マジック・インターハイのフォーマットは、チームスタンダードだ。
同じ学校に通う3名がチームを結成して参加するため、通常の1対1のマジックとは少々異なるのだが、それ以外にも大きく違う点がある。
■ 共同デッキ構築
まずは、デッキ構築に関わる「共同デッキ構築規定」だ。
詳しくは、【マジック:ザ・ギャザリング イベント規定】をお読みいただきたいのだが、「複数のデッキに、同名のカードを分配することはできない」というものである。
この規定によって、チームスタンダードのデッキ構築は一味違ってくる。たとえば、「あらゆるデッキに入る」と評判の《密輸人の回転翼機》も、1チームで1人しか使えず、2枚、1枚、1枚と各デッキに分配するようなことはできない。
簡潔に述べれば、トップメタを3つ持参することは限りなく不可能であり、さらに3つのデッキはコンセプトをある程度分かつ必要がある。「白青コントロール」を組み、それから「グリクシスコントロール」を組もうとしても、青のパーツはほとんど枯渇しているはずだ。
「スタンダードの『感染』」と評判の「赤緑ビートダウン」は、他のデッキとのカード重複がほとんどないため、会場でも人気のようだ。《霊気拠点》やサイドボードの《蓄霊稲妻》、アーティファクト対策の《自然のままに》をどうするか、という点には注意が必要ではあるが、やはり個性的なアーキタイプは人気が集まりやすい。
「どのようなデッキを組むか」と同時に「誰がどのデッキを使うか」という点も勝敗に繋がる。「3つのデッキ、すべて構築級!」となれば御の字なのだが、「2つ組んで、残りのカードを使って1つ作る」といった展開になりやすく、デッキの強さに差が生じやすい。「強いデッキをエースプレイヤーが使って確実に勝利を掴む」「デッキは弱いけどプレイングの腕でカバーできるから、強いデッキは他の人に渡す」といったデッキとプレイヤーの選択も重要だ。
■ チームメイトとの意思疎通
また、チーム戦ではプレイ中にチームメイトの意見を聞くことが可能だ。「マリガンすべきか」「アタックするべきか」と選択に迷ったならば、頼れる仲間の知恵を借りてみるのも、立派な”選択”である。
もちろん、相談を重ねて時間を使いすぎると「遅いプレイ」とみなされてしまう可能性があるので、長考の際はご注意を。また、当然ではあるが最終決定権はプレイヤー自身にあるため、仲間の”指示に従う”のではなく、”助言を仰ぐ”という意識を忘れずに。「これを出せと言われたから出したのに、負けた」「言われたとおりにプレイしなかったから負けた」といったことのないように……率直に言えば、喧嘩にならないように!
「普段と違う構築で、普段と違うマジックを、気の合う友人と楽しむことができる」……これがチーム戦の醍醐味だ。
今回参加できなかった人も、機会を見つけてチーム戦に挑戦してみて欲しい。チームメイトと協力して戦い、休憩時間も談笑しながら意見を交わすことで、より一層マジックを楽しむことができるはずだ。
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