金川俊哉のGPミルウォーキー2016☆トップ8☆レポート

金川 俊哉



どもども、【はま屋】のはまさんです。

【グランプリ・千葉2016】では、【カードショップはま屋のブース】にいたので参加できませんでしたが、先日アメリカで行われた【グランプリ・ミルウォーキー2016】にプレイヤーとして参加してきましたので、その様子をレポートします。

と、その前に。

【グランプリ・千葉2016】では、たくさんの方にお声がけいただきましてありがとうございました!




想像以上に忙しく大体てんぱっていたので雑な対応しかできなかった気がしますが、「生放送見てます!」とか「応援してます!がんばってください!」とか声をかけてもらってめちゃ嬉しかったです。



■ 出発前

今回の【グランプリ・ミルウォーキー2016】はリミテッドのグランプリでした。

最近ではリミテッドのグランプリは新セット発売直後しか行われていないので、発売後少し経過してからの開催は久しぶりでした。

もっとリミテッドのグランプリを!!

実はもともと行くつもりはなかったんですが、諸事情によりアメリカに行くことになったのでついでに参加してきました。



■ 『カラデシュ』環境におけるシールド構築の雑感

Magic Online (以下MO) でシールドの練習して感じたことは、

【A】殴るアグロ系のデッキのほうが勝率が良いこと
【B】プールにある強いシナジーを見つけること
【C】レアの格差が大きいこと

こんな感じです。


【A】殴るアグロ系のデッキのほうが勝率が良いこと

一見強そうなコントロールデッキを作っても、よく序盤のクロックを捌けずに負けたりしましたが、逆に一見弱そうでもアグロデッキなら全勝したりしていたので、殴り得な環境っていう認識になりました。

コントロール系のデッキの勝率が上がらない理由としては、《改革派の貨物車》をはじめとする「機体」の存在があるかなと。


航空艇改革派の貨物車


特に先手の《改革派の貨物車》は、それだけでゲームに勝ってしまうこともあるぐらい強力な「機体」にもかかわらずコモンです。

コントロールデッキが序盤に展開された「機体」に対する解答があまりないのに対し、アグロデッキの場合は相打ちする or 殴りあうという選択肢があり、それもアグロデッキの勝率が高いことに関係しているかと思います。


【B】プールにある強いシナジーを見つけること

エネルギーデッキで強いカード、カウンターシナジーで有効に働くカードのように、この環境には特定のアーキタイプで強いカードが多いです。そのため、色があっていてもアーキタイプが異なるカードでデッキ構築をするとちぐはぐになってしまいます。


夜市の見張り亢進するネズミ


プール全体を見て強そうなシナジーを見つけてデッキ構築するのがポイントかなと。


【C】レアの格差が大きいこと

ひねっても使えないようなレアカードが多い反面で、強いレアカードはとことん強いです。

こればっかりは運なので神頼みぐらいしかないんですが、強力カードはアーティファクトなことが多いので、少なくともサイド後はアーティファクトに触れる準備はしておいた方が良いです。


害悪の機械巨人密輸人の回転翼機領事の旗艦、スカイソブリン


タッチでアーティファクト破壊を入れたり、そもそも色変えしたりっすね。


そんなこんなでデッキ構築の方針としては、

・強いレアを使いつつアグロ寄りのデッキ構築を行う
・可能な限りシナジーを重視する
・サイドプランで別軸のデッキ構築も考える

という感じで構築できればと考えていました。



■ グランプリ・ミルウォーキー2016・1日目


● もらったプール (右の写真はレアを抜粋)


画像をクリックすると拡大します。


● 作ったデッキ


画像をクリックすると拡大します。


レアとその他のカードの兼ね合いで、赤白系のデッキ以外に選択肢があまりありませんでした。

当初の方針としていた、強いレアを使いつつアグロで、なおかつシナジー (機体・エネルギー) を活かしたデッキ構築ができたため、かなり良いプールだったんではないかと思います。

ただ問題としては、他の色のカードが赤白に比べて非常に弱く、サイドプランで色を変えての軸変更が難しい点です。

今回は《霊気拠点》が2枚あったため、サイドボードからは相手に応じて有効なカードをタッチすることにしました。

強い「機体」がある相手には緑の《人工物への興味》を使ったり、ロングゲームを見据える場合には黒の《機械修復職人》に手を伸ばしたり、といった感じです。


人工物への興味機械修復職人


あとは、確定除去が1枚もないため基本的に押し込むことを重視してデッキ構築を行いました。

受けたらどうせ弱いので、全部先手を取れば勝てる!ぐらいの先手構築を行ったわけです。結果は先手2回の後手5回でしたが……。

明確に構築ミスだったのは《鋳造所の隊長》を入れなかったことです。


鋳造所の隊長


アーティファクト生物もあまりいないし、《霊気装置トークン》もそこまで出ないので強く使えないと思ってメインボードでの採用を見送りましたが、《密輸人の回転翼機》が4/4になったり、《改革派の貨物車》が攻撃時6/5になるのはかなり強く、2/3という本体自身のスペックも悪くなかったのでメインボードに入れるべきでした。

