瀧村 和幸(東京)と瀬尾 健太(東京)。片やプロツアーチャンピオン、片や第2期・第3期スタンダード神といった取り合わせは一見してあまり接点がなさそうだが、意外にも彼らはもう2年以上の仲なのだという。
瀬尾「(知り合ったのは)2年前の『The Last Sun 2014』でしたっけ。あの頃はまだプロツアーチャンプになる前でしたね。瀧村さん、遠くに行っちゃったな……」
瀧村「まあまあ長いね。瀬尾くんは最近どう? RPTQは?」
2人とも明るく接しやすい人柄なこともあって、歓談に話が咲く。だが、どちらも実績十分の強者だ。フロアにジャッジによるゲーム開始のアナウンスが流れると、一転して勝負師の顔に……
……はならず、和やかな雰囲気のままゲームが開始した。
瀧村 和幸 vs. 瀬尾 健太
Game 1
先攻の瀧村が《査問長官》。対する瀬尾は《霊気との調和》。
瀧村「それね~(笑) まあ、らしいっちゃらしいか」
瀬尾「前環境でもずっとランプ使ってましたからね」
互いに“キャラ”なデッキ選択だ、と笑いを交わす2人。だが、瀧村が《査問長官》の能力を起動し自身のライブラリーを削ると、一瞬でゲームは佳境を迎えることとなる。
ライブラリートップからめくれたのは《憑依された死体》や《屑鉄場のたかり屋》、《コジレックの帰還》という強すぎる3枚! 瀬尾も思わず「うわっ」とやや引き気味に声を上げる。
さらに《ウルヴェンワルド横断》によって《老いたる深海鬼》を手札に加えた瀧村は、返す瀬尾の第2メインフェイズ終了時に《憑依された死体》の能力を起動。コストで手札の《秘蔵の縫合体》2枚を捨て、一挙に誘発!
わずか3ターン目にして《憑依された死体》、スピリットトークン、《査問長官》、《秘蔵の縫合体》×2という圧倒的な盤面を築き上げた瀧村は続く瀬尾のアップキープに《老いたる深海鬼》をプレイ。
土地とマナクリーチャーを全てタップさせ、瀬尾が何もできずにターンを終えるや否や13点クロックの猛打を浴びせる。
瀧村 和幸
瀬尾にとっては最後のターン。打開策への希望を込めてライブラリートップに触れると、瀧村が一言。
瀧村「あ、アップキープに」
2枚目の《老いたる深海鬼》が瀧村に完全勝利を届けた。
瀧村 1-0 瀬尾
Game 2
第1ゲーム同様、瀬尾が《霊気との調和》、瀧村が《査問長官》と動くが、この《査問長官》には瀬尾の《蓄霊稲妻》が刺さる。
ならばと《密輸人の回転翼機》をプレイする瀧村。対する瀬尾は《導路の召使い》をプレイして次ターンに備えるが、瀧村が《精神背信》でその手札を検閲。
《墓後家蜘蛛、イシュカナ》2枚と土地、という手札を見て、まずは《霊気池の驚異》がないことに胸をなでおろしつつ《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を1枚取り除く。
だが、《査問長官》への《蓄霊稲妻》で出鼻をくじかれた瀧村はなかなか第1ゲームのような展開ができない。そして、そうした滑り出しの遅いゲームは瀬尾の「赤緑《霊気池の驚異》」にとっては独壇場だ。
「昂揚」が達成され、手札に残されたもう1枚の《墓後家蜘蛛、イシュカナ》が仲間を伴って戦場に降り立つと、瀧村の戦線は完全に膠着。瀬尾はこの隙に《蓄霊稲妻》を空撃ちしてエネルギーを蓄え、一言。
瀬尾「行きますよ」
瀬尾 健太
満を持してプレイされる《霊気池の驚異》!
これは瀧村の《儀礼的拒否》によって打ち消されてしまうも、盤面は依然瀬尾優位。続くターンの全軍攻撃と《墓後家蜘蛛、イシュカナ》の起動型能力が瀧村のライフを素早く奪い去った!
瀧村 1-1 瀬尾
Game 3
1マリガンの瀧村が渋い顔をしながらキープし、土地を並べ続けて3ターン目に《査問長官》を呼び出す静かな立ち上がり。
対する瀬尾も同様に《発生の器》をプレイしながら《集団的抵抗》で《査問長官》を除去。続く瀧村の《秘蔵の縫合体》には《反逆の先導者、チャンドラ》をプレイして「-3」能力で焼くリアクティブな展開を見せる。
瀧村はなかなか土地を引かず、色マナの調達に苦労する展開が続く。反対に、瀬尾は徐々に墓地が肥え、土地が伸びていく。墓地のカードタイプを数えはじめ、《反逆の先導者、チャンドラ》の上に載ったダイスを手繰って2マナを得ると、《約束された終末、エムラクール》がプレイされる。
万事休す。ターンを奪い取られた瀧村はそのまま手札と墓地のリソースを食いつぶされ、《約束された終末、エムラクール》に飲み込まれることとなった。
瀧村 1-2 瀬尾
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