いよいよ幕を開けた年末の祭典、『The Last Sun 2016』。4度目の開催となった本イベントの会場には全国で開催された予選通過者をはじめ、「生涯プロポイント100点以上」「プロ・プレイヤーズ・クラブのシルバー以上」など厳しい条件をクリアする錚々たるメンバーが集っていた。
その第1回戦。フィーチャーエリアへ呼ばれたのは山本 賢太郎(東京)。
言わずと知れた【Team Cygames】所属のゴールドレベル・プロである彼が、先日の【グランプリ・千葉2016】で初のグランプリ優勝を果たしたことは記憶に新しい。
同時に、山本は『The Last Sun』の初代チャンピオンでもある。本大会での自信の程を窺うと、「いけそう」と言葉少なに答えてくれた。
相対するは池田 貴浩(東京)。
自身もグランプリマネーフィニッシュなどの経験を持つ池田はレガシー界のカリスマプレイヤーである斉藤 伸夫や、第2-3期スタンダード神の瀬尾 健太、【The Last Sun 2015】トップ8進出経験もある中川 探吾など、関東の強豪プレイヤーたちと親交が深い。
今日は瀬尾 健太直伝の「ジャンド《霊気池の驚異》」を持ち込んでの参戦とのこと。
『The Last Sun 2016』の初戦を制すのは果たして――!?
山本 賢太郎 vs. 池田 貴浩
Game 1
先攻の池田が素早く《霊気との調和》、《導路の召使い》とプレイして順調にエネルギーを貯める。対する山本はこの《導路の召使い》に《蓄霊稲妻》を合わせる立ち上がり。
だが、池田はトップギアだ。《織木師の組細工》でさらなるエネルギーを得て、第4ターンに《霊気池の驚異》を叩きつける!
ライブラリートップ6枚の中に潜んでいた《絶え間ない飢餓、ウラモグ》がプレイされると、山本は素早く投了を宣言した。
池田 貴浩
山本 0-1 池田
Game 2
山本が《霊気との調和》でスタートを切ると、池田もそれを追うように《霊気との調和》。さらに《織木師の組細工》で山本に先んじてエネルギーを蓄え、続く山本の《不屈の追跡者》は《蓄霊稲妻》で処理。第2ゲームも池田が序盤のペースを握る。
山本が第4ターンに《反逆の先導者、チャンドラ》をプレイしたのに対し、池田がプレイしたのは《霊気池の驚異》! さっそくこれを起動すると、《約束された終末、エムラクール》が戦場に舞い立つ。
続く山本のターンを得た池田。まずはと冷静に《進化する未開地》を起動してライブラリーの中身を精査し、《否認》や《世界を壊すもの》といったサイドボードカードを確認。《反逆の先導者、チャンドラ》でマナを出しながら山本の手札を順調に消耗させ、その手札にあった《蓄霊稲妻》でエネルギーも枯渇させる。
やりたい放題にリソースを奪われた山本は《墓後家蜘蛛、イシュカナ》をプレイするが、池田は意にも介さない。《約束された終末、エムラクール》で山本を攻撃し、早期決着を目指していく。
だが、山本は綱渡りのような選択肢の数々から最適解を選び続ける。《反逆の先導者、チャンドラ》でわずかに池田のライフを削りつつ、その忠誠度を7へ。
さらに《発生の器》で土地を得て、池田の攻撃には蜘蛛トークンと《墓後家蜘蛛、イシュカナ》でギリギリ耐える。
やがて機が熟すと、山本は《反逆の先導者、チャンドラ》によって2マナを得ながら満を持して手札から《約束された終末、エムラクール》をプレイ! これには池田も思わず目を丸くする。
池田の手札から《餌食》を唱え、自身の《約束された終末、エムラクール》を生け贄に捧げさせると先刻のお返しと言わんばかりに一挙にリソースを奪う。
一転して苦境に立たされた池田。山本の《反逆の先導者、チャンドラ》はすでに忠誠度を8も蓄え、今すぐに処理したいところだが、エネルギーも手札も浪費させられてしまっており解答がない。
手掛かりトークンを手繰ってなんとか反撃の糸口を探る池田に、山本は猶予を与えることなく《反逆の先導者、チャンドラ》の「-7」能力を起動。さらに《墓後家蜘蛛、イシュカナ》で万全の防御態勢を築いて山本が華麗な逆転劇を見せた。
山本 1-1 池田
Game 3
第1ゲームと同様に池田が《霊気との調和》《導路の召使い》とプレイしてエネルギーを蓄え、山本が《導路の召使い》に《蓄霊稲妻》を刺す。
異なる展開を見せたのは第4ターンだ。池田がプレイした《霊気池の驚異》に対し、山本が手札からプレイしたのは《否認》!
先の第2ゲームで見ていたカードとはいえ、マッチでは初めて突き付けられるこの打ち消し呪文に思わず池田も痺れ、山本はその隙を見逃すことなく一息に《墓後家蜘蛛、イシュカナ》と《霊気池の驚異》を並べ立てる。
山本 賢太郎
池田「強いw」
苦笑しつつそう漏らし、山本の《墓後家蜘蛛、イシュカナ》への明確な回答を持たない池田はプレイした《不屈の追跡者》で蜘蛛トークンをブロックしつつ手掛かりトークンを生け贄に捧げ、巻き返しの手立てを探る。しかし、山本の蜘蛛トークンや《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を除去すれば今度は《霊気池の驚異》の誘発型能力によってエネルギーが溜まっていく。
このダブルバインドに不自由な展開を強いられる池田が《知恵の拝借》で山本の手札を覗き見ると、そこには《否認》と《儀礼的拒否》が。生殺与奪の権利は完全に山本が握っているのだと認めざるを得なくなった。
常に手札にカウンターを構えながら手札とライブラリーから次々に《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を呼び寄せる山本。ついには8体以上の蜘蛛を携えるに至り、《霊気拠点》から黒マナを得、その起動型能力を以て池田を介錯した。
山本 2-1 池田
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