『テーロス』の最初期に「黒単信心」を開発し、【山本 賢太郎をプロツアートップ8に導いた】男。
グランプリ・クアラルンプール16のトップ8中6人を占めた「白青フラッシュ」を、【『カラデシュ』発売直後に遜色ない形で完成させていた】男。
「環境初期は”みつひで”に聞け」と、トッププロたちにも一目置かれているその男の名は、伊藤 光英(東京)。
彼は、この「フロンティア」という新たな環境をどう考え、どのようなデッキを持ち込んだのか?早速インタビューを行ってみた。
■ 始まりは”マルドゥ剣心”でした
--「今回のデッキはどのようにして生まれたんですか?」
伊藤 「フロンティアといえば”フェッチランド+バトルランド”がパッと浮かぶと思うんですけど、僕は”ファストランド+ダメージランド”を使って、1ターン目からビートダウンできるデッキを作りたいと考えたんですよね」
伊藤 「そしてフロンティアには白の1マナ1/1飛行がなんと3種12枚もあるんです。この符号……!!ということでまつがんさんリスペクトで【マルドゥ剣心】を作ったのが今回の調整のスタートでした。1マナ1/1飛行を並べて《マルドゥの隆盛》でドン!さらに《戦の角笛》まで出してドン!みたいな」
--「ですが今回のデッキはどうやらジェスカイカラーのように見受けられますが……」
伊藤 「回して気づいたのが、まずは黒いカードが《マルドゥの隆盛》しか入ってないのに《沼》が入っているせいで、意外ときれいに回らないことがあるんですよね。あと《マルドゥの隆盛》ってカードは、1+1+1から3ターン目に設置して速攻の3点ダメージをたたき出すのが最高の動きなんですけど、同じ3色3マナの動きなら《カマキリの乗り手》の方が強くない?と気づいてしまって(笑) ということで飛行ビートのエッセンスだけ取り出して、ジェスカイカラーでまとめたのが今回のデッキになります」
■ メタゲーム的に飛行が強い
--「色は変えても”飛行ビート”というラインは維持したんですね」
伊藤 「フロンティアの想定されるメタデッキといえば4色ラリーとアブザンアグロがあると思うんですけど、両方とも飛行に弱いんですよね。なので1ターン目クリーチャー、2ターン目《密輸人の回転翼機》、3ターン目《カマキリの乗り手》というベストアクションが本当に強くて。飛行クリーチャーで殴って火力を撃って、適当にチャンプするだけで勝てる試合も多々あります。1マナ域も《霊廟の放浪者》と《フェアリーの悪党》という2種類の飛行クリーチャーを採用しているので、《密輸人の回転翼機》を引かなくてもコツコツ殴ることができます」
--「《フェアリーの悪党》なんていましたね!《スレイベンの検査官》を減らしてまでこいつを採用するところに拘りを感じます」
伊藤 「そうなんですけど、ぶっちゃけると《フェアリーの悪党》は大失敗でした。 《スレイベンの検査官》なら手掛かりトークンの1ドローがついてくるんですけど、こいつは2枚目を引かないとさすがにカードが弱すぎて。わざわざ朝イチで買ったのに、毎回サイドアウトしています(笑) 引きたくもないし、二度と見たくもない(笑)」
--「『基本セット2015』リミテッドじゃないんだぞ、と(笑)」
伊藤 「ですね(笑) 相手のクリーチャー、特にダークジェスカイの《ヴリンの神童、ジェイス》《魂火の大導師》あたりに触るカードが欲しいので、次にこのデッキで出るなら《フェアリーの悪党》4枚を《スレイベンの検査官》2枚と《乱撃斬》or《焦熱の衝動》2枚にするでしょう」
■ サイドボードに《取り囲む地割れ》??
--「サイドボードを見てみると、1種類だけ見慣れないカードが採用されていますね。これは何用ですか?」
伊藤 「これはアブザンアグロやバント人間などとのマッチアップで使用します。地上と空での激しいダメージレース、飛び交う火力と除去、そして最後にこの《取り囲む地割れ》で1ターン稼いで勝利!!《カマキリの乗り手》でブロックしながら撃つこともできますし、見た目よりかなり強いカードですよ」
--「確かに除去の枚数も限られていますし、消耗戦に持ち込むのではなく、あくまでダメージレースで勝負しようということですね」
伊藤 「フロンティアには白い《濃霧》がこの《取り囲む地割れ》と《忌の一掃》しかないんですよ。《忌の一掃》だと人間カンパニーはもちろん、アブザンアグロの《始まりの木の管理人》《先頭に立つもの、アナフェンザ》に効かないので採用しました。」
--「スタンダードでも使われてない
伊藤 「0回です(キリッ 手札には来たんですけど《密輸人の回転翼機》で当然のようにディスカードしました。まぁ机上の空論だったということで(笑)」
■ 最後に、トップメタに勝ちたい方におススメ
--「最後に、このデッキはどのような人にオススメですか?」
伊藤 「4色ラリーやアブザンアグロといったトップメタに勝ちたい方におススメです!現スタンダードのカードが中心な上に神話レアが少ないので、今スタンダードの白青フラッシュを組んでる方ならすぐに組めると思いますよ。あ、でも《フェアリーの悪党》だけは本当に弱かったので入れないように!(笑)」
--「ありがとうございました。この後も頑張ってください!」
デッキをシェアしている鈴木 亨(東京)と2人揃って4-1という好成績で折り返したこのフライング・ジェスカイ。
「フロンティア」という新たな環境に一陣の風を吹かすことができるのだろうか?
※追記:伊藤 光英は7-2で17位、そして鈴木 亨は8-1で見事トップ8入りを果たした。使用者が2名とも好成績をたたき出したこのデッキ、ぜひお試しあれ。
2 《平地》 2 《島》 2 《大草原の川》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《尖塔断の運河》 4 《感動的な眺望所》 3 《シヴの浅瀬》 1 《戦場の鍛冶場》 -土地(22)- 4 《フェアリーの悪党》 4 《霊廟の放浪者》 2 《スレイベンの検査官》 4 《無私の霊魂》 4 《反射魔道士》 4 《呪文捕らえ》 4 《カマキリの乗り手》 -クリーチャー(26)- |
4 《稲妻の一撃》 4 《ジェスカイの魔除け》 4 《密輸人の回転翼機》 -呪文(12)- |
2 《払拭》 2 《乱撃斬》 2 《勇敢な姿勢》 2 《取り囲む地割れ》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《アラシンの僧侶》 1 《断片化》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《否認》 1 《沸き立つ大地》 -サイドボード(15)- |
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