Round 5: 藤村 和晃(大阪) vs. 松本 郁弥(石川)

晴れる屋

By Hiroshi Okubo


 【グランプリ・京都2016】で平見 友徳、原根 健太とともにトップ4進出を果たし、続く【グランプリ・シンガポール2016】で優勝を果たした松本 郁弥(石川)。

 これまで【グランプリ初日全勝を数回】経験しているものの、悔しくもあと一歩が届かずトップ8には届かなかった彼にとって2016年はブレイクの1年となった。この『The Last Sun 2016』でもここまで3-1で初日スタンダードラウンドを終えている。


 そして、そんな松本の前に立ちはだかるのが藤村 和晃(大阪)。

 「かずあき」あるいは「レインボー」の愛称で親しまれるプレイヤーで、過去には【グランプリ・静岡2014】トップ8、【グランプリ・名古屋2016】トップ4などグランプリ上位入賞の実績を持ち、プロツアー参加経験もある西の強豪だ。

 つい先日開催された【プロツアー『霊気紛争』地域予選 大阪大会】でも愛機・ジャンドを駆り見事にトップ4へ進出。プロツアー権利を獲得したばかりだ。


 松本と藤村。もともとはPTQ遠征や海外グランプリの会場などでよく顔を合わせ、先述の原根や平見といったメンバーとともに親しい間柄であるという。ともすればマッチングすれば煽りや冗談の一つも飛び交いそうなものだが、席に着いた松本はどこか苦い表情を浮かべている。

松本「いや、僕のデッキ、ジャンドめっちゃキツイんですよ……」

 ジャンドを苦手とするデッキで、ジャンド巧者の藤村とマッチアップされる不運。松本はどう立ち回るのだろうか?


藤村 和晃 vs. 松本 郁弥
藤村 和晃 vs. 松本 郁弥




Game 1


 まずはとグリクシスコントロール操る松本が《コジレックの審問》で動き出すと、藤村が顔をしかめながら手札を公開し、思わず「マリガンしときゃよかったなぁ」と漏らす。

 公開された《終止》《タルモゴイフ》《ヴェールのリリアナ》という手札から《ヴェールのリリアナ》を抜き取った松本は、第2ターンに藤村がプレイした《タルモゴイフ》にすかさず《戦慄掘り》を合わせる。


松本 郁弥
松本 郁弥


藤村「懐かしいもん入ってんなぁ」

松本「情だからね、このデッキw」

 そんな会話が繰り広げられたかと思うと、藤村が3ターン目にプレイしたのは《ヴェールのリリアナ》! グリクシスコントロールにとってはかなり厳しいこのプレインズウォーカーに対し、松本も素早く《稲妻》《コラガンの命令》の合わせ技で対処する。

 が、ここで藤村のトップデッキ《ヴェールのリリアナ》


ヴェールのリリアナ


 この《ヴェールのリリアナ》に対処することができない松本は解き放たれた「-6」能力によって勝利の芽を摘み取られてしまうのだった。


藤村 1-0 松本


Game 2


 後攻の藤村が《コジレックの審問》をプレイ。松本の手札から強烈なアドバンテージ源である《コラガンの命令》を抜き去り、続けて《闇の腹心》《ヴェールのリリアナ》と展開する。

 松本も負けじと《苦い真理》でアドバンテージを稼ぎながら《瞬唱の魔道士》をプレイし、2点クロックで《ヴェールのリリアナ》を詰めるが、藤村は意にも介さず《タルモゴイフ》を追加して一気に松本のライフを削っていく。

 しかし、なんとか5マナに辿り着いた松本がプレイしたのは《嵐の神、ケラノス》


嵐の神、ケラノス


 ここまでに《闇の腹心》のペイライフと土地からのダメージでライフを失っている藤村。この強烈なジャンドメタカードの登場に勝負を急がざるを得ない。

 《闇の腹心》《タルモゴイフ》で攻撃しつつ2枚目の《タルモゴイフ》を並べ立て、松本がプレイした《黄金牙、タシグル》には即座に《終止》


藤村 和晃
藤村 和晃


 松本も懸命に藤村のライフを攻めるが、《闇の腹心》のアドバンテージ分だけ藤村の爆発力が勝る。ライフレースは2対1までもつれ込むが、用意したブロッカーが《終止》《大渦の脈動》で除去されてしまうと松本は静かに土地を片付け始めた。


藤村 2-0 松本


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