入れ替えの候補は、先手と後手で強さが違う《博覧会の歓迎者》でしょうか。


博覧会の歓迎者


実際にこのデッキを使ってみた感想としては、《渦跡の鷹》《亢進する地虫》などのエネルギー生物を複数採用しているため、エネルギーが余りやすく、《気ままな芸術家》などで後半色々な生物が速攻を持ったり、《霊気拠点》から色マナを出しやすくデッキ全体が安定していました。

2枚の《変速の名手》と3種の「機体」は見た目通りに強い組み合わせで、特に《楕円競走車》は6/1トランプル・速攻・先制攻撃というスペックになりかなりの活躍を見せてくれました。


● 1日目結果

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1BYE
Round 2BYE
Round 3白緑 〇〇
Round 4白赤緑 〇〇
Round 5赤緑 〇×〇
Round 6白青緑 〇×〇
Round 7青白 〇×〇
Round 8緑黒 〇〇
Round 9赤黒 ×〇〇


なんと初日9-0することができました!



※ツイートは【Magic Pro Tourアカウント】より引用させていただきました。


そこそこいいデッキっぽいかなと思っていましたが予想よりデッキが強かったのと、単純についてた気がします。

前日誕生日だったのできっとそのおかげですね。

ハッピーバースデートゥーミー!


問題は2日目です。

ニコニコ生放送で【はまさんのニコ生】っていう放送を結構な頻度でやっているんですが、そこでちょっと前に「初日ブッディ」というありがたいあだ名を付けてもらったくらいに初日は結構強いんです。

しかし2日目はボコボコという流れが最近続いていまして、先日BIG MAGIC所属プロの瀧村 (和幸) さんにも「初日強いのになんで2日目勝てないんですか!しっかりしてくださいよ!」と激励してもらったので、今回の2日目はがんばりたいなと思っていました。

ただ2日目はドラフトなんすよね。

シールドはMOで結構練習したんですけど、MOのドラフトで8-4という賞品体系のドラフトがなくなってからは一切ドラフトしておらず、全く自信はありません。

【晴れるーむ屋合宿】の僕の結果を見てもらえればどんだけ不安か分かってもらえるかなと……。あまりの不安から、2日目の朝3時ぐらいからニコ生で付け焼刃的な練習をしたものの不安は増すばかり……。



■ グランプリ・ミルウォーキー2016・2日目


● ファーストドラフト

細かいシナジーより強いカードを取って2-1デッキ×2を目指そうと思って挑んだファーストドラフト。

強いレア強いレア強いレアと祈りながらの最初のパック。


腹黒い意志


レアは《腹黒い意志》……強いかもしれないけど、こんなの取っても絶対使いこなせないと思いアンコモンの《機械修復職人》をピック。

3手目に《たなびき織りの天使》《蓄霊稲妻》の2択で《たなびき織りの天使》を取って白黒路線でピックを進めていましたが、非常に流れが悪く全くデッキになる気配がありません。


たなびき織りの天使蓄霊稲妻


1パック目の9手目で、1周したパックから白のカードが4枚なくなっており、白が完全に失敗だったことが判明しますが後の祭り。

その後極力別の色に逃げられるようにアーティファクトを中心に取っていたのですが、全く逃げられずピック終了。

3パック目の12手目ぐらいに《蓄霊稲妻》が流れてきて (!) 、赤の安さがうかがえます。

後で対戦して分かったのですが、上家 (ドラフトテーブルの右の人) が白黒でした。そら周ってきませんわ!

ピックが終わった瞬間の僕の表情は「無」でした。

このままだと0-3濃厚なので、なんとか1勝をもぎ取って未来を繋げるために気合いを入れ直しデッキ構築。

……っと、気合いを入れてもピックしたカードは変わることなく、目の前にあるのは絶望と現実。

しょうがなく現実を受け入れてデッキ構築開始。

デッキがアーティファクト中心だったので、ある程度色マナに余裕あるやんてことで、12手目ぐらいに周ってきた《蓄霊稲妻》もぶっこみ、後はマナコスト順にカードを並べ、一度も使ったことのない《破砕踏歩機》に希望を託し、デッキ構築を終えました。


破砕踏歩機


完成したデッキはこんなんです。



画像をクリックすると拡大します。


ペロっ……これは0-3……。

長年の経験から高確率で0-3しそうだと思っていました。ただ0-3してしまうとトップ8の目もなくなるので、「《燻蒸》で無茶苦茶してなんとか1勝を!」を合言葉にがんばることにしました。


● ファーストドラフト結果

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 10青緑 ×〇〇
Round 11白黒 〇×〇
Round 12赤緑 〇×〇


奇跡!!

