神と挑戦者の読み合い: スタンダード編

晴れる屋

By Kenji Tsumura


 この神決定戦の醍醐味は、デッキの読み合いが発生するということにある。

 何せ対戦相手は1人。多くの対戦相手が駆る様々なデッキと戦う必要がある普段のトーナメントと違い、ただ1人に勝てばいいのであって、極端な話相手のデッキが75枚わかっているなら、それをガンメタすることすら正当化される。

 そんな状況で。はたして『神』は、『挑戦者』はいかなるデッキを持ち込むのか?

 ここでは互いのデッキについての2人の事前予想を聞いてみよう。



Q1.対戦相手が持ち込んでくるデッキは何だと思いますか?
  また、その理由は?


高橋:

エスパードラゴンか4色ラリー。

こちらがダークジェスカイを使ってくると予想して、それに有利なデッキ選択をしてくるはず。

私の【The Last Sun 2015プロフィール】で「アブザンに有利」と書いたし、アブザンは持ち込んでこない。

また、ダークジェスカイのミラーマッチはプレイスキルの勝負になるので挑んでこない読み。




和田:

ダークジェスカイ。

デッキに名前を付けていたから。




Q2.それによってデッキ選択やカード選択に変化がありましたか?
  また、あったとすればそれはどこですか?


高橋:

アブザンに強いが他には弱い《焙り焼き》をサイドにし、メインに《軽蔑的な一撃》3枚。

おそらくアドバンテージの取り合いになるため、長期戦を見据えて《時を越えた探索》をメインに4枚、《苦い真理》をメインサイドで合計4枚に。

また相手も《苦い真理》を多い枚数使ってくるだろうと予想して、《払拭》ではなく《否認》《強迫》をサイドに。




和田:

《死霧の猛禽》《見えざるものの熟達》《進化の飛躍》など、

ダークジェスカイでは対処不可能なカード群をフィーチャーした緑白エンチャント・メガモーフ。




Q3.自信のほどはいかがですか?

高橋:

神のみぞ知る。




和田:

対戦相手がダークジェスカイを選択することにオールインしました。

ダークジェスカイなら勝ちます。そうでない場合、彼の勝ちです。






 まさかまさかの「ダークジェスカイ」一点読み。


 『神』・高橋が比較的手広い構成に仕上げてきた一方で、『挑戦者』・和田は、この大一番で実に大胆不敵な戦略を取ってきた。

 これほどまでに尖らせた戦略を選ぶには、もちろん大きなリスクが伴うものだが、歴戦の勇士である和田はそれを百も承知で一点読みに踏み込んだ。

 「リスト非公開の1対1」という特殊なフォーマットを採用している『神決定戦』では、互いのアーキタイプが判明するまでの序盤の数ターンになんとも言えない独特の緊張感がある。

 対戦相手の一挙一動がメッセージとなり、その「答え合わせ」の瞬間が訪れるとき、両者の明暗はくっきりと分かれることになるだろう。

 読者のみなさんも、ぜひその緊張感と臨場感を、高橋・和田の両名と共有してもらえれば、この試合をより一層楽しんでいただけるのではないかと思う。

 初の防衛か、それとも初のタイトルか。間もなくその「答え合わせ」が始まろうとしている。






○当日の生放送について

1/11(月・祝)は、神決定戦の全マッチを実況・解説付きで生放送!

・「神決定戦」放送予定スケジュール

イベント名 放送開始時間 対戦開始時間
第5期スタンダード神決定戦13:3014:00
第5期モダン神決定戦16:3017:00
第5期レガシー神決定戦19:0019:30