今回のスタッフ交流会で全勝を果たしたのは、「ダークジェスカイ」を使用した鷲見 和男だ。
普段は、スタンダードのカードを中心に、カードの補充業務などを担当している鷲見は、【パリ11】、そして【フィラデルフィア11】など、プロツアーへの出場経験も豊富な頼れるスタッフだ。
今回もその豊富な経験と知識を活かして、1ゲームも落とすことなく、全勝を決めた。完勝とは、こういった場面で使うべき言葉だろう。
その鷲見に、デッキの解説をお願いした。最後まで、どうぞご覧いただきたい。
■ フロンティアの「ダークジェスカイ」
――「早速ですが、今回この『ダークジェスカイ』を選択した理由を教えてもらえますか？」
鷲見「PPTQを抜けたときのデッキを、フロンティア用に調整しました。使い慣れているので、当時の感覚を頼りにしつつ、新しいカードを採用した形ですね。フェッチランド、そしてバトルランドというマナベースを活かせるのは、やはりこのデッキかな、と」
――「鷲見さんは採用していませんが、『ジェスカイ』といえば《カマキリの乗り手》という優秀なクリーチャーがいますよね」
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鷲見「そうですね。採用するかどうか当時のスタンダードでも迷ったのですが、《はじける破滅》を構えつつ、とするとマナベースにどうしても負担が掛かってしまいます。なので、《カマキリの乗り手》の代わりに《僧院の導師》と《ゲトの裏切り者、カリタス》をフィニッシャーとして採用しました」
――「当時の構築からの変更点についてですが、どのような調整をされましたか？」
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鷲見「変更点としては、まず《はじける破滅》1枚を、《無許可の分解》に変えました。白が必要ないので少しだけ唱えるのが楽になっていますし、こちらなら対象を選ぶこともできますからね」
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――「《魂火の大導師》も1枚増えていますよね」
鷲見「フロンティアのメタゲームはまだまだ動き出したばかりですけど、アグロが多いと思ったので増やしてみました。序盤の動きとしては、本当に優秀ですね」
――「その他に、採用を考えたカードはありますか」
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鷲見「《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は考えましたが、白2マナを用意できそうになかったので、今回は見送っています。それから【プロツアー『カラデシュ』】で活躍した《奔流の機械巨人》も試したのですが、墓地のカードは《時を越えた探索》の『探査』に充てることがほとんどなので、唱えたいインスタントがない場面が多く、採用には至ってません」
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――「《反逆の先導者、チャンドラ》ではなく、《炎呼び、チャンドラ》を採用しているのも気になります」
鷲見「試行回数が少ないので、まだ結論が出ていない部分ではあります。ただ、《炎呼び、チャンドラ》ならば戦場に出たときに盤面を一掃できるので、今回はこちらを使ってみようと思いました。デッキを回せる時間がなかったので、当時のスタンダードの感覚を信じた、という面もありますね」
■ 《魂火の大導師》の強さ
――「今回は、とにかく《魂火の大導師》の強さが際立っていましたね」
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鷲見「やはり強いですね。ライフが楽になるのは、思った以上に大きいです。フェッチランドもありますし、《苦い真理》のダメージも気にならなくなりますからね。今回は対戦しませんでしたが、『赤単』『アタルカレッド』はフロンティアにもいると思ったので、その場合でも《魂火の大導師》は頼りになると思います」
――「そして、最後にゲームを決めたのは『カラデシュ』からの新カード、《慮外な押収》でした」
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鷲見「これも、とにかく強い1枚です。追加のエネルギーを得る手段がなくても、従来の『アブザンアグロ』のクリーチャーなら、どれも対象にできますから」
――「その他に、構築のときに意識した点はありますか？」
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鷲見「やはり、《集合した中隊》、そして《先祖の結集》の存在があるので、《払拭》《否認》を採用しています。もちろん、コントロール対策でもありますけど。《先祖の結集》に対しては、《ゲトの裏切り者、カリタス》を立たせつつ、《炎呼び、チャンドラ》で勝ち切るイメージです」
――「今回の交流会に向けてデッキを用意したとお聞きしましたが、改めてフロンティアはどうでしたか？」
鷲見「そうですね……使い慣れたカードを使用できますし、当時の感覚に戻れるのは良いと思いましたね。まだまだメタゲームも確立されていませんし、過去に使い慣れたデッキを少し調整するだけで戦えるので、迷っている人もぜひ参加してみて欲しいです」
――「ちなみに、今回のデッキを改善するとすれば、どの辺りでしょう？」
鷲見「マナベースはもっと詰められそうだと思いました。対抗色ファストランドとミシュラランドの兼ね合いなど、もう少し改善できそうですね。フェッチランドがせっかく使えるので、もう少し活かしてみたいな、と思います」
――「ありがとうございました。改めて、おめでとうございます！」
