならないのがマジックの面白いところ。既存のアーキタイプに数枚の新戦力を加えることで、新たな環境を楽しむことができます。

 「ああ、ローテーションでデッキが使えなくなってしまった……」

 と思って解体してしまうその前に!『カラデシュ』で登場した新たなカードを使ってデッキを強化できないか、ぜひ、考えてみてください。


 それでは、また明日!



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