特に最終戦の赤緑は《反逆の先導者、チャンドラ》《焼却の機械巨人》入りのスーパーデッキだったんですが、《森》7枚・《山》1枚で止まり<赤><赤>が永遠に出ずに勝ちとミラクルラッキーボーイでした。

年齢的にボーイじゃねーだろ!ってつっこみはニコ生のコメントでお願いします。



● セカンドドラフト

12-0という奇跡的なスコアを叩きだしつつも不安しかありませんでした。

僕をパ〇プロの特殊能力的な形で表すとこんな感じです。


はまさんの特殊能力 評価
初日
アグロ
コントロール×
チャンス×
バブル×


ここ最近バブルマッチで負け続けてたこともあり、自信はゼロでした。それでもデッキが強ければ!と挑んだ2回目のドラフト。



画像をクリックすると拡大します。


リアルに嗚咽が出るデッキが完成。こんなはずでは……。

初手《改革派の貨物車》、2手目《光袖会の職工》からアグロ系のデッキを構築するつもりが、3手目に流れてきた《雲先案内人》に、《ドビン・バーン》で白青のコントロール気味のデッキになりかけ、最終的にはなぜか白緑の中途半端なデッキに……No Showでもいいので何とか1勝をもぎ取りたいと挑んだ結果は……。


● セカンドドラフト結果

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 13赤黒 ××


瞬殺でした。普通に負けそうなのに《反逆の先導者、チャンドラ》が出てきたりでド圧敗。

大学生 VS 小学生ぐらいの力の差がありました。


ただ本当に一瞬で負けたので、この間にサイドプランを考えることに。青のカードが結構あったのでこんなプランを考えていました。



画像をクリックすると拡大します。


青白嘘飛行ビート!3枚の《速接会の翼鍛冶》で勝ちにいくプランです。これでなんとか1勝を……と意気込んで挑んだ14回戦。


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 14緑多色 ×〇×


ぐおおおお!崖っぷち!!!

特に3ゲーム目はデッキを青白に変えて、《ドビン・バーン》の「-7」能力を使った上で飛行に削りきられるという負け方。

ちなみに飛べない《速接会の翼鍛冶》が2体モジモジしていたのは秘密です。


速接会の翼鍛冶速接会の翼鍛冶


仲間の羽もぎ取ってでも飛べよ!って思いながら投了しました。

これで本当の本当に崖っぷちになったんですが、今までバブルではじけすぎていたせいで、まぁ負けたらまた次がんばろうぐらいの気持ちで迎えた最終戦。


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 15赤白 〇〇


ライフ1・盤面でブロッカー足りてない絶体絶命の状況から《高木背の踏みつけ》で逆転したりと奇跡に次ぐ奇跡で祝・勝利!


高木背の踏みつけ


トップ8入賞と共にプロツアー『アモンケット』への参加資格を得ることができました。前回プロツアーに参加したのが【プロツアー『運命再編』】なので、約2年ぶり。



※ツイートは【Magic Pro Tourアカウント】より引用させていただきました。


実際結構嬉しかったんですが、その後色んな国の友達がメールくれたり、電話くれたり自分のことのように喜んでくれる友人が結構いて、権利が取れたことよりもそっちのほうが嬉しかったです。ちょっと泣きそうでした。

そこで使い果たしたってわけでもないですが、決勝ドラフトは半分寝てる頭で謎デッキを作り1没。僕に勝った方がそのまま優勝していきました。

決勝ドラフトで使ったデッキは公式サイトに載っているので、【こちらのページ】を見てください。



■ まとめ

後半本気でへろへろだったので、体力づくりとダイエットが来年の課題かなと。毎回言っている気もしますが……。

今回出発前にちょうど【晴れる屋スリーブ】が切れていたので、コガモ (津村 健志) さんにシールド用に2個とドラフト用に3個 (1回目・2回目・決勝用) で5個もらっていった分を全部使い切れて良かったです。




なんだかんだ色々ありましたがそれなりに良い結果が出て良かったです。

来年もちょいちょい海外グランプリを周っていくつもりなので、応援してもらえたら幸いです。

あと、また機会があればグランプリでブースも出していきたいので、【はま屋】もあわせてよろしくお願いします!

ではでは~。


はまさん



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