準決勝: 田中 陽(東京) vs. 吉田 渓(東京)

晴れる屋

By Atsushi Ito


 300人いたプレイヤーも残りは4人。

 あの【10時間のアメリカ横断事件】が起きた【ワールド・マジック・カップ2012】から4年。当時の日本代表だった田中は、【BIGs】の一員として再びプロツアーの舞台に立つことを目指して戦っている。次週のグランプリ・千葉2016があくまでも本命ではあるものの、より質の高い経験を積む意味でも、ここで一勝でも多く積み重ねておいて損はないだろう。デッキは【第7期神決定戦】で挑戦者・平木も使用した流行の最先端、4Cデルバー。

 対する吉田はBMOレガシーvol.6でトップ4に残った経験もあるレガシーの強豪。一つのデッキにこだわらずに様々なデッキを使いこなすという点で、神・川北とタイプが近いオールラウンダーだ。今回は奇跡デッキを使用している。

 神の膝元で対峙した田中と吉田、勝つのはどちらか。



Game 1


 田中がワンマリガンながら先手1ターン目《秘密を掘り下げる者》、続くアップキープ《渦まく知識》で「変身」からさらに《秘密を掘り下げる者》をおかわり、という猛攻を見せる。

 しかし吉田は、落ち着いて《目くらまし》をケアした2ターン目に《Tundra》から《剣を鍬に》を打ち込んでうち1体を処理すると、次のターンにも《剣を鍬に》で丁寧に捌きにかかる。これによりクロックを失った田中は、互いに土地のみという場で数ターンもドローゴーせざるをえなくなってしまう。

 そしてそれは、「奇跡」デッキにとって望み通りの展開だ。

 さらに吉田が《師範の占い独楽》をプレイすると、場の均衡すらも崩れ始める。これに対しプレイされた田中の《意志の力》《対抗呪文》で退けると、吉田は続けてプレイされた田中の《瞬唱の魔道士》も3枚目の《剣を鍬に》でゲーム外へと追放し、あくまで田中に殴らせない。



田中 陽



 一方、3体目の《秘密を掘り下げる者》《終末》のナチュラル「奇跡」で捌かれた田中は頼みの綱の《真の名の宿敵》《対抗呪文》され、これを《意志の力》を切りながらの《意志の力》で手札を1枚にしながら追いかけるが、吉田はさらに《渦まく知識》からの《終末》で隙がない。

 やがて《僧院の導師》《相殺》《精神を刻む者、ジェイス》とフィニッシャーを畳みかけられた田中は、次のゲームに移ることを選択した。


田中 0-1 吉田



Game 2


 フェッチ3枚に《不毛の大地》《不毛の大地》《目くらまし》《苦い真理》という初手を見て田中が悩む。リソースカードである《苦い真理》は通れば莫大なアドバンテージをもたらす。そこから《渦まく知識》《瞬唱の魔道士》を引き込めれば、多すぎる土地もリソースに変わる。しかしその代償として初動は限りなく遅い。この微妙なジレンマを抱えた初手を、田中はマリガンすることを決断する。

 しかし結局3ターン目の《真の名の宿敵》《紅蓮破》で弾かれると、鉄壁の防御を見せる吉田を前に1ゲーム目同様クロックを定着させることができない。



吉田 渓



 《秘密を掘り下げる者》《剣を鍬に》で、《グルマグのアンコウ》もスタックの《渦まく知識》で積み込まれた《終末》で退場。

 そしてカウンター合戦の末に《僧院の導師》が着地すると、墓地の《突然の衰微》を再利用しようとした《瞬唱の魔道士》にスタックで《渦まく知識》、そして《瞬唱の魔道士》《意志の力》と重ねられ、代わりに手札から《突然の衰微》を打ち込んでどうにか《僧院の導師》を葬るものの、生成した2体のモンク・トークンが淡々と田中のライフを削り続ける。

 9。7。5。3。田中も吉田も、それぞれクリーチャーと果敢を誘発させるスペルをどちらも引けないままターンが過ぎ、田中のライフだけが削れていく。

 そして1。サイドインした《硫黄の精霊》を求める田中だったが、最後の最後までドローは役に立たないカウンターと土地ばかりなのであった。


田中 0-2 吉田